ひよこちゃん的にはふりかけ 基準はかなり曖昧
「私完全復活」
「ぴっぴぴょっぴょぴっ」
「昨日は大事を取って休んでいたが今日はもうバッチリ釣りに行けるぞ」
「ぴっぴぴょー」
「で、ひよこは何で早朝からご機嫌なんだ?」
「昨日香草と塩で付けたスモーク風のサーモンを焼き鮭にして朝食のおかずにつけてるからかな?」
「それだけでここまで喜ぶのか、単純なやっちゃな…とりあえず飯食って釣りに行くか」
「焼き鮭とご飯は別にするのと丼にするのどっちがいい?タルタルソースもたっぷり作ってるけど」
「丼で」
「しかしあれだな、白米に焼き鮭をのせて食うだけでも美味いのに、その上から更にマヨネーズとかタルタルソースをかけるともっと美味くなるのはなんなんだろうなぁ…塩の効いた鮭に甘酸っぱいマヨネーズとゆで卵に玉ねぎ、さらにピクルスで…」
「いくらを追加しても合うんだよなぁこれ、いくらにマヨとかタルタルとか見るやつが見たら発狂しそうだが」
「ぴぴぴぴぴぴ」
「すげぇ速さで突いて食ってんな、美味いのはわかるがもうちっと落ち着いて食え」
「味噌汁のおかわりは要るー?」
「要る、アーサ多めでくれ」
「俺は普通くらいで」
「ぴよっ」
「多め普通多めね」
「ついでに丼もおかわりでレモンも付けてくれ」
「はいはい」
「朝からがっつりいくなぁ、そんなに食って大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫、別に動き回るわけじゃねぇし、今日はようやく完全復活した堤防でGTが狙えるわけだしな」
「完全といえるかどうかは微妙だけどね、散っていく前は2メーター近いロウニンとか80キロクラスのイソマグロとかいたけどそれはどこかに行ったまま、もしくはサメのお腹をえてひよこちゃんのお腹の中に納まってる可能性もあるし」
「メーター超えてるのがいるだけでも十分だろ」
「場が荒らされる前に2メーター近いのを上げてるしね、はい、焼き鮭の親子丼」
「餌の残り的にフカセはもう今日で終わりだろうしでかいのはもう釣った後だし、消化試合な状態だからメーターの何かが釣れたらそれで満足だな」
「ダツそしてダツで終わる落ち」
「まあそれはそれで、ダツなら餌にすればいいだけだな」
「ぴっぴよ」
「ひよこちゃんのデザートはお餅ソフトクリームね」
「なんかのどに詰めそうな物を頼んでんな」
「お餅は入ってるけど餅粉でただ伸びるってだけだから早々詰める事はないね、こんな感じで伸びる、サーレップを使ってるマラシュドンドルマに似たような物かな?完全に熟してないバナナを潰してバニラアイスに混ぜてもちょっと伸びるけど若干青臭くなるのがね。
餅粉自体は香りも何もないし、甘みも大してないからこういうソフトクリームやバニラアイスに混ぜると伸びて楽しいし味や香りの邪魔をすると言う事も無い、溶けるのにもちょっと時間がかかるし、ちょっとねとーっと舌に纏わりつくから甘さ控えめでもかなり甘く感じるし冷たく感じる」
「味は何があるんだ?」
「バニラにチョコにイチゴにバナナ、マンゴーに桃にヨーグルト風味が作れるね、基本的にはバニラに混ぜるだけだし」
「じゃあ食後にチョコバナナイチゴでくれ」
「俺はマンゴーヨーグルトで」
「はいはい」
「はーいもしもーし、今日は何の用だー?んー?今何してるかって?部屋でのんびりしてるよ、さっきまでは天気が良かったんだが急にスコールが来てな、キビナゴとイワシは固形だからいいんだがコマセが全部ダメになって使い物にならんから今兄さんが追加のコマセを買いに行ってる、そして私は一旦ホテル戻って着替えと髪を乾かし中、こういう時釣りをしてるのがホテルの敷地内っていうのがいいよな、道具を全部置きっぱなしで部屋に戻れる。
あー、乾かし終わったらすぐに堤防の方に戻るぞ、コマセが水浸しでダメになっただけでキビナゴとかは使えるからな、コマセは水を切ってもダメな物はダメだから水だけ切って兄さんが買ってきたのを追加で混ぜてーだな、で、何用なのよ?
