皆真面目に登頂している ご主人様は違うゲームをしている
1日目混沌、2日目講座、3日目実演販売とオークション、4日目鑑賞会黒歴史もあるよ、5日目ゲーム大会、6日目鳥人コンテスト、7日目異種格闘技大会スペシャルマッチ有り。
残すところ今日を含めて後3日、長いようで短く、短いようで長かった遊び期間が終わりつつある。
8日目の朝を迎えた今、今日の日程はまだ明かされていない。
退行していたディアナやミネルヴァ達もようやく回復した所だし、また新しい被害者が出ない内容であることを願おう…
スペシャルマッチが行われた会場から抜け出し、お風呂で汗を流す。
セコンドによる強制ドーピングであまり肉体の疲れは無いが、それでも精神は間違いなく疲れているので湯船で大の字になり浮く。
アヒルさんも浮かべて癒しを求める。
ぷかぷかと浮きながら、お湯の流れに乗りアヒルさんと一緒に流される。
流され続け、1周して戻ってくる頃には、ダウンしていたメイド達も全員汗を流しに来ていた。
試合終了宣言を受けた時には全員気絶、もしくは足腰が立たない状態になっていたのにもうぴんぴんしている…
リターンマッチは禁止…されてはいないが、こっちはまだ精神的な疲労が抜けていないのでもう1周。
お風呂から上がり朝食を取った後本日の日程が発表される。
【冒険者ごっこ迷宮編】
ごっこかぁ…ごっこ遊びかぁ…
昨日や一昨日に比べると遥かに安全ではあるんだが…
誰が何の役割をするのか、それとも役割なんてものは無く、皆で迷宮に突撃して最深部を目指すだけか…
こればかりは詳細を聞かないとわからんね。
「今日のお遊びの舞台はこちら、100000階層の塔。
これを攻略して頂きます。
低い階層はフロア数が少なく、最終的には最大10000フロアを探索して頂くことになります。
フロア数が増えれば階段も増えますが、その階段が必ずしも当たりとは限りません。
常にマッピングを心がけ、現在値の把握を怠らない様に」
これ1日で終わるの…?年単位かかりそうな気がするんだけど…
「塔内部の時間経過は弄ってありますので、此方の1時間で塔内部は10年程経過します。
ですので、一斉に塔の内部へ飛ばします。
パーティーを汲むかどうかは各自の判断次第、1層目はいわゆる街、拠点ですね。
当然宿に泊まるにもお金は必要です、斡旋所などで依頼を受けて稼いでください。
住人などは居ませんので、パネルに表示された物を操作して頂ければと思います。
後、当然ですが無銭飲食はできませんし、ただで宿に泊まることも出来ません。
宿によって宿泊費や、料理の味も変わります。
他にも色々細かく作り込んではありますが…実際に遊んでみて覚える方が早いですかね?」
これは…超大作の予感…
「制限時間は本日の夕食前、時間にして10時間、塔内部だと100年程ですかね?
1日3階層ほど登れば制限時間までには間に合うでしょう。
参加は私やご主人様も含む全員、ではそろそろ塔の内部へ飛ばします。
私やご主人様は常に1階層で過ごしていますので、何か追加で聞きたい事が有れば来るように」
長い様な短い様な、簡単な説明だけした後、皆塔の中へと送られていった。
「結構広いなぁ…見た目は一人用の簡易トイレ位だったのに…」
辺りを見渡すの内部は立派な街だった、住人はいないけど…
町の各所にパネルが有り、触れると選択肢が出てくる。
どの依頼を受けますか、とか、どの依頼の完了報告をしますか、とか。
斡旋所だけでなく街の至る所に依頼などを仕込んでいるらしい。
これは出来る事が多すぎて悩んでしまうな…
「ではご主人様、まずは住居を得るために依頼を受けましょう。
此処ではみんな所持金はゼロからスタート、まずはその日の糧と宿を確保せねばなりません」
「お金が無いのにどうやって住居を得るのさ…」
「そこでこの依頼ですね」
【悪徳領主を懲らしめろ!】
依頼内容:この街の領主は住民に対し、あらぬ罪などを着せ好き放題にやっている。
街には常に領主の兵が巡回しており、外へと通じる門も厳重に監視されている。
住民たちは街の外へ出る事が許されず、もし逃げ出そうとすれば罪をでっち上げられ処刑されてしまう。
誰かこの街の領主を懲らしめてくれ!
