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たまにはそれらしく それでもまだ足りない

 本日は晴天なり本日は晴天なり、風もほぼなく海も荒れてなくほどほどに凪いでいる絶好の釣り日和、陽射し…はまだ早朝だからないけど、この様子ならお昼位には丁度良くポカポカしてきてお昼寝日和にもなりそうかな?

 さて、最後に忘れ物がないかを確認しまして、餌はイソメにモエビにホタルイカ、エサ用に加工したバナメイエビに最近養殖に追加したマエビ、アサリにハマグリのむき身が各10キロずつ、さらに解凍したオキアミをドカンと50キロ、もう何を狙って釣るんだというよりは餌でもやりに来たのかというほどの量、でも動画投稿者らしく地味だけど派手、ということをやるのであればやっぱり餌を大量に消費なんだよねぇ…

 でー、持ち込んだ餌に抜けは無し、タイラバも重りがざっと50のスカートも色やらなんやら違いで200位の、餌釣り用の重りと針も有って、底のほうにばら撒くための籠も有って…うん、大丈夫だね、それじゃあ出船を待ちましょうかね。


「のんびりとした釣り、かつアマダイという注文で持ち込まれたこの餌の量、餌だけで何万円分だよっていう」

「たまには動画投稿者らしく、と言う事で、そして私達は釣り動画配信者なので普通の人では出来ない、思いついてもやらない各餌合わせて100キロ以上を1回で使い切ってやろうと」

「でも竿は穴釣りロング縛りっていう、籠に詰めて中層やら底に撒くのは堅い竿でやるけど」

「柔らかい竿だと加護が開かないしね、でも量でいえば完全にただの餌やりだよねこれ」

「でも店長さんもやってみたいんでしょう?パラパラとエビを少しずつ撒いたりする物はあっても、ドバーっと撒くのはほぼないですし」

「まあねー、問題はこれを食べに集まってきたベイトを追って青物が突っ込んでくる可能性があるって事よね、ここの水深は70あるから早々根に入られる事はないけどね、取りあえず魚探は50ー、シロアマは大体30から80の間だから可能性はあるよー?まずはタイラバからどうぞ」

「よーし、じゃあその指示は無視していきなり籠投入行きまーす、オキアミをギッシリ詰めて…30メーター辺りで止めて思いっきりしゃくって籠を開く!

そしたら回収して次の餌、モエビも詰めて同じ様に、その間にも上からパラパラとオキアミとモエビを撒いて爆撃、イソメもわしっとつかんでパーッと、籠にも詰めておりゃーっとしゃくって撒いたら…」

「船の上では船長の命令は絶対なんだぞー?」

「などと犯人は供述しており、タイラバを使わず一緒になって餌をばら撒いていたそうです」

「へっへっへ…」

「まあ、総重量100キロ以上の餌ですからね、バッサバッサ撒いて行かないと減らないっていう」

「実際この釣りってどうなの?意味あるの?」

「無くはない、上からぱらぱらと撒いて魚を寄せて釣るっていう釣りは有りますしね、この場合度を過ぎてはいますが、その分効果もえぐいと言いますか」

「オキアミをばっさーと撒いてモエビとイソメ、ホタルイカにバナメイにマエビにと撒いたから表層がちょっとやばいねぇ、今トップを投げたらサゴシとか何らかの青物が釣れるよこれ」

「集まってきたアジにイワシにサバ、それを追いかけてきたサゴシに青物に、でも逆に言えば表層にそれらが集まっていれば下の方は安全ということ、なので撒くのを一旦止めてタイラバ投入ー、マダイが掛かったらかなり厳しいけど、その時は各自がんばるで」

「PEはこれ何を撒いてるの?」

「今日はグラディエイターの1.5ですね、45lb位あるので青物がかかっても大丈夫、リーダーも同じくグラディエイターフロロの10号で50lb」

「どう考えてもアマダイを釣る装備じゃない件について」

「普通のタイラバでもリーダーは20lb位だしね…っと、1匹目は何かなー?ぼちぼち重くて程よい感じだけど」

「これだけ餌を撒いてたら何が掛かってもおかしくはないけど、シロアマダイだと良いねぇ、そして大量に釣ってうちにも分けてくれ、後リーダー太いし網は要らないね」

「やたらと大きなものじゃない限りはねー」

「こっちはタイラバの使い方が今一わからないんだけど」

「そういえばリオはまだそれほどやっていませんでしたね、今使ってるPEは10メーター毎に色が変わるので、落として5回色が変わった所で止める、30メーター位まではシロアマダイがいる可能性があるので、20メーター位巻いたらまた落とす。

