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グロい童話とひっどい昔話 こういう勉強もたまには有り

「今日の教材はこちら、昔話と童話!基本的には勧善懲悪、ではあるんだけど、本当にそうなのか?という事を勉強してみましょう」

「昔話と童話…女の子の大半が憧れるのはシンデレラですよね、虐めを耐え抜いた先に待っているのは王子様との…ですし」

「あれはそんな話じゃないぞー?思いっきりマイルドにされてるけど、再婚相手である2人目の母を始末してるからね?

手口としては大きな衣装箱に頭を入れたところで蓋を落として首をへし折る、つまりもう一線を越えてるぶっ壊れた女なんだよねー、ちなみに計画を立てたのはマイルドに編集されてる3人目の母親、さらに削られている内容としては2人の姉が居るじゃない?あの2人は靴を履くために踵や足首に足の指を切ってまでサイズを合わせようとする根性を見せていたりもする、出血しているのが見つかって嘘とばれた揚句鳩に目を突かせて失明させるっていう刑にあってるけども」

「王子様えぐすぎませんか…?」

「王族に嘘をついて死罪じゃなかっただけまだやさしいほうよ、シンデレラはガラスの靴を落としたーってあるけど、あれ王子にタールを撒かれて靴だけがくっついて残っただけだからね」

「おぉぅ…欲しい物はどんな手を使ってでも手に入れようとするやべぇ奴にしか思えませんね…」

「登場人物でまともと言えるのは誰一人居ないってのが改編前のシンデレラね、父親も娘の殺人をスルーして、頼まれたからって直ぐに3人目と結婚って位にはド屑、娘の言う事を聞く位には愛していた、とも取れなくはないけどね」

「でも一応シンデレラと王子は幸せに暮らした…んですよね?」

「さて、それはどうかな?王子は手段を問わず手に入れようとするやばいやつ、何ならシンデレラをトロフィーか何かみたいに考えている可能性もある、シンデレラはシンデレラで一線を越えてぶっ壊れている女、舞踏会を機に幸せになりましたーとは言うけど、シンデレラって元々貴族階級なのよ、だからこそ招待状が届いたわけだし、貴族が身内で殺しあって実権を握る、なんてのは日常茶飯事、証拠が見つかれば立場は危なくなるけど…そこはもうすでに事故死に見せかけて一人始末してるわけだし、招待状が来なくてもしれーっと姉と継母を始末していた可能性はあるね。

そして王族は王族で側室は付き物、となると身内同士の殺し合いはさらに激化するね、側室同士の仲が良かろうがその周りが勝手に暗殺を実行しちゃうからね、だから幸せになりましたーってぶった切って終わってるけど、本当に幸せになれたのかどうかは謎なままというね」

「童話怖っ!」

「ちなみに平民だったら平民だったで更なる問題も出るのよー?平民は勉強しないさせないと言うのが普通の時代だから、迎え入れたところで何の役にも立たないただのお飾り、正妃にしたらしたで周りの貴族からのバッシングがえぐい、何なら親同士が結んでいる正規の婚約者や側室予定の方面から暗殺されるまである、政治は好き嫌いでやるような物じゃないからね、多分父親である王からもそれとなく止めとけって言われるだろうね。

で、暗殺されなくても確実にいじめは激化する、味方をしてくれるのは王子だけだろうし、第二王子という予備がいるなら継承権もそっちに移る、それを不服とした場合はもう暗殺謀殺のオンパレードよ、丸く収める方法としては王位を諦めて平民落ちして2人で暮らす、諦めない場合は親兄弟全殺しで王位簒奪コース、それ位リスクがあるのよー?

正妃でも側室でもなく、ただの使用人とか愛玩動物扱いならかわせるかもしれないけどね、使用人も貴族で固められてるからやっぱり虐めはあるけど、というより普通は身分が確かじゃない者を城に入れるってのはしないから、徴兵でもされない限り兵は全部貴族だったりするのよー?

まあ、ここだとそんな事は無いけどね、貴族だなんだってやってたら滅ぶ所まで行ってたし、今の兵士は実力主義よ、全体の統率とか隊での統率の適正は見て割り振ってるけどね、どれだけ強くても指揮できなければ何の意味もなし、多少弱くても隊を上手く運用できるなら隊長もしくは副隊長って感じでね。

取りあえず童話が出来た時代はまだまだ貴族と王族の時代だし、そういうメンツやらなんやらもあったから…幸せにはまずなれないよねっていう」

「時代も考えるとそうなるんですねぇ…それじゃあ眠り姫なんかは?あれは王子がキスをして目を覚まして…ですけども?」

「あれは王子がただただ女の敵、まず魔女の呪で15になった王女が糸車の針を指に指して100年眠りにつく、そしてキスで目を覚ましてハッピーエンド、がマイルドになったお話し、なんだけど…

