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一応季節物なので 多い時は100人を軽く超える

 いついかなる時でもお茶は大事、お茶を少し飲むだけでも心が落ち着き余裕が出来る、なので慌て余裕が無い時にこそゆっくりお茶を飲んで落ち着き、今解決すべき物事を1つずつ解決して行くべきである、そしてお茶を飲むためには茶葉とお湯が必要、茶葉が無ければ何も始まらないので…

 まずは山に入ってその辺に生えている草や木の葉を適当に集めて、ザーッと水洗いしたら天日干しして乾燥、乾燥が終わったら軽く炒って葉が茶色になったら雑草茶葉の出来上がり、普通の人が毒だなんだと言ってる物でも普通に美味しいお茶が作れるけど、人に出す事も無くは無いので流石にドクゼリやトリカブトと言った毒草は無し。

 最後に出来た茶葉ざっと砕いて一纏めにして、空いてる茶葉用の瓶に入れたら春の新作茶の出来上がり、七草を使うのも有りだけど、見向きもされない名も知らぬ雑草の方がお茶に向いてて良い味になる事も有るのよねぇ。

 早速出来立ての茶葉でお茶を一杯、今回のお茶は…色は茶だけど味と香りは緑茶寄り、それに麦を一つまみ足したような物か、でも薄いし、水の代わりに沢山飲む時には良い感じかな?

 さて、茶葉を作り終わった所で…サワラを釣りに行くか、南の方に比べると気温が低いので最盛期とは行かないけど、それでも70を超える立派なサワラと呼べる物がどんどん入って来てるみたいだし、道具を準備したら店長さんの所で船を借りて海に出ましょうかね。


「何この張り紙?」

「あー、それ?この辺りじゃないけどもっと北の方、そこで淡水魚を生で食って集団で顎口虫症が発生したから、徹底管理された養殖の淡水魚以外は生で食うなよってやつ、それとうちの裏に有るバスの管釣り、そこのは検査した結果見つかりませんでしたよって言うのも添えてね」

「ライギョかバスを刺身で食べたの?」

「シラウオの踊り食いだって、湖に居る完全に淡水のやつ、この近辺の川にも居るのと同じやつだけど、汽水でもない完全な淡水の湖に居るのを捕って生食用天然物シラウオって検査もせずに売って、だから同情する部分はどこにもないけどね。

天然物信仰が残ってる場所だと何かしらそう言う被害が出るのがなんともねぇ…一応私は刺身で食べれるスポテッドにトラウトを管釣りで扱ってるじゃない?だからうちは検査もしてるしこれは安全に生で食べれますよって張り紙をね」

「検査も処理も無く売ってたのであれば同情は出来ないねぇ…検査をした上でどれ1つとして感染してませんよ、って出て発症したなら同情は出来るだろうけど、天然物の方が高く売れるからって取り扱ってる所も有るからねー」

「検査をするにもお金が掛かるし、その上で処理をするとなればさらにお金が掛かる、それらを全てすっ飛ばして儲けに走った結果だねぇ」

「まあ、うちには関係ないや、サワラを釣りに行きたいから船を出してー」

「はいよー、花井ちゃーん、サワラを釣りにちょいと沖へ出てくるから後はよろしくねー」


「それほど沖へ出る必要も無くその辺中でボイルしまくってるねー、これなら堤防の方で沖へ向かって遠投するだけでも釣れなくは無かったかもしれないよー?」

「それは堤防の近くまで寄ってきた場合だし、やっぱり魚を追える船が一番よ、と言うわけでちゃちゃっとサワラを10本位確保しましょうかね」

「私も釣ろうーっと、普通なら離れるな、って言われる所だけど、そんな物は海上警備に見つからなければいいのだよ、見つかっても軽く怒られる位で済むけどね」

「ここには早々来ないでしょー、密漁してる人がいるわけでも無し、どちらかと言えば浜の方でしょ、そろそろ潮干狩りが始まるし、他所から来た人が捕まり始めるのもぼちぼちでしょ」

「今の密猟は現行犯じゃなくても映像さえあればそこから特定して捕まえれるからねー、密漁による被害額も塵も積もればで割りと馬鹿にならないし、お金を払えば上限は有るけど獲れるんだからちゃんとお金は払えと。

まあ密猟する奴は自分で食べるだけじゃなくて市場なり直接店に持って行くなりして換金してるんだけどね、食べるために獲ってるやつの方が少ない程度には、っと、1匹目ー」

「網要る?」

「要らないー、細い糸を使ってるわけじゃないし、ぶっこ抜いて即絞めて血抜きコースだね」

「食べる為に釣るなら切れない太い糸を使ってー…が基本だしね、細い糸で釣ったら偉いというわけでも無し、っと、こっちも1匹目、群れが消える前にどれだけ釣れるかが勝負かなぁ…」