んー?発注書を飛ばした後にラハブから来た詫び状の内容が今一理解出来ない?それは私も知らん、適当に各種100個までも倍にしておけばいいんじゃね?くらいには言っておいたがそれ以降はノータッチ、詫び状の内容も知らん。
…なるほど?まあ貰える物は貰っておけばいいんじゃないか?ブランド名だけでも売れるのは確かだし、廃盤になった物もあるだろうから現行品よりは高く売れるし儲かるだろ、まあ倉庫の奥から出てきた売れ残りの在庫だからコレクター以外の需要はないだろうけどな、釣れる物だったらとっくに売れてるし、出荷もされず残ってるって事はそう言う事だ、今まで何千何万という種類のルアーを作ってきてるんだ、そりゃ中には釣れない外れ品だって出来る事があるだろうよ、特に数十年以上も前の古い時代の物はな。
置き場所に困る?というより釣れない物のどこが詫びの品かって?さぁ…?でもパッケージも当時のまま残ってる100年くらい前のルアーとかコレクターなら大枚を叩いて買うだろ、特にラハブの製品とか釣れないってだけで逆に価値が出るし、大体は製品になる前に処分されてるから残ってるのも珍しいしな。
まあ数もそれ程ないだろうし、世にも珍しい釣れないラハブのルアーって書いて売ればいいんじゃねぇの?注意書きとしてコレクター用アイテムですって書くのも忘れずにな」
「おーい、主様帰ってきたからそろそろ堤防に戻るぞー」
「はいよー、それじゃ私は釣りに戻る、とりあえずタダでくれるっていうのなら貰っとけ、1000とか2000とかあるわけじゃないだろうし、アンティークルアーとして売りに出せばすぐはけるだろ、おう、それじゃな。
よし、それじゃ堤防に戻るか、ところでひよこはどこに行った?」
「さぁ?主様について行ってるんじゃね?」
「そうきたかぁ…居ないと思ったら食べ放題バイキングをしてやがったか…」
「ぴよぴよ…ぴぷっ…」
「キビナゴとイワシが全滅、オキアミもスナック感覚で完食、残ってるのはべちゃべちゃになったのと主様が買ってきたコマセだけ、これどうするんだ?このひよこを泳がせて餌にでもするか?」
「ぴよぴよ」
「可愛く鳴いてもダメだろ、これどうするんだよ…ルアーがあるからそれで釣りは続行できるが…またホテルに戻って道具を用意しなきゃいかんし…」
「朝ご飯をデザート付きで食べておいて餌のイワシとキビナゴを全部食べるとかちょっとなぁ…オキアミが残ってれば餌にする魚をすぐにでも釣れたが…」
「オキアミは買ってきてないから諦めてルアー用の道具を持ってくるしかないね、それで餌用の魚を釣って泳がせかなぁ?コマセはオキアミがなくても効果が無いって事はないし、コマセを撒いて適当なルアーを投げればまあ何かしら釣れるはず、小さめのオモックはあれどアジング用なんかは持ってきてないから限られるけど」
「ミノーでダツが釣れればいいんだがなぁ…」
「とりあえず道具をとって来ないとね、ついでに泳がせ用以外はコマセを残して全部撤収で」
「コマセには手を付けてないんだよなぁこのひよこ、混ぜてたオキアミは全部やられてるけど」
「ぴよぴよ」
「エビは美味しいけどベチャベチャになった粉末はちょっと…らしい、乾いてたらふりかけとしてはいいけど全部食べるほどではないってさ」
「混ぜる前の粉末だったらイワシとかキビナゴにまぶして食ったのか?」
「ぴよ」
「当然、だって」
「濡れても水が溜まっても大丈夫だからって放置してホテルに引き上げたのが問題だったのか、ひよこを見失って部屋で帽子を選んでると思ったのが問題か…」
「俺も主様と一緒に買い物に行ってるものだと思ってたからなぁ、ここから堤防が見えなくもないけどひよこがバッカンに入れてるキビナゴを突いたりしてるのまでは見えんわ」
「最上階とはいえ結構離れてるし、バッカンとか豆とか米粒サイズにしか見えないし、ひよこちゃんはそれより小さいから潜り込まれるとねぇ」
「だからと言って全身びしょ濡れのまま釣りをする気はないしなぁ…まあ、無くなっちまった物はどうしようもないし、引き上げる物は引き上げてルアータックルを取ってくるか」
「だねぇ、それとひよこちゃんはホテルに戻ったらお風呂だね、イワシとかキビナゴのカスとか海水を落とさないとね」
「ぴぴょ」
「今は俺の頭には絶対に乗ってくるなよ?風呂入ったばかりなんだからな?」
「それより少なくともイワシとキビナゴとオキアミで25キロは食ってるはずだから、今乗られたら首がコキッと行くんじゃないか?」
「折れなくてもぐきっとなるだろうね、見た目は変わらなくても食べたばかりには変わりないから重さはしっかり増えてるし、こんな見た目でも20キロは軽く超えてるね、お昼までには50グラムあるかないまでに戻るだろうけど」
