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なんとなく暇な日 何もしないままごろごろ

「何とも不思議な感じですね、餅の様に伸びて食感も餅その物、水餅という割には水っぽいわけでもなく、大福っぽいといえば大福っぽいですが、溢れ出てくる味はバナナやマンゴー、飲み込むときにくっつくこともなくツルッと」

「水餅の実であって水餅でも餅でもないしね、千切ってバナナ味とマンゴー味を混ぜてもよし、食感的には餡蜜とかそういうのに向いてるかな?」

「火を通しても硬くならないのであればモチモチのパンやドーナツに練りこんでも良いかもしれませんね」

「取ったら取っただけ次から次へと実をつけるから、観賞用としても食用としても使えるね」

「見た目的には透明のスーパーボールとかそれ系なので食べようとする人は少ないでしょうけどね、一度食べたら食べ物と認識するでしょうけど」

「メイド達には人気なんだけどね、練って伸ばしてホイップクリームを包んだり、チョコクリームだったりイチゴを包んだりしてるのとかね」

「あー…それも美味しそうですね、というより植物から生っているのに押しても潰しても伸びるだけというのもなんだか」

「種も無ければ花も咲かせないしね、増やす場合は根っこを切って鉢に植えればいいってさ、増やす意味があるかどうかはわかんないけど」

「まあ…ないでしょうねぇ…とったらすぐに次の実が生りますし、おやつに1つ2つ食べる位ですしねぇ」

「ずーっと放っておいても腐ったりする事もないし、水餅の木自体もこれ以上大きくならないそうだし、取りあえずは観葉植物変わりに置いておく感じかなぁ?」

「観葉植物としておいてる木からスーパーボールみたいな身をもぎ取って食べてたら正気を疑いますけどね」

「何が一番怖いって、これカロリーが無いに等しいんだよね、その代りこっちでは誰一人として消費も接種もしてない成分がたっぷり、まあゲームでよく有るMPを回復するような物と思っても良いね」

「マナとかそういう成分ですか?」

「正確には違うけどまあ大体そんな感じ、ここだと存在はしていても吸収する物がなければ消費する人もいない、だからこの植物の根っこを粉末にして撒いたらミントとか大葉、ドクダミに竹に葛よりえぐい繁殖をするよ、根っこが貧弱だからこうやって鉢なんかで遮ってるとこれ以上横にも下にも伸びないけど、遮る物がないと辺り一面この植物だらけになるね。

でも面白いのは実とか葉、枝なんかには一切繁殖能力がないということ、地面から下に埋まっている根と呼ばれる部分にのみ備わっていて、増え方もクローンを作る感じだね、それがうちで調べて分かった事、爺共の作った物だから正確な事はわかんないけどね」

「取りあえずいくら食べても太らないという事ですかね?」

「そうだね、味はしっかりバナナとマンゴーだけど栄養は何もない、消化はされるけど消化した後に何も残らない、これでダイエットだーってやると死ぬね」

「お腹が満たされても栄養も何もないと栄養失調からの…ですねぇ…」

「あくまでもお茶請け用のお菓子みたいな物だしね、また今度これを生地に練りこんだドーナツなんかを作ってみようかね」

「ルシフさんはこういう物を作って売りに出すってのはしないんですか?」

「出来なくはない、出来なくはないけど、ダイエット食として売りに出すのが限界でしょー?それに見た目と食感が完全に別物なだけでバナナとマンゴーではあるし、あまり作る意味はないよね」

「蒟蒻ゼリーなんかもありますし、確かに意味はないといえばないですね、食感が餅というだけで」

「だから作る必要も売りに出す必要もないってわけだね」


「ま、それはそれとして、爺と婆共は何か言ってた?」

「特に何も?いつも通りだね」

「爺が婆を攻めて、婆はご主人様に泣き付いて、のパターンか」

「何か怒られる様な事を毎回してるんですか?」

「いやー、ねー?恵里香ちゃん達って一応第二世代に当たるのよ、で、少し前のこの世界を思い出して貰えばわかるけど滅茶苦茶増えるじゃない?」

「人口は90億を超えて100行くんじゃないかって言われてましたね?今は20億しかいませんけど」

「でね、一番最初に作られた第一世代って実はまだ1億もいないのよ、そして現状ご主人様が最後に意図的に作った人と呼ばれる存在である第三世代と呼ばれる私達もなんだかんだで2000万前後を保ってるのよ、星の大きさだけならここの数倍あるけども。

第二世代の数はそんな次元じゃないのよ、桁が不可説とかその辺りまでいってんのよ、しかも出産して増えたとかではなく、婆の開発した入植ツールの中期版、労働力を確保するために簡単に言えば人種の生物情報をツールに登録して、適当にランダムで配列してコピーして増やしまくるっていう事をやったのね。

でもそれだと効率が悪い、なんならもう星を丸ごとコピー出来る様にと出来上がったのが後期版、これが今の入植ツールの基礎になってるんだけど…エステルちゃんの世界がRPGゲーム風だったのは知ってると思うけど、あれは改造されたツールを使った事による物ね、本来ならそういうパラメーターと言った物は今を生きている人には数字として表れたりはしないわけだし」

