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相手が悪かった 嘘は言ってない

 んー…ここはどう立ち回るべきか…地下に行ったら良くて戦闘発生、そうじゃない場合は戦闘無しのイベント処理で死亡、2階に行くのが無難ではあるけど、呼ばれる前に見つかったらやっぱりそこで終了の可能性、言いくるめと幸運次第で生存の可能性はあり、部屋から抜け出さなくても順番に呼び出されるからあまりよろしくはない…うぅむ…

「どうします?何か行動します?」

「このまま大人しくして家主と適当に話して助かる可能性も有ると言えば有るけど…持ち出した物があることがばれたら即死だよねぇ…」

「それはこっちから何とも、その時が来るまでどうなるかはわかりませんね」

「んむぅ…まあ…今家主は確定で書斎に居るのはわかってるんだけど…よし、ここは呼び出される前に先手を打って隠れると忍び足で重要っぽい人物を連れ出そう」

「じゃあダイスをどうぞ」

「隠れる失敗忍び足ファンブル」

「えー、それではお兄さんは隠れたつもりになってどったばった音を立てながら2階へ行きました」

「誰か来たりする?」

「だーれも来ませんね、まったくもって無反応です」

「ほー…なるほど?じゃあ重要人物っぽい人の部屋の鍵穴を覗いて中を確認で」

「鍵穴から覗いた部屋の中は薄暗くてよく見えません、角度を変えてみても蝋燭が置いてある机の上以外はほぼ見えないのと同じ、詳しく調べるためには部屋に入る必要があります」

「鍵開いてるかなぁ…」

「閉まってますね、開ける場合は開錠、ぶち破る場合はドアの耐久15を何らかの方法で削りきってください」

「まあ、開錠を振るのが先よね…成功、7割あると大体成功するよね」

「ドアを開けると廊下から差し込んだ光で部屋の中央に人が倒れているのが分かります、倒れている人はピクリとも動く事はなく、腹部に刃物が突き刺さっていると言う事も分かります」

「死んでる…?」

「廊下から見た限りではわかりません、差し込む光の反射で刃物が突き立っているというのが辛うじて分かる位です」

「死んでたらやだなー…虫の息だったら応急手当でどうにかなる可能性はあるけど…入って倒れている人を調べます」

「呼吸は浅いが倒れている人はまだ生きてはいる、だが倒れているのは部屋の主ではなく、この館を紹介した酒場の女給だった」

「えぇー…なんでぇ…」

「このまま放っておけば後10分もせず息絶えるであろう、応急手当てをしても助からない可能性の方が高いが何か聞き出せるかもしれない、失敗をすればすぐ死に絶えてしまうかもしれない」

「んぅぁー…情報は欲しい…けど…誰か応急手当に振ってる?」

「余った分を適当に入れただけなので47しかないです」

「初期値ー」

「60です」

「これ呼びに行ってる間に死んだりする?」

「アヤカの部屋ならDEXの5倍で振って成功すれば往復5分ってところですね、失敗した場合は階段から転げ落ちて1D3のダメージとタイムロスで時間切れです」

「ここは…40%に賭けるか…97!ダメージは最大の3!」

「女給はお兄さんが刃物を抉るように引き抜いた事によりショック死してしまいました、成功で0失敗で1D3の正気度減少」

「ぅゎぁぃ、皆大好き正気度チェックだー…成功」

「あっ、やっちゃった、位にしか思ってませんねこのお兄さん」

「まあ、酒場でちょろっと話しただけの人だし?特に何の感情もないよね、取りあえず部屋に目星で…成功」

「争った形跡はなく、女給は刺される前も、刺されてもなお無抵抗、助けを求めようともしてなかったように見えます」

「だよねぇ、悲鳴とかそういう情報もなかったもんねぇ…家主と部屋の主はいずこ…」

「お兄さんの行動は一旦終了してアイナの行動を処理していきますよー」


「えー…、折れ曲がった家主の首が360度、720度とどんどん回転していき、ねじ切れた頭が地面にごとりと落ち、落ちた頭からこの世の物とは思えない不気味な笑い声が上がり地面に溶けて消え、残った体もねじれながら姿を変えていき…」

「あ、これダメなやつ」

「ロスト確定お疲れ様です」

「まだ、まだ正気度チェックに成功すれば20減少するだけで生き残れるから!」

「家主を倒したら終わりじゃなかったか…いや、終わったんだけど」

「それでは、皆様お待ちかねの正気度チェックタイム、この世に存在してはいけない冒涜的な物を見た探索者どもは成功で1D20、失敗で1D100を振りやがれ!覚悟を決めてとっとと振れ!」

