全体で見ると少ない そういう売り方もある
んーむ…今日のお昼は何にしようか…以前大量生産した麺がまだ残ってるし、麺類を中心にするのが良いんだけど、うどんと中華麺どっちを使うか、使うにしても何を作るか…セルフ風にするのが一番良いんだけど、それにしてもカレーやら鴨南蛮風やら色々あるし…うぅむ…
「何をお悩みで?」
「いやー、まだうどんと中華麺が大量に残ってるからどっちを使って何を作ろうかなと、セルフにするのが手っ取り早いけど、それはそれで出汁の種類をそれなりに用意しないといけないし、となると焼うどんやら焼きそば、餡かけそばなんかが候補に入ってくるんだけど、南印風も悪くないんだよね」
「なるほど…麺の種類もあればどこ風何風と味付けや調理法が変わってくると」
「そう、茹でて出すだけのつけ麺が一番簡単ではあるんだけどね、地域によっては啜って食べるという文化はない、というより啜って食べる事が出来る人の方が全体でみると実は少ない、ラーメン発祥とされるところでも啜って食べると言う事はないんだよね。
でもその分啜って食べる事を前提としていない焼きそばとか餡かけそばとか、揚げ麺に餡をかけたりとかがあるんだよねぇ、だから一言に麺料理とは言っても何を作るか悩むっていう」
「ラーメンは出汁を取るのに半日からは掛かりますし、焼きそばが無難ですかね?」
「冷蔵庫にあるのは半端なキャベツにシメジ、ピーマンと青ネギ、肉類は無しで魚介も無し、焼きそばでも餡かけでもどっちでも可能、それ以外を作るなら買い物に行けば良いだけではあるけど、どうせなら今有る物は使い切ってお昼から買い物にー、だよねー」
「ですねー、なら養殖場でエビやイカを取ってきて海鮮の焼きか餡ですかね?」
「そうだね、焼きにするか餡にするかはディジーにお任せ、野菜は全部切っておくから、回線も好きな物を取ってきて良いよー」
「分かりました、それでは取ってきますね」
「行ってらっしゃーい」
「今日はそばか、ここに居ると色んな物が出てきて飽きる事が無いのは良いな」
「和食が多めではありますけど、お兄さんは世界中の料理を纏めた本を持ってますし、私も昔国外を飛びまくっていたのでその時に現地の料理を覚えたりしてますし、家庭料理だけでもかなりの種類が作れますよー?ディジーはまだ修行中ですけどね、本格的に始めてまだ4ヶ月少々ですし」
「タカムラの所だと魚が中心で肉はそれほどなかったからなぁ、出てくるものも和食中心で中華とか洋食はそれほど、フライやムニエルがあるにはあったが味付けは和食だしなぁ、出かけてる時は店で好きな物を食ってたが」
「あそこは漁師町ですからねぇ、それも海と淡水の川に挟まれたかなり特殊な場所、まあ川はそれなりに離れてますけど、その海と汽水域と淡水の3ヶ所で漁をしてますし、肉よりは魚の方が安く簡単に量も手に入りますし、魚中心になるのは必然ですね」
「釣りをする場所としては最高なのはわかるんだがな、正面は海、裏には川、ちょっと海水の河口ちょっと登れば汽水、さらに登れば淡水、川幅も広いしさらに長い、車でちょっと遠出すれば湖に支流に」
「本流の方も本流の方で高度処理水を流している温水の場所がありますし、そこには野生化したガーも居ればハクレンにコクレンも居る、ソウギョとアオウオ、さらにコイにチャネルキャットも居る、最近ではダントウボウというコイの仲間も増えて大型化してきているので、それを狙っている人もいますね。
まあ、全部特定外来内なので釣ったらその辺中に設置してある処理ボックスに入れるか、絞めて持って帰るかリリースするかの3択ですが」
「タカムラは基本的に全部持って帰ってきてたからなぁ、臭いがヤバイ物は持って帰って来てなかったが」
「温水域はヤバイですからね、処理水を流していて常に温度が安定している、つまり微生物やらなんやらが水温の変化で減る事がないのでヘドロが溜まったドブ川になっていますし、あの辺りで釣りはしても食用にはせず、肥料にすると言うのが基本ですね」
「そう言えばあの温水域で投網をしている奴が何人かいたが、あれは何を目的としてるんだ?」
「基本的には生態調査、新しい外来種が入り込んでないか、温水域以外の所には出てきてないかとかそういう調査をするために網を入れる事が有ります。