「その為のバーブレスとぶっこ抜くための硬い竿に太い糸、居なくなったらリーダーをチェックして、ボイル探して移動だねぇ」

「そうなる前にここで目標本数を釣っておきたい所」

「だねぇ、私は3本も釣れたら十分だし、7本ずつ釣れば行けるでしょ」

「だね」


「いやー、最初のボイルは何だったんだって言う程酷い結果になったねぇ」

「6本確保できただけでも十分だけどね、10本欲しかったのは色々作ろうとしてただけだし、6本も有れば味噌漬けと醤油漬けは作れるしね」

「味噌漬けは鉄板だよねぇ、後やる人は少ないけど塩を振って水分を抜いた後に醤油に味醂に酒のシンプルなタレ、それに鷹の爪をちょっと入れて漬けて置くのも美味しいよねえ、その後でゴマを軽く振って軽く1日干すのも良いし、最初からタレにゴマを入れておくのも良いし」

「漬けダレも漬けダレで照り焼き風のとろみがついた物でも良いんだよねぇ、それを薄く塗って短時間置いておいて、炭火で焦げない様に気を付けながらじっくり火を通しながらタレを塗る蒲焼きも、でも大抵の人はサワラと言えば味噌か酢かってなるのよね」

「鍋物も有るけどほとんどの人はもうただ焼くだけとか味噌漬け、新鮮な物だと刺身になるのは外れを引きたくないからだろうけどね、よし、内臓抜き終わり、ここから熟成させた方が良いと言えば良いんだけど…」

「アイナ達も帰って来て今は10人以上居るからねぇ、のんびり熟成させるよりは短時間で美味しく食べれる方が良いからもう今日中には食べ切るかな?だから味噌では無く醤油味醂に夜まで漬けて置く感じだねぇ」

「うちは実家に1本持って行ったら1本は味噌漬け、その半身を今日の晩酌用に叩き、残りの1本は熟成してみぞれ鍋でしゃぶしゃぶだね」

「しかし、平日と言うのも有るんだろうけど閑古鳥が鳴いてるねぇ」

「春休みはもうとっくに終わってるしね、学生もこの時間帯は来ないし、来るのは平日が休みのサービス業の人達やらお昼は暇な漁師のおっちゃんとか、ちょっとした休暇の有った後は急に暇になるのはもう恒例行事みたいな物だね」

「夏休みに入ると1ヶ月は忙しい日が続くのにねぇ」

「7月半ばから8月末まで1ヶ月半の長期休暇だし、他県から電車を乗り継いでくる学生も居る位だしね、それに夏のボーナスをたんまり貰った人も来るし、何より祭典の後で新作を大量に仕入れる事が出来る様になるし、そりゃ1月2月は忙しくもなるさー」

「今年はネレイドからリールと竿が合わせて100以上、レッドウルフも久々にハイエンドを更新、それとショア用の安い竿が少々、ワイバーンは特に無くて他ブランドの更新が少々、アナライズとブルーオーシャンも新作が少々。

一番忙しいのはアイナだろうねぇ、5月から会場の方に行って何をどこに置くか決めないといけないし、エントリーからハイエンドまで全部ズラーっと並べて、さらにそれを説明するための開発チームもどこに何人配置するか、コンパニオンは説明するのが仕事じゃないので重要なハイエンドブランドに各3人位で済むだろうけど…」

「所属してるプロが居ない状態だしねー、会社総出で出張になるだろうね、個人でやっている様な所だと祭典には出ないし、細々と通販だなんだで竿を売っている所も有るけど、ネレイドはそうもいかないしねぇ」

「マキシマから移籍と言う話は無いし、マキシマとネレイド両方と契約は私と恵里香さんがそうだけど、テスターとしての契約であってプロってわけでは無いし、ネレイドとしてはマキシマから鞍替えしまーすってのを認めないだろうし、一応マキシマにはまだ所属しているプロが設計して作らせた竿とかリールが残ってるし、7割はGBの技術を流用で作れなくなってるけど」

「GBの技術を全部使うなってなっただけでハイエンドだけでなくミドルも壊滅したのはもはやギャグ」

「トップだからと慢心して新しい物を作らず、ちょっと弄っただけの物を出していたのが原因だしね、それだけ完成度が高かったとも言えるんだけど」

「色んなブランドで作った技術を一纏めにしてハイエンドにしました、って言うワールドと違って、1つのブランドから出来た技術をばらして各ブランドで使いました、って言う大きな違いが有るからねぇ。

