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揚げちゃいました 扱いが雑になる

「そういえば店長」

「どしたの?」

「お祝いーというか、健康祈願というか、なんでそれをするのに模擬戦だったんですかね?」

「それは私に聞かれてもわかんない、国によってお祝いとか健康祈願の方法とか違ってくるし、元気を分けようとかそういう感じ…じゃないかなぁ?

最近は割と平和で野生動物やら魔物の間引きを除けば窃盗とかそういうところでしか活躍出来てない状態だし、色々持て余してる騎士団やら一般兵のガス抜きも兼ねてという感じがしないでもないけど」

「窃盗くらいしかないのは平和な証拠…なんですかねぇ?窃盗すらないのが一番いいですけど」

「色んな人が入り混じって暮らしている以上それは無理だろうね、何も窃盗はお金がない人だけがするって物でもないし、小さい軽犯罪とかそういうのも含めるとゼロにするってのは絶対と言っていいほど無理なのよね。

だからあまりにも小さすぎる物、道端に落ちてる小銭をポケットに仕舞ってもよほどの事がない限りは誰も追及しない、まあこの国の法律だと取得物横領とかそんなのは無いけど」

「無いのかー…落とした人は困ったりしないんですかね?」

「困るだろうけど、大金を持ち歩く人ってそうは居ないし、高い装飾品だなんだと身に着けてる人は馬車で移動してお目当てのお店と自宅しか行き来しないから落としたとしてもすぐ見つかる。

というよりはまあ当然っちゃ当然なんだけど、落としたところで家宝とか形見の品でもない限りほとんどの人が気にしない、一般的な庶民もお金は大事だけど落としたら困るほど持ち歩かないというか、買い物の時に不足分が出ない様に気持ち大目にってくらいだから買い物前に財布を落としたとしても銀貨1枚か大銅貨7枚か8枚くらいで、1日の食事を抜けばそれで取り返せるからそれほどねー、買い物前に落とす人ってあまり居ないけど。

貴族に関してはぼちぼちお金が余ってるから落としたところでお気に入りだったらまた買えばいいとかそんな感じ、道端で落とした場合は拾った人が詰所に届けてくれたら貴族によっては何かお礼があるかもねってくらい」

「あるかも程度だと換金する人が多そうですねぇ…」

「貴族が落して庶民が拾う、宝石店等にこれ拾ったんだけどいくらって持ち込んで売る、また同じか別の貴族がそれを買う、似たような物はいくらでもあるので落とした人は気にしない、買い取る店も何も気にしない」

「それでいいんですかねぇ?」

「家宝でもない限りはそんな物よ、家宝を身に着けてその辺の道を歩くとかまずしないけどね、大事な物を身に着けるとしたらそれ相応の場、つまり落としたとしても帰ってくる、着服した貴族がいたとしたらそれはそれで着服した側の評判が思いっきり落ちるからやっぱり帰ってくる。

盗んだり拾った物を自慢するとかどれだけ卑しいやつなんだ?って感じで凄い落ちるし、それにどれだけみすぼらしい物だったとしても家宝である以上はねー、その場にいた貴族が全員口裏を合わせない限りは必ず炙り出される仕組み」

「それはそれで怖いですねぇ、なんか貴族なら元からこれは俺の物だ私の物だって言いそうですけどそうじゃないんですね」

「全員口裏を合わせない限りそれは無理だし、お金があるなら宝石店なりなんなりで一品物を作って貰えばいいだけだし、他人の物を欲しがる時点でそれはどうなんだって目でまず見られる、奪おうとしたら卑しいやつだって目で見られる、実際に奪ったり着服したりすると貴族中にこいつが来ると装飾品やらなんやらが盗まれるぞっていう話が一気に広まる、最終的に夜会やらなんやらの公の場に呼ばれなくなって、そんなところに嫁がせよう嫁いでもらおうなんて人も居なくなって最終的にお家が潰れる。

お金が有り余っていればまあ大商人の娘なり息子なりを貰って存続ーっていう考えも出るけど、それはもうほぼ最終手段だし、商人側も周りの貴族から完全に縁を切られたに等しいところと関係を持つわけだから…本当にその場の一時しのぎにしかないしもういっそ逆に商人側に財産全部持って嫁いで行ってお家取り潰しの方がいいまである、そんな感じで取得横領っていう法がなくてもお金や立場がある人には結構厳しいのよー?逆に庶民に対しては優しい」

「変なところで吊り合いが取れているのかそうでないのか…うーん…」

「まあ、犯罪と決めている物に関しては捕まり次第犯罪奴隷になるから法が緩いって事もない、許されるケースも有るといえば有るからガチガチかといえばそうでもなかったりで難しいけどね」

