エヴォリューション 予算の都合です
『愛と正義の使者ガッタイガーエヴォリューション第一話いきなり大ピンチ!絶体絶命のタイガーレッド!』
「あー…どうすっかな…ここはガツンと全つっぱかそれとも手堅くいくか…よし、ここは男らしく全つっぱで5-2に全額行くか」
「あらタイガーレッドさん、今日もお馬さん?」
「おー、山田のばっちゃん今日の調子はどうだい?」
「まあ見ての通りだね、朝から連チャンでこの通りどっさり」
「かー…相変わらず付いてんなぁ…その運をこっちにちょっと分けてくれよ、ここんとこ負けが続いててちょっと懐が寂しくなってきてるんだよなぁ…」
「ほほほ、欲をかきすぎるからそうなるのよ、コツコツと少額で様子を見てダメそうなら引く、少しずつ増えているなら1000円だけ上乗せしてそこで負けたらもう止めて別のところに移る、ただそれだけでいいんですよ」
「馬でそれができたらくろうしねぇっつうか…っといけねぇ!そろそろ時間だ!それじゃ俺はもう行くからこれで!」
「はいはい、いってらっしゃい、勝てるように祈っておいてあげるわよー」
「じゃあなー山田のばっちゃ」
「死ねえぇぇぇータイガーレッド!」
「おうわっ!なんだてめぇ!」
「我が名はタイガーキラー!今までに数々の虎の異名を持つ者を葬り去ってきた者!つまりお前の天敵というわけだ!」
「そんな事はいいからそこどけよ!急いでんだよ!」
「フッ…我に恐れをなして逃げようというのかタイガーレッド、だがそれもいいだろう、惨めに地面に這いつくばり命乞いをするよりはましだろうからな…ハッハッハッハッハ!」
「だからそこどけよ!車出せねぇだろうが!つうか道路に穴開けんなよ!」
「フハハハハ、岩をも砕く我が力に恐れをなしで逃げようというのかタイガーレッド?」
「いやだから!」
「しかし我が使命はタイガーチーム全員を葬り去る事、ここでお前を逃がすわけにはいかんのだよ、だからここで死ねいタイガーレッド!」
「邪魔だっつってんだろうがー!」
「ウグッフォウァァアアッ!」
「ハァ…ハァ…ここまで人の話を聞かない怪人もひっさしぶりだわ…ばっちゃん車出せそうか?」
「これじゃあちょっと無理そうねぇ、まあいいわ、お店の人に話して道路が直るまで置かせてもらうわ」
「おう聞いたかタイガーキラーとやら、さっさと道路を直しておけよ」
「え…それは業者がやるもんじゃ…」
「道路ぶっ壊したのてめぇだろうが!つうか水道管もぶっ壊れてんだよ!責任を持ってきっちり直せ!近隣住民にまで迷惑かけてんじゃねぇよ!」
「ど…どうせこの地を支配した後は破壊の限りを尽くすわけだし別に壊しても問題ないんじゃないかなーと…」
「大有りだろうが!そもそも今まで俺にかすりの傷一つも付けられた事があったか!?ないだろ!?捕らぬ狸の皮算用をする前にきっちりしとめてから実行しろよ!わかったか!」
「は…はい…」
「そこでこそこそ隠れて様子を見てるダムドと一般戦闘員もさっさとこっち着て道路を直せ!」
「そんな事よりレッドさん時間は大丈夫?早くしないと締め切りになっちゃうわよ?5-2に賭けるんでしょ?」
「いけねぇ!それじゃまたな!」
「スキだらけだ!死ねいタイガーレッド!」
「だから邪魔すんじゃねぇー!」
村の平和のために今日も戦うガッタイガーチーム!タイガーキラーの名を持つ怪人を辛くも撃退する事に成功したが多大なる犠牲を払う事になってしまった…だが涙を流す暇などヒーローには有りはしない!走れタイガーレッド!戦えガッタイガー!村の平和は君達の手にかかっている!