1つのブランドだけで開発するのではなく、分散して技術を共有と言う形を捕っているワールドの場合だと、花井ちゃんの作った百花とかその辺りの技術を今日から使うなよーってなったとしても、じゃあ代わりにこれを使います、って出来るからねぇ。

ワールドはブランクスだけでも5つほど種類が有るし、その全部が別ブランドによる開発で技術の開発元も分散されてるから、それらの全てがダメにならない限りは他のブランクスに使いつつ新しい物を作るだけ。

ブランクスにも得手不得手が有るから一通りテストをして、その中で一番良かった物がそれ用のハイエンドとして売りに出されるんだけどね」

「得手も不得手も無いマーメイディア、ワイバーン、クリムゾンウルフのブランクスがおかしいだけな様な気もするけどね、ウルカンが作った物に比べるとまだまだだけど」

「切れない折れない壊れない1本有ればのべ竿にも上物にも変形する道具と比べてはいけない、根掛かりしても針が変形したり重りが糸と一体化して1本の糸になってするっと抜けて来るとか、釣り具メーカーが見たら泣いて土下座しそうだよね、その技術を売って下さいか、絶対に販売しないでくださいかの2択で」

「便利なんだけどねぇ、ゴミも出ないし、持ち運びはそれ一本で良いし、重りや針も別で有るには有るけど、使ってる素材は同じだから一体化させる事も可能だしね。

よし、漬けダレ出来た、これに骨も完全に取り除いた切り身を漬けて、夕食にこれを焼いた物を出すだけと」

「全部漬けるのも勿体無い様な気はするけど、食べる人数やおかわりを考えると微妙な所だね」

「そうなのよねぇ、屋敷の方から来る事も有るし、マスター代理もこっちに来てご飯を食べる事が多いでしょー?となると多め多めに作って置かないと足りないのよね」

「大所帯の辛い所だね、よし、それじゃあ私は実家にサワラを届けて来るねー」

「数は兎も角として目的は達成したし、私も帰ってお昼の準備をしないとねぇ」


「少し前にサワラを食べた様な気もしますが、この時期だとこういう物ですよね」

「養殖のおかげで年中食べれる様にはなってるけど、時期の物には変わりないし、釣りを楽しんだ後はしっかりと味わって食べる、基本だね」

「今日はサワラの焼き物を中心に…は後で考えるとしまして、今はお昼ですね、今日のお昼は何です?」

「お昼は麺を楽しむ薄味の魚介塩ラーメン、トッピングは少し前に取ってきた山菜の残りと叉焼、もやしにフライトオニオン、後はいつもの鶏の唐揚げにエビの唐揚げ、以上、炒飯なんかのご飯物は無し、その代わり麺はたっぷりある」

「熱いのではなく若干温めの、つるっと一口で行ける物ですかね?」

「そうそう、そんな感じ、麺も冷水でキュッと締めて、その上から温かいスープを掛けて火傷もしない丁度良い温度にってやつ、取りあえず丁度良くここに居るわけだし、唐揚げを持ってってー、そこに置いてるやつ全部」

「はいはーい、その前に1つつまみ食い…んー…揚げ立ての唐揚げはどうしてこんなに美味しいんでしょうねぇ…」

「冷めたのを上げてもこうはならない、天ぷらと同じく揚げ立てでしか味わえない物の1つだね、タレに浸す物は別だけど」

「アレは冷める時に衣が水分を吸ってべチャッとしますけど、その水分が入る所に先にタレと言う水分を入れますからね、アレは冷めても美味しく食べれるタイプです、衣を厚めにかつ外の衣だけをガリガリになるまで揚げておくとなお良し」

「タレもタレでちょっととろみをつけてね、そうすると外がコーティングされて必要以上に水分が入らない、内側も厚めにしてあるから外まで出て来ない、だから冷めてもカリッとしつつタレも程々に染み込んで」

「まあ、それはまた今度ディジーに作って貰うとしまして、それじゃあ持って行きましょうかね」

「だね、冷やした麺と温めているスープも後から行くから、ディジーも先にトッピングの方をよろしくねー」

「わかりました」

葵さんちの食事風景

基本的には家に住んでいる人達だけ、でも頻繁に屋敷や他の所から食事を取りに来る人が多い

一番多い時は室内だけでは収まりきらず、かと言って台所でちまちまと作っていては間に合わないので大体外でバーベキューになる

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