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朝から油攻め 重いけど美味い

「そういやさ、そのひよこって地味に子供がいるんだったよな?」

「いるね、もう長い事会ってないけど」

「そいつってどこに住んでるんだ?」

「あれ?この星系とか銀河系とは別の太陽って言ってなかったっけ?」

「あー…そうだったか、でもまたなんで太陽に住んでるんだ?そいつを見る限り普通にどこかに紛れて暮らせそうな気がするが」

「最初は紛れて暮らしてたよ、ひよこちゃんみたいに低燃費状態になれるし、普通に暮らしてたはずなんだけど気が付いたら太陽になってた」

「うん?引っ越しじゃなくて太陽になったのか?」

「ひよこちゃんのクローンみたいなものだし、それくらいは簡単に出来るからねぇ」

「その星に住んでたやつ大迷惑どころじゃねぇな…そう感じるまでもなく消滅してるだろうけど…」

「その星系は太陽が5つくらいあるからまあ色々と生きていくには過酷な環境の星が多いね、ついやっちゃったぜ、的な感じで3つ4つ太陽を作っちゃってるから」

「そんな気軽にポンポン作っていいようなものじゃないだろ…」

「まあ、太陽が3つも4つも増えちゃった原因は第二世代のヤンチャ組のせいだからまあ仕方ないね、最初にひよこちゃんの子供が見つけて移住してたんだけど、後から来たのが星を好き放題弄繰り回して、ゲームと同じ様な世界にして弱い者虐めをして遊んでたんだけどその時にねー、ひよこちゃんの子供も追い掛け回されて虐められて、星を弄った時点では生活に影響がないからと無視してたけどさすがに堪忍袋の緒が切れて、遊びのために作り出された生物もろとも太陽にして燃やし尽くしちゃった感じ。

他に追加で出来た太陽も大体同じ経緯かな?移住してのんびり過ごしてたらまたゲームの舞台にされて同じ様に雑魚扱いで追い掛け回されて、またついカッとなってやっちゃったぜ的な?一応やろうと思えば1人1人始末するくらいは簡単に出来るんだけど…まあそこは鳥頭、前回やった事も忘れて単純明快簡単な方法をとって太陽にしちゃうっていう。

4つほど太陽を追加したところで第二世代が寄り付かなくなって落ち着いたんだけど、太陽も太陽で居心地いいじゃんって太陽に住んでる、たまに近所の星に水浴びとかしに行ったり魚とかミミズとか穀物の原種を啄ばみに行ってたけど…最後にあったのが何千年も前だから今はわかんない、死ぬ様な存在ではないから生きてるとは思うんだけどね」

「スケールも時間感覚も色々ぶっ飛びすぎだろ」

「まあ、寿命も生態も違えば感覚も色々変わるから仕方ないね、はいエリンギのテンプラ」

「んむ、これも美味い」

「ぴよっぴよー」

「ひよこちゃんは食べやすい大きさに切って揚げたやつねー」

「ぴょー」

「しかし主様よー、なんで今日は朝から天ぷらなんだ?普通に食えるからいいっちゃいいんだが」

「沖島といえば天ぷらも有名なのと、離島にストップっていうまで天ぷらが延々と出てくるお店があったのを思い出してちょっとやりたくなった、他のテーブルで待ってる人にも渡してくるからのんびり待っててねー」

「これを容認するレストランも自由ならそれを平然と受け入れ利用する宿泊客も寛容でまた自由か、ここで南印風料理を作った時点でわかってた事だが」

「エリンギにパプリカにゴボウにもやし、何かの葉っぱが出てきたかと思えば鶏に魚にエビに、さらにポークの天ぷら、1つ1つの量は大した事ないからずーっと食えるが…主様は山盛りになってる材料全部揚げる気なんだろうか…」

「揚げる気なんじゃない?周りの利用してる人もがっつり食うだろうし、油でやられない様にほぼ完全に油を分解する茶を飲んでるし、まだ他に人が来るだろうしなんだかんだで無くなるんじゃないか?」

「かねぇ?あ、戻ってきた、次は何を揚げるの?」

「次は青バナナ、ここは気候的にバナナも作れるから地域限定で青も売ってるのよね」

「バナナか、フライは食ったことあるんだがな、天ぷらだとどうなんだ?」

「天ぷらも天ぷらで美味しいよ」

「ぴよっぴ」

「ひよこちゃんの分は小さく切る分火の通りも早いから揚げるのは大きいのを揚げた後ねー」

「ぴよ」


「うぅむ、他のを食べるとこれが1番ってなるが、ポークに戻ってくるとなんだかんだでやっぱりポークの天ぷらに1番に行きついてしまう、クブシミとか伊勢海老の天ぷらも美味いけど、最初から完成している物をさらに揚げて食うのがたまらん」