王子が取った行動は寝ている王女を襲って孕ませる、さらに王子は正妃が既にいる状態でね、でー、その眠ったままの王女に双子を生ませて、その双子が指をしゃぶった時に眠る原因になった針が抜けて起きまして、嫉妬に狂った正妃が双子を焼き殺そうとした時に双子を救出、王子はそのまま正妃を日の中に突き落として始末して、王女と子供が幸せにっていう頭ハッピーエンド。

大分端折って解説するとこんな感じ、まず王子がやばいよね、正妃がすでにいるのに寝ている王女を襲って孕ませてるし、当然一発必中でもない限りは…だから何回も行為に及んでいるよね、でなきゃ正妃が嫉妬に狂うって事はないし、そしてほったらかしにして切れて狂った正妃を火の中に突き落として…だからやばい位の屑だよ。

目が覚めた王女にしても知らないうちに見た事も会った事も無い奴に孕まされて、さらに出産までさせられてるんだからたまったものじゃないよね、一体これでどうハッピーエンドになると言うのか、ハッピーエンドを迎えたってあるからにはまあそうなんだろうけど、間違いなく現実を受け止めきれず狂って精神崩壊からの頭ハッピーだろうね」

「うぉぉぉ…やべぇ…白馬に乗った王子かと思ったらやってきたのは犯罪行為も厭わない浮気野郎だった…」

「今出回ってる童話は全部マイルドに編集された物だからね、原作の方を読むと結構えぐいよー?人魚姫もウンディーネと結婚した騎士が元恋人と浮気をして、ブチ切れた叔父を鎮めてかつ騎士とその元恋人を救うために身を投げるんだけど、そんな事知ったこっちゃねぇと騎士と元恋人は普通に結婚しまして、その行為は禁忌で蘇ったウンディーネに2人とも殺されるっていう」

「騎士が屑なのか恋人が屑なのか…両方でしょうねこれ…」

「浮気するような奴は救うに値しないっていう教訓がある分童話としてまだましよ、童話は基本的に何かしら教訓がある物をって感じで纏めて編集されてる、やべぇやつしか居ないシンデレラと眠り姫にもあるからね。

マイルドになりすぎた物といえばポカホンタスもそうだね、あれロマンス要素どこにもないからね?」

「恋に落ちてどうのこうのじゃないんですか?」

「そもそも恋に落ちる落ちない以前にすでに結婚済み、で、まず最初に渡った先で早々に夫は殺されて、自身は男に襲われて孕まされて、タバコ農家と結婚させられた上に見世物にされてそのまま死んでいくっていうお話、どこをどう改変したら恋に落ちるロマンスになるのか…まあ訳した人がその国の人だったから都合が悪かったんだろうね、それで大幅に改編して事実を覆い隠そうとしたと思われる」

「うわぁ…未編集のポカホンタスってそんなのなんだ…」

「千夜一夜物語ことアラジンもカシムっていう盗賊が出てくるけど、あれアラジンの父親ね、そしてカシムの最後も合言葉を忘れて戻ってきた盗賊にバラバラにされて、見せしめとして同靴の入り口に放置されたっていうお話、ハッピーですらなんでもないね」


「童話の話は一旦置いておきまして、ここからは解釈次第でどうとでも変わっちゃう昔話、一番わかりやすいのが桃太郎かな?」

「きび団子でお供を連れて鬼退治、ですよね?」

「桃太郎のやばいところその1、きび団子1個で犬雉猿の命を賭けさせる、付き合う方も付き合う方だけど、普通はあり得ないよね、団子にやばい成分が入っていた可能性もある。

その2、正々堂々と戦ってはいない可能性、そもそも桃太郎一行だけで制圧可能であれば多少の被害が出ても大人数人がかりで何とかなったよねっていう、そうじゃないならスニーキングからの寝首を掻く、または毒物混入による毒殺だよね。

その3、鬼が集めた宝物を全て持ち帰る、持ち帰りはしたけど持ち主には返してないんだよねこれ、いわば強盗が奪った物を強盗してきて自分の物にしている、そもそも鬼は人ではないので法には縛られないけど、持ち主に返してないので横領だよね」

「中々に酷い解釈をしますね」

「そもそも報酬がきび団子1個だけとかブラック所じゃない労働環境だけどね、これも童話みたいにマイルドにはなってるけど、エグい方面ではなく、単に桃食って若返った2人が子作りして子供が出来ましたってだけだからね」