「やっぱりよくわかんないですね」

「国どころか住んでる世界自体が変わればねー、それなりに暮らしてはいてもやっぱり長く生きてきた法の知識やなんやらで照らし合わせようとするからどうしてもね」

「なるほど…確かに元々住んでいたところの知識や道徳やらで考えるってのはありますね、え?そんな事で?ってのも結構あるし」

「郷に入っては郷に従えって言葉を知ってるだけでも大分変わってくるんだけどね、はい、今日のお昼はナマズとエビのフライドバーガー」

「フライドってそういう…バーガーその物のフライって美味しいんですかね?」

「パンの中まで油でたっぷりって事もなく表面だけサクサクだからパン自体はカレーパンみたいなものよ」

「んー…確かに表面はサックサクでバンズはふかふか、大きさもそれほどで段数もないので食べやすくて美味しい、フライの中にフライが入ってるのはどうかと思いますけど」

「ナマズとエビは砕いて成形してあるからねぇ、つなぎも入れてるからソテーとかムニエルでもいいんだけど、ちょっと崩れやすいからフライにして補強をね?」

「あー、ソテーとムニエルだとフライのサクっとした食感は味わえませんよね、ちょっと湿気でふにゃっとはなってますけどそれで丁度良いといいますか、ナマズバーガーはサクサクふわふわ、エビはサクサクぷりぷりで…でもピクルスとか玉ねぎなんかは入ってないですね」

「入れてもいいけどそれだと玉ねぎに火が入ってシャキシャキ感がねー、火が通ったのは甘味が出ていいんだけど、挟むなら普通のバーガーに生玉ねぎよね」

「へにゃーっと食感のない玉ねぎはバーガーだとなんか微妙ですよねー…んまい…疲れた体に油が全身を駆け巡ってる感じがするぅ…」

「交代はしてたけど昨日まで休み無しのフル稼働状態だったしね、お昼食べて片付けが終わったら2日ほど休みね」

「やったぜ」


「あー…休みだとわかってちょっと食べすぎた…」

「休みは関係ないんじゃないかなぁ…翌日が仕事でも間違いなく同じ量を食べてただろうし…」

「情けで気分的に休みのせいという事にしておいてください…うぉーっぷ…ふぅ…無理に動いたらこれは出てくるな…」

「迎えが来てもこれはしばらく馬車に乗れないね」

「乗ったら最後僅かな揺れで確実に逝ける、満腹状態でも水は入るというけど今は無理とはっきり言える…っぷ…ぅぁー…」

「タカミヤが完全におっさんになってる…いくら美味しいとはいっても加減はしないとまた太るよ?メイドさん達とまた一緒にマラソンする?」

「店長が作るお昼美味しいしおかわり頼むといくらでも出てくるんだもん…でー、食べ過ぎる原因になった店長はいずこ?」

「店長は原因じゃないんじゃないかなぁ…タカミヤの食い意地が原因なだけで…」

「店長なら事務所の方に行きましたよ、カレーやらお持ち帰り用の特上盛り合わせやらの請求書を作るって」

「あれいくらくらいになるんかねぇ?三日三晩煮込んだ後さらにペーストになるまでーで1週間近く休みなしでフル稼働状態だったし、売るなら普通の人の1人前で中銀貨1枚だったか2枚だったか…それのティタノからハーフ等の大小色んな種族を含む3000人前だから…わかんないや」

「3000人前とはいっても鍋に詰めていった量からして最低5000人前からはありましたし、その売値のままでいくと大金貨5か10ですね、つまり5億から10億」

「うわぁ…私の給料の何年分だ…」

「1月大銀貨5枚という破格の給料ですのでボーナスなどの特別支給を抜けば大体83年くらいですね、ちょうど100歳くらいまで働けば達成出来ますよ?その間も出費はあるのでいくら手元に残っているかは知りませんけど」

「はっはっは、貯金なんてほとんどないぜー、フィギュアにゲームに漫画にと結構買ってるからなぁ…後向こうとこっちのお金の価値がねー…違いすぎてねー…こっちで50万稼いでも向こうの価値に換算して、それも甘々の大甘に見て貰って20から30万だし、フィギュアとか色々買い込んでるとすぐなくなるよねー?って」

「それは計画性がなさすぎなだけだと思う」

「一度集め始めたらあれも欲しいこれも欲しい、買い逃さないようにー…ってなっちゃうんだよねー…」

「あのフィギュア衣装違いだけで何種類出すんでしょうね?もう軽く100体を超えてますけど」

「通常バージョンに水着にブルマにジャージにバニー、メイドにポーズ違いに髪型違いにスケール違いに、さらに幼少期バージョンの各種衣装にポーズに髪型違いがまだ控えている…出るペース自体は緩やかだけどフィギュアが出てるキャラ全部揃えるとねー…再販有りならのんびり構えていられるんだけど…一番最初の通常バージョンですら再版希望が殺到してるのにされてないからなぁ…」