達成条件1:領主の悪事の証拠を全て集め、大義を得る
達成条件2:住民を先導し、住民と共に領主を討つ
達成条件3:領主及び領主の子飼いの兵全員を討伐
達成条件4:領主の暗殺及び子飼いの兵も全て暗殺
報酬:空き家一軒、10万ゴールド
特別報酬1:条件1.2.3を達成及び住民の生存数100%、領主の屋敷、街の運営権
特別報酬2:条件1.2何れかを未達成で条件3を達成、50万ゴールド
特別報酬3:誰にも見つからず条件4を達成、250万ゴールド、暗殺者ギルド解放
「達成条件とか報酬とかいろいろ種類あるね」
「今回はチュートリアルという事で条件と特別報酬を表示させています。
本来であれば内容と報酬のみ表示ですね。
結果が気に入らなけれ何度でもやり直すことができます、ゲームならではですね」
「狐さんのお勧めは?」
「つつましやかに暮らすならノーマルエンド、1.2.3を達成して一軒家とお金ですね。
街を牛耳るなら他の依頼をこなし装備を買い集め、先導するときに住民たちに装備を渡す事ですね。
此方の依頼は受けた人が領主の座に就くまで何度でも発生しますので、特別報酬2か3狙いで周回がお勧めですね」
「何度でも復活する悪徳領主…」
「正確には新しく領主についた住民が同じ道をたどる、と言うだけですね。
何百回も繰り返しますと最終的に先導するときに現れる住民が0人になります」
「えぇ…」
「2.3でわざと損耗させて、残り2人になった所で1.2.3のルートを辿れば、先導するときに守ればいい住民は1人だけになります。
その頃には資金も潤沢にありますし、現時点で買える装備も最高の物を買えますので、難易度は大幅に下がりますね。
その装備を住民に装備させれば無双してくれます」
「装備が強いのか住民がもともと強いのかもうわかんないねこれ…」
「住民のレベル設定が1、領主が3、子飼いの兵が5なので。
そこそこ良い装備を付ければいい勝負になりますね、最高の物でしたら防御力を抜けないので、子飼いの兵に対しては無敵と化します」
「で、どのルートを通れば…」
「まずは暗殺しましょうか、20回くらい」
狐さんのナビゲート通りにまずは暗殺ルートへと進んだ。
しかし、裸一貫からの開始という事も有り暗殺は失敗。
1人になった所で奇襲からの殴り合い、運が良ければ応援が来る前に仕留めれる、運が悪いと応援を呼ばれ暗殺ルート失敗。
兵から装備を剥ぎ取ったり、余った装備を売ったりして装備の更新。
警戒状態になってもお店の中までは入ってこないのは楽でいい。
そして気が付けば子飼いの兵は全滅、レベルもそこそこ上がり真正面から乗り込んで1周目は終了。
依頼完了を選択し、50万ゴールドを受け取る。
住民がランダムで選ばれ、領主となるまでは少し時間が掛かるのでその間に装備の更新。
暗殺と言えば隠密、隠密と言えば黒、というわけで黒装束を購入、お値段5万ゴールドなりぃ…
子飼いの兵の装備なんて武器防具合わせて15ゴールドにしかならないのに…
他にも短弓、100本入りの魔法の矢筒を2つ、クリティカルダメージ倍率が一番高い安物の短刀を購入し準備完了。
ステータスボーナスは器用さ極振り、スキルポイントも奇襲成功時確定でクリティカルが発生するパッシブスキルをぽちっと。
これで準備は整った…後は依頼の復活と夜を待つのみ…
2周目の依頼は1周目と違い、泥仕合が発生するわけでもなく、死体は見つかれど犯人は見つからずで暗殺失敗にはならなかった。
矢を放っては短刀に持ち替え、また別の獲物を狙って矢を放っては短刀に持ち替え…
誰もこなくなった所で矢の回収、再利用する。
場所を変えて再び兵を暗殺、死体を発見させて誘き寄せて一人づつ確実に。
1周目より少ない人数で兵全員の暗殺が完了、残るは領主のみとなったので領主を暗殺して完了。
250万ゴールド美味しいです。
その後も周回を重ねるたび兵の人数が減っていく、18回目にしてとうとう街にいる兵士は全部で6人になってしまった…
なおここまで減った状態でも住民は街から逃げられないらしい、強いのか弱いのかわからん…
20回目の暗殺開始時は兵士はもう居なかったよ…
領主の屋敷も領主以外誰もいないから堂々と正面から乗り込んで、タマとったらあぁぁぁっ!て突っ込んでも暗殺成功になった。
装備を整えたりで出費はあった物の、これで手持ちは4250万ゴールド、軍資金はできたことになる。
で、ここからどうすればいいんだ…
「それでは次のステップへ進みましょう。
本来であれば兵の目をかいくぐり、屋敷へ潜入して悪事の証拠などを集めます。
ですが度重なる暗殺に次ぐ暗殺でこの街に領主は居れど守る兵はもう1人もいません。
ですので堂々と屋敷に乗り込み家捜しをしましょう、領主に見つかった場合は適当に気絶させるか無視してください、仕留めてしまうと暗殺ルートに入ってしまいます」
どこかから現れた狐さんの導きにより、21回目となる領主の館への訪問。
なぜか領主は毎回同じ所から動かないので、各部屋を堂々と漁り証拠品を探す。
地下室から一つ、執務室から一つ、証拠品を集める(2/3)となっているのであと一つなのだが見つからない…
残るは領主が毎回座っている部屋になるのだが…まあ正面から行けばいいか…
「私がこの街の領主です、何かご用ですかな?」
「お構いなく」
兵と敵対していない、此方から攻撃を仕掛けない限りは無害、なので目の前で引き出しなどを漁る。
すると引き出しが二重底になっていて残りの証拠品が出てくる。
それを手に取ると…
「それを見られたからには生かして返すわけにはいかん!
