ちょっと賑やか いきなり家が無くなった
「あら?お客様ですの?」
「あ、初めまして」
「初めまして」
「どしたのシエル?何か急ぎの様でも有った?」
「いえ、特に急ぎの様は無いですわね、ただお昼を食べに来ただけですわ」
「あ、そう、まあ、大量に有るから追加すればいいだけだけど、リサとかも来る?」
「それに加えてオパールとオニキスも来ますわね」
「そうかー…じゃあ肉も大量に用意しないとダメだね」
「なんか物凄く堂々としていて若干近づきがたいオーラの様な物が出てるんですけど…耳と尻尾は今流行のアレですか?フェイクコスチュームとかいう」
「そのような物ですね、普通に食事に来ているだけなので気にしなくて良いですよ、それにたまに動画にも出てますしね」
「動画の方ではアウターも含めてガッチガチに固めてあるのでそうでもないですし、画面越しなのでそうでもないですが…実物の私服姿を見ると何と言うか…物凄い良い所のお嬢様か何か…」
「お嬢様と言えばお嬢様ですね、まあ、あまり気にしないで良いですよ、別に言葉が通じないわけじゃないですし、多少の無礼は許してくれますよ、叩いたりしたら後から来る大型犬と大型猫にカプッとやられますけど」
「いや…叩きませんよ…触ってみたい部分は有りますけど」
「お触りは厳禁でお願いします、後から来る2人もマジで良い所の人なので、場所が場所なら取り押さえられて牢屋行きです、ここならまあ大丈夫ですけど」
「こわー…でもあの胸は物凄く気になる、華さんもそうですけどあそこまで大きくなって肩が凝らないんですかね…?」
「気になるなら触ってみますか?」
「え?いいの?」
「別に減る物ではないですし、男に触られるわけでは無いですし構いませんわ」
「じゃあちょっと失礼して…ふわぁ…何この柔らかさ…そして重さ…本当にメロンとかスイカを着けているのと変わらないじゃん…」
「重いが故に手の平に柔らかさも一緒にずしっと…これで肩が凝らないんですか?」
「結構肩に来ますわよ?ですが毎日のマッサージやブラジャーのおかげて肩が凝ると言う事は無くなりましたわ」
「なるほど、私達は小さいのであまり気にしてはいませんが、大きくなるとそう言う所も大事なんですね」
「うわーんお兄さん助けてー、ジュリアが虐めるー…ってちーちゃんとさーちゃんじゃなーい、学校サボってどしたのー?」
「あ、店長さん、学校はちゃんと申請して休んでますので出席扱いです、大会終了後の打ち上げと言う名の勉強会で一気に授業でやっていたであろう場所をやってます」
「でー、助けを求めてますが何かありました?」
「いやー…ねー…?ジュリアがこれ見よがしにラハブとかJ&Mの新作…まあテスト品であるプロトを見せびらかせてくるわけよ、でも契約の都合上使わせてあげなーいってさー…もううざいの何の、しかも部屋1つ占領して釣具で埋め尽くしてくれちゃってさー…」
「あら、もう引っ越してきたんですか?」
「あいつ行動は早いからなぁ、スパーっとプロ止めて、アンバサダーやらメーカーとの契約は残して、永住許可も取って道具やら何やら全部こっちに送って来やがってさあ…入りきらねぇから花井ちゃんの倉庫にも何ぼか置いてるんだよね…また倉庫を拡張しなきゃ…って事でお兄さんに頼み事をね?と言うより部屋を占拠されたらちーちゃんとさーちゃんがバイトに来た時泊まる部屋が足りねぇ」
「ジュリアさんの道具って一体どの位あるんですかねぇ…?と言うより向こうでもフィッシングフェスティバルが有るはずですけど、それはどうするんでしょうか…」
「今年からこっちで出店するってさ、だから国外からアホほど人が来るよ、その点も含めてすげぇ迷惑!国外には無いレッドウルフとかめっちゃ取材されるから覚悟しなきゃならねぇ!」
「あー…まあ私は無名なので、全部店長さんにお任せと言う事で」
「昼ご飯だー、今日のお昼は…これ何の刺身?」
「取りあえず私も食べて行こうっと、花井ちゃんのお土産にもいくつか貰うねー」
「身だけで70キロ有るのでどうぞー」
「がう」
「ヴォフ」
「お邪魔します」
「犬でっか!後それ本当に猫ですか!?」
「猫科の動物だね、大人しいから後で思いっきりもふると良いね、はい、オパールとオニキス用のご飯」
「ぉぅゎー…大きいだけあって餌の量も凄い…」