「ポークフライってのもあるから揚げ物との相性も当然の如くかなりいいね、とんかつとはまた違った美味しさ、でも今日は天ぷらの日だからまた今度ね」

「俺はこれだな、なんかわからん葉っぱ、青草臭くもなくちょっとハーブっぽい香りもするがパリパリ香ばしくて美味い」

「それはドクダミだね、ちょっと干して青臭さを抜いて香りも良くしてる、ドクダミは臭いっていう人がいるけど、軽く干してその成分を揮発させてしまえばいい香りしか残らない、完全に干してお茶にしたら少し沈丁花や菊っぽい感じの香りもある。

まあそれがダメな人には臭いと認識されてそう感じとられてしまうけど、干す前が干す前だからもう脳がどうあがいてもそういうものだって認識しちゃってるんだろうね、メーカー品のお茶の中には使われているものもあるし、そっちはドクダミが臭いっていう人も普通に飲んでるから、知らなければ普通に飲めるし、干した後の物は香りが良いという証拠ではあるんだよね」

「なるほどねー」

「ぴよぴよ」

「はい、ひよこちゃんのさつまいも天」

「ぴょっぴょー」

「んー…この天ぷらを突いてるひよこの気分次第で世界が滅ぶと思うと…いややっぱ想像出来んわ、湯船でアヒルのおもちゃみたいにぷかぷか浮いてるやつだし…そのまま寝て蛇口から垂れ流しになってる湯に吸い込まれておぼれそうになるやつだし…」

「出来るのとやるのは別物だからね、はいエノキのテンプラ」

「これもシャクシャクしてて食感がかなりいいな」

「キノコの天ぷらといえばマイタケにシイタケってなるけどエノキもいいんだよね、天ぷらにしたときの美味しさはマイタケが一二を争うけど」

「肉厚のシイタケも美味いが天ぷらにした時となると確かにマイタケが頭一つ飛び出るよな、変にかぶれたり金持ちアピールをしたい奴はマツタケって答えるんだろうが…あれは食感くらいで味は大してなぁ…」

「不味くはないんだけど味ってなるとマイタケがねー、焼いて食べるとマイタケよりはマツタケ、味なら肉厚シイタケになるけど」

「食感だけならエノキの方がいい気がするが、1本そのままと考えるとマツタケになるんかねぇ?」

「そこは好みの問題かな?カラっとサクっとシャクっとってなるとエノキ、それも天然じゃないスーパーで売ってるこういう細くて傘も小さいやつね、少々細目に取り分けてこれに打ち粉をしっかりまんべんなく、薄めの衣をつけて気持ち長めで揚げたらしっかり油をきる、これで衣サクサクエノキシャクシャクの美味しいエノキの天ぷらに、というわけで揚がったばかりの天ぷら持って行ってくるねー」

「はいよー、さっさと配って次のを揚げてくれー」

「ぴっぴょー」


 次は何を揚げようかなー、最初に用意していた分はなんだかんだで全部揚げて使い切ったし、追加で何かを揚げるとなったら厨房から拝借してこないとなんだけど…何か良いのあったかなぁ…探せば色々出てくるけど、取りすぎもよくない…事も無いか、上層階にいる人は高い物安い物は気にしないし、適当に揚げたら美味しい物を持ってくるか。

 下拵えやらなんやらがあるのでいったん火は落として、準備中の立札を出して厨房の冷蔵庫を漁りに出発、午前中は野菜類が多めだったので午後は魚介類と鶏が多めで…午前中は無かったホタテとクルマエビを追加、普通すぎて入ってなかったナスも入れて、オクラに玉ねぎもやしウズラのゆで卵、そして紅ショウガと。

 ついでに揚げはしないけど豚と牛、鶏腿も貰っていって鉄板で焼きましょ、ポークソテーとビーフステーキ、チキンステーキもそれはそれで需要がある、というより私が食べたい、ついでに卵ポテトとツナマヨポテトサンドも作って持っていきましょ。


「おーぅ…そう来たか…」

「ジュリアさんは見たことあるんじゃない?中身は違うけど」

「あるにはあるが食った事はない、興味はあったけど他の屋台で食った後だったしなぁ」

「えぇ…サンドイッチを天ぷらにするの…?」

「するよー?名前なんてものはなくそのままサンドイッチの天ぷら、これも南印の屋台出てる物だったりする、中身はマッシュポテトとスパイスを混ぜた物が基本なんだけど、ちょっとアレンジしてツナマヨポテトとエッグポテトにしてみた」

