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犯人は謎 銀の犬も居る

 んー…むぅ…ほふぅ…あー…何だ…何か顔に薄い布地が…肌触りは悪く無しの…ハンカチか、なぜ顔にハンカチが落ちているのかはわからないけど…ふむ、窓を開けてるから風が吹いて置いてたのが風に飛ばされて…は無いな、折り畳んで箪笥に入れてるハンカチが出て来るってそれはもはや自然現象ではなく超常現象だし、となると誰かの悪戯だけど…

 誰がやったかの予想が付かんな…狼三姉妹がする様な悪戯ではないし、だからと言って他のメイドがする様な事でもないし、他の娘達も…1人やりそうなのが居るな…でも実体がないから物には触れないはずだし…後で問いただすか…よし、それじゃあパッと起きて朝食を作りに行きましょうかね。


「ほえ?ボクは何もやってないよ?そもそもこっちに有る物に干渉出来ないし、肉体が有れば別だけどさー」

「んー…?じゃあ何で朝起きた時に顔にハンカチが被さってたんだろうか?」

「誰かが何かの練習をしてたんじゃない?もしくはアイマスク代わりに使ってたのが広がって顔全体に被さっただけとか、それにボクがやるならハンカチじゃなくて誰かの脱がしたてのブラやパンツを置いて行くね」

「そっちの方が色々問題が有るね、でもアイマスク代わりにはしてないしなぁ…んー…なんだろ?敵意が有ってやった事なら直ぐに気が付くし…」

「少なくともボクは無関係だよ、主様が寝ている時間帯はオリジナルと一緒にゲーム実況してたし、主様もその場に居たじゃん、ゴージャスな猫を膝に抱えてたからコメントが大荒れだったけど」

「人型じゃなかったら荒れる事は無いんだろうけどねぇ、でもアレをしないとカトレアが怒るし、放置された娘も拗ねるし」

「ごろごろうにゃうにゃ言いながらお尻を上げて尻尾を伸ばしてる辺り完全に猫だよね、人の姿をしてるから視聴者が嫉妬を爆発させてコメントが大荒れになるんだけど」

「あれでも伯爵家の次女だそうだよ?ちょっと先祖返りしてあの通りゴージャスとも言えるフワッフワの毛並みでくすみの無い金色、嫁いで行って…の予定が有ったそうだけど、その予定が消えたからカトレアが貰って来たらしい」

「そんな捨て猫を貰ってくるような感覚で貴族の娘を貰って来るとかどうなん?」

「1つ潰れても嫁ぎ先が無くなるって事は無いだろうけど、まあ何かあったんじゃない?」

「で、主様は今日は何するの?」

「何をしようね?特に予定はないし、散歩に行っても良いし、ゲームの方に遊びに行っても良いし、ガレージの方で道具を整備するのも良いし、やる事が無いのは確か」

「じゃあ朝からゲーム三昧と行こうぜー、ボクも今日はやる事無いし、先に向こうで待ってるぜー」

「ハンカチの謎が解けてないけど…まあいいか」


「ふにゃぁー…なんて情けない声を出す雌猫が居ない平和な生放送へようこそ、今日はリアルタイムで午前7時からコピーと主様が参戦だぞー?」

「今居ないだけで後から来るかもしれないけどな!まあ、銀色の雌犬が現在進行形でおやつを寄越せと尻尾をぶんぶん振っているわけだし。

人の姿をしてなければ微笑ましいけど、人型になるとどうしてこうもいやらしく感じるのか…多分この犬が雌だからだな!それじゃあオリジナルとゲームの方をやって行くぞー」

「男だったらそもそもカトレアが連れて帰ってこないだろうねぇ…はい、あーん」

「後でそのジャーキーボクにも頂戴、で、今日のゲームはこちら、昨今の格闘ゲームは必殺技と言う割には必殺じゃない、だが昔は文字通り必殺だった、そんな格闘ゲームをやって行きまーす」

「1人でやるなら兎も角、人数が居るから対戦だね、このゲームは一応現在ナンバリングで9までは行ってるんだけど…1は無名、2は良作、3も良作で4から9まで糞寄りの普通と、過去の栄光はどこへやらって感じ」

「4からはバランスが極端すぎたのが問題だね、2と3はやりこめばやりこむほどキャラクターによる有利不利は有れど、バランスで行けば大体どのキャラでも最終的に6対4とか5対5で拮抗するんだけど、4はもうダメダメ、同キャラを除く他のキャラ全てに対して8対2とか9対1のキャラが出てきたし、5殻はそれより更に酷い10対0、初心者が使っても完封できるって言う対戦ゲームとしてどうなん?って言う糞バランス。