「1食10万とかそう言う世界のペットですからねぇ、まさにお金持ちのペットですね」
「はーい、寿司飯も追加したから好きな様に食べて行ってねー、でもオニオコゼは量が無いから程々にしておいてねー?」
「マグロかと思ったらアカマンボウかこれ」
「だよー?皮も唐揚げにしてるから…へい、皮の唐揚げ握りお待ち」
「寿司に唐揚げと言うこの冒涜的な組み合わせ…甘酸っぱいシャリにサクっトロ…の唐揚げが…わさびも良いけどマネーズやレモンをつけても良いかも知れないね」
「そこはもう好きな様に自由にだね」
「取りあえず花井ちゃんの分のお寿司もよろしく」
「ジュリアさんの分はどうするんです?」
「あいつはどうせ夕方まで帰ってこないから知らん!」
「なんか台風が来たような食事でしたねー…」
「オパールちゃんとオニキスちゃんすっごい毛がふわふわで気持ち良かったー…」
「庭でごろごろしているのでまた後で触れますよ、それはそれとして午後の授業始めますよー」
「はーい」
「まあ食事を取った後はあまり頭に入らないので、どちらかと言えばおさらいで軽くですね」
「よーし、オパールちゃんとオニキスちゃんをもふるために頑張るぞー」
「大きくなっても懐いてくるペットは可愛いですよねー…後獣特有の臭いがあまり無いと言うのもなかなか」
「どちらもほぼ毎日水浴びしてますからね、獣特有の臭いと言うのはあまり無いです、お風呂にもちょこちょこ入ってますしね、それじゃテキストを開いてー」
「はーい」
んー、なるほど、これなら下に拡張して地下を作る方が楽と言えば楽か、単純に横に広げると移動距離が延びるし、ジュリアさん専用の…となると新しく作る方が良いかな?
「いきなり何の予告も無く送ってくるんだもんなぁ…この量を…」
「本人に相談なく道具を全部移動させるわけだけど…問題は無いのかねぇ?」
「大丈夫大丈夫、ちょっと移動させて置いたからーって言えばしぶしぶは納得するさー、と言うより置き場所が無くて花井ちゃんのコレクション倉庫をちょっと浸食してるわけだし、その持ち主は朝からどこかへ釣りに行ってるし…」
「自由人だねぇ」
「そう言うお国柄なのも有るだろうけどね、一番良いのは全部引き取ってジュリアも引き取ってくれる事だけどね、このまま部屋を占領され続けるとちーちゃんとさーちゃんの泊る部屋が無い、かと言って花井ちゃんのコレクション倉庫に部屋を作って住まわせると言うのもねぇ…」
「なるほどねー、一番良いのはうちで引き取る事か…じゃあそうしようか、どこに行ったか分からない様になるよりは一ヶ所に止めて置けるうちの方が多分ましだろうし、ルシフが出す契約書もとっくにサインしてたと思うしね」
「おー…じゃあこの荷物を全部運び出して向こうのガレージに持って行くかー」
「量が量だから車を手配して貰った方が良いねこれは、部屋の方にも結構あるんでしょ?」
「あるよー?剥製やら何やら色々持って来てやがるからねー…換金してくりゃ良いのに…」
「記念品としてなのか自慢用としてなのか…」
「ジュリアの性格からして後者だねあれは…」
「取りあえず撤収舞台の要請をしたから、5分もしない内に車と人員が来ると思う」
「じゃあそれまでに運び出せる物は全部運び出しておくかー…このあほみたいな量の釣り具やら何やらを…」
「全部が全部使ってるわけじゃないだろうけど、かなりの量だよねぇ」
「一応オールドタックルも有るからねー、どれか一つパクってやろうか…」
「ルアーなら何個か抜いてもばれないだろうね、ジュリアさんへの連絡はどうするの?」
「ライフノートかチェインの方に荷物全部引っ越したからな!って送っておけば反応するでしょ」
「移動に使ってる車は?」
「流石にそれは自分の車だね、その手続きやら何やらで時間が掛かったって言ってたし、買えるならお兄さん所に帰れーって言っておけば良いでしょ」
「しばらくは海の方に入り浸りになるんだろうなぁ…」
「1号から3号湖と言う遊び場も有るし、ある意味引籠りになりそう、食べ物は自動販売機で買える
し」
「まあ、良いか、別の所だけど似た様な生活してる娘も居るし、ジュリアさんも直ぐに馴染むでしょ」
「あいつはどこでだって馴染めるさ、自由人はそう言う物よ、自由過ぎてたまに浮くけど」
「若返って体力が戻ったらどうなるんだろうか…?」
