表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
932/1104

ちょっと安くなるかも程度 ペース配分が大事

「おー…今日はちゃんと来てるな…」

「何か来てない物でもあったんですか?」

「ラハブの発注書、本当なら昨日来てるはずだったんだけど来てなかったのよ、ラハブとJ&M製品は問屋経由じゃなくメーカーから直輸入だから、注文しようにも来月分の発注書とカタログを送って貰えないとどうしようもない。

ついでに言えば昨日のうちに飛ばしておかないと大体3日から5日、遅いと1週間からは入荷が遅れる」

「1日ずれただけでそんなに遅れます?」

「ラハブとかJ&Mは遅れるのよ…在庫が余ってたら余ってるだけ向こうで契約してる店舗や問屋が持っていくでしょー?そうなると2次出荷を待たなきゃいけなくなるし、毎日毎日作った物を各地に向けて配送…なんてしてないからね、1日の生産量には限界という物があるし、その辺中に工場があるってわけでもないしね。

だから今日注文しても次に配送トラックが各地に向けて出発するのが早くて3日、遅くて1週間後、注文分の在庫が余っているならすぐにでも出荷してくれるだろうけど…やっぱりそこも1日遅れたら国内の方の店舗に全部持って行かれるって感じだから発注が1日遅れるとかなり痛い。

時差の問題もあるから今から注文してもそれが受理されるのは明日、というのもかなり大きいかなぁ?今注文してすぐに受理しましたってのならいいけど、向こうはもう今の時間会社も工場も閉まってるからね」

「向こうは今何時くらいなんですかね?」

「こっちが今7時だから…午後8時くらいかな?そんな感じで発注書のやり取りも1日ずれるから、注文してもすぐに受理しましたーっていう返信は来ない」

「時差を考えると諸々込みで1週間遅れるって事ですね」

「そそ、昨日発注書が来ていれば各地に配送されていく前にうちの分を抜き取っておく事が出来ただろうけど、もう全部配送されていっただろうし、行き渡ってないところは2次出荷分の生産待ち状態になってるんじゃないかねぇ?」

「国内メーカーだとよほどの事がない限りは発売後直ぐ買えますけど、国外のメーカーだとやはり色々と問題が出てくるんですねぇ」

「今年ようやく初の国外支社的な感じでラハブとJ&Mの支社が出来るには出来たけど、工場はないしこっちで生産してるわけではないからねぇ」

「何のための国外支社なんですかね?」

「主にジュリアのサポートのためだけの作られた支社、一応アレでもラハブとJ&Mのプロアンバサダーだし、国外だと影響力とか宣伝効果とか物凄いからね、新作なんかも優先的に回されるから、ジュリアがそこに新しいのくれー、それと前に出したあれもくれーっていうとすぐ出てくる様にジュリア用の道具をいくつも抱えてる、頼まれるたびに国外から送ってたら時間がかかるからね。

今はもうジュリアは使ってないけど一応ラハブとかJ&M製のお手頃価格のロッドとかリールも抱えてるはずよ?」

「サポートするだけで何かを売ったりはしていない?」

「してない、やってる事はジュリアのサポート以外だとこの国の言葉に翻訳してあるこの国向けの公式ホームページの運営、それと新製品情報の発信、国内に工場はないのと正式にこっちで販売しているわけではないので製品サポートは非対応。

まああくまでこういうのを作ってますよって発信するだけだね、そのうち通販を始めるかもしれないけど」

「通販が始まったらルアーも簡単に買える様になるんですかね?」

「ならないだろうね、作るってるのは国外にある工場だし、発送するのも国外から、自分の国の言語で通販が出来るかそうでないかの違いでしかない、通販サイトを介して買うよりは安いと思うけどね、リオちゃんが以前愛用してたグラヴィナクイーンのリールとロッドもメーカーから直接通販はちょっとメンドイだけで送料込みでもリールが5000から6000で買えるけど、大手通販サイトを使うとねー…値段が3倍になるっていう…

国外の商品を専門に輸入して取り扱っているところだと安いんだけど、そっちはたまに代金だけ持っていかれて届かなかったり、扱いが雑で品質に難ありになってしまったりとまあ博打的な要素がね、それを考えると気軽に買える様にはなるんじゃないかね?