その酷過ぎるバランスが受けてクソゲーとして5が売れちゃって、シリーズは終わらず9まで行っちゃったんだけど…、まあ普通以下の糞よりと言う評価は変わらずだね、オンライン対戦が出来るのにランキング戦はもう200人位しか残ってないんだぜ?」

「レトロゲーム専用機にオンライン機能を付けて、2と3がオンラインで対戦出来る様になったからそっちに流れてるのが原因とも言えるね、お手、おかわり、はいジャーキー」

「犬とはいえ一応人で有る事には変わらないやつに芸を仕込むのってどうなん?」

「いやー…つい?」

「そんな事をするからまたコメントが大荒れだよ、そこを変われとかその犬を寄越せとか、いつも通り冗談で書いているのが7割本気が3割だろうねー、取りあえず対戦やって行きまーす。

無名だった頃の1は言うまでも無く必殺が文字通り必殺、飛び道具に関しては技としか記載されていないのに、近距離の対空に関しては必殺って書いてあるバランス、そのレトロ火力を括目せよ!」

「弱中強ではなく、パンチとキックだけで2ボタン、更に入浴がシビアで出すのが物凄く難しいんだけどね、その辺も含めて色々レトロ」

「2人までしか遊べないから私は見学、満足行くまで遊んだらもうちょっと多い人数で遊べるゲームに変更だね」

「ジャーキーおかわり」


「うおおおおーーー!こっちくんなこっちくんなこっちくんな!」

「ひょっほっほ、まてまてー、遠慮せずにこのプレゼントを受け取れー」

「デスマッチ系のゲームは強武器を拾った人から逃げるゲームに変わるのが何とも」

「高みの見物をしてないでコピーを止めろー!範囲3倍ミサイルとか投げられたら多段ヒットで死ぬー!」

「そうは言っても止めようがないしなぁ、追尾レベル1だとミサイル大じゃないとまず当たらないし、そのミサイル大は広範囲レベル3装備のコピーが持ってるし、下手に止めに行こうとしたら巻き込まれるし、コピーがミサイルを投げてオリジナルと共に自爆して倒れてくれるのを待つだけで勝てるならそりゃ逃げるでしょ」

「せめて主様も範囲内に巻き込んでドローに持ち込ませて貰う!」

「それは却下、氷ブロックをプレゼント」

「この外道があぁぁぁぁ!!」

「はい、オリジナルにミサイル大プレゼント」

「んー…大惨事、広範囲グローブレベル3は強いけど、ミサイル大を拾ったらもう自爆確定なのが辛い所よね、ミサイル小でも通常時の大と同じ範囲に出来るけど、一度拾ったら投げるまでもう手放せないし」

「小石でも投げたら3倍になるから地味に強いんだよねー、強化費用も安いし」

「あー…酷い目に合った…まあ広範囲グローブは爆発物の範囲が広く、しない物は地面に当たった時の衝撃が広くなる代わりに、強化する度に投げた時の飛距離が短くなっていくんだよね、シンプルに強い分デメリットもシンプル」

「パワーグローブも良いんだけどねー、あっちもシンプルで強いし、デメリットに目を瞑れば」

「直撃した時の威力が上がる分ノーコンになるのがねー、どこに飛んで行くか分からないから人数が減れば減る程使えない物に、でもどっちに飛んで行くかを予測する事が出来れば強い、一発逆転を狙いたい人向けだね」

「主様は強化費用が高いけど堅実なグローブを買ったよねー、3まで強化したら絶対当るし」

「当たるには当たるけど威力が半減するからねぇ…3まで行くと2割まで落ちるし、ミサイル大でも30位しか削れなくなるのがねー、嫌がらせや漁夫の利には便利なんだけど」

「さっきの氷ブロックみたいにな!あれ外れても落ちた周りが一時的に氷地帯になって滑るから逃げてる時にやられると物凄いうざいんだよね、おかげでコピーのミサイル直撃喰らったし」

「範囲内に入ったらそりゃミサイルをプレゼントするよねって」

「くそー…2人していじめてくれちゃってさー…」

「範囲3持ってるコピーに迂闊に近づいたオリジナルが悪いね」

「残り体力が少ないから削りきれると思ったらあの円盤がさー…コピーの目の前にミサイル大を配置して行くとか…もうどうにもならないじゃん、出来る事はギリギリ3倍ミサイルの範囲外を逃げ続ける位で、主様が止めてくれるのを祈るしかないし、そして祈った結果が微妙に当たらない追尾1を使って目の前に氷ブロックとかさー…移動速度がた落ちで更に慣性が付いて止まらなくなってミサイル直撃だし…」