一時ガーが投網で捕れて話題になって、それで動画再生数を伸ばすために連日投網をするって人もいましたけど、2ヶ月位投げて獲れたのが2匹だけなんですよね、うち1匹がメスで卵を抱えてて、解体した時に卵が数万、これを産卵されていたら数が増えて…とか言ってましたけど、結構的外れなんですよね。
獲れたガーの大きさは130位、正直もう何度も産卵をしているはずなのにそれだけしか取れてない、他の場所では釣れたという報告も獲れたという報告もほぼ無いに等しい、国内だと一時問題になりかけた雷魚と同じなんですよね、馬鹿みたいに増えるだのなんだのと言われてましたけど、結局はそれほど増える事無く生存しているのはごく一部だけ、卵の数が多いから数万数十万と増えて埋め尽くされる、とかいう生物学者もいますし、そういうデータでのみしか見ない人が多いので大体は的外れっていう」
「そいつらは卵を1万産んだらその1万全部が成体になるとでも思ってんのか?」
「数字だけでしか見ない学者の頭ってそんな物ですよ、何割かは減らすでしょうけど1匹が5万産んだら5000は成体まで残るみたいなそんな考えです」
「外的要因がほぼない養殖以外でそんな魚が自然界にいるなら見てみたいわ…」
「それじゃ買い物に行ってくるねー」
「はーい、何か追加で必要な物があったら電話しまーす」
「ん?買い物?」
「そう、今日の夜と明日のお昼の分までの野菜やらなんやら、麓の商店街までだから散歩も兼ねてのんびり、肉でも魚でも野菜でも食べたい物があればお早目に」
「何か食べたい物が思いついたらだなぁ、今は食べたばかりだからそうすぐには思いつかん」
「食べる前だったらなんでも思いついたでしょうね、それはそれとして行ってらっしゃーい」
「日がな一日食べ続けてカロリーを万単位で取ってる奴なら思いつくんだろうなぁ」
「食材を買いに行くときのコツとしてはお腹を満たしてから行く事です、そうすればあれも美味しそうこれも美味しそうってなって余計な物を買わなくて済みます。
が、スーパーはそれを織り込みでタイムセールを入れるんですよね、たとえばお昼時間際の11時から13時まで、そうするとタイムセール時にお客さんがワーッと来て、お昼だし丁度良いなって惣菜コーナーでお弁当やら惣菜やら、鮮魚では刺身に精肉ではとにかく美味しそうに見えるお肉をどんっと。
で、総菜コーナーは調理している所が見える様に開閉可能なガラス張りにして、タイムセールに合わせて魚が焼けるいい匂いや肉を焼いてる良い匂いを店内に流すんですよ、それでお腹を空かせたお客さんを一本釣り、という方法もある位ですからね、空腹になるような時間帯にタイムセールを入れるのは基本、なぜならその時の気分で余分に買わせる事が出来るから」
「私の国じゃあまりないというかほぼないな、冷食大国だし」
「限界までお腹を空かせてスーパーに行くとやばいですよー?総菜コーナーがもう御馳走の山に見えますからね、あれもこれ持ってついつい買いすぎるっていう、だからそれを狙ってタイムセールを入れますし、値引きも時間的な物もありますが、大体夕食時辺りにバーッと割引シールを張って、晩のおかずに一品追加とかそんな感じで売る。
食品ロスを少しでも減らすためというのもあるんですけどね、以前は問題になってましたし、今でもロスがどうのという人はいますし」
「別に捨てるとは言ってもそのまま捨てるわけじゃないんだろ?」
「そうですね、使用済みのパックと中身だけを分別して、パックはリサイクルゴミ、中身は生ゴミとして回収されていきますので、捨てるのは確かに勿体無いですけど、店からしたら売り上げとかの問題というだけで、ゴミの行き着く先はコンポストで発酵させて肥料ですからね、実はそれほど無駄にはならず、次の作物の肥料として土に還っていくだけっていう。
そこを確認せずに捨てるのは勿体無いだとか、ロスを減らせとか、売り切って食べれる分だけにしろとか言う人が居るんですよねー、後はこの地域は貧しくて食料が無いんだからどうのこうのとか、変な方向に持っていく人もいますね」
「確かに貧しいといわれる地域はあるけど、そもそも文化から何まで全て違う以上、この国は貧しくて死者が出てるから救うべきだ言われてもそれは違うだろとしか言えんなぁ…」
「結びつけてくる人は大体貧困ビジネスを呼ばれる物をやってる人達ですし、出資したり寄付したら9割以上中抜きされるので結局は放っておくのが良いんですよね、まあそんな話はどうでも良いですけど。