「なるほど、解釈を変えずとも最初からブラックでしたか」

「さるかに合戦もあれは猿が悪いってなってるけど、果たして本当に猿が悪いのかな?」

「猿がやった事といえばおにぎりと柿の種を交換、そしてその後柿を投げてカニにぶつけた…ですよね?」

「そう、でも柿を受け止めようとも避けようともしなかったカニに非はないのかな?それ以前にサルはカニに言われた通りに柿をとって落としてるだけかもしれんよ?」

「でも熟してない硬い柿では…あー…熟してるとそもそも落とせませんね…」

「そうだね、熟柿はふにゃふにゃでちょっとした衝撃で潰れるからね、それを持った状態で降りろというのも渡せというのも無理な話、確実なのは熟す前のカリカリしてる柿を採って下に落とす事、だからカニの要望にはちゃんと答えているのよ、そして一番の問題、木って表面がガサガサしてるじゃない?」

「してますね、引っかかる場所も多いですし」

「カニって木を登れるのよ、よく海で岩を登ってくるカニとか見かけるでしょ?消波ブロックも多少きつくても昇ってくるし、垂直でも引っかかる所があれば登れちゃうわけだね、なので自分で採りにいかず猿に行かせたカニは悪くないのかと、その上で言われたとおりに柿を下に落とした猿は悪い奴だったのかと。

ついでに言えばカニは功を焦るがゆえに柿の木を脅迫してるね、ちょん切るぞとかなんとか言ってわずか数日で成長させている、正直水も栄養も足りてない状態で育ってる状態なのよね、人で言うなら身長が160に対して体重が25行くかどうかのやべぇ状態と言ってもいいね、足りてたとしても広範囲に根を張って周囲の水分と栄養は全部吸い尽くしてるから雑草も生えない乾いた土地の出来上がりよ」

「カニがかなり悪い奴に思えてきますね…」

「その上で後に待つのが猿に対する一方的な暴力だからね、もうどっちが善でどっちが悪やらっていう、そもそも集団リンチかつオーバーキルが本当に正義のやる事かっていうのもあるね、反省を促すのではなく蜂による毒注入、臼による圧殺、栗による火傷、牛糞による破傷風、正義のせの字もなく完全に命を狙いに行ってるよね」

「それで逆に反省して許してくれた猿の方が聖人に近い存在である可能性が出てきますね…」

「元のお話では猿は死んでるんだけどね、臼に潰されてオーバーキル、正義という名目を立てれば何をしてもいいと解釈出来るね。

ちゃんと育った上に初年度から実をつける珍しい柿の種と交換し、要望通りに柿を落としただけで酷い目にあった猿はむしろ被害者と言っていいね、別にカニを騙したわけじゃないし、熟した柿を食べたのも対価と考えれば普通の事よ、カニはむしろ自分でも登れるのに報酬無しのタダ働きで登らせたのかっていう。

解釈によっては、家を建てる建築技術や知識があるのに、渡し板を斜めに立てかけるという考えに至らなかったのか、とか、子供を産んでる時点で死因が柿とは限らないし、生まれた子供が1匹だけの時点でカニとは違う別の生物だし、とか、蜂とか臼とか呼んで来る事が出来るなら空を飛べる奴に柿を採って貰えよ、とか、結構突っ込みどころが出てくるよね」

「確かに、家に住んでいるのであればそれなりの物もありますし、木に登るための道具もあってしかるべきですよねぇ?でなければ屋根の修繕なんかは出来ませんし、他人任せだとしてもその人に頼めばいいだけで…」

「そういうわけでも無く元々建っていた家に上り込んで住んでいたのであればそれはそれで不法侵入だよね。

他にもウサギとカメだとフェアプレイというか、一緒にゴールをしようと待っていてくれたウサギを放っておいてゴールした薄情なカメとか、わらしべだと最後に屋敷を手に入れるってあるけど、条件である3年以内に戻ってきたところを庭に埋めて隠した可能性も出てくるよね。

鶴の恩返しも終わり方がちょっと不穏だったりするのよ、若者または翁が助けた鶴が恩返しで反物を作る、売る、最後に部屋を覗いて鶴は去る、その後覗いたという自分の行いを悔やんで僧となる、ってあるんだけど、何に悔んでいるかってのは書かれてないのよね、痩せ細って行っていた鶴を止められなかった事に対してか、覗いた事に対してか、前者ならまあいい人、後者なら外道、最後まで覗かなかったらそれはそれで死んでただろうから外道よね」

「昔話は読めばそのまま富話や勧善懲悪ですが、解釈を変えて考察するってなると中々面白いですね、頭の体操にはよさそうです」

「でしょー?だから色んな童話や昔話を色んな解釈をして読み解いてみましょー、でもその前にお茶だね、喋りっぱなしでのどが渇いたわ」

「なんだかんだで2時間喋りっぱなしでしたからねぇ」

「それじゃあ各自飲み物とおやつを持参した上で再びここに集合、一時解散!」

「はーい」

頭の体操

昔話や童話をちょっと切り口を変えてこうではないかと別の解釈して読んでいくとちょっと頭を使う

解釈を変えて読み解くだけなので頭を使いすぎる事はなく、ちょっとした暇潰しなんかにもなる

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