「昨日タイガーレッドさんのが狙ってた大穴の万馬券大当たりだったみたいですわよ?」
「くっそー…あの馬鹿どもが邪魔さえしなければ…」
『愛と正義の使者ガッタイガーエヴォリューション第二話危うしタイガーレッド!バラム将軍の甘い罠!』
「すみませーん山田さんいらっしゃいますかー?」
「あらあらダムドさんこんにちわ」
「こんにちわ山田さん、先日はタイガーキラー君がご迷惑をかけてどうもすみませんでした…あの子実力は確かなんですがまだちょっと経験が浅くて周りが見えなくなる事もありまして…」
「若い子はみんな大体そんなものですのよ、あまりお気になさらなず」
「そういって頂けると助かります…あ、これタイガーキラー君からお詫びの龍乃屋のカステラです」
「あらあら、こんな上等な物を」
「本当はタイガーキラー君も連れて来られれば良かったんですけど、彼は今本部の方で土木に施工にと学んでおりまして」
「壊れた水道管を直すのにあたふたしてましたからねぇ、タイガーブルーさんが通り掛ってくれなかったらもうしばらく断水が続いてたかもしれませんし」
「そう、それでもう二度と敵の手は借りる物かと厳しい修行に」
「若いっていいわねぇ…」
「あら、もうこんな時間、そろそろお夕飯の買い出しに行かないといけないのでそろそろ失礼しますね」
「はいはい、タイガーキラー君に確かにお詫びの品を受け取りましたと伝えておいてくださいね」
「はいそれでは」
「あ、何やってんだダムド?」
「あらタイガーレッドさん、いや先日のお詫びにちょっと」
「こっちに対する詫びは何もねぇのか?お前らのせいで万馬券を逃したんだが?」
「私達は地元住民の人達と違って一応敵対関係にあるわけですし、そもそも対決の日を忘れて馬券を買いに行こうとしたのが悪いというか…最初から予定通りに河川敷に来てくれていたら余裕をもって馬券を買いに行けたはずというか…」
「あぁ!?俺が悪いってのか!?」
「タイガーレッドさんがこの日のこの時間なら空いてるっていうからじゃあその時間でってお互いに合意して決めたわけですし、それを何の連絡もなしに破ったのが悪いというか…おかげでずーっと探し回ってたんですよ?ガッタイガーのアジトに行っても誰も居ないし…書置きもありませんでしたし…携帯も通じませんでしたし…ヒーローならせめてヒーローらしく約束事くらいは守ってくれませんと…」
「てめぇは俺の恋人か母親か何かか!?そうじゃなければただのストーカーか!?」
「いえ…悪の組織がヒーローに付きまとって襲い掛かるのはそういう性というか習性というか…少なくとも殺意をもって付け回しているのでストーカーではないかと!」
「もっと性質悪いわ…つうかモジモジすんな、ひげ生やしたおっさんにモジモジされても気持ち悪いだけだわ…以前この村を担当してたバラムなら様になっただろうけどよぉ…」
「バラム将軍は今海外支部で指揮を執っているので帰ってくるのは早くて来年ですね、ガッタイガーチームに散々鍛えられたので破竹の勢いで支配地域を広げているそうですよ?海外支部に着任して早々内部の改革と厳しいトレーニング、わずか3ヶ月で腑抜け切った怪人達を鍛え直し今ではアルヴァスター連邦の3分の1を支配したとか」
「へー、やるじゃねぇか、それともアルヴァスター連邦を守っているヒーローが弱すぎるだけか…まあ後者だろうな、こんな村1つ支配出来ない様なやつが勝てるとは思えんわ」
「タイガーレッドさんそれ本気で言ってます?」
「少なくとも俺達に勝てないようじゃ世界征服はまず出来ねぇな」
「んもぅ…あ、そうそう、タイガーレッドさんにバラム将軍から届け物があるのでうちまで取りに来てくださいよ」
「あぁ?届け物って一体なんだよ…」
「見たらきっとびっくりすると思いますよ?」
かつて打ち取ったと思われたバラム将軍はアルヴァスター連邦で生きていた!そして連邦はすでにバラム将軍の魔の手により実に大陸の3分の1を支配されるまでに至っていた!このままでは連邦が悪の組織の手中に落ちてしまう!このピンチを救えるのはガッタイガーチーム、君達しかいない!走れタイガーレッド!吼えろタイガーブルー!戦えガッタイガー!アルヴァースター連邦の未来は君達の手の中に!
