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まだまだ終わりません 技術力の差も考えよう

 んーむ、今日のガンガゼは中身がスカスカだなぁ、これだと粉末は大量に作れてもフレッシュの方はあまり作れない、けど…中身が無いと言う事は食い荒らしていたガンガゼはほぼ獲りつくして、その後ろに居る飢えたガンガゼになっていってるから…3分の1の駆除は完了した、と考えていいのかな?

 まあ…それでもまだ3分の2も居ると考えると…いかにお金を引き出して人員を増やすか、だよねぇ…地元の漁師さんだけじゃ限界があるというか、休む暇がほぼ無いというか、罠や網もタダじゃないし、加工もほぼボランティアで回してるくらいには足りてないからなぁ…

 取りあえず今日届いたガンガゼの加工をささっと済ませて、納品を済ませたらサメとエイ用の延縄の確認、それが終わったら…んー…どうしようね?時間的にお昼は向こうで食べる事になるから…ふむ、延縄に何か掛かってたらそれを適当に、何もついてなかったらアジか何かを釣ってコンビニでおにぎりを買えばいいや。


「はい、これが今日の分、中身がもう大分少なくなってきたからフレッシュはぼちぼち終わりかな?」

「フレッシュのダンボールがひのふの…確かに粉末に比べてかなり減ってるね」

「空のやつも混じってきてるし、来週くらいにはもうフレッシュの生産は終了かな?選り分ければ作れなくはないだろうけど、それでも500入りがダンボール1つ分作れるかどうかじゃないかな?」

「在庫はトン単位で抱えてるからもうそこまで無理をして作る必要はないかな?もう作るの無理ってなったらまとめて粉末で」

「はいはい、後1週間くらいは今と同じくらいは作れるだろうから、その以降は様子を見ながらだね、7月末あたりからは全部空っぽになって粉末になるだろうけど」

「粉末だけでも効果はある…というより値段的に粉末の方がよく売れてるのよね、コマセのかさましに使えてさらにイシダイとかクロダイ、カンダイにも効果があるし、堤防でのイシダイ釣りのお供みたいな感じでちょっと流行ってるのよね、流行らせたともいうけど」

「かぶせをやる時に牡蠣を砕いて撒くけど、これでも同じ事が出来るというか、やってる事は同じだもんね、上から砕いたウニを撒いて寄せてくるっていう」

「かぶせの牡蠣も買うとそれなりにするからねぇ、撒き餌はガンガゼ粉末とつなぎに小麦粉をちょっと入れた団子にして牡蠣はつけ餌の分だけ、ってやるとちょっと安上がり、フレッシュを足した方が効果は上がるけど」

「魚が食べたいのは中身であって殻じゃないからね、臭いはするから寄ってくるし突いて口にするけど」

「ただねー…噂のフレッシュガンガゼ丼を作って食べてみたってのも流行ってるのよね…確かに食べれるし、食べても大丈夫ではあるし、処理にミョウバンを使ってるわけでもなし、オイル臭い臭いもない海藻を食って身を蓄えたやつだから美味しいのは確かなんだけど…」

「煮詰めてペースト、そこに生を混ぜて急速冷凍、だからねぇ、そのままご飯の上に搾り出して食べても美味しいね、ガンガゼはガンガゼだけど」

「ちょっと高いとは言ってもそれは釣り餌として、であって、食用としてみれば滅茶苦茶安いからね、それでウニ食いてぇ!って人が割りと注文してるのよね、食品じゃないから食味とか消費期限がついてないから自己責任だけど」

「たまにオキアミとかアミエビを解凍して食べる人がいるよね、他にはクロダイ用のコーンとか、冷凍の赤貝とつぶ貝とか」

「別に人が口にしたらダメっていう物は使ってないからねぇ、化学薬品マシマシってわけでもないし、あくまでも釣り餌だから食べないでくださいって書いてるだけで、実際のところ人が食べても問題ないっちゃないのよね」

「くわせ用の添加剤も魚用に調整してあるだけで舐める程度なら害はないしね、人の口と鼻には合わないだけで」

「冷凍のオキアミとアミエビブロックに関してはぶっちゃけ茹でて凍らせてブロック状に切ってるだけだからね、塩分さえ気を付ければ漬物にも使えちゃう、ボイルじゃない生も凍らせてるだけだからかき揚げとかにして食べれなくもない、売ってる側は食うなっていうけどね、食品としては売ってないし」

「食品としてのオキアミとアミエビはちょっと高いからね…安全が確認されているからともいうけど」

「そう言えばお兄さんのところはオキアミとかアミエビは養殖しないの?モエビとマエビ、バナメイは餌と食用にってやってるけど」

「出来なくはないけど、ジュリアさんが使うのは大体生きたバナメイかマエビ、アイナ達はルアーがメインで泳がせとかもほぼしない、華ちゃんは淡水の餌だから練り餌とかいくら、リオは何でもやるけどスタイルはジュリアさん寄り。

