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内臓以外は大体いける 刺激されて行きたくなってくる

「ただいまー、ちょっと大きいお土産があるよー」

「はーいおかえりー…って、ちょっと大きい位で済むんですかね?目測でも2メーターを軽く超えてますけど?」

「全長がほぼ280で重さが170ちょいだからね、番組収録中でまあ証拠もあるからって事でその場で世界記録に申請されちゃった、通るかどうかは知らない」

「あー…とうとううちのチャンネルから世界記録保持者の誕生ですかぁ…」

「まあ、仕方ないね、取りあえず明日にでも解体して、それを動画として投稿すればいいんじゃないかな?」

「ですねー、まだシートと氷に包まれていて中身がなんなのかがわかりませんけど」

「美味しい魚…かな?開封は明日のお楽しみね」


「はい、皆さんおはようございます、今日は料理回です、妹ちゃんが番組の収録中に釣って帰ってきた魚を解体して料理をしていきたいと思います、物が物だけに番組のネタバレやらなんやらに配慮して放送終了後の投稿になりますので、大体これを収録したのは1月くらい前と思ってください。

さて、ちょっとした前置きが終わったところで、今から木箱の中身を取り出していくんですが、まだ私も中身を知らないんですよね、お楽しみーって事で、それじゃあまずは木箱の釘を抜いて箱を解体していきます、木箱の長さが大体350、この中に氷がぎっしり入ってるから重くて持ち上がりませんからね、箱をぶっ壊して氷の中からシートに包まれた魚を引っ張り出す、という手順ですね。

なのでまずは釘抜きと金槌、これで木箱の内側から軽く叩いて隙間を作って、釘抜きを使って釘をどんどん抜いていくと、氷を除けて引きずり出したいだけなので片面だけ、コンコンカンカン叩いては釘を抜いて…

片面の板が外せたら氷を掘り進んで、シートを掴んで…それと同時に木箱を掴んで傾けて貰って引きずり出す!重過ぎるわっ!氷で滑らせてなお重いわ!

最初から木箱を倒してーって思う人がいるかもしれませんけど、それをやると魚の向きが変わるのでお勧めはできません、魚は基本横に寝かせて入れますけど、木箱を倒してしまうと腹が上になったり下になったりしてしまいますからね、なので、持ち上げられない場合は片面の板を外して、氷の上を滑らせて引きずり出す、というのが大事になります。

さて、まだシートは外しませんよー?このシートは敷物になりますからね、メイドさんにも手伝って貰って、以前マグロを解体した物よりは少々小さい台の上に…乗せる!

そして…ようやくシートを開いて中身がお目見えってやつですね、それでは御開帳ー…うわぁ…でっけぇ…でかすぎてなんだこれってなりますが…カンパチですね…

妹ちゃんから貰ったデータによりますと、全長が279.4でほぼほぼ280、重さが175キロ、胃の中身を抜いても160あるそうです、そして現在世界記録に申請中、これが投稿された頃には受理されている…と思います。

神経も抜いて血も全部抜いてあるそうなので後は捌いていくだけですが…これはマグロを捌く包丁が必要ですね…下ろし方も同じ、3枚ではなく5枚で背と腹に分けて、それじゃちょっと包丁を取ってきてから捌いていきまーす、出刃1本でも出来なくはないんですけどね」


「はい、カンパチの解体が終わりました、これだけ大きいと割と余すところなく食べられそうな気がしないでもないですが、内臓は胃袋と肝位にしておきましょう、後はコンポスト行きです。

しっかし…これヤバイですねぇ…丸太かよって位太っていただけあってハラミのこの厚さ、暖かくなってきている時期なのに脂もすごい、内臓を取り出したときに中身も出しましたが、あれだけイワシを食べていればこの脂も納得ってやつですよね。

ここまで育っていると寄生虫が心配になってきますが、内臓を出した限りではアニサキスは見つかりませんでしたし、身の方にもそれらしい物は見つかっていないので刺身でも大丈夫でしょう、ですので、皮を引いて大トロの部分を柵にしましたら…まずはお刺身、刺身といえば厚切りの方が贅沢、という考えがあるんですが、青物のハラミは脂の塊に近いので、寿司ネタよりちょっと厚い位、これ位が程よくて美味しく食べれる厚さですね、厚すぎると口の中が脂だらけになって脂以外の味がしなくなりますので。

ハラミじゃない背の部分はちょっと厚切りにしても大丈夫ですが、魚によっては厚すぎると生臭くなるだけですので、血抜きが上手くいってない物、酸欠で死ぬまで放置されて野絞めになっている物、この辺りは厚切りではなく、少々薄切りにして生臭い臭いがしない、醤油の香りなどの方が勝つくらいにしてあげると美味しく食べれますよー?