衛兵!侵入者だ!生かして返すな!」
しかし誰も来なかった。
領主も攻撃をしてくるが…レベル差も有り装備の事も有りダメージは一切通らない…
「お邪魔しました」
扉をパタンとしめると声は聞こえなくなり、追いかけても来ない。
入ってきたときと同じく堂々と門から出て行き証拠品集め終了、これで大義を得たことになる。
「次は住民を先導してみましょう。
酒場に行けばレジスタンスの存在を知ることができます。
酒場で情報を聞きレジスタンスとコンタクトを取りましょう。
レジスタンスからは証拠品が必要だ、と言われますがもう集め終わっていますので、直ぐにバトルフェーズに移行します。
後はレジスタンスを生存させたまま領主を倒しましょう」
また狐さんの師事に従い酒場へ行く、するとバーテンダーや住民が表示されていた。
でも話しかけるのではなくパネルで選ぶだけだった…
レジスタンスがどこそこに居るらしいという情報が出てきたので、下水道に潜り探索。
あからさまに怪しい扉の先でレジスタンスとコンタクトを取る事に成功。
総勢1名のレジスタンスだった…
私はこの街の未来を変えるとか、領主を倒せばきっと世界が変わるだとか言っていた気がするが…
1人で領主の館に突撃していつもの様に一撃必殺。
隣に瞬間移動してきたレジスタンスがまたも、これで全てが終わったのね…いえ、ここからが全て始まりね…
と独り言を言っている、後流れていた音楽も変わった。
パネルを操作し、依頼を完了、するとまた喋り出すレジスタンス。
何やら生存者数が100%だったので、一人も犠牲を出さずに事を成し遂げたあなたにこの街を治めて欲しい、皆もそれを望んでいる、と言い出した。
総勢1名の皆が望んでいるとは一体…
自動進行なのかどんどん話が進んでいき、領主の館と街を運営管理していく権利を入手。
後たった一人のレジスタンスリーダーが秘書になった。
ボロボロのレザーアーマーから一転して、パンツスーツスタイルの美人さんに、メガネまでかけてるし…
「おめでとうございます。
これで住居の入手が完了しましたね、次は街を運営してみましょう。
街を発展させるには資金が必要です、現在の税は30%となっております。
30%は可もなく不可もなく、住民は減りはしませんが増えもしないでしょう。
30%を切ると住民は少しづつ増えていきます、30%を少し超えると税収は増えますが住民は少しづつ減っていきます。
長い目で見て税を下げるか、一時の収入を増やすために税を上げるか、変化を求めないのであれば現状維持でいいでしょう。
お勧めと致しましては税を20%に引き下げ、住民を増やしましょう。
現在暗殺に次ぐ暗殺で住民が減り、税収が下がっています。」
「えぇ…あれ税収に影響してたの…」
「そのために周回をして余剰金を4000万ほど得ています。
ではその余剰資金を使い投資してみましょう、投資できるのは、商業、娯楽、公業の3つです。
商業は武具に道具、宿屋や酒場等の発展、娯楽は花街、公業はお祭りなどですね。
まずは商業に投資しましょう、3000万位でいいですね」
商業に3000万ほど投資、残りは何となく娯楽に500、公業に300入れて残り450万。
「お疲れさまでした、これにて街運営のチュートリアルを終わります。
此処からはもう放っておいても住民も税収もうなぎ上りになりますので、自由にしてくださって結構です。
のんびり塔の攻略が終わるのを待ちましょう」
「えぇ…チュートリアルで全てが終わるの…」
「そうですねぇ…住民の人数が10万を超えたら税収を100%にして遊んでも良いですし。
0%にして遊ぶのも有りですね。
100%だと1年程で住民が0になりますが、税収は軽く1億を超えるかと。
0%だと維持費で真っ赤になりますが住民が40万人くらいになるかと」
「それやる意味あるの…?」
「無いですね、税率を下げた場合、次に引き上げた時に住民は少なからず減りますし。