「コレクターを釣り上げるためなのか価値を下げないためになのかそもそも金型を廃棄してないのか、ありそうなのは1と3ですね」

「金型廃棄はあり得るなぁ…保管しておくにしても場所をとるし、また同じ金型作るとなってもその費用はかなりの物だし…金型があったら再販してるだろうし…」

「置き場所は拡張して貰っているので何とかなってますけど、買い揃えるのは今の物だけにしておかないと永遠に増え続けますよ?」

「わかってはいる…わかってはいるけど止められない辞められないんだよぉ…次に出るフィギュアが幼少期のバニーシリーズでさー…その小さいうさぎさん達がもうかわいいのなんの…キャラクター設定でいけば皆20を超えてるんだけどね、だからフィギュアも18未満は購入禁止だし、下着も普通に見えれば衣装によってはちらっと隙間から見えるというゲームでは見れないけどフィギュアなら見れちゃう公式からのサービスあり、当然今回はバニーなので胸がちらちら見えちゃう、幼少期の姿に戻ったキャラの胸が見えちゃう!」

「まあ…うん…タカミヤがいいならそれでいいんだけどね…私も男は無理だからそっちに走るのはわからないでもないし…」

「とりあえず少しは計画性を持ってお買い物をする事ですね、足りないときは店長から借金してるでしょ?給料を換金して貰う時に20万とか30万という高めの見積もりを出して貰っていてなお足りないというのも大問題ですけど」

「ちゃんと返済は出来てるから、うん、借金は銅貨1枚も残ってないから大丈夫、ちょっと自転車操業気味なだけだから、次に出るやつを全部買ったらよほどハイペースで出してこない限り2ヶ月は空くはずだから。

まあ…フィギュアの販売ペースとしては異常と言えるほど早いんだけど…それでも毎回売り切れるので事前予約は必須というか…最終的には借金は返済出来てるから大丈夫というか…最終手段で店長に身体を売るっていう方法があるというか…かなりきついけど…」

「私達は店長に借金をした事が無いので知りませんけど、どのくらいきついの?」

「荷物整理とかそういうお手伝いならまだまだ楽々、ガレージにおいてある車のタイヤやら部品やらをルシフさんの指示に従って運ぶだけだし、タイヤくらいなら楽々運べるし、報酬の割には楽な仕事ではある、あれ持ってきてこれ持ってきてーって時にどうぞってすぐ渡すだけなのもあるし。

ただ…店長についていくってなるとしんどい…楽な時は凄い楽だけどきつい時は30連勤する方がましなまである…まずちょっと目を離すを見失う、見失わなくても追いつけない、ちょっとその辺までと言いながらハリ族だったかバリ族だったかの人達が住んでる島まで小舟で移動したりするし…

その場合は引きずられていくけど全速力のジェットスキーが可愛いレベルの速さかつ、乗ってる船が跳ねるから水きりで水面を跳ねてる石の気分になれるというか…借金中は扱いがかなり雑になるというか…そんな状態で連れて行かれた先でさらに労働が待っているというか…そもそも普通に船で移動したら何ヶ月かかってるの?って言うところまで30分もかからず移動するし…もう絶叫マシーンで二度と怖がる事が無いよねっていう体験が出来るし…

またある時は標高4万メートルくらい?の氷山の登山に連れて行かれたりするし…そこで氷山だけに咲く花とかの採取もしたりするし…空気なんてないも同然だし…登山開始から頂上に至るまで10分かからないから高山病どころじゃない状態になるし…なってもすぐ治されてこれ探してきてねって放り出されるし…」

「借金しない様にいくつか諦めたらどうです?フィギュアは限定みたいな物なので切りにくいでしょうし、まだ再販が現実的なゲームや漫画から量を減らしてみては?」

「ゲームも基本的に初回盤だからむーりー…コレクションするってそういう事なの…」

「店長の事ですし、さすがに死ぬような事はさせないでしょうし、それならもう諦めて引きずり回されるしかないですね」

「くそぅ…キャラクターがエロくてかわいすぎるのが悪いんじゃー…」

「エロがメインなのかかわいいのがメインなのか…どっちなんでしょうね?」

「両方!」

フライドバーガー

もうそれで完成しているバーガーに衣をつけて揚げた物、ジャンクをさらにジャンクにした物

玉ねぎやトマト等は衣が揚がった程度の過熱だと微妙になるので抜いておくのが吉、ソースは揚げた後に上からかけるなり最初から軽く塗っておくなり

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