溶けると丁度良い お土産も沢山
えーと、打ち上げに来るのが店長さんと恵里香さん、社長と副社長にちーちゃんとさーちゃんが確定で、花井ちゃんはアイナと一緒にネレイドの方で打ち上げ、アスカもワールドでアキラもアナライズとそれぞれの方に行って、ジュリアさんの場合は終わり次第片づけて即撤収、帰国のラハブとJ&Mだから打ち上げなんて物はなくてレッドウルフの打ち上げに混ざってだから…全部で8人の、肉肉お肉のバーベキューで…まあ20人分位ドカンと買ってくればいいか、ちーちゃんとさーちゃんのお土産の分もあるし、大体1人前2万から3万として…軍資金は50万も貰えば十分か、契約しているとは言え基本的にはお金は貰ってないし、道具に関しても壊れたら無料で交換修理はしてくれるけど、トラウトを釣ってる時にアズライトウルフが壊れた位でそれ以外は傷すら入ってないし…うん、こういう時位はお金を出して貰わないとね。
でー、足が出るか出ないかは買いに行ってみるかわからない、かつ量が量なので早めに肉屋さんとかスーパーに行って早めに確保する必要もありまして、今日は日曜日とはいえ最終日なので来場者はほどほど、午前中はワーっと押し寄せてきたけど、今はもう暇と言っていい状態なので…
「ちょっと抜けて買い出しに行ってくるから後はよろしく」
「はいはい、一番良いやつお願いねー」
「一番良いのがお肉屋さんにあるかどうかだね、なかった場合は…華ちゃんのお婆さんに頼んで取りに行くか…」
「地元だからあるだろう、とは言いたいけど、一番良いやつは売れなきゃ大赤字だからねぇ、飛び込みで買えるかどうかは運だね」
「無いなら無いであてはあるからどうとでもはなるけどね、それじゃ行ってきまーす」
「はーい、ついでにココナッツミルクフラッペLLもよろしく」
「お届け先は?」
「屋外の休憩スペースで」
おー肉お肉ー良いお肉ー…を20人分はさすがに無理だったので、華ちゃんのお婆さんに電話をして、予算は大幅所じゃない位にオーバーするけど1頭買い、有名ではあるけど一番高い物かと言われればそうでもなく、1頭1300万位なのでまあぼちぼち、華ちゃんが扱ってる一番高い物になると5000から6000はつくので比べるまでも無く…だけど、安いからと言って美味しくないというわけではなし、要はどう扱うか次第。
というわけで1頭買いして領収書を貰って、保冷して台車に積み込んだら次は店長さんの注文であるココナッツミルクフラッペのLLを1つ、ついでに自分の分でココアフラッペのLLも1つ注文してしばし待つ。
店内に入らなくてもテイクアウトであれば外からでも注文が出来るので良いのだが…うん、さすがに保冷でシートを被せてあるけど、牛1頭台車に積んでいるだけあってそこそこ大きく、それなりに邪魔になっているので受け取ったらささっと会場に帰りましょ。
解体に関しては…んー…バーベキュー会場でやればいいか、キャンピングカーの中は広くとも、キッチン周りはそれほど広くないし、牛1頭丸々はさすがに置き場所がないし…一足先にそっちに行って準備して置くのも有りか。
よし、飲み物を受け取ったところでまずは祭典会場に戻って、ちょっと休憩してからバーベキューの会場に移動して解体だぁね。
「牛1頭買いかぁ、さすがに社長と副社長も卒倒するんじゃないの?現金でポンッと払ってくる方も払ってくる方だけど」
「普通に買ったら1300万、そこに鶴の一声というか、軽く圧力が入って300万、ブランド名で大体800万上乗せ、資料と飼育で200万追加って感じだから、ほぼ原価みたいな物だね」
「1300万で売れる牛を300万で持っていかれた卸業者は色々辛いだろうなぁ…ま、卸業者も仕入れる時は半分位の値段だけど」
「全部が全部同じ値段で売れるわけでもなし、同じ飼育方法でも個体によってバラつきがかなりあるからねぇ、その中でも一番良いのを卸して貰ったけど、んー…あっま」
「今日の打ち上げはかなり豪華になる事はもう確定だね、んむ…甘いわぁ…」
「クラッシュアイスが溶けて薄くなったら丁度良くなるんだけどねぇ、それ込みでの濃さなんだろうけど」
「毎日飲んでると糖尿が心配になる甘さではある、取りあえず領収書は社長か副社長を見つけたら渡しておくよ」