「なんだこれ…こんな物を貰ってどうしろってんだよ…」
「素敵じゃないですかー、どこからどうみても愛情がたっぷり詰まってますよこれ」
「ついでに殺意もたっぷり詰まってるな、なんでTNTを仕込んでんだよ」
「発送するのに苦労したそうですよー?何せ危険物ですし、支配した地域の人に無理を言って輸送して貰ったみたいですよ?後はレッドさんが配線を繋げば完成です」
「ふぅー…ここで配線を繋いだらお前がお陀仏になるわけだがそれでいいのか?」
「あっ!」
「なんだかんだで長寿シリーズになりつつありますねぇこれ、もう6期目になりますし」
「毎回変なところで予算を使うのもシリーズ恒例っちゃ恒例だねぇ、本当に道路を壊して水道管も破壊するとか」
「元々老朽化で交換予定だったからって派手にぶっ壊してるのがまた何とも、比較的小さい村だからこそ出来る事ですよねこれ、町まで行くと後で直すとはいえ撮影にためにって道路をぶっ壊したり止める前の水道管を破壊したりしませんよ」
「エンディングで工事車両が入ってくるところが映ってるのがまた何とも、こういう裏がちょこちょこ映り込むのが他の戦隊物なんかと明確に違う部分なんだろうけど」
「戦隊物なのに敵味方含めて数人しか出てこないとか、勧善懲悪ですらないというか、色々生々しい部分もあるというか…まあそういうのが受けてるし面白いんですけど」
「日曜の朝じゃなく深夜枠って時点でまあ子供向けではないしねぇ、パチスロとか競馬とか普通に出てくるし」
「その分コアなファンが付いている事も変わりなし、4期は宣伝がかなり大々的であったのとスポンサーがかなりついたのでさらに知名度も上がり、国民的とはいかずとも国外でもじわじわ人気が出てきているっていう。
向こうの文化だとヒーローは世のため人のため、敵と仲良くする事はまずなくて戦う舞台も広く大きく世界を巻き込んで、もしくは世界の破滅を防ぐためとかそんなのですが、ガッタイガーの場合は地方の小さな村での戦いですかね、しかも敵対している組織のアジトにご飯を食べに行ったり、悪の組織がガッタイガーのアジトにお土産を持っていったりとフリーダムですからね」
「ブルーとイエローがたまーにしか出てこないのは予算の都合だろうか」
「予算でしょうねぇ、今やブルーとイエローの人もドラマに映画にと引っ張りだこですし、そうなるとギャラも上がってきますからねぇ、バラム将軍役をやっていた人もギャラが上がったので予算の都合で…見たいですからねぇ、レッド役の人を引っ張ってくるだけで結構ギリギリなんでしょう、スケジュールの都合もあるでしょうし」
「人気がまだそれほど出てなかった1期2期辺りはフルメンバー、3期で出演出来ない人が増えてきて、4期で将軍役の人が本格的に出演が難しくなって交代、5期までは続いたけどこっちも人気が出て6期で今の人に交代と」
「怪人役をやっていた人も日朝の戦隊物や特撮物に出たりしてますし、それも怪人ではなくヒーロー役として出ていたりと、ガッタイガーに出演した人は大体出世してるんですよね、1期で出演していた博士役の人なんか今ではゴールデンタイムの刑事ドラマにひっぱりだこですよ」
「6期目は基本的にはもうレッドとダムド中心の物になりそうね、4期と5期の時点でレッドとバラムの2人に怪人1人が基本でたまに助っ人としてブルーとイエローだったけど」
「舞台である村まで移動して演じなければならないのもありますし、俳優自体のギャラが上がるともうどうしようもないですからね、アニメだったとしてもそれはそれで大変ですが」
「キャラは年を取らなくても声優さんは年を取るし、作画なんかも色々あるし、何かあったら色々騒ぐ人がいるもんね」
「どこの制作会社になるか、誰が作画の主導権を握るか、それ以前にまともな監督がつくのか、脚本が作品を理解しているのか、改変するにしてもより良い方向かダメな方向か…」
「どこかがズレるとあっという間に崩れ去るよね、ガッタイガーは地味に人気があるし、金儲けのためだけにって作るとすぐに見透かされて低評価の嵐になりそう」
「1期から見ているファンの目は結構厳しいですからね、さて、小休止を挟んだところで仕事に戻りましょうかね、続きはまた今度で」
「私もそろそろお店の方に戻るか、焼肉屋が開くのも1ヶ月ぶりだから客入りも多いしねぇ」
「同じ様な店は多数あれどやっぱりそこがいいって人は結構いますよね」
「違うのはタレくらいで後は似たような物だったりするけど…まあサービスとかの違いもあるからそれかねぇ?」
「私達も夕食はそっちで食べるので最上階を予約で」
「はいはい、最上階は使っても王女様とかその関係者だけだから予約しなくてもいつでも空いてるけどね」
「念の為というやつですね、それではまた後でー」
「はいはーい」
6期目
4期目で大々的に宣伝して国外ファンが増え、登場人物が入れ替わりつつも6期目に突入したガッタイガーはつい新章へ!という事はない
第一話で予算をほぼ使い切る事は無くなったが相変わらず予算はカツカツで登場人物は少ない、俳優の人気が出すぎてギャラが跳ね上がっているのが問題か…




