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簡単だけど美味しいやつ ほぼ潰れました

 牛脂とトリミングした牛肉を細切りにしてー、牛脂を炒めて脂を出しつつ、細切りにした牛肉はオイスターソースで下味をつけまして、出てきた脂で下味を付けた牛肉を軽く炒めつつ牛骨スープを入れて、調味料も入れてちょっと煮る。

 軽く煮ている間にささがきにした大量のゴボウを熱した油に投入してパリっとするまで揚げて、その間に軽く煮ていた牛肉に片栗粉を投入してとろみをつけて、また少し煮込んで粉っぽさをなくし、ゴボウが揚がったら油をしっかり切って、煮込んでいた餡を全部かけでしっかり混ぜたら…

「なんですかこれ…?見事に茶色ですけど…?」

「テレビでやっていたのをちょっと作ってみたくなってね、本当は豚だけど牛肉でも美味しい事には違いないし、今日の賄にって作ってみた」

「中華なのか和なのか…折衷ですかね?」

「折衷だね、取りあえず味見…うん、ゴボウはパリッと、牛肉と牛脂でさらに美味しく、中々良い出来だね、さぁお食べ」

「何々?何か美味しい物が出来たの?」

「餡かけゴボウだそうです、正式な料理名は知りません」

「創作料理の1つで名前は無い物だから餡かけゴボウで良いんじゃないかなぁ?」

「んー、美味ぁ…パリパリのゴボウに濃いめの餡、牛肉と牛脂で追い打ちをかけるように旨みが広がって…ご飯あります?」

「分かる、これご飯が欲しくなるよね、むしろ丼にしてかきこみたい、なので私もご飯ください」

「あっさりした中華そばにかけても美味しそうですよね」

「あー…それも良いなぁ…今度使用人さんに同じ物を作って貰って保温機に登録しておこうっと、おかずだけじゃなくおつまみとしても良いし」

「そして無に帰すダイエット」

「おぉぅ…怖い事言わないでくださいよー…」

「食べ過ぎそうだからちょっと釘をね?一応こっちのまだ餡をかけて無い方が使用人さん達へのお土産用、片付けが終わったら持って帰って渡してあげてねー?それと今日はトレーニングお休みね、たまには休養を入れる事も大事、どうしてもという場合は軽めにね」

「はーい」


「そう言えば、こっちの世界って焼肉店はどの位有るんですかね?」

「んー…少なくともこの王都だけでも30はある、一時流行って乱立して100とか200位は行って、集団食中毒を発生させて、生肉のまま出す場合はどうのこうのっていう決まりが出来て、許可証を貰うにしてもお金が掛かるし、お金を払えば直ぐ貰えるというわけではなく、ちゃんと手順を踏んでいるかを確認して、そこで問題がなければ発行して貰える、要は資格試験みたいな物だね、お金を払って試験に挑む、落ちたら貰えない、合格したら貰える、みたいな?

資格を貰ってからも救護院で食中毒患者がでたに時は前後の食事はどこで何を食べたかが聞かれるし、それて生肉を提供しているお店が入ってたら立ち入り検査、当然飲食店なので1人で済むわけもなく、同じ店舗に行った人が複数人食中毒になってたら営業停止処分、1人だけなら運が悪かっただけか他の物が原因って感じだけど、一応抜き打ちで検査は入る。

なんて事をやってたらどんどん潰れて行ってうちを除くと30位しか残ってない感じ、逆に言えば残っている所は大丈夫って事だね、豚専門の焼肉屋もあるけど、そこは火が通りやすいようにある程度は薄切りにしてるし、生で食べるような物は出してないから食中毒を出す事も無く今も続いてるね」

「思ったより少ないですね、王都ってなんだかんだでかなり広いですし、この北西地区だけでもちょっとした街1つ分位の広さはありますし、もっとひしめき合っているものかと思ってました」

「広いには広いけど人口はそうでもないからね、この星の総人口は今150万居るか居ないかだし、大量にお店があっても利用する人はそれほどねー、これから増えてはいくだろうし、それを見越して東の大陸とかを開拓してるわけだけど、今そんなにお店があっても、ってやつだね」

「あー…なるほど、それほど人がいないんですね、自分の元々居た所の基準で考えてました」

「ちなみに召喚された時が200万位、討伐に行った時期が180万、同行していた兵士と東の大陸で砦を守っていた兵士が全員虐殺されてたり、魔物の活動が活発になって兵士が減りに減って160万、制御チップを外した事によりレベルとかステータスとか言った作られた概念が消えたから間引きで死ぬ人もぽつぽつ出て、再訓練等をしてそれは減ってきたけど今も命懸けである事には違いなし、そしてちょっと前のバカみたいな戦争で敵国の兵士やら危険因子は全部処理して残った人口約150万、って感じ?」

「こっちに来てから50万も減ってるんですか…」

「東の大陸に渡っている間もこっちは魔物との小競り合いも頻発してたし、総力戦みたいな事をやればそれ位は減るよ、大戦時に死んだ兵士だけで約40万、総人口の約5分の1が徴兵されて兵士になる位末期だったとも言えるけどね。