そんな感じだからオキアミとかアミエビってそれほど使わないのよね、その都度その都度でブロックを買えば十分間に合うし」

「餌釣りをする人口の問題かー」

「メイド達も使う時は使うけどそれもやっぱり1ブロックあれば足りちゃうからねぇ、1日で10キロも20キロも使う、ってなって来たら海の方での養殖を考えるけど」

「3キロ袋1つにブロック1つを3人で使っても1日持つからねぇ、場所にもよるけど」

「沖磯や沖堤防だと時間内に使い切らないと帰りが大変だから物凄い勢いで使うんだけど、歩いて行ける様な場所だとねー、ちまちま撒いてちまちま寄せて、だから全然減らないっていうね」

「まー、オキアミとかアミエビの養殖は必要ないってことね」

「だね、必要になったらするけど、今はまだね、色々と調整する必要もあるし」

「養殖を始めたら今度持ってきてよ、漬物に使うから」

「養殖を始めたらね、さてと、そろそろ浜辺の方に行ってみましょうかね、今年はいないと思うけど」

「念には念をって奴だね、今年は浜辺の方に漁師を回せないし、ぎりぎりまで延縄やらなんやらを仕掛けてやれる事はやらないとね、というわけで延縄の回収はよろしくー、もしサメとかエイが釣れてたら漁港の方に連絡を入れてねー、そっちでばらしてカレーの具材用に処理するから」

「はいはい、それじゃまた後でー」


 延縄…にサメは掛からず、そこにベタ付けしてあるやつにもエイは掛からず、サメ寄せも効果はないから…うん、今年は網の内側にはサメもエイも居ないね、サメやエイを寄せるのに使った魚の輪切りを食べに来たカニが1匹針に引っかかっている程度、この感じなら撒いた餌は全部カニが処理してくれるから大丈夫かな?

 何も掛かっていないので延縄の損傷はなし、漁港がサメ用に抱えている物なので損傷しても漁港の方から修繕費が下りるのであまり気にする必要はないけど、共用の道具である事には変わりはないので最低限の手入れを済ませてから返却。

 今日もウニの駆除でほとんどの人が海に出たままなので挨拶も程々にして、ボランティアのおばちゃんに混ざって世間話をしつつムラサキウニの加工のお手伝い、とはいっても殻を割って流れる塩水プールの中に身をぽいっと入れるだけ。

 後は水流で汚れが洗い流されて、ついでに余分な物も沈んでと、かなり楽な作業といえば楽な作業、数が尋常じゃないという部分を除けば…だけども。

 殻を割っては中身を掬って塩水プールへ…を繰り返す事1時間、お仕事ではなく緩いボランティアなので適当にやって適当に切り上げ、おばちゃん達もお昼の準備にと引き上げて行っているので私もボチボチお昼の準備。

 とはいえ、食材は何も持ってきていないので現地調達、船がほぼないからこそ、かつ漁港の人から許可を得ているからこそ出来る、船を係留するための浮桟橋の上での釣り、先に許可を得て竿を出してるおばちゃんも居るので邪魔にならないよう隣の桟橋へ。

 アジ狙いなのでサビキが鉄板、ではあるけど、数を釣るわけではないのでアジングでちょこちょこっと、釣れるといいなー程度で軽く投げて巻くだけ、隣の桟橋にいるおばちゃんはサビキでマメアジを結構釣ってるし、居るには居るのでのんびりと、でもマメアジだとちょっと小さすぎるからもうちょっと大きめのやつがいるタナを探って…

 糸が切れると…これアジじゃないなぁ…となると…ふむ、ラインブレイク防止のパイプをリーダーに通して、スナップを結びなおしたらジグヘッドを装着して、スナップをパイプにめり込ませたら準備完了。

 これでもう一度糸が切られた深さまで沈めまして、ちょっと巻いたら…んむ、やっぱりカマス、種類もアカで大きさも30センチとそれなり、もうこのまま竿を畳んでもいいけど1匹だとちょっとさみしいので…お土産含めて後5匹釣ったら引上げかな?


