ちょっと足りてない バナナが好物
えーと、農場が…新人が収穫の時たまにハサミで指を切ったりする程度で大きな怪我は無し、農場長の指揮の下各作物の生産量を増やして夏までには牧場の食糧事情も解決予定、シエル様の要望によりキングバナナとマンゴー2種の一部が飼料として第三牧場へ、第三牧場への出荷量は1日バナナが500キロ、マンゴー各250キロ、、マスター代理様の要望によりキングバナナとマンゴー2種を1日30キロカジノへ、第一から第三牧場まで従業員の食糧として1日あたりキングバナナとレッドマンゴーとクリムゾンベリーが各5キロ追加、柚子の生育は良好かつより香り高い物に、需要の多いキングバナナなどの足りない物は促成栽培用肥料を使用、バナナは出荷量が多く肥料の使用量が多いので温室の拡張を求む。
ふむぅ…女の子って甘い物が好きだよねぇ…って言う問題以前な気がするね、飼料として持って行かれるのは予想外、一番頭数の多い第三で試験的に与えて育てて…何だろうけど、それの結果次第では第二、第一と刻んで質を上げて行くだろうから…えー…いまバナナを栽培してるハウスの生産量が1日100キロ程度の…牧場に持って行かれる時点で全然足りなくて…促成倍肥料を使えば直ぐに収穫出来る様になるとは言え肥料の使用量が馬鹿にならなくて…でも余ってるから良いと言えば良いんだよなぁ…量を間違えたらとんでもない量の果実が出来るけど…んーむ…まあ農地は余ってるから余裕を持って10倍位に広げておくか。
牧場の報告が…農場の方にも有ったバナナやマンゴー、ベリーなどのデザート類の追加要望、まあこれは生産量が増えた時点で回す予定だったし、現にもう各牧場に届けられているので問題無し、乳牛は増やさなくても牛乳の量は足りているので大丈夫、飼料も問題が無くて新人も良く働いて問題は無し…が…人数が増えた分買い出しの時のトラブルが増加、従業員を狙う牧場周囲の不審者も増加、警備担当を増員して欲しい。
んー、警備を増やさないとダメな位に不審者が増えてるのは困るなぁ…変な物を投げ込まれても牛が食べる事は無いだろうけど、ストレスを掛けられるのは困る、特に乳牛への影響が大きいし、食肉用の方も食欲不振になると生育やら仕上がりに影響が出てくるから…どうしようねぇ…
警備に向いている奴隷って早々居ないし、新人は向いていなかったからお世話をする方に回したんだけど…うぅむ…しばらくは暗部の娘を借りて警備に回して、その間にまた奴隷商を回って…かねぇ…もしくは志願者を募って再教育…再教育が良いか、でもその間の警備も必要だから暗部を借りて来るのは確定かな?