「重い事には変わらんな…」

「量はそれほど用意してないし、どちらかといえば私のお昼用だしね、豚牛鳥も一応は多めに持ってきてるけど私が食べたいだけ、持っていく時はシュラスコ風だね」

「ま、油をほぼ完全に分解するというお茶のおかげで胸焼けとかそういう物はないから揚げ物攻めでも気にはならんが、揚げ物ばかりということには変わりなし、ステーキがあるならそっちも食いたくなるよな」

「先にサンドイッチを揚げてからね?私は朝から何も食べてないし」

「思いつきで始めた兄さんが悪いとしか言えんな」

「だなー、思い付きでいきなり始めた主様が悪い、というより先に朝食くらいとれよ」

「ぴよー」

「ごもっともで」

「本当にサンドイッチに衣をつけて揚げ始めたよ…それ美味いの?」

「私が現地で聞いた限りでは普通に美味いそうだ、揚げたては特に美味いから休日には揚げたてが片っ端からなくなるって言ってたぞ」

「ほー…マジかよって思ったけど意外とありなんだな」

「というより向こうの人は油を摂取するのに躊躇いがない、卵2個に対してバター100グラムとか普通にあるし、そういう風に体が出来てるからねぇ、それでいえば沖島の人も似たような物かもしれない、揚げ物を比較的多く食べるし、ラードも結構使うしで」

「脂は生きるための活力とはよく言うけどな…南印は限度を軽く超えてくるからなぁ…天ぷら漬けの方がまだマシまであるな」

「現地そんなにすごい?」

「凄い、カロリーが無い物が無い、カロリーにカロリーを足してさらに追いカロリーをして挟んで止めのカロリー爆撃、そしてそのカロリーはチーズとバターなので油が凄い、1食でその日はもう何も食べなくていいくらい油とカロリーが襲ってくる」

「カロリー控えめも無くは無いんだが、大体はチーズとバターの爆撃でカロリーがヤバイ、甘い物に関しても顔が引き攣る位カロリーが高い、湯煎して溶かすような業務用ブロックチョコをチーズと同じように削るんだよあいつら…

だから屋台選びを間違えると酷い目に合う、中華系は辛いけどそうでもないから覚悟がない場合は中華系、覚悟を決めたらサンドイッチって感じだなぁ…」

「ジュリアは食ったのか?」

「甘い物が食いたくなってチョコサンドを頼んで後悔した、まずパンが4段、その間前部に削ったチョコとバター、余すところなくチョコを削って掛けたら焼いて軽く溶かして、食べやすいように切って完成かと思ったらその上からバニラアイスとバニラソフトを1カップずつ、さらにチョコソースをかけて完成って言う…

1人前のはずなんだがどう考えても3人とか4人前はあるんだよ…砂糖を足してるわけじゃないから激甘というわけではないんだが兎に角チョコが多い、量も多い、アイスだけ食ってホテルに持ち帰って1日がかりで食ったわ…」

「今のところ食った南印と風に外れはないが…そう言うのもあるんだなぁ…」

「伊達に世界一甘い缶詰を作ってるわけじゃないって事だね、よし、サンドイッチの天ぷら出来上がり、後は油を切りつつ他の物をまた同じ様に揚げていくだけと」

「サンドイッチは置いといて最初は何を揚げるんだ?」

「ひよこちゃんが目を輝かせて我慢出来ずに突き始めた貝柱、刺身でも食べれるいいやつだね」

「じゃあ刺身と天ぷらで両方くれ」

「はいはい、じゃあ先に刺身ね」

「サンドイッチ食ってみたいからくれー」

「エッグポテトとツナポテトどっちー?」

「両方を1切れずつ、美味かったら追加で貰う」

「揚げてるからちょっとえぇ…ってなるだけで普通に美味しいよ?重たいだけで」

「食ってみない事には何とも言えん」

「ま、そうだよね、はいどうぞ、それと貝柱の刺身」

「揚げてる以外の部分は普通にサンドイッチだが…んむ…なるほど、確かに美味いな、重いけど」

「芋で腹持ちをよくしてるからね、だから人気もあるしこれ1つで70円くらいとかなり安い、向こうの食べ物はなんでも安いけど、そしてホタテの天ぷらも追加と、それじゃ天ぷらを持って行ってくるねー」

「戻ってきたら肉も焼いてくれー、ビーフくいてぇ」

「はいはい、天ぷらを配り終わってからねー」

サンドイッチの天ぷら

特に何のひねりもなくサンドイッチを天ぷらにしただけ、だがそれが美味い

具材はマッシュポテトにスパイスを混ぜた物でもいいが、アレンジしてツナやゆで卵を混ぜてもいいしカツサンドを揚げてもいい、カロリーは美味しい

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