「デスマッチとはそう言う物だよオリジナル、もう負けが確定しているのであればどうやって一人でも多く道連れにするか、そしてその時丁度良いタイミングでミサイル大が拾えてオリジナルが居たらもうやるしかないじゃん?」

「絶妙な距離だったのも有るよね、もう少し遠ければ小石なりを拾って当てればひっくり返ってミサイル落として自爆、って出来るけど、投げる時は振り向かないとダメだし、振り向くと言う事は距離が縮まると言う事だし、後ろに跳びながら反対方向に投げるにしても投げる方向に入力しないといけないし、その時に投げる方向に進むから追いつかれるし。

オリジナルが取るべきだった行動は近づいて派手なフィニッシュでは無く、威力は落ちるけど遠くからちまちま削って地味なフィニッシュを決める事だったね、それはそれでミサイル小で爆撃されて逆転と言う可能性も有ったけど」

「ぐぬぬぬぅ…ええーい!次だ次!貯まったポイントでグローブの変更だ!」

「ボクもグローブを変えようーっと、範囲3は楽しいけど半分以上が自爆ダメージなのがねー」

「私は追尾を強化かな?ポイントも十分溜まってるし一気に3まで強化、後は余ったポイントを体力に全振りして終わりかな?現在と最大の割合で勝敗を決めるから持久戦になると辛いけど」

「それでも削りきられて倒れるよりはマシだけどねー、しかしグローブ数種類と体力強化位しかないのになぜこんなに楽しいのか…」

「デスマッチかつ最大4人で遊べるからじゃない?ステージも多いしギミックもしっかりしてる、ステージとギミックは弄れないけど生成アイテムはランダムにする事が出来るし」

「これ今のグラフィックにするかどうかは置いといて、処理の改善、ステージやギミックを追加してリメイクすれば対戦ゲームとして受けると思うんだよねー、今のハードなら32人同時プレイとか出来るわけだし、バランス部分は弄らずにそう言う部分を弄ったり追加するだけでも結構売れそう。

グラフィックを弄るのであればポリゴンをどうのこうのして、キャラクターを追加する位…で良いんじゃないかな?これを販売した会社はもう倒産してないから今権利を持っている所がどうするかって位だけど」

「オンラインで対戦するだけならこれでも出来るしねー、オンラインは1人じゃないと出来ないけど」

「オリジナルが凍結2でコピーが感電1かぁ」

「ダメージを稼ぐなら延焼だけど、凍結は足止め効果が強いから総合でみれば凍結だよねー、デメリットで常に慣性で滑り続けるけど」

「ボクは感電で一定時間拾えなくするのが狙いだね、1だと金属しか効果ないけど、2にしてミサイルが持ち上げた瞬間爆発する事に比べればね…3に至っては近づいたら爆発するし…3なら何を投げても感電するから強いには強いけど、デメリットを考えるとねー」

「ただ強化すれば良いって物じゃないのがこのゲームの奥深い所よね」


「ふにゃぁー…うにゅー…」

「はい、先日のコメント大荒れの原因の猫が主様の膝の上で丸くなった所で一旦休憩に入りまーす、休憩後も同じゲームをちょこっとやった後にボードゲームの方で対戦をしたいと思いまーす」

「ボードゲームは皆大好き友情破壊ゲーム、これは面白くて人気も有ったのになぜかロムカセット時代の2作品だけで終わったんだよねー、今も会社は残ってるけど何故か頑なに作らないって言う。

一説にはテストプレイ中にテストプレイをしていたスタッフ同士で殴り合いが発生したから、と言う噂が有るけど、それが事実かどうかは分からないね、それ以前にいくらでもやり直せるゲームで大喧嘩するのは本当に友達なのかな?少なくともボクはそんなやつは友達ではないと思うね」

「ゲーム、遊びでの出来事であるからこそ笑って一緒に楽しむのが友達って物よ、それじゃ休憩して来まーす」

「ジャーキー以外にもドライソーセージ、カリカリに焼いた生ベーコンも有るから好きなのをどうぞ、飲み物もご自由に」

「休憩中に食べるおやつが肉しかねぇ!」

友情破壊

ボードゲームで度々巻き起こる現象、一方的な状態になったり、這い上がれない様にしたり、それが積もりに積もって…

でもそもそも本当に友達ならその状況すら笑って楽しむので友情が壊れる事は無い、壊れるとすればどちらかが勝手に友達と思い込んでいる場合だけである

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