「お願いねー、私は一足先にバーベキュー会場の方に行って色々準備しておく、というより牛の解体から始めなきゃ」
「解体をしてるところを見られたら通報されそう」
「熟成済みの物だから足と骨位しか付いてないけどねぇ?」
「そういえばタンとかホルモンは?」
「ちゃんとあるよー?そっちも下処理しないとだから、食べれる様になるのは17時位かな?」
「ざっと片付けや撤収の指示を終わった位だね、多少後ろにずれ込むかもしれんけど、ちーちゃんとさーちゃんはジュリア経由で閉場する前にそっちに行く様に言っておくよ、ついでにスーパーで焼き肉のタレとか食いたい野菜、それとレモンとネギと飲み物を買って来いって送っとく」
「タレはキャンピングカーの中に自家製の物が無くはないけど、市販の物も美味しいからねぇ、一応自家製と塩とわさびは用意しておくね」
「よろしくー、しかし甘い、Mにしておくべきだったか…」
「でもMだと物足りずLだと微妙なんだよね」
「色々と憎い濃さだぜ…」
まずは内臓を開いて丁寧に洗いまして、食べやすい大きさに切って、部位によっては食べやすくタレが入りやすい様に切れ込みを入れまして、さらに塩をかけて臭み抜き。
臭いを抜いている間にタンをトリミングして、肉も各部位毎に切り分けて、レバ刺しは無理だけど牛刺しは可能なのでミスジをそれ用に取っておきまして、それ以外の部位は食べやすい大きさに、骨髄も美味しく頂けるので骨付きカルビも用意しまして…
そうこうしているうちにホルモンの臭いも大分抜けたので洗って塩を抜いて、さらに片栗粉で追い臭い抜き、どんなに良い牛のホルモンであろうと臭い抜き等の下処理を怠れば台無しになる、なのでしっかりと、念入りに。
骨の周りの肉もしっかりこそぎ落として挽き肉に、牛筋は圧力をかけてトロトロに、牛テールも血抜きをしっかりと、残った骨は…貰っておくか、これはまたコント牛コツスープにでもしよう。
でー、挽き肉は塩だけで固めたハンバーグにして、圧力のかけ終わった牛筋もほどほどの大きさに切って、ハンバーグと牛筋は鉄板で焼くので鉄板も用意して…あ、そうだ、ご飯も炊いておこう、せっかく良いお肉があるわけだし、ペパーライスも作らないとね、焼きそばでもいいけど。
牛脂も大量にあるし、トリミングで削った部分もタンは兎も角火を通せば食べれるのでそっちに使って、ペパーライスには粗びきコショウとニンニクが必要で、コショウはあれどニンニクは無し、トマトやコーンなんかを足してもいいけど今回は使わない方向で…ジュリアさんにニンニクも頼むか。
そして現在時刻が16時ちょっとすぎで祭典は終了、今会場の方では片づけやらなんやらの段取りをしている頃かな?予定では後1時間か遅くても18時前には来るはずなので…今からご飯を炊いて、ホルモンも片栗粉を落として仕上げたらもう後早く準備を整えれば完了…かな?
よし、それじゃあ今頃スーパーにいるであろうジュリアさんに電話をして、ニンニクを追加で買ってきて貰って、その間にコンロを用意して炭に火をつける準備もしておきましょ。
「社長が笑顔のまま固まってますが…一体何を渡したんです?」
「今日用意した食材の領収書、今ここにずらーっと並んでる肉の領収書をね?肉の調達は妹ちゃんに一任したからねー、一応かなり安くはなってるよ?」
「一体何を買ってきたんですかね…」
「日輪牛1頭買い、華ちゃんのお婆さんを経由して1300のところ300で、だからかなり安いはずなんだけどね、はい、ミスジの刺身が出来たよー、味付けはご自由に」
「醤油とわさびで食べるのが良いんですかね?」
「塩だけでもいいしレモンをかけてもいいし、焼き肉のタレでも、何を付けても美味しいよ?」
「表面を軽く焼いて炙り風にしても良いね、ちょっとピリッと来るけど下ろしたばかりのニンニクをちょっとだけつけても美味しい」
「まあ、ぶっちゃけるとここにあるやつはホルモン以外は全部生でも大丈夫だけどね、雑菌等がついているであろう表面はトリミングしてそっちでペパーライスになってる、生で食べると危ないってだけで食べれるしね。
取りあえず気にせず好きな様に食べればよし、ガッチガチに固い席ではなく、自由に好きな物を好きなように食べる打ち上げだからね」
「あ、社長が再起動して食べ始めた」