「もうどうにでもなーれー」

「これどこから間違えてたんでしょうねぇ?館の主がエネミームーブをかましまくってましたし、集めた情報をまとめてみてもやっぱり館の主が黒幕で元凶ですし…」

「それじゃエンディング入りまーす、どうすれば正解だったかはその後で、まず館は崩壊してついでに悪意の種が村中にばらまかれて村人は全滅、それは徐々に大地を蝕んでいきいずれは大陸中も覆い尽くすであろう、だがそれは何年先の事かはわからない、明日かもしれないし10年後かもしれない、ひょっとしたら永遠に訪れないのかもしれない、この惨劇から生き残った探索者達はただただ生きている事を幸運に思うのであった…」

「さて…戦犯だーれだ?」

「それはゲームが違う、でもキーパー目線で強いて言うならアイナかなー?家主に心理学を振ってクリティカルしたのが悪い、あの家主は考えが読めるし、面白おかしく引っ掻き回してやろうってなるから、なるほどー、そう思ってるならこうしてやろーって感じでね?」

「女給の手当てに成功してた場合は何か情報でたの?」

「成功してたらわが身をわが神に捧げます、位は言ってたね、生きてても死んでても変わらない場を引っ掻き回すためだけのNPC、舞台となった館を宿泊場所として勧めていたのは生贄を誘導するためかな?心理学でクリティカルが出てなければ死ぬ事は無かったともいえる。

呼び出されてちょっと場を引っ掻き回したいから死んでくれる?って言われてそのまま自害を謀った感じ、争う事も無く叫ぶ事も無かったのはそれが理由、自分の命を投げ出す事も厭わない狂信者だしね」

「重要っぽい立ち位置だった部屋の主の女性は?」

「あっちが本来の黒幕、家主の正体も知ってる、だから最後にNPCの正気度チェックがなかったでしょー?そして探索者はその黒幕を被害者と勘違いして保護してる状態、後はわかるな?」

「バッドエーンド…」

「集めた情報からすると黒幕はシュブニグラスを呼び出そうとしていたんですよね?結果として成功したっぽいですけど…」

「そりゃもう、探索者が黒幕のふりをしてるニャル様をどついている間に保護した黒幕が隠れてこそこそと、館崩壊から脱出してから間もなく到来、コンタクトを取るだけなら遠隔でも出来るから用意した贄を捧げて願いを伝えておしまい。

情報を辿っていくと黒幕がニャル様になったのはニャル様が改竄したからだね、心理学をただ成功しただけだったら何も変わらず、そのまま追っていけば黒幕の女性にぶつかって後は物理でねじ伏せて中断させる、もしくは退散の呪文で追い返して終了」

「書斎に呼び出されて話をどうのこうのってのは?」

「あれはただの時間稼ぎ、パクった物があっても見逃してくれるよ、面白い方向に行けばいいだけだから」

「どうにかする方法はあったんですかねぇ?」

「真の黒幕だった女性に対して心理学でクリティカルを出して見破る事ですかねぇ…?怪しいところは特になく言動も普通、何なら旅行から帰ってきたところと言うのも本当でしたしね、旅行に行ってた理由は書斎にあった見るだけで正気度が下がる本の収集ですけど。

もっと書斎をがっつり調べていれば全部合わせて17冊位出てきてましたよ、写本なので間違って訳されている物も有りますからね、正しい物を繋ぎ合せてより完璧な魔道所を作るっていうライフワークだったので」

「やなライフワークだなぁ…」

「お兄さんが部屋に荷物を行った時に目星なり幸運なり成功していれば…旅行鞄から書斎から盗んだ写本と似たような物がはみ出ていたのを見つけたでしょうね、部屋から出た後すぐ書斎に収納されたので家主の持ち主っぽくなりましたけど。

ただあの時点ではただ本がはみ出ているなー位の情報しか出ませんでしたけどね、それを見た上で書斎で見つければどこかで見たような…そうだ、あの女性の旅行鞄からはみ出ていた、って感じで気づく感じでしたね、他にも色々ヒントはありましたが…クリティカルで全て書き換えられたので、トゥルーを目指すためにはどうにか女性に対して心理学で振ってクリティカルをしてぼろを出させるしかない、っていう状態ですね」

「お兄さんの終盤の行動で地下に行くか待つかって所で地下に行ってたらどうなってたんです?」

「儀式の最終段階に入った女性を見つける事が出来ます、まあ、1対1だとまず勝てませんけどね、女性自身今までやべぇ本を読みまくって色々と呪文を唱える事が出来ますし、地味に装甲3付与されてますし、3人から6人で囲んで棒で叩く、が正攻法ですね、ちなみにその段階では地下にニャル様は居ません、その頃は2階に女給を呼び出して自害させてますからね、地下に移動したのは皆が行動を終了して地下に行くかーってなった時、目星クリティカルしてたらベッドの下に隠れてるニャル様を見つける事が出来たよ、後お兄さんがファンブルを出して止めをさした時に心の中で爆笑してたね」