次の報告書が珍しく2号店からの物で…王様が焼肉を食べてハッスルし続けた結果第一から第五王妃まで全員ご懐妊…後で何か送って置こう…取りあえず栄養が大事だからバナナとマンゴーで良いか、特にバナナは栄養豊富だし、味覚が変わって色々食べ辛くなって来たら黄肉のマンゴーやらレモンの盛り合わせで。
まあこんな所か、取りあえずやるべき事は…暗部を借りて警備の増員と果物盛り合わせを作って配達か。
「はいこれ、王様…じゃなくて王妃様へのプレゼント、まだ食欲が大丈夫なうちに食べさせておいてね」
「頑張ったわしへのプレゼントは無いのかの?」
「有ると思ってるんですか…?」
「まだ王子か王女かはわからんが目出度い事じゃぞー?」
「これ以上増やしてどうするんですか…」
「まあ何とかなるじゃろ、学園を卒業する前あたりにどうしたいかを聞いて、特に何も無さそうなら適当な街や国に飛ばして見識を広めさせてから政の手伝いじゃの」
「第一王子が王になるのはいつになるんでしょうねぇ…?」
「少なくともわしはまだまだ現役じゃな、焼肉食って元気いっぱい、政も絶好調」
「暗殺を企てられても知りませんよ?」
「そこまで馬鹿なやつならとっくに東の大陸に飛ばしとるわ」
「良かったですねぇ、私が王位に興味が無くて」
「狙われたと分かったらとっとと嫁さん達と田舎に逃走じゃな、当然国庫は空にして」
「取りあえずまた暗部を何人か貸してー?新人を増やしたら新人を狙う不審者が増えたっぽいから、ちょっと警備の数が足りなくなってるらしい、また今度志願者を募って警備担当として教育をする予定だけど、教育が終わるまでの間ちょっとね?」
「昔は食料などを目的に牧場を襲撃でしたが、今はそれに加えて奴隷なども目的の野盗が増えてるみたいですからねぇ、平和になったらなったでそう言った違法な奴隷を扱う市場も活発になってくるのが悩み所ですね」
「根絶やしにしようにも次から次へと湧いて出てくるしのぉ…」
「王都内からは一掃出来ても離れれば離れる程…ですからねぇ…大きな街だけでなくなんて事の無い農村に拠点を持っていたりもしますし、国内から一掃するだけでも後何年かかる事か…」
「街も大きくなればなるほど目が行き届かず、僻地になればなるほど暗闇に包まれ何も見えず、そう言う暗闇の部分に有る農村と言う体で作られた拠点の洗いだしも時間がかかるからのぉ」
「表向きはちゃんと畑を作って出荷もしているので見つけるのが大変なんですよね、何の変哲もない普通の民家の地下が監禁場所件競売所だったと言う事も有りますし、そう言う所を全て探るのは中々厳しいんですよね」
「1件1件派兵して調べるのは大変なんて物じゃないしのぉ、やるにしても大体的にやると直ぐ逃げられるし、少数でばれない様にするためには誰にも見つからず全ての家屋を調べる必要があるし、その為には表には出て来ない非合法な事を専門にこなす暗部の育成も必要じゃし…」
「取りあえず牧場には暗部の者を何人か向かわせて警備に立たせはしますが、そんな感じで現在こちらも人数が足りていないのは理解しておいてください」
「なるほどねぇ…でも結構前に鍛錬し直してるし、能力的には1人で以前の10人分位にはなってるんじゃないの?」
「それでも間に合わない位拡大して行っていると言う事ですよ、それに暗部は表だって動く、と言う事は出来ませんので、私もお父様も50人いるかどうかですからね」
「身の回りの警護に10人、城内部の監視に10人、他国の調査に20人、残りは休暇だったり報告書の作成だったりするからの」
「私の場合は城内部を監視する必要は無いのでマシでは有りますが、城内部の監視をしないと言う事は、その分他国の情勢やら何やらを調べる人数を増やしていると言う事ですし、国内ばかりを見ているわけにはいきませんからねぇ…」
「ちょっと前に戦争も有ったしね」
「それに暗部は入隊するにしても条件が厳しいからの、表向きには死んだ事になっておるし、求められるのは近衛なんかとは正反対じゃからのぉ…」