「1頭だから全部食べ切るってのは無理だけど、その分お土産用に包む事が出来るし、よく考えなくても安いからねこれ」
「確かに、これだけあると食べきるのは無理ですよね」
「焼き肉用だけでも各部位盛り合わせで5人前ずつの実質10人前分位、ステーキ用も5人前ずつ包んであるから、送って行ってもらう時に忘れないようにね?」
「何から何まですみません」
「このペパーライス美味いなぁ、いくらでも食えそう」
「牛脂が大量にあるならこれは外せないよね、美味しく作るコツは牛脂をたっぷり用意して粗く刻む、鉄板で牛脂を焼きつつ油を出して、そこに刻みかスライスしたニンニクを入れて香り付け、ニンニクに火が入りすぎて苦くなる前にお肉を追加して焼いて、ある程度火が通ったらご飯を入れて、焼き肉のタレをちょっとほどほどにかけてよく混ぜたら仕上げに粗びきコショウをちょっと多めに。
お好みでネギとかコーン、粗みじんにした玉ねぎとニンジン、シメジとかマッシュルームとか、キクラゲも有りだね」
「ペパーライスとお洒落な名前を付けてはいるけど要は焼き肉飯だしね、チキンライスとかチャーハンの材料と味付けが変わった様な物よ」
「何も間違ってはないけど、一部は違うって否定してくるんだろうなぁ」
「焼き肉飯って名前だとアレだけど、ペパーライスって名前だと女性も頼みやすいとかそういうやつよね、中身は何も変わらんけど」
「あー、確かに、焼き肉飯って名前だとちょっと頼み難いですけど、ペパーライスという名前だとちょっと頼みやすい感じはしますね」
「作り方は見ての通り完全に鉄板で作ってる焼き飯なんだけどね、使ってるお肉が輸入の薄切りではなく、国産でグレードも高い物だけどね、そして半分位無くなった所でさらなる追加、ここで圧力をかけてトロトロにしておいた牛筋を鉄板の上で焼いてタレを少々、一部はそのまま食べて一部は残ったペパーライスに混ぜ込んでレモン汁を少々」
「牛筋を焼いた物…って美味しいんですかね?初めて食べますけど」
「そのまま焼いた場合はゴリゴリで噛み切れないけど、圧力をかけてトロトロになってるから美味しいよー?」
「スーパーで売ってるすじ肉はこのトロトロになる腱の部分が含まれてない事が多いから要注意」
「正確にはあれは筋の周りの肉でたまに筋が混ざってる肉、というのが正しいね、精肉コーナーの人とか肉屋さんで頼めば出てくるとは思う」
「これも良いなー、定期的に食べたくなる」
「出来なくはないけど飽きるよ?それなりに味が濃い物だし、こういう物はたまに作って食べる程度がいいのよ」
「サルサソースで焼いても美味しそうな気はするな」
「キュウリじゃなくてピクルスで作ってるサルサソースなら美味しいと思うよ?牛脂でサルサソースを炒めてトマトの甘みを出して、それで肉を焼いてご飯に絡めて、ピクルスとタバスコの酸味と辛みでピリッと、でも今はないからまた作ろうかってなった時におぼえてたらだね」
「サルサソースってなんです?」
「ジュリアの出身国の北側にある国の代表的なソース、トマトとピクルスに玉ねぎとピーマンとタバスコ、後はお好みでレモン汁とかニンニクすりおろしとかセロリが入る、ピクルスの代わりにキュウリを使う事もある」
「バーガーに挟むと美味いぞー?分厚いビーフパテをレタスに乗せてにサルサソースをどっさり載せてパンで挟んで、使ってるサルサソースも野菜たっぷりで意外とバランスがいいんだよ」
「調味料といえばサルサソース一辺倒になる事も無くはない位だしねー、昔ロケで行った時は何かとサルサソースが付いてきた物だよ」
「また今度作ってみよーっと」
「味は塩をちょっとずつ足してしてね?酸味が欲しい時はレモン汁を追加で」
「基本的には刻んで混ぜるだから簡単で失敗し難いのも良い所、刺身を薄く切ってカルパッチョ風にしても良いぞー?スズキとかタイ、アジにヒラメ辺りがよく合うぞー?」
「なるほど、釣れたらやってみます」
「ま、今はそれより目の前にあるお肉だね、というわけでユッケも出来たからお食べ」
「わーい、久しぶりのユッケだー」
フラッペLL
砂糖マシマシ生クリームもたっぷりで作られた物、そのまま飲むとこれでもかと濃くて甘い
クラッシュアイスも混ぜられているので少しずつ溶かして飲むと丁度良くなる