この国だとレッドウルフがあるから安くて性能がいいリールとロッドには困らんけど」

「ですねー、リールはもっと良いのに変えましたけどなんだかんだでロッドは最初に買ったバスRも使ってますし、新しい道具を買うのに迷った時もレッドウルフ製品を買えばいいですし」

「よほど好きであるとか掘り出し物探しでもない限りは大体そうなるね、よし、とりあえず来月分はこんな物でいいか、追加で発注が飛ばせないのが難点だけど、安定して仕入れられるだけでありがたやー…送信っと」

「来月の通販ページはしっかりとチェックして欲しい物は早めに抑えておきませんとねぇ」

「数量制限なく仕入れられるなら最初からちーちゃん用さーちゃん用って抜いて送ってのも出来るんだけどねー…

さて、そろそろ外にほっぽり出してるオキアミの解凍も終わってるだろうし、ちゃちゃっと漬けこんでしまいましょうかね」

「アレ地味に売れてますよね、一度に全部という事はないですけど」

「普通によく釣れる、量り売りで自分が欲しいだけ買える、餌持ちもちょっといい、市販の漬けダレを買って漬けるより遥かに安い、ってなるとこの辺りの人は買うよねー、再冷凍しても漬けダレはシャーベット状になってくっつかないし、凍ったままでも針にさせちゃうっていう。

いやー、我ながら良い物を作ったもんだ、開発まで結構時間がかかったけど」

「店長って一体今までどれくらいの商品を作ってるんです?時間がない時に使う簡単FGノットに針切るくん、サビキリサイクラーなんかは買いましたけど」

「ルアーを含めたらまあぼちぼち?焼き直しになる前のGBのルアーは全部私が設計開発してテストもしてるし、ラバーネットに交換用ランディングシャフトも作ったでしょー?フィッシュグリップに針外し用プライヤーも作ったでしょー?ルアーフィッシング用のウェストバッグとそれ専用のピッタリ入るタックルバッグも作ってそこにおいてるでしょー?ヨリ切るくん横綱大関関脇小結の4種も作ったでしょー?パックロッド用のロッドとリールも入るタックルボックス…は今一売れなかったら売り切れ次第追加って感じの…まあぼちぼち作ってるね、中にはメーカーにパクられた物もあるけど」

「結構作ってますね」

「今大抵のメーカーで売ってるランディングシャフトとかプライヤーとかグリップとか、私が作ったのがちょっと形を変えて売られてるんだぞー?」

「どこの物が一番いいんですかね?」

「うちのシャフトは管釣り用だから堤防なんかで使うならレッドウルフのシャフト、プライヤーとグリップは言うまでもなし、当然うちだよね、使いやすいさと強度が全然違う、飲まれて外せないなってなったらバチっと切る事も出来る。

特に淡水魚の場合ハードルアーを飲まれた時とか大変だしね、持って帰って食べるならそのままでいいけどリリースする場合はねー」

「アレ海外の場合だとどうしてるんでしょうかね?半分くらい飲まれてもうどうにもならない場合がありますけど」

「地域による、原則リリースってところじゃない限りはまあ仕方ないねーって持ち帰って食べる、というより淡水魚を食べる地域って結構あるからね、どぶ川になって食えない魚になってなければ大体は食べる、どぶ川の場合は食わないにしてもさくっと絞めちゃってそのまま餌に転用とか、そのあたりの柔軟性も必要よね。

飲まれて外せないので絞めて回収したのちに餌にしまーす、ってこの国でやったら騒ぐのが大量に出てくるだろうけど」

「アレなんで騒ぐんでしょうかねぇ…?」

「ただ燃やしたいから騒ぐだけ、食わないなら殺すんじゃないと騒ぎたい、残酷だからと騒ぎたいだけ…とまあ扇動して燃やすやつの思考は大体そんなところじゃないかね?餌にしたところで生きてる状態で食われるか死んだのが食われるかの違いでしかないから無駄にはなってないんだけどね。

そもそもハードルアーを完全に飲まれてる状態だとルアーが邪魔で捕食できないし、糸を切ってリリースしたところで餌が食べれなくて死ぬから過程はどうあれ結果は変わらんのよね、そうならないようにフッキングして飲まれる前に口にかけるというのもテクニックの一つだけど」

「店長はハードルアーを完全に飲まれたりします?」

「しない、最後のルアーを完全に飲まれたのって何十年前だっけ?とかそういう感じ、花井ちゃんとジュリアも飲まれる前に口に掛けるからその辺はもう経験だね、フカセとかそういう潮の流れに乗せて糸を送り出していく釣りでも慣れたら飲まれず綺麗に口に掛ける事が出来るよー?」