「明かりが廊下から差し込んでるのと壁際の机の蝋燭のみ、そんな状態でベッドの下とか見つからんよねぇ」

「見つけたら見つけたで部屋の主が刺して部屋を出て言った位は言っただろうね、なんでベッドの下にいたかは別として」

「中々信じがたい情報ではあるよねぇ、部屋の鍵は閉まってたわけだし、ベッドの下にいる時点で怪しさ爆発だし」

「まあ、言える事と言えばこの世界はもう終わりだって事ですよね、願いが成就して種が蒔かれたわけですし」

「そうすぐに芽吹く事は無いですけど、第一次大戦勃発と同時に芽を出して、第二次大戦が勃発する前に大陸はもう子山羊で埋め尽くされるんじゃないですか?その辺中に餌があるわけですし、広大な大地の食べ物を食べ放題ですよ?陸続きじゃない場所は大丈夫でしょうけど…保護されて脱出してますしねぇ?長い船旅を得てもう1つの大陸に行ってそっちでも種蒔きをするんじゃないですか?種子はもう貰ってるわけですし」

「うーん、圧倒的バッドエンド」


「そう言えばお兄さん」

「はいはい?」

「1日開けていた日がありましたけどどこに行ってたんです?」

「ここと似た別の星、多分狐さんかルシフの悪戯、朝起きたら雑草の敷布団に枯葉の掛布団だったよ…でもまあ、メイド達のお土産はぼちぼち出来たから良いんだけどね」

「私達には無いんですか?」

「無い…かな?基本的にここにある物と変わらないし、メイド達のお土産にはなっても恵里香さん達のお土産になるような物はないねぇ…漬物1つとってもこっちでも買える物だし、お店の名前位しか違いがないよ?」

「あー、なるほど、年代だけがちょこっと違う感じの所ですか」

「向こうの方が若干未来かな?まあ5年もは開いてないだろうけど」

「誰かを引っ掛けてくるわけでもなくただ飛ばされた先で遊んで帰ってきたって位ですかねぇ?」

「引っ掛けて持ち帰ってきても碌な事にならないだろうねぇ…」

「トラブルメーカーが身近に居たって事ですね」

「そんな感じかな?何せ後先考えずに山道から外れた所に突っ込んできて、帰り道が分からなくなったからって初めて会った私に頼んで来る人が居るし、登山装備じゃないから疲労も凄くて休憩をーとか言ってくるし、お世話になった館でも遠慮なくワインを10本とか空けてたし…全部が全部高い物じゃないけど総額70万ほど3人で飲んでたね、別れた後どうなったは知らない」

「図太いのか図々しいのか…出会ったのがそういう人なら引っ掛けて…と言うのは無いですねぇ、ルシフさんに弾かれるでしょうけど」

「いやいやー、ご主人様がこの娘が良いって言うなら弾きはしないし自由にさせるよー?そう言うのも他の所で暮らしている娘の中に何人もいるし、でもまああれは弾くかな?初対面だし、好意を寄せてるわけでもないし、子連れの便利な人位にしか思われてなかったしね」

「なんなら館の使用人さんの方が仲良くなった位だよ、カレー臭漂う衣を着た人ともちょっと仲良くはなったかな?」

「カレー臭漂うってのがまた何とも…」

「まあ、事実だからねぇ、カレーをひっくり返して黄色い衣をスパイスの黄色で上書きして、カレーの匂いも付着させて…だし…」

「間違いなく密室に招き入れていい人ではないですね、ある意味テロですよテロ」

「だよねー、遠くで見てた私もあれはテロだと思うわ、はい、当分補給用砂糖多めの紅茶、それとホイップたっぷり蒸しパン」

「一息入れたらどうします?まだTRPGをやります?」

「TRPGはシナリオを練ると時間が掛かりすぎるのでさっくり遊べる物で良いんじゃないですか?」

「さっくり…さっくり…」

「該当する物が多すぎて逆に思いつきませんね」

「食べている間に思い付くでしょ、いただきまーす」

「このホイップの厚さが私を狂わせる…」

どうなったかは知らない

どうなったかは大体予想は出来る、が、結末を見たわけではないのでどうなったかは知らない

脳を取り出す工程も段々複雑になって行っているので予想は外れている可能性もある、強いて言うのであれば過程がどうであれ結末だけは変わらない


ある意味テロ

カレー臭の黄衣の人を密室に呼び出したので部屋の中はカレー臭で充満、良い匂いを出しすぎて食欲を刺激するというある意味テロ行為

そうでなくても中身が中身なので呼び出したのがご主人様でなければ、館が消し飛ぶわ山も消し飛ぶわ無事な所にいる周辺住民の正気度は根こそぎ削り取っていくわのこれまたテロ行為になっていた

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