食べ物を買いに行く時は出来るだけお腹を満たしておけば無駄な買い物はせずに済む、しかし店側はそれを見越してお昼時にタイムセールを仕込んでる時がありますよってやつです、そういう時は菓子パン1つ2つ食べて小腹を満たしていけば良いんですけどね」
「ここにいる限りは食べ物を買いに行く事はないだろうなぁ、そもそも自分でほぼ料理する事がねぇし、外食が基本だったし」
「世界中を飛び回ってたらそうでしょうねぇ」
「家に居る時は基本的にはバーガーを買ってきて、追加でサラダもつけて、後は気分で湯を沸かして溶かすだけのスープ、出かけた時は出先で色々と、まあ職業柄そういう食生活にもなるわな」
「ここだと普段はそれほど偏る事は無いんですけど、偏る時は偏りますね、これでも釣り動画配信者、海に行って釣れた時は大体刺身になりますからね、煮物焼き物揚げ物と色々作ったりしますが、一番多いのが刺身であるのは覆し様のない事実、熟成させた方がと言う人も居ますけど、コリコリの刺身なんかは釣ったばかりじゃないと味わえないんですよね。
まあ、冷凍したり熟成させないと美味しくならない物はちゃんとその手順を踏みますけどね、マグロとかアカイカとか、あの辺りは熟成させたり、アカイカは冷凍して細胞を壊さないと味がそれ程ないですし、やる事はちゃんとやってから食べるんですけどね。
アカイカは夏になればお兄さんが釣ってきてくれるでしょうし、釣ったばかりの物と冷凍した後の物を食べ比べてみると良いですよー?ついて行けば現地で食べれると思いますけど」
「私もついて行く予定ではあるし、その時に食ってみるかなぁ?」
「ちなみにアカイカ、現地ではセーイカって言うんですけど、基本的には水深100メーター辺りに生息、たまに浮いてきて河口なんかに大量に入ってきて網で獲ったり引っかけて獲ったりってのも有るんですが、お兄さんの場合は基本的に釣る方ですので、100メーターからゴリゴリ巻き上げて来ないとダメですよー?」
「それを釣るツアーもあったりするのか?」
「一応有ります、道具がなくてもレンタルで電動一式が有りますし、手ぶらでも気軽に行けますよ?お兄さんの場合は船を貸し切りにしてかつ電動じゃなく手巻きでやるでしょうけど」
「どの程度の物が釣れるか次第だな」
「寿命が1年とはいえ平均で20キロ、大きい物になると30キロ以上、そしてアカイカの場合でかくなればなるほど美味くなる、なのでお兄さんは40キロからのものを狙う可能性がありますね、釣れるかどうかは運ですが。
後それだけ大きいとやっぱりサメも食べに来ますので、サメに食べられる前に釣り上げられるかどうかという運も必要ですね、イタチザメを狙って釣るならまた別ですけど」
「サメは上げる時も上げた後も危ないからなぁ」
「コマセで寄ってきた魚を食べに寄ってきて餌場として覚えて、という事も有るので、南の島での釣りはサメとの戦いでもありますね、それを利用して堤防や沖堤防、陸続きの磯に寄ってきたサメを釣って動画の再生数を稼ぐ人もいますね、これは南の島ならではとも言えます、それ以外の地域でも釣れなくはないですけど、サメの被害はダントツですからね」
「大きさは兎も角として、そう言うのを釣ってるのを見るのは楽しいからな」
「頑張れば3メーターからのイタチが釣れますよ?お兄さんは沖磯で釣ってましたし」
「よく釣れたなぁ…」
「食べに食べて700キロ近かったそうですよ?沖磯で食い荒らしに食い荒らして、さらに寄ってきた小型のイタチも捕食してそこまで育った、と予想されています」
「イタチはなぁ…共食いとか普通にするからなぁ…釣っていた魚を食って掛かったイタチと格闘してたら他のイタチが横から針に掛かってるイタチを食ってきたとかも有るし」
「サメ用の延縄に掛かったイタチをそれより大きなイタチが食べて上がる事も珍しくないですからねぇ…まあ、南の島に釣りに行く時は常にサメが来る可能性があるという事で」
「サメに食われたら…その時はその時だな、よし、小休止も終わった事だし、キングサーモンでも釣りに行くか」
「はーい、食べたくなった時は台所に放り込んでおいてくださいねー」
「少なくとも今は飲み物だけでいいわ」
タイムセール
この時間からこの時間までは何割引きでお得ですよという売り方、スーパーなど飲食物を扱う所の場合は空腹になるであろう時間帯を狙うとちょっと売り上げ増になりやすい
空腹時に行くとあれもこれもと買いやすくなるので何か食べてから行くと余分な買い物をせずに済む、事もある