「よくわからん体のつくりをしてるな…食った分はどこに消えてるんだか…」
「体の中で分解して目に見えない物にして蓄えてる感じ、物質化しようと思えばこんな感じで液体にも個体にも出来るけど、わかりやすく言えばエネルギーの塊、カロリー爆弾、今出したのを人が摂取すればどんなに痩せ細った人でもあっという間に体重が200キロ突破するくらいには栄養たっぷり、でもそれだと動けなくなるから目に見えない物質にして循環させてる感じ。
ちなみに量によるけどこれを軟骨魚類に与えると物凄く大きくなる、まだ安定してない時のダイヤが海に投棄して処理してたのをエイが取り込んで30メーターくらいまで育ってたよ、美味しく頂いたけど」
「食ったのかよ」
「港町に住んでた人達でお祭り騒ぎ的に、30メーターにもなると可食部が結構多くてねぇ、食べきれないし時間が経つと臭うのは変わらないから、さっさと捌いて唐揚げやらムニエルやら刺身やら煮付けやらにしてねー」
「そこまで育つというのもアレだが、兄さんとこの世界の人は色々とタフだな、普通は30メーターのエイとか食べるという発想に至らんだろ、というよりどうやって仕留めて捌いたんだよ…」
「普通に脳と神経を破壊してヒレの端の方からちょっとずつ切り取って行って、かな?30メーターとは言っても平たい魚である事には変わりないから、軟骨が太くちょっとごつくなってるくらいで、捌くの自体はそれほど苦労しなかったね、漁師の人も一緒に捌いてたし」
「まあ…そうか…ホシエイも2メーターとか3メーター行くけど平たくて薄いからなぁ」
「それでもさすがにそこそこな高さはあったし、アカエイだったから尾を振り回して岸壁を破壊したりしてて取り込みはちょっと大変だったよ」
「死人が出てない方がすげぇわ…」
「俺の世界はそんな魚が上がったというのはないなぁ、サーペントとかクラーケンは兎も角として食用の魚介類はこっちと大差ねぇし」
「それモンスターとして処理されてるだけじゃね?」
「その辺よくわからんのよなぁ…魔物と野生動物の区別自体が割と曖昧だったりするし、主様はオパールとオニキスの種はただの野生動物とは言うけど、間違いなく魔物扱いされるような強さだし1匹でも間違いなく討伐隊とか組まれるやつだし…危ないから魔物、安全で狩りやすいから野生動物とかかなり曖昧なんだよなぁ…」
「そういう区別の仕方だとよくわからんな、境界線みたいな物がねぇし」
「昔は魔素がどうたらそこから発生がどうたら言ってた気がするが…そんな物を見た事あるやつがいるわけでもなし、証明出来たやつがいるわけでもなし、でもそれが貴族から平民奴隷に至るまで常識として広まっているから本当によくわからん」
「証明出来ないなら全部野生動物じゃね?サーペントとかクラーケンやらは知らんけど」
「何が野生動物で何が魔物かはわからんからどうにもなぁ…食えるやつも普通にいるから本当に何が何やら…」
「私のところだと魔物というものは居なくはないけど、さっき出したエネルギーとかカロリーの塊みたいなやつ、あれがたまに自然発生してそれを取り込んで巨大化とか狂暴化したやつの事を指すね、当然通常の個体より危ないから討伐隊とかそういうのは組まれる。
とはいえ、どこで発生するかはわからないし、必ずしも狂暴化するというわけでもないから被害が出るまでは基本放置だね、イワシが摂取して2メーターくらいの脂ノリノリの高級品として水揚げされる事もたまーにある」
「カロリー爆弾というだけあって摂取したやつは美味しくなるんだな」
「魚によるけどね、骨が多かったりどうしても美味しくない奴はただごつくなるだけって事が多い、でも肥料には向いてるから需要はある、魔物化した…というより巨大化したり狂暴化したやつも食用に出来ずとも、毛皮とか骨とか丈夫になったり質が良くなったりしてるからやっぱり需要はある」
「なるほどね」
「さて、ホテルについたところでひよこちゃんは先に水で軽く流してからね」
「ぴぴぴょ」
「それじゃ私達は先に上に戻って道具を用意しておくよ」
「お願いねー」
餅アイス
餅粉を牛乳で溶いて火にかけてドロドロの餅にする、生クリームを入れてさらに伸ばして砂糖とバニラエッセンスを入れたら普通に冷やしながら混ぜてアイスにするだけ
切り餅をドロドロになるまで伸ばしてアイスに混ぜて再冷凍するのが簡単で手っ取り早い、バニラにしておけばココアパウダーやイチゴジャム、バナナを潰して混ぜれば簡単に味を変えれて便利