「フカセはまだやった事無いですねぇ、ルアーメインですし、まずは対象がバスのプロアングラーを目指しませんと…」

「んだねぇ、国内だとバスプロが一番お金が稼げるといっても過言ではないし、国外でも大会は行われてるからパスプロを目指すのが第一歩、そこから手を広げてルアーフィッシング各種、条件付きで餌有りの大会もあるからそっちにも出場するようになれば結構稼げるし色んなところに行って釣りが出来る。

まあどこまでサポートしてくれるかはメーカーと今までの成績次第だけど、参加出来ただけでも凄いっていう大会に招待されたら旅費から何まで全面サポートしてくれるだろうね、残念ながら国内にそういう大会はないけども」

「国内だと何が一番大きい物になるんですかね?」

「バスマスターズじゃないかなぁ?あれも一応国内選りすぐり限定の大会だし、規模としては結構大きい方よ、国内にある5つの湖を舞台に総合成績で優勝を決めるっていう、だからペース配分も考えなきゃダメだし、スポンサーにサポートして貰わないと色々厳しい。

消耗した道具は予備を大量に持ち込んでおけばいいけど、ボートのメンテナンスはねー…大会中にエンジンとかエレキがいかれたらシャレにならんし、スポンサーにメンテナンスをするためのサポーターをつけて貰うしかないんだよね。

まあ早々壊れるような物でもないけど、メンテナンス不足でたまに大会中エンジンとかエレキが壊れるやつもいるし、ガス欠で戻れなくなってその日は失格で迎えに来て貰うってのもいるし、一人だと色々限界があるから本当にスポンサーにどこまでサポートして貰えるかってのがかなり大事」

「短期間で5ヶ所回る感じですか?」

「1ヶ月で湖5つ回る、各湖で2日間やって、終わってそこの結果が出たらすぐ移動して次の準備をして、最終的に1ヶ月で国内を横断する形になる、スタートが北か南かは毎年変わるけど、遅れたらその日は失格になるし、場所によってはかなりギリギリになるから休む暇もない体力勝負みたいな日もあるよ」

「1ヶ月で5ヶ所ですかぁ…結構きついですね…場合によっては1日落としてでも休息に充てた方がいい場合もありそうですね…」

「総合だから出来るだけ全部出た方が有利なのは確かだけど、エンジンやエレキの不調で結果振るわずだったり失格になったら何の意味もないからねぇ、どうにも疲れてダメだって時は1日休息に充てて、エレキやエンジンをメンテナンスして貰って翌日に備えるのも有り」

「店長と花井さんも場合はどうだったんです?」

「当然休みなしで全部参加したよー?自分のペース配分だけじゃなくてボートのペース配分も考えればメンテナンスは最小で行けるし、道具の消耗も抑えられるから休養時間もたっぷり取れる、記録に関しては2キロから3キロで揃えてリミットメイクすれば優勝出来るよ。

たまに3キロから4キロで揃えて合計17キロとか出してくる人もいるけど、最終的には5つの湖の合計で競うからコンスタントに記録を出せなければ何の意味もない、ちょっとマージンが取れるだけ、ついでに1日失格になるとそのマージンは大体吹っ飛ぶから余計にきつくなる。

中村さんが引退した後は私と花井ちゃんで優勝争いしてたけど、その時は2500以上で揃えてリミットメイクすれば安泰って感じだったかな?今は大型化してきててその分重いから3000から4000くらいで揃えた方がいいかもしれないけど」

「なるほど…ペース配分を考えて抑えつつしっかりリミットメイクまで持っていくのが大事と…」

「雨天決行どしゃ降りでも決行、台風で命にかかわらない限りは決行とかそんな感じだから、どんなコンディションでもリミットメイク出来る様になるのが優勝への近道、ちなみに中村さんも私も花井ちゃんもジュリアもリミットメイク出来なかった事は無いぞー?違うのは総重量だけ。

ま、バスマスターズは公式大会に結構な回数参加してないと出れないし、最速でも20代後半になるから今から参加を考えても仕方ないっちゃ仕方ないね」

「最速でそれだとまだまだ先の事ですねぇ」

「さて、オキアミをつけ終わったところでちょっと早いけどお茶でも入れて休憩するか、時間的に学生さんも来ない微妙な時間だし、休めるうちに休んでおかないとね」

「そうですね」

通販

ぽちっとほしい商品を選んで頼むだけで届く便利な物、ただし買う物と買う場所を考えないと値段が跳ね上がる落とし穴もある

国内の物でも高くなる時はなるが、国外の物だと送料抜きで本体の値段が3倍から4倍になっている物もあるので気を付けよう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