「そりゃもう凄いだろうねぇ…朝どころか早朝から深夜までぶっ続けでやるだろうね」
「仕事としてだけは無く根っからの釣り付きで出来る環境になれば…まあそうよねぇ…」
「っと、車が来たいみたいだし、どんどん運び出すかー」
「よーし、今日中に追い出すぞー」
「いきなり家を追い出されました、養ってください」
「いらっしゃい、部屋の準備はもう出来てますよ」
「良いねー、それじゃ今日からお世話になりまーす」
「道具もガレージの方に全て運び込んでますので、今持って来た道具もガレージの方に片付けておいてくださいね?」
「しかしタカムラも酷いよなー、いきなり荷物は全部引っ越したからなーって来るし」
「連絡なしの突撃もダメだったんじゃないですかね?荷物も多くて大分圧迫してたみたいですし」
「家財道具以外は全部持って来たからなー…それがダメだったか…」
「後そこで勉強してる2人が泊まる予定だった部屋を埋めたのも問題ですね」
「くそー…手土産にラハブの発売されたばかりのルアーを500も持って来てやったと言うのに…」
「プロトを自慢したのもダメだった
んじゃないですかねー…」
「ぐぬぅ…そこのでっかいわんここっちこーい」
「がっふ」
「ヴォフゥ」
「んー…無視されてる…」
「魚臭いですからね、良い所のペットなのでそう言う臭いが付くのを嫌ってるんですよ」
「いつか抱き着いてローリングしてやるからな!」
「オパールもオニキスも300キロを超えてるので潰されると辛いですよ?お風呂も用意出来てますので取りあえず臭いを落としてきてください、お客さんも結構来ているので変な事はしないでくださいね?」
「どこかの超VIPが来てるとか?」
「ぶっちゃけ王族が3人来てます、変な事をしなければなんて事は無いですけど、何かしようとするとそこのペット2匹にカプッとやられますよ?一応これから頻繁に顔を合わせる事になるでしょうし、いきなり噛み付かれる様な事は止めてくださいね?」
「流石にまだ死にたくないなぁ…」
「それと中に居る勉強中の学生2人は何も知らないので、ガレージやら1号湖やらの事は喋らない様に、漏らしちゃうと契約違反で怖い人が来ますよー?」
「その怖い人が来るとー…?」
「罰ゲームとしてバラムツを食わされます、死にはしませんがトイレとお友達コースですね」
「オーケー、マウストゥチャック」
「それじゃあ中に入りましょうか、他にもびっくりする様な人が居たりしますが、ここでは日常なので慣れる事ですね」
「他にも危険な人が居るのか?」
「世界一のモデルも住んでます、今日は朝から海の方へ釣りに行ってますけどね、かぶせ釣りにはまってますので」
「なるほど、リオなんたらが居るのかー…色々やばいなぁ…私とかめっちゃ霞むじゃん」
「一応国内で一番、世界でも上位のお金持ちの私でも霞む様な人が居ますし、気にするだけ無駄ですけどね、さぁどうぞ、新しい故郷へ」
「ここが今日から私のハウスね!」
「と言うわけで、ちーちゃんとさーちゃんに紹介、こちらが海のやべぇやつ事ジュリアさんです、明日には家まで送って行くのであまり教われる事は無いでしょうか、いろいろ質問すると良いですよー?」
「おおおー…海では店長さんより上手いと言う…」
「まさかの話に出たその日のうちに会えるとは…」
「まあ、今は魚臭いから先にお風呂で臭いを落としてからになるけどねー、と言うわけで私はお風呂に行って来るぜ!」
「確かに魚臭いですね…」
「車の中も凄いぜー?後で消臭しなきゃ…」
「新しい住人が増えたと言う事で今日の夜もお祝いですね、と言うわけで夜も豪華に行きますよー?まあただ肉を焼いて食べるだけですけど」
「焼肉大好きー」
「お高い場所でも早々食べれない様な良い物が出て来るので期待して良いですよー?お兄さんは既にそのお肉の調達に行ってます、まあ華ちゃんの実家ですけどね、この辺りで一番良い物を扱ってる肉屋さんなので」
「楽しみですねー…」
「だから食べる為にも勉強を終わらせましょうねー」
「はーい先生ー」
良い所のペット
基本室内飼い、散歩の時なんかだけ外に出る、ので生臭い臭いが付いたりするのを嫌うし獣特有の臭いは無い
良い所に買われているだけあってお風呂も大好き、野生に居る兄妹や親も水浴びが大好き