まあ、放っておいたら最終総人口0人まで行ってただろうけどね、それも3年以内に」

「うわぁ…一体何をどうやったら…って考えるまでもないですよね…下半身に脳がついてるあいつらに政治が出来るわけないですし、洗脳して従わせればいいって感じでしたし、食糧は間違いなく全て献上させて自分達だけ贅沢な暮らし、そんな事をすれば農民等が真っ先に飢えて死にますし、減って来たらさらに巻き上げて、最終的には奪い合って殺し合いからの餓死エンドですかね?それもほぼ確実に」

「農業とか狩猟とかの知識があれば試行錯誤をしてどうにかなるけど、そこまで頭が回る様なのは真っ先に反抗して…ねぇ?洗脳して何も考えられない玩具にされていたわけだし、残ってるのは後先を考えられない知識も知能もない獣、無ければ有る所から奪うって事しか出来ないし、国内の食糧は持って1年、その後は食べ物を求めてどんどん外へ外へと攻めて行って、奪って、生産する人が居なくなって…で3年以内って所かな?

冷蔵庫も冷凍庫も無いわけだし、特典なる物で貰った魔法に関しては実際は効果がないわけだし、洗脳はまあ制御チップで脳を弄られてるからそう動くけど、保存をする方法がない以上はイナゴみたいな行動を取るしかないからねぇ。

なので奪い取った食料自体も早々に腐るし、原因がわからず内部で争いも発生するだろうし、プライドの高さ故に雑草を食べるという事も仮に出るという事もしないだろうし、出ても魔物か野生動物に狩られて死ぬけど」

「制御されている間であれば一応概念を押し付けられているから勝てるのでは?」

「そこはもう玩具で遊んでる側の気分次第よ、押し付けているという事は好きに弄れるわけだし、絶対に勝てない数値に弄ってしまうと言う事も出来るわけで、そしてそれを押し付けている側は絶頂に至っている状態から無様に滅んで行くのを楽しみに待っていたわけだし、まず野生動物なんかには勝てない様にされていただろうね」

「あー…」

「そうでなくても狩猟の知識もなく野生動物に挑むのはただの自殺志願者でしかないからね、あっても準備を万全に整えてようやく、弓で狩猟をするにしてもその場合は小型、よくて鹿、猪や熊は刺さらないから無理、50とか60キロの強弓があれば可能性はあるけど…まあ引けないだろうね、そもそも猪とか熊がその場でじーっとしているわけもなし、余裕をかましている間に突き上げられて噛まれるか、熊なら叩かれて即死かな?

よく言う現代兵器とその生物に対する知識の2つがあるからこそ狩る事が出来るわけで、どちらか1つが欠けるだけでも狩猟が一気に難しくなるのよー?特に熊はもうただの災害でしかないね、平地なら時速40キロから60キロで走れるから逃げきれない、腕を一振りされると首と胴体が離れる、掠ってもざっくり切れて助からない可能性が高い、助かる方法は敵意を見せず攻撃態勢にさせない、腕を一本失う気で倒れて噛みつこうとしてきた時にのど奥まで腕を突っ込んでのど奥を掴む、まあこれも突っ込んでる時に噛まれたら腕とお別れで確実ではないけどね、そして躊躇ったらお終い、かつ相手が1メーター位までである事」

「運がなければ生き残れないという事ですね…」

「だね、そもそも口に手を突っ込むこと自体攻撃とみなされるし、一旦離れても足をかまれて振り回されたり、殴り飛ばされたりで死ぬね、まあそんな感じで、どう足掻いても総人口0になってたんじゃないかな?魔王を倒した所で魔物がいなくなるわけでなし、弱体化するわけでもなし、最後は城を囲まれて兵糧攻めで、じゃないかなー?

まあ、話は大分逸れたけど、総人口が少ない分王都と言えど人口密度も低いわけで、あまり乱立しても客足は今一になって売り上げがねー、特に密集していた所は互いに食い合って共倒れした感じ、うちは資本金自体が桁違いなのと、立地が立地だから何の問題もなく続いたけど、ここからちょっと外れた所にある飲食店が並んでいる区画、さっき言った豚を出してる焼き肉店以外は全部潰れたよ、20軒位焼肉屋がずらーっと並んでた位だからね」

「それはまた何とも…」

「乱立して肉の需要が上がって高騰すれば仕入額も上がる、仕入れが上がれば値段も上がる、そうして回らなくなって…っていうパターン、うちも資本金があるとはいえ、その時は元々やってた魔物のホルモン専門店に戻したもん、それほど高騰してたんだよね、その時に一斉に潰れた。

まあ…中には肉じゃなくて嬢なんかを売ってるお店もあったけどね、客と嬢がぴったりくっついて、嬢が食べたい物を注文して、食べさせたり食べさせて貰ったりして、楽しくお喋りして、食後に気分が乗ったら別料金でお持ち帰りして…ってのが有ったのよー?うちの真似をしてユッケで食中毒を出して潰れたけど」