「そうですよねぇ、メニューを開いて自分のステータスが見れたら怖すぎますよ」

「普通であれば常に変動してるはずなのになぜか固定だったりとかね、で、それを複数人やるためには星が大量に必要、宇宙が広がったり星が誕生したりとかは大体はご主人様が危険物を処理した時に出来るんだけど、爺共の言い分であればご主人様の所有物、屑共の主張はだれも手を付けてないんだから誰の物でもないって理論で新しい星ができたらどんどん占領していくのよ」

「自分が開拓して得た土地をよそから来た人が勝手に家を建ててここは俺の土地って言う様な物ですかね?」

「そんな感じだね、でー、それでもまあ爺共はお怒りなんだけど、一番ブチ切れたのはご主人様が寝ていた草原にぽつんと木が生えていただけの星、そこにちょっかいをかけた時だね、まだ第三世代である私達が生まれる前。

その時は周囲にいた物を全部消滅させたらしいからねぇ…侵略しに来ていた数千の船と止めに来ていたそれよりちょっと少ない数の船を纏めて塵も残さず、そんな事があっても自分は大丈夫とわけのわからん全能感に包まれたのがいまだにちょっかいを出してきてまして、そろそろ纏めて全部消してしまえよって言う会話が毎回茶飲み話の席で出てくるのよー。

その時に爺は毎回何かしら使い方次第で完全に消滅させれる物を作ってくる、使わないのはご主人様が単純に許可をしないからだね、許可してたらちょっとは平和になるんだけども…」

「その消滅させる対象が第二世代、まともな人は残るけど、やんちゃなのがその辺に複製しまくった結果誕生した生命も纏めて消滅させるからねぇ、関係のないただ生きてるだけの人が巻き込まれるというのが何とも」

「こんな感じで許可が出ないわけだね、で、恵里香ちゃんはその複製の家庭のランダム配列で誕生した生命体の子孫、大元となった生物情報は第二世代の物だから、恵里香ちゃんは第二世代といえるわけだね、エステルちゃんも同じく第二世代。

ご主人様の周りにいる私達メイドと、管理してる星に住んでるフィリス一家等の人達は第三世代、爺達が第一世代という括りだね」

「なるほど」

「見た目は同じでも実際中身が違ったりはするけど、それは些細な問題だね、暮らしていく分には何の影響もない」

「食べてる物も基本的には同じみたいですしねぇ」

「ま、数が多くポコポコ増える分屑が多いのが第二世代の特徴ってやつだね」

「母数が増えるとどうしても…ですねぇ…」


「んー、水餅の実を皮にした大福美味しかったー、突拍子もない物を作ることもあるけど、食べ物に関しては基本的に美味しいのがご主人様に似てるよね」

「そお?」

「似てるでしょ?たまにとんでもない物を作るし、やってる事はほぼ変わらないでしょ」

「そうなのかなぁ…」

「私は会った事がないので何とも言えないですね」

「ご主人様と出会う前に会ってたらやばいよー?一時期婆が本気で惚れてたもん、爺の1人攫ってきて街中に放り出したら興奮のあまり鼻血を噴いたり腰を抜かしたり、心停止までは行かないけど間違いなく大混乱に陥るよー?

ご主人様はまあ人前に出てもまあ美形だなぁーって位で済む様に調整してるけど、爺共の場合は自分達の住んでる所からは基本的に出てこないし、ありのままの姿だからねぇ…綺麗すぎて普通の人が見たら気が触れるよ?」

「第二世代の人がちょっかいを出すのは綺麗すぎるのが原因じゃないんですかね?」

「それはないと思うよ?ちょっかいを出した時点で消されるし、姿形の記録なんかは残ってないから、基本的にはそこへ行ったら跡形もなく消えるっていう噂があるくらい、そして自分は大丈夫だとか思ってるやつが行って死ぬ」

「気が触れるほどの美形だと惚れない方がおかしいですよね、気が触れていると惚れてるかどうかの判断がつかないと思いますが」

「取りあえずその辺の人が居る所に放流しておくと秩序も何もかも崩壊するね、最終的には国が亡ぶまで行くと思うよ」

「もはや存在が兵器ですね」

「引き籠ってなかったら星間戦争とかもっと激化してただろうね、それはそれとして何をしようかねぇ、お土産を使ったお菓子も食べたし、ゲームのイベントは昨日始まったばかりだし、まだまだインフレまでは程遠いしねぇ」

「イベントは初期コインを貰ってイベントをちょっとこなした後はカジノでぼちぼち増やしてるくらいですねぇ、もっと良い稼ぎ方があるんでしょうですけど、殴り合いはちょっと…」