昆布や大葉、ネギに生姜を使って臭いを抜くという方法もありますけどね、その場合は魚自体の味も変わってきますので、魚の味を楽しむ、という場合は厚さを工夫してみましょう。

ちゃっちゃっちゃーと銀皮に飾り包丁を入れて、普通の刺身よりは薄く寿司ネタよりは厚い、まあ中間位で刺身にしていきまして…これでカンパチのハラミ、大トロの刺身の出来上がり、飾り包丁は見た目だけでなく、これだけ脂がのっていると醤油を弾いてしまいますので、醤油を飾の隙間に入れて弾かれないようにするために必要なものです。

取りあえずお皿を氷の上において冷やしておきまして、次は背の部分、背の部分だけで軽く50キロ近く、こんなカンパチ見た事ねぇわ…今までの世界記録でも70キロちょっとですよ…大きさにしても170位ですし、半身だけでも軽く世界記録に近い重量なんですよね…

まあ、柵取りをしていきまして、柵取りが終わったらハラミの部分の倍位の厚さ、昨日釣った物で熟成は終わってませんし、コリコリっとした触感があるので、普通の刺身よりは薄く切りまして…これで背の部分の刺身の出来上がりです、残りの刺身はメイドさんにやって貰いましょう」


「刺身の次はタタキですね、ただ大きすぎるので柵取りした物を拝借しまして、藁と氷水を用意、そして藁に着火して表面を一気に焼く、火力が落ちないように藁もどんどん追加して万遍なく焼けたら氷水に突っ込んで串を外してこれ以上熱が入らないように冷やす。

タタキってよく氷水に入れると旨味が抜けるとか臭みが増すっていう人がいるんですが、そもそも焼いて細胞を凝固させている状態、止血なんかでどうしようもない場合焼いて止めるってるじゃないですか?あれと同じなのでそもそも旨味が抜ける事はないです、水の上に浮いてくる脂は身を焼いて滲み出てきた物だけ、なので旨味が抜けるだのと言ったのとは無関係です、そして表面の熱が抜けたら取りだして表面の水分を取って先ほどと同じように刺身より少し薄い位で切る。

でー、切りながら説明、焼いて冷やしたら臭くなるっていう人がいるんですけど、あれは血抜きがちゃんと出来ているかどうか、そもそも新しい物かどうかで大分変わってきます、古い物や血がちゃんと抜けてない物は何をどうやっても臭くなります、鮮度に気を付けたり原因となる物を取り除いてしまえば臭う事はないです。

他にはそうですねぇ…焼いて食べても美味しいんですけど、後からメイドさん達がワーッと来ますので、全部刺身とタタキにしたいと思います、カマと頬は大きさが大きさなので刺身にもできますが、そこは焼きます、焼いて皆で身をほじりながら食べたいと思いまーす、目玉の周りも間違いなく美味しいですよー?ちょっとグロテスクですけどね。

それじゃあ刺身やタタキを作るのはメイドさん達にお任せしまして、でっかい頭とカマを焼いていきたいと思います、それと骨、骨の周りにも身がたっぷり残ってますし、小骨が刺さるという事もないので、この部分も焼いていきまーす、色々と大きすぎて大変だぜ!」


「腹減ったー、何かないー?」

「刺身とタタキ、カマ焼きと兜焼きならありますよー、昨日なんだこれって言っていた木箱の中身です」

「うぉ…でっけぇ頭…ヒラマサ?」

「焼いて分からなくなってますけどカンパチです、一応世界記録ですよ?刺身と焼き物になってますけど、胃袋は食べやすい様に細切りにしてチャンジャにしてあります」

「頭だけだと何とも言えんが…世界記録ってことは90キロ位か?」

「いえ、280の170です、重さだけならダブルスコアを軽く超えてます、長さも1メーター更新、現在記録申請中だそうです」

「よく釣れたなぁ…これどこで釣ってきたん?」

「店長さんのお店の正面にある堤防、よりもうちょっと沖にある沖堤防、そこで収録中にフカセをやって釣ったそうですよ、来月にテレビで放送されるので、詳しく知りたい場合はそれを見るといいと思います」

「ラインはPE?」

「ライン強度の基準に使われている安いナイロン12号、40lbですね、リーダーでもなくメインで針と直結、2時間以上かかったそうですよ?なのでテレビで放送される時はカットマシマシですね」