「単体とみての戦力は勿論必要ですし、近衛以上に必要なんですが、内部工作をする技能であったり、人を丸め込む話術も必要であったり、人を垂らし能力なども求められるので厳しいんですよね、必要とあらば身体を使っての籠絡も無くは無いですし、それも有って消耗品とも言えるのが暗部ですからね。
最近はそう言う自分の身体を使って、と言う事は減って来てますけど、するまでも無く情報を引き出せる様になってますし、話術も向上していますし、情報を引き出すための薬の精製技術もどんどん上がってきていますからね。
特に薬の精製技術の向上がかなり大きいかと、盛られた者は夢を見ているのと同じ、そして話した内容は覚えてない、ほぼ寝ているのと同じなので話し終わった後はそのままぐっすり、後に残らないので盛られた側も気付かない。
まあ、投薬実験でかなりの数の被検体が死にましたが些細な物でしょう」
「性別問わず情報が引き出せる様になったのは大きいよなー、昔はどんなに醜い相手でも吐かずに抱かれる訓練とか有ったし、あれで壊れるやつも多かったからのー、それはそれで使い道は有るからいいんじゃが、感情が残ってる方が懐に潜り込みやすいのは確かじゃからの」
「国の汚い部分を煮詰めて濃縮したような舞台で有る事には違いないですし、その分必要とされる物も多くてなかなか増員できないんですよねぇ…どうにか出来ませんか?」
「私が出来るのは基礎体力の向上とかそれ位よ?話術とかそう言うのはさっぱり、そもそも即戦力の場合適正を見ないとどうにもなんない、何十年何百年と掛けて良いなら別だけど」
「ですよね、正規兵の訓練ですら長い目で見てやってる位ですからねぇ…」
「まあ、その訓練のおかげで行軍速度から何まで向上して戦争は早々に終わったんじゃがな、行軍速度が遅かったら宣戦布告を出す時期をもっと後ろにずらさんとダメじゃったし」
「それでも定期的に湧いて出て来る魔物に1人では太刀打ち出来ないんですけどね、単純に膂力から何まで違うと言うのも有りますけど」
「魔物に関しては野生動物に近い分猟師の方が安全に狩る技術を持ってるからのぉ、その辺りもどんどん取り入れて行きたい所じゃな」
「で、話しがもう大分すっ飛んで別の方に行ってるけど、王女様の暗部何人位なら行けそう?」
「そうですね…今は30人ほど休暇に入っている状態ですので、30人までなら行けますね」
「じゃあ第一と第二に15と10人増員で、第三は不審者とか出てないから大丈夫」
「第三は王都近郊と言うより外壁をでて直ぐですしね、治安は他と比べるまでも無しです」
「取りあえずわしはこの果物盛り合わせを嫁さん達の所に持って行って来ようかの、結構珍しい物も入っている様じゃし」
「私はもう既に何度か頂きましたよ、一部の地域でのみ栽培されている物だそうです、乾燥しすぎているとダメなのと、日持ちの都合上王族ですら現地に行かないと食べれないとか」
「まあわしは食った事が有るんじゃがね、嫁さん達はそうじゃないからのぉ、特にこのキングバナナ、昔は何とか持ち帰れないかと考えた物じゃよ」
「お母様の1人がそちらの出身でしたっけ?」
「そうそう、それで昔は良く食べたいとごねていたもんじゃよ、日持ちの都合上無理じゃからこちらでも栽培を試したりはしたが…まあ無理じゃったな」
「気候も気温も違いますからねぇ」
「だからと言って国元に連れて行ったり戻したりしたら外交問題じゃろー?擦り合わせをしてであれば大丈夫じゃが、それでも飽きられただの返品だのと言う噂が立つ可能性は有るし、我慢して貰うしかなかったんじゃよなぁ…
なので、わしは早速嫁さん達に食わせて来る、それが無い環境に慣れはしても約30年ぶりの故郷の味じゃからな、きっと喜ぶぞー?」
「これからは毎日食べ様と思えば食べれますけどね、農場の方で栽培してますし」
「今日はお祝いだから無料だけど、流石にお城の方で注文する場合は有料ね?1本小銀貨5枚」
「高いのぅ…」