「それは果たして焼肉屋と言って良いのかどうか…」

「物自体は安い物を使ってるけど嬢が1人ついてくるから割高で、嬢はただで好きなだけご飯が食べれて好評だったんだけど、食べに行くと言うより奢りに行くお店かつちょい高めでちょっと不評ではあったね」

「それはもはや飲食では…うーん…」

「よく考えてみよう、キャバクラなんかもお酒を飲みに行く所ではなく、そこで働く人にお酒を奢って話をしに行く所、なので物が変わっただけではある、高いお酒と高いフルーツか、高いお酒と高いお肉かの違い位しかない、お酒を飲むだけなら居酒屋とかバーが有るしね」

「なるほど、そう考えれば物が変わっただけでやっている事は変わりませんね」

「でしょー?でもまあ、もうそのお店はないし、王都で生き残っているお店は30位って事だね、一応他の国でもちょこちょこっと広まってはいるから、4桁は無いけど3桁は確実に有るかな?食べ方を変えただけだから農村部なんかでもこう言う一口程度の大きさかつ程々の厚さに切って焼く、そしてタレにつけて食べるってのは広まってるのよー?」

「そう言えばこっちの食べ方って基本的に香草で香りを付けた丸焼き、またはステーキ風と言うのが多いですね、一口サイズに切り分けて焼くのは稀というか、サイコロ状に切る時は煮込みというか」

「食文化の違いというやつだね、それと肉質、今まではそうやって調理する方が美味しく作れていたからそうしていたってのも有る、ステーキ肉をそれ用の大きさに切って焼いても硬いままでしょ?それどころか味が抜ける、だから分厚く大きく取って、表面を焼いたら玉ねぎやニンニク、香草を載せてじっくり蒸して表面は香ばしく、中は柔らかくなる様に焼き上げるのよね、そういうのを食べているだけはあって顎は強いからちょっと硬い位は問題にならないけど」

「食文化の違いは結構厳しいですよねぇ、馴染み始めると早いんですが」

「今は馴染んで普通に営業してるけどねー、ちなみにうちが流行った理由は取りあえず安かったから、投げ売りの魔物の内臓を買って丁寧に処理をして臭いを落として、炭火でじっくり焼いてさらに臭いを飛ばして、ニンニクと玉ねぎベースのタレで香りと味をつけて食べる、お値段も大銅貨5枚で量もそれなりで4皿も食べれば満足、ってのが受けたのよね、高級路線だったら間違いなく流行ってないし売れてない」

「安い物は今も値段が変わりませんよね、手間がかかる分安い魔物の内臓でもないのに」

「そこはシエルの努力の賜物かな?それと等級を追加して採算が取れる様にしていたってのもある、それなりに良い物とかなり良い物を上と特で高く売る、安い物は値段を下げて以前と変わらない様に、そうやって儲けが出るようにしていたわけだね。

何せここはカジノの真横、買った人はかなりの確率で上や特を頼む、そうでなくても余裕のある人が多いから割と売れる、だから並でちょっと赤字が出ても上と得で黒で塗り潰せる、そういう売り方をしてたのよー?薄利多売ともちょっと違う感じ。

今はシエルが値段に合わせて各牧場で飼育してるから、赤字が出るとしたら何も売れない日がずーっと続いた時位?10年位赤字を垂れ流した所で何の問題もないけど」

「普通そこまで垂れ流したら潰れませんかね?」

「マスター代理が国に大金貨を万単位で貸し付けてるからね、利子だけでも毎年大金貨が5枚は入ってくるし、趣味でやってる赤字では絶対潰れない店ってやつ、カジノの方の収入もあるし、食中毒を出さない限りはどうやっても潰れないね、そして食中毒の原因となる物は全て取り除かれているので…」

「あの出入り口の殺菌殺虫作用のある霧ですね」

「そう、当然厨房にもうすーくではあるけど散布してるから、トリミングした部分も実は生で食べれる、手順を守らないと抜き打ちの時に危ないからちゃんと守って火を通すカレーの方に回ってきてる感じだね」

「タマキとそんな話をするより中華そばと白米をください」

「そんな話って…まあただの疑問だったのでぶった切ってくれてもいいんですけど…」

「はいはい、量はどのくらいで?」

「中華そば大盛り白米は塩にぎりで、ゴボウが美味しくてお箸が止まらない」

「食べ過ぎるとお腹に来るよ?」

「ぐっ…お…お昼に落ち着いたら頑張って走るから!走って何とかするから!」

「ダメそうだったらさらに厳しい個別トレーニングになるだけだね」

「おふぅ…」

餡かけゴボウ

ささがきにしてパリっと揚げたゴボウに豚肉を使った餡をかけた物、肉はひき肉でも牛でも鳥でも良い

白米に中華そば、ゴマ油で炒めただけのそば、天津飯の餡の代わりに使ってもあう

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