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釣りたくなったので 安全対策は過剰な位で丁度良い

「こーわっ…よくこんな所で釣りが出来るねぇ…ゲームと違って落ちたら一発アウトでしょこれ」

「アウトだろうね、でもヒラスズキが釣りたいって言ったのはリオだし、そこは我慢しないとね」

「まあ、滑る原因となる海藻類は無いですし、岩も削られて丸くなっているのでこけても擦り傷切り傷は出来辛いですよ、それに大きめの沖磯ですし、台風でも来ない限りは中心辺りまで波は来ませんし、何かあったらそこに設置してあるテントで横になっていればいいですしね」

「その何かとは?」

「たまに足元が揺れているような錯覚に陥ってふらっと来るから、そう言う時はちょっと横になってリフレッシュ、それに冷たい風も吹きつけてるし、いくら防寒防風装備でもずーっと当ってると辛い物があるからね、そう言う時もテントの中で温まってからまた再開って感じ」

「本当なら磯が近い場所にある離島の堤防なんかが一番良いんですけどね、そう言う所は人も多いし、フェリーに乗って行く必要があるので日帰りは出来ませんからね、店長さんにちょっとヒラスズキの居る沖磯まで連れて行ってーって言えば日帰りできる所に連れて行ってくれますし、釣れるかどうかわからない所より確実に釣れる場所なので安心して釣りが出来ます。

ただまあ…見ての通り向かって正面側は波が強く当たってますし、落ちたらライフジャケットを付けていてもただでは済まないのは確かですね、特に沖磯の岩はえぐれていますし、波に飲まれて引き摺りこまれて、押し寄せる時にそこにスポっと入り込むと大体は溺死します」

「そうならない様にするためにもレッドウルフから出ている特殊ピトン、これを適当な所に貼り付けて、がっちり固定されたのが確認できたら命綱を着ける、こうすれば海に飛び込もうとしても飛び込めない、命綱も柔軟だけど切れず伸びず更に軽いってやつだから、動きやすいけど切れる事は無いから安心だね」

「ライフジャケットに命綱、取りあえずこの2つが有れば大丈夫だとは思いますよ?そもそも海に落ちませんし、ライフジャケットは飾りですね、場所を変えたい時はピトンを外して、また別の場所に固定して、ですね」

「そこまでして安全を確保しないといけない釣り場と言うのもまた…」

「実際沖磯は場所関係なく毎年何人も落ちたり波に攫われたりして死んでますからね、堤防から落ちたり、船から落ちたり、浜で波にさらわれたりするより遥かに死亡率は高いですよー?何せ助けが来ない、周りに人が居れば良いですけど、1人しか居ないってなるとまず助かりません。

なのでちょっと過剰すぎる位で丁度良いです」

「ちなみにこのピトンは本来なら竿を固定するための物だけど、耐荷重が300とか400とかあるから、こうやってちょっと改造して命綱を着けたりするのにも使えるのが良いね、特殊な吸盤でどこにでも張り付くし、物使い様って事でこういう使い方も有り」

「命綱はどんなに長くても海に落ちない程度の長さ、後一歩踏み出したら落ちるぞって状態より短めが良いですね」

「道具の説明とか要らないの?」

「したければしても良いです、今日は別に宣伝ではないですし、好きな様ーに釣りをすればそれで、どうせ編集版の方でこの辺りに竿がどれでリールがどれ、PEがこれのリーダーが、ルアーがーって追加されますし」

「じゃあ別に要らないか、それじゃ釣るぞー」

「時期的にメーター近い物も普通に来ますので、その時は誰かを呼んで取り込んで貰ってくださいね」

「お兄さんは…フカセ?」

「フカセだね、キビナゴとかイワシを使うちょっと大きい狙いのやつ、磯に来たらフカセも楽しまないと」

「この辺りだと何が釣れるのかな?」

「ヒラスズキは勿論の事、ブリにカンパチにヒラマサと言った青物の代表格、運が良ければ浮いてきたクエにヒラメ、マハタ、シマアジも釣れなくはないですね、流石にヒラメとシマアジはクエ以上に来ないでしょうけど」

「クエとマハタも狙うならフカセじゃなくてぶっ込みじゃないとねぇ…取りあえずキビナゴと少し大きめのイワシをちびちび巻きつつ魚を寄せて、かな?」

「それにしても長い竿だねぇ、扱える気がしない」

「550はあるからね、慣れてないと