「理論上ならルーレットかスロットが一番効率が良いね、負けなければ必ず増えるわけだから、賭けれる最大値を賭けて勝てば倍々なんて物じゃないし、一夜にして億万長者を目指すならカジノ一択、でもコツコツイベントをこなしていくだけでもそのうちインフレしていく、死亡イコールコイン0枚だからまた200枚からのやり直しになるけど、イベントをこなしていけば銀行が使えるようになるし、商店やらなんやらを所有出来るからそれの売り上げが銀行に入るし、引き出すのに手数料で100枚かかるけど意外とリカバリーは出来る物よ」

「あまりガツガツやらなくても期間限定アイテムはある程度買えるみたいですし、カジノでコツコツですかねぇ?」

「イベント限定スキンや家具なんかは有っても、本筋の先頭バランスに関わるものは一切ないしね、というより死んだら全ロストだし、死なない様にまず体を鍛えるところからだし、順当に強くなる人は強くなって、めんどくせーって人はお望み通りのレベル制のところを作ったらそこに入りびたりだね。

本筋のほうには引き継がないし、どれだけ稼いでも監禁した時に得られるお金が雀の涙だから、豪邸に住む事も出来なければ使用人を雇っても赤字ですぐに居なくなるんだけどね」

「死んでもロストせず、適当に最弱モンスターをちくちく突くだけで生活費が貰えると考えれば十分だと思いますけどね」

「リアルマネーには換金できないけどねー、でも最近は職業によってはゲーム内でも働ける様になって来てるし、遊びながらお金が稼げると言っても過言ではない」

「あちらの24時間はこちらの12時間ですし、肉体疲労が無いので超絶ブラック化した所もあるようですけどね、特にデスクワーク組が悲惨だそうです、精神的な疲労はあっても肉体が疲れないのでゲーム内で延々と、SEもゲーム内で缶詰め状態だとか」

「それはさすがに責任は取れないなぁ、というか知った事ではないね、限界以上に注文を受けたり余裕を持たなかったりするからそうなるのよ、後意味のないノルマを課したりとかね。

その地域にある企業の数、人口の数が無限ならわからないでもないけど、有限なのにノルマとかねぇ?保険にしても同業他社が乱立、1つの家庭に対して10社位が契約を取りに行くし、それで契約が取れないから昇給もボーナスも無しねーって言うけど、だったらお前はこのノルマをこなせるのかよっていうね」

「間違いなく昔はそれくらい普通に取れてたっていう何の参考にもならない答えしか返ってこないでしょうね、そういう物もなく、誰も何の保険にも入ってなかった時代とは違いますし、取りあえず売り込めば誰でも加入した時期の話を持ち出されましてもねぇ…」

「ま、そんなブラックがどうのという話はどうでもいいとして、何をしようかねぇ…今一やる事が無いんだよねぇ」

「うちも新入がぼちぼち入ってくる時期ですけど、私達にはあまり関係がないですからねぇ、どこかのタイミングで視察に行く必要はありますけど、暇といえば暇ですね、ジュリアさんはビザの関係もあって国に帰ってしまいましたし、店長さんも花井ちゃんも春先の良い時期なのでガイドだなんだで遊んでくれないですしねぇ…」

「アイナ達も忙しくて帰ってくる頻度が減ってるよね」

「あっちはこっちと違って書類だけで済むわけじゃないですからね、年商はかなりの物でも会社自体は小さめですし、新入社員が来るとなると社長の挨拶だなんだ、作ってる物の説明だなんだと色々用意する物がありますからねぇ」

「会社を売却すると言った割にはなかなか売らないよね、良い買取手が居ないんだろうけど」

「アイナの場合はネレイド社長もやってますし、作ってる物の商品説明でこのリールの電子基板も作ってますって説明したりして」

「そうなるとアスカはアキラの所の物流の管理システムなんかも作ってますって言いそうだねぇ」

「アヤカはその社屋等の設計から建築まで、アリスは栄養補助食品を作る傍ら各社の社食に使うカレーやらスパイス、アキラはその配送から各地域の物流をやってまーす、ですかねぇ?」

「仲良し5人娘だけあって会社も横の繋がりがかなり強いっていうね、ま、買い取り先が見つからないならうちのカンパニーの方で買い取ってもいいし、飽きるまでは好きにさせて上げるのが良いね」

「それより何をするかだね、適当に釣りに行くか、このままごろごろするか」

「そうですねー…もう少し駄弁りながら考えますかー」

水餅の実

別に水餅ではない、ただそれっぽいだけ、でもあまり水分は含んでいない、バナナ味とマンゴー味の2種類の実が生る

第一印象は赤透明と黄透明のスーパーボール、別に投げても弾まない、壁に叩きつけてもくっつかない、麺棒で伸ばすとよく伸びるので大福の皮にも使える


やる事が無い

珍しく午前中からやる事が何も無い状態、葵さんはクマに戻ったロザリアをクッションにしてごろごろ、透さんと春香さんは朝からデート、ディジーとヒルダも休みを貰って部屋でごろごろ

ご主人様がお土産でおやつを作っただけ、朝昼晩全て自動販売機のお弁当屋ら麺類やらの手抜き、やる事がなければ微妙にやる気もない、そんな日

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