「40lbでよく釣れたな…PEの8とか10を巻いて、というのならわかるが、40lbか…」

「まあ、二度と塗り替えられる事のない記録でしょうね」

「同じ条件で釣り上げろって言われたらまず無理だな、船かつラインが1000メーター位あれば時間次第でどうとでもなるが」

「船ではなく沖堤防、それで巻いていたのは200メーターだそうですよ、狙っていたのは10キロ程度のカンパチやヒラマサで、このサイズが釣れるのは予想していなかったそうです」

「予想して釣れるなら誰でも世界記録が取れるけどな、んむ、美味い、昼から酒が欲しくなるわ」

「しかし、これでまた祭典の時に妹ちゃんが引っ張りだこになるんでしょうねぇ…マグロとカジキの時もそうでしたが、それより前のピーコックの時も結構な物でしたし」

「ピーコック…あの写真のやつか」

「そう、最終テストと国外でも釣れるっていう宣伝用の映像を取りに現地へ行って、釣れるには釣れていたんですけど、大体60から70程度、小さくもないけどちょっとインパクトが、って事になりまして、じゃあメーターを釣りましょう、それもトップでド派手に、ってやって釣ったのがあれです、その時も使用していたのが安い12lbナイロンなので、真似しようと思って出来る物ではないですね。

その時釣ったピーコックと同じ柄のジャケットがお兄さんのお気に入りです、パッカのパーカーというちょっとしたギャグのパーカーもありますが」

「12lbでメーターとか普通なら記録物だよなぁ、その時は申請しなかったん?」

「うちは基本的にはしない方針です、今回のケースは番組収録中だった事、それでやり取りも一部始終保存されていること、どう考えても世界記録更新なので申請しないのは勿体無い、と言う事で申請したそうです。

というよりはまあ…昔は申請していたんですけど、国内記録を管理していた所が不正まみれの時代で申請した物が全部はじかれたのでそれ以降はもうしなくていいや、映像にバッチリ証拠として残ってるから申請しなくてもいいだろう、ってなりました」

「なるほどね、寿司飯ある?」

「寿司飯はそっちの桶、普通の白ごはんは土鍋の中です」

「ここまで大量に刺身があるなら丼だよなー、で、今まで申請したのって何があるん?」

「4lbクラスで87センチ11キロのブラウントラウト、2lbクラスで138センチ15キロのブラックバス、25lbクラス241センチ192キロのオオナマズ、2lbクラス188センチ140キロのコイ、8lbクラス141センチ71キロのチャネルキャット、とまあ淡水だけでもこれくらい?」

「狂ってんなぁ…最初のブラウンはまあそんなものかと思ったらその後がやべぇ…」

「コイはサイトフィッシングで狙って釣った物ですね、以前140ちょっとのコイを釣って動画にして、色々問題が出てきて有料になったんですが、その有料になった後にもっとでっかいのがいるぞってなって、アヤカが仕事でそっちの方まで行った時に更新したっていう。

バスも大会終了後に探索範囲を広げて、メイドさんが挑戦して記録更新、今は店長さんに抜かれてますが、当時は間違いなく記録級でしたね、オオナマズはミヤコオオナマズというちょっとした伝承のある種類で、チャリティーのフリマに参加している時にちょこっと釣り勝負をした時にお兄さんが釣ったやつ、チャネルキャットは私が釣った物ですね。

海水になればアリスが178センチ91キロGTとか、アキラが154センチ37キロのスズキとか、アイナがシマアジ、アスカがバラフエダイなんかの記録を出してますよ?申請はしてませんけど」

「釣りまくってんなー」

「まあ、これでも副業が釣り動画配信者ですからね、アイナ達が会社を立ち上げるまでは毎日のようにどこかへ行ってましたし、立ち上げてからも各自近場の所へ釣りに、とやっているうちに積み上がっていった感じですね」

「漬け丼うめー…でもボウズの時も結構あるんだろ?」

「有りますよー?回数を重ねた結果釣れただけですからね、お兄さんやメイドさん達の場合は別ですが」

「しかしまあ、これだけでっかい頭を見ると釣りに行きたくなってくるなー、また明日にでもタカムラの店に行って連れて行ってもらうか、ボートの進捗状況も聞きたいしな」

「釣るだけならガレージ経由で海に行けばいいんですけどね」

「あっちはちょっとでかすぎてまだ無理だ」

記録

申請していないだけで実は結構釣っている、不正まみれの時代に弾かれまくった結果申請しなくなった

ガレージの休憩室飾られている写真の2割位は国内記録や世界記録を軽く超えていたりする

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