「現地でも1本小銀貨7枚だし、それを考えたらお得じゃない?マンゴーは黄色が大銅貨8枚、赤が小銀貨2枚ね、メロンとリンゴは市場で買って来た物だから市場に行けばいつでも買えるね」
「メロンよりバナナじゃろ」
「さて、お父様がお母様達の所へ行ってしまいましたし、牧場へ派遣する者を選出しませんとね、出来れば取り押さえるだけでなく追跡して背後関係を洗いだせる者を含めて」
「牧場周りだけでも平和になればいいんだけどねぇ、そう言えば今日はシエルとリサはお出かけ?」
「オパールとオニキスの散歩に行っていますよ、新しくなった遊び場が楽しいようで入り浸ってます、お姉様に関しては牧場でやっていた仕事が終わって休暇に入っていますので、休暇ついでに散歩の付き合いだと思います、シスターもついて行ってますしね」
「シスターはリハビリしたとはいえちょっと体力が落ちてるし、小屋でへばって倒れてそうな気はするね」
「遊びに行く時のオパールとオニキスは全力ですからね、リサは背中に乗ってしがみ付いているのでそれ程疲れはしないみたいですが、それに走ってついて行く散歩担当になっている者について行けるのはそうは居ない状態になってきていますね」
「私が教育した娘達はオパールとオニキスに余裕を持ってついていけるけど、そうでない娘達もちゃんと再教育したはずよねぇ?」
「内容は違いますがそうですね、基本的な走り込みから無手での格闘訓練をしていますが、骨が折れたり手足が千切れたり、疲労で心停止したりと言う事は有りませんので、食事は出来るだけ真似てはいるんですが」
「死ぬ気でやると言うよりどれだけ生にしがみ付けるかって鍛えてたからねぇ、死ぬ気でやれとはよく言うけど、死んだら元も子もないんだから兎に角どんな手を使ってでも生き残って生にしがみ付けってやってたし、食事に毒を盛ったりもしたけど死なない様に耐性を付けるためだし、暗部の基本になってそうな消耗品とは大分違う。
まあ、単純に訓練内容が温いか温くないかの違いかもしれないけど」
「手足を虫の様にもぎ取られても再生する環境ではないですからね、全員纏めてその内容で訓練してくれるのが一番良いのですが…」
「アレはつきっきりじゃないと無理だからダメだねぇ、1ヶ月2ヶ月丸々予定が無い開いた状態なら出来るけど、そうじゃないしねぇ…」
「訓練を継続して伸ばすしかないですか…」
「オパールとオニキスについて行けないだけで人としては十分に強くなってるし、気長にね、あ、枝毛」
「本当ですか?」
「カットするから動かないでねー…はい、1本だけじゃなくそれなりに有るね、何かあった?」
「レモンの搾り汁がバシャーっと髪に被ったからですかね?根元からではないですが」
「それで一部の色が薄くなって痛んでるのね」
「ドリンクサーバーにレモン汁を追加する時に暗部の者がオパールの尻尾に躓いて…ですね、汚れただけなので特に罰したりはしていませんが」
「んー…お風呂に行こうか」
「今からですか?」
「そう、軽く拭いただけで放置してたみたいだし、いっその事痛んでない部分までカット、そこから育毛して伸ばしてしっかりお手入れコースだね、要望が有れば元通りじゃなくて短めとか長めとか、ちょっとウェーブを掛けたいとか、それに合わせて整えるよー?」
「今の肩より少しした位が気に入っていますので、その長さでお願いします、聞いてましたね?お風呂の用意を」
「じゃあお風呂の準備が出来るまでにバッサリ切るだけ切って置こうか」
「間違えても耳は切らないでくださいね?」
「間違えて切っても治すから大丈夫、後そこまで下手ではない、と言うよりもう何年メイド達の髪をカットしてきていると…」
「冗談です、それじゃお願いしますね」
レモン汁
料理や飲料だけでなく髪の脱色に使う事も可能な果物、赤系のブラウンにしたい時にカモミールと混ぜるとなお良い、ただ毛の質や個人差が有るので注意
エステルはレモン汁の原液頭からではないにせよ、後ろから髪の半分ほどに掛かったので一部色が抜けている、ついでにレモン汁に負けて髪が傷んだ