税率を一気に揚げた場合は、税率を引き下げても住民はなかなか戻ってきませんし。
20%を維持が最適解、という事ですね、商業を上げて置けば他の部門も勝手に発展しますし」
「だから最初に商業の3000万なのね…」
「塔の攻略をがんばっているメイド達の御買物分も税収に含まれますので、商業を発展させて武具や道具の品質を上げる、と言うのも結構大きいですね。
今ご主人様が装備している黒装束も、今買いに行けば同じ値段でも性能が上がっているはずです。
他にも上位品の登場などですね」
「突っ込みどころは多いけど変なところに拘ってるねぇ」
「ちょっとは拘らないと、最大でも100年近くは此処に滞在することになりますからね。
飽きない工夫が大事です」
「100年で100000階層行けるかなぁ…?」
「単純計算でも1日に3階層攻略すれば何とか…?」
不安しかない…
「とりあえず手持ちの450万ゴールドを使って、領主の屋敷を改装しましょうか」
「そうだね、机と椅子以外何もないし」
周回中に盗れる物全部盗って売り払ったら、領主の座ってた椅子と机しか残ってない状態になった。
証拠品?地面にぽつんと落ちてたよ…多分本当なら台とかに置かれてたんだろうけどねぇ…
それにしてもこの秘書何も喋らなくなったな…
街の運営を始めて一ヶ月。
250階層到達と放送された。
今の所は順調だが、登る度にフロア数は増えていくし、最大10000フロアの中から辺りの階段を探せってなるし…
ゲーム風に弄られているので能力も制限されてて、レベルも相応に上げないと駄目だからなぁ…
前線組はとにかく限界ぎりぎりを攻め、マッピングも最短経路のみ。
装備は階層ボスのドロップ品のみで頑張っているらしい。
初回特典とかはないので装備の差はボスドロップ品のみだと特に出ない、製造武器に手を出すと性能は跳ね上がるが…
うん…いつかは型落ちになる運命なんだ…
手堅いメイド組は200階層近辺で材料集め、賭けに出るメイドは最前線に近い所でレア掘り、最前線はボス周回で人数分集めたらぎりぎり倒せるところまで突っ走る。
ま、なんにせよまだ登り始めて一ヶ月、のんびり行こうか。
ごっこ遊び
本職より高い技術や戦闘力が求められる
ごっこ遊びはガチ
100000階層の塔
最上階に辿り着くと【あかしっくれこぉど】と書かれた粗品が貰える
遥か昔、地上に有った塔のレプリカ、本物は10000階層
2つ目の塔が建ったりはしない
弓から短刀への持ち替え
弓のクリティカルダメージ倍率は2、短刀は6
矢が当たる前に短刀に持ち帰るとなぜか短刀の6倍が適応される
隠密からの奇襲による確定クリティカルで猛威を振るう
悪徳領主
悪徳領主「私が領主です」
レジスタンス
反領主連合、初期設定で100人いる
周回する度にレジスタンスのリーダーが領主に、部下が下っ端兵に
周回する度に5人づつ減っていくが乱数による多少のブレはある、最低でもリーダー1人は絶対に残る
領主になるルートでリーダーは秘書になる
性別と見た目はランダム、好みのリーダーが来るまで暗殺を続けよう
ゲーム風にアレンジ
普段の力は抑制されて普段の力が出せない
皆初期ステータスは同じ状態で開始
システムによるサポートのおかげで不慣れな武器もちゃんと扱える
喋らなくなった秘書
パネル操作で会話すれば喋る、でもこれと言って発展させるのに必要な情報は出てこない
観賞用、お触りすると反応はしてくれる
製造武器
作る事が出来ればその区間をある程度楽に突破できる火力を得ることができる
区間は50階層毎、151階層の材料で作れば199まではある程度楽に、200-249まではぼちぼち、250からはレベル次第でちょっとつらい
レア掘り
レアだから全部が全部強いという事は無い、でも製造武器などの材料に使われる鬼畜仕様
レア物を素材にすれば必要な材料が9割位免除される
ボス周回
基本ドロップ率100%で集めやすい
製造武器よりは性能がだいぶ劣る、材料にもならない