「ただいまー、延縄の返却ついでにちょっとお手伝いをしてきた、それとお昼時だからこれお土産」

「おかえりー、サメとかエイは獲れた?」

「今日もゼロ、エイ用に底まで沈めてあるやつにカニが1匹引っかかってたくらいだから今年はもうどっちも居ないね、網の外側には居るかもだけど」

「網の内側にいなければ問題なし、これだけ連日延縄を張って獲れないなら今年はもう大丈夫でしょう、という事で後でぼちぼち海開きの準備をしていいよーって各所に通達しておかなきゃ。

で、お土産はー…カマスか、焼くか、塩と醤油とバターと味噌にスパイスで」

「1人2匹の計算で全部で6匹しか釣ってきてないよ」

「そこは皆で突けばいいでしょー、というわけでカマスを焼いてくるから花井ちゃんと一緒に店番よろしくー」

「よろしくー、って言われても…ねぇ?」

「いいんじゃないですか?3人で思い思いのカマスをつつけば」

「まあ…そうなんだけどね…取りあえず店番はするとして、予約品はまだ6割くらい取りに来てない感じなのね」

「ボーナスが出るまで取り置き、みたいな感じで予約をする人も居ますからね、つまりは例年通りです」

「普通のお店なら発売日から1週間以内に取りに来ないと強制キャンセルされるだろうねぇ…前払いなら取り置きはしてくれるだろうけど」

「一応うちも期限はありますけどね、3ヶ月過ぎて連絡も無しなら強制キャンセル、前払いの場合は忘れてる場合もあるので2週間くらいで連絡、取りに来るのが困難な場合は配達先を聞いて発送ですね。

たまにいるんですよ、直接来て注文したはいい物の、タイミングが悪く急な転勤で来れなくなるとか、事故に遭って入院して来るに来れない人とか」

「あー、本人は悪くないけどどうしようもないやつね」

「その場合もありますので、3ヶ月は様子見、来る事も連絡を入れる事もなく、であればそもそももう買う事の出来ない状態でしょうし、そのくらいの期間があけば取り置きをせずとも在庫が出来始める頃になりますしね」

「私が最近買ったのって最初から大量にあって待つ必要もないショアシリーズくらいだからねぇ…」

「お兄さんの場合はハイエンドから何まで全部メーカーから送られてきてますしね、レッドウルフはお兄さんの分のみ、ですけど」

「契約してても2つ目が欲しければ買え、だからねぇ、そこは契約した当初からずーっと変わらないねぇ、まあそれほど高い物でもないから買えばいいんだけど」

「ハイエンドは兎も角として、それ以外は安いのは確かですからね、他のメーカーが出したら10万からは取られそうな上物が1万で買えますし、その他の竿も4万とか5万は取れるくらいの物ですし、買えと言うのも分からなくはないですね」

「ワールドとネレイド基準だと2万円台くらいの竿に落ち着くけどね、その他のメーカーとの差が大きすぎるともいうけど」

「高いから良い竿、安いからあまり良くない竿と判断するのは普通ですけど、メーカーの技術力を考えると…」

「そこが始めたばかりの人がわりと陥りやすいところよね、高い物イコールもっと良い物、という認識は大抵の人にはあるし、ワールドやネレイドがミドルで3万で出していたとして、他のメーカーのミドルも3万で出していたら同じくらいの性能だと認識しちゃうし。

その感覚でハイエンドに手を出す時にこっちのメーカーの邦画値段が高いからもっと良い竿だ、って考えで買うと大体損をするのよねぇ…あ、見本のリールがちょっとがたついてる」

「どれです?」

「これ、マキシマのナッシュ3000XG、5年前のモデルで散々回され続けてきたから当然といえば当然だろうけど」

「一度分解して摩耗した部品を変えないとダメですねぇ、まだ生産は続いてますし、3000円台のリールの性能としてはいまだに上位に入ってますし、生産終了までは取り扱う予定なのでガタが来た物を触ってこの程度かと思われるのもちょっと」

「祭典で展示されれてるリールより回されてる物がほとんどよね、古い物に限るけど」

「ネレイドに移行につき終了、交換となった物は全部新品に置き換えてますが、3000円から5000円台のスピニングはまだ製造が続いてますからね、マーメイディアの技術が使えなくなっただけでその下の物は細々と続いてますし」

「今のマキシマならモデルチェンジも早そうだけど…フラグシップがどうなるか次第か」

「ですね、今ある技術を全てつぎ込んだフラグシップの開発はしているみたいですが、比較に持ち出されるのがマーメイディアなので中々厳しいでしょうね、他にガタがきているリールがあったら出しておいてください、新品同様、とはいきませんけど、近いくらいまでには直しますので」

「ナッシュ以外だと…これかな、ワールドの海燕5000XG、ガタと言うほどではないけどちょっと引っかかる感じ」

「その海燕も4年前のショア入門用みたいなリールですからねぇ、以前はショアで悩んだらこれを買っておけ、みたいなリールでしたし」

「安くても名機は名機、ってやつかな?はい、取りあえずこの2台だけで後は大丈夫だね」

「午後の仕事はこのリールの整備からですね、さて、そろそろカマスが焼ける頃でしょうし、一旦閉めて食べに行きましょうか」

「そうだね、焼き魚は焼きたてが一番美味しいしね」

釣り餌

一般的には食用ではない、が、食べれない事もない、物によるけど

アミエビやオキアミは茹でて冷凍した物をブロック状にカットしているだけなので…自己責任になるけど使えなくもない

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