巻く速度は常に一定で反応がなければ少し早くしたり遅くしたり、ジギングの様にしゃくったりする必要はなし、それでも反応がなければ重りの色やスカートを変えて、っていうのがタイラバの基本、あわせも特に必要はないと言えばないですが、怪しいなーって思ったらぐっと竿を立ててフッキングするのも有りと言えば有りです、それですっぽ抜けるなら途中で抜けます。

それでも反応がないって時はこちらのバナメイエビのむき身、これをタイラバの針につけて落として、ゆーっくり巻き上げてくるだけ。

餌をつけるのは邪道だなんだという人はいますけど、食べるために釣りに来てるんだから邪道も何もない、食わせて釣った人が正義なのですよ。

で、妹ちゃんは何が釣れました?」

「カワハギ、なんとなく後で使おうと思ってたアサリとハマグリをつけていたからだろうけど」

「目測で28位ですかね?そりゃ程良いでしょう」

「カワハギ良いねー、本命ではないにしても釣れたらうれしい奴だね、私も後で狙おうっと」

「問題はハギ用の針も仕掛けもないってやつですね、イソメ用に持ってきた流線針は有りますけど」

「じゃあそれで頑張るしかない…ねっ」

「店長さんは…まあ上がってくるまではわかりませんね」

「マダイなんかのわかりやすいやつでも上に向かってきてたら頭を叩かないからねぇ、そして巻いた感じはかなり軽い」

「イトヨリですかねぇ?あいつらちょっと巻き上げるとすぐ観念して抵抗することをやめますし」

「イトヨリもイトヨリで美味しいんだけどね…イトヨリだね、目測30後半、今後の釣果次第でから揚げになるか煮付けになるかが変わってくるね」

「そのためにはどんどん数を釣っていきませんとね、景気づけにオキアミ一気に10キロもってけー!モエビも5キロ飛んでけー!」

「周りに船がいたら何事かと思うだろうね」


「あー…この釣り慣れてくると地味に楽でいいねぇ…ぼーっと落として、ぼーっと巻いて、また適当に落としてってだけで釣れるし」

「いかに楽にしてタイを釣るかっていう釣りですからねぇ、タイだけじゃなく根魚も釣れれば青物も釣れなくはない、楽をする事に特化した物といっても間違いではないですね、反対側はその楽とは程遠い爆釣モードですけど」

「餌の力って凄い」

「まずは食べる分を釣ってから、後は目当ての魚が来るまでのんびり」

「そしてバラバラ撒かれていく大量の餌」

「今ここにサビキを落としたらアジとかイワシとか入れ食いは確定ですね、青物が突っ込んできそうなのでやりませんけど」

「サビキって青物釣れるの?」

「青物用のサビキもありますよー?ハリスが16号で感覚が少々長め、針も大きいやつが、それ単品で釣るというよりは今集まってるイワシとか、それにまず食わせて、その後青物がいる下まで落として釣るっていう落とし込みになりますけどね。

これで釣るのは主にカンパチとブリにヒラメですね、たまに他の物も釣れますけど大体その3種がメインターゲットです、乗り合いの船でよくやる釣りの一つですし、漁師も個人で青物を捕る時には使ったりしてますね」

「なるほどねー、でものんびりは出来なさそうだね」

「結構忙しない釣りの1つですね、まず船自体がベイトを追って常に移動、ベイトのいる場所まで落として食わせたら落とし込み、ベイトが居なくなったり目当ての魚がいなければすぐに上げて場所移動、ついでに言えばドラグフルロックで一気に上げる必要があるので疲れますし、大きすぎて上がらない場合はもうラインカットですね、貸し切りなら落ち着いてファイとさせてくれますが、乗り合いでちんたらやってると周りのお客さんに迷惑がかかりますからね」

「皆でワイワイやるのも良いけど、落ち着いてやり取りが出来ないのは嫌だなぁ」

「乗り合いや瀬渡しの船ははずれに当たるともう二度と乗るかって位酷いのもありますからね、初心者向けとして良く釣れる船釣りなんかがよく上げられますけど、独自ルールの塊になってるのを引いた時は地獄ですよー?

まあ、釣果はほどほどでも初心者に優しい良い船長は誰でどの船ですか?って釣具屋で聞けば良いんですけどね」

「1人で行く事はまずないかなぁ?」

「リオが1人で行くなら常時目の見えない偏光サングラス、口元を隠す首巻とフェイスマスクを兼ねたやつが必須ですね、完全に近づきたくない人の装いをしないと人に囲まれて大変ですよ?妹ちゃんですらちょこちょこ囲まれたりしますからね、船に乗って海に出てしまえばもう関係はないですけど、皆釣りの方に集中しますし、口説いてたら船長にどやされて船から降ろされますからね」

「船に乗ってしまえばある意味安全というやつなのねっ…と、なんか掛かった」

「底の方まで落としてましたし、根魚ですかねぇ?」

「あまり抵抗はないね、重いだけでスーッと上がってくる」

「じゃあ根魚ですね、そのうち浮き袋が膨れて完全に無抵抗になりますよ、目も飛び出ますけど」

「水圧って怖い」


「さて、爆釣モードが終わった所で…エサはまだ大体50キロくらい残っているんですが…どうしましょうね?」

「オキアミとモエビは使い切ったんだけどねぇ、ホタルイカとマエビは中々、仕方ないからどっちも刺身にして食べながら釣ってたわ」

「そうでしょうね、お皿とわさびと醤油が出てますもんね」

「完全養殖で虫がついてないから安心して食べれるしね、ハマグリとアサリもカワハギだけじゃ使い切れるわけもなく…だから、これは全部ばら撒かないなら持って帰って料理だね」

「取りあえず今の釣果が…カワハギが大小含めて72枚、シロアマが31のマダイが14、キジハタが24のカサゴも30近いのばかりが15匹、大量ですねぇ…特にシロアマダイがやばいわ…爆増しているとは聞いてましたけどここまでとは…」

「60台もちらほら混ざって一番小さいのでも47、お前本当にシロアマダイか?というような70後半もいて増えているだけじゃなく大きい個体というのが嬉しい所ね」

「一番重いのが3キロオーバー、軽く国内記録を超えているのが何とも…それにしてもこれ全部売ったらいくらになるんでしょうね?」

「そうだねぇ、78で3キロ超えてるやつはキロ7か8万、60台のやつも5か6、一番小さいので2万くらいのそれ以外が3万くらいかな?だからざっとでも100万以上かな?

まあ、それは市場で競りが終わってお店に並んだ時の価格だけどね、それでも市場に卸せば30から40万位にはなるよ、ただ…ここまで増えてると価格は落ちるだろうね、滅多に取れないだの数が少ないだので価格が上がってただけだし、この調子で増えていって大きさも50前後が普通になれば1匹当たり5000円位まで落ちるんじゃない?売るなら今が一番いいタイミングではあると思うけどね」

「売らずに食べますけどね、今日はシロアマダイ尽くしです、カワハギも肝醤油にして鍋と刺身です、キジハタとマダイはどうしましょうかね…」

「キジハタとマダイより美味しいやつが大量でどうするか悩むって物凄い贅沢だよね、私が釣った分は近所と実家に配るけど」

「こういう時実家が近いと便利ですよね、私の場合地味に遠いので持っていくに持っていけないんですよね、高速に乗って片道3時間は流石に届ける気になりません、かといってクール便で送るというのも…」

「ま、うちはこの量が1日で無くなるんだけどね、美味しい物があると嗅ぎ付けたらメイド達がワーッと押し寄せてくるし、これでも足りないと言っても過言ではない」

「消費しきれる量だったらそう何人もは来ないんですけどね」

「まだまだ釣れるとは思うけどどうする?場所変えて春のキスでも狙う?ちょうど船で海に出ているわけだし、イソメも大量にあるし、狙えば20に満たない程度のが釣れると思うけど?」

「そうですねぇ、キス行きましょうか、ついでに余ってる竿でマエビも泳がせておいてスズキとかヒラメも狙って、余ってるむき身なんかもそっちでばらまきますか」

「そして大量に寄ってくるクサフグ」

「今日は食べないのでリリースしますけどね、たまにから揚げなんかで食べると美味しいですけど」

「よーし、それじゃ移動するから引き上げて倒れないようにしろよー」

「これが貸切の良い所でもありますよね」

「乗合だと基本的に決まった釣りしかしないからね」

らしく

動画配信者はたまにバカをやってこそ、みたいな所もあるので…

釣り餌を100キロ少々用意しただけで誰にも迷惑はかかっていないので安心、最終的に残ったイソメとホタルイカ、マエビは餌として店長さんの店に寄付された、でもホタルイカとマエビは夕食の材料になったと思われる、残り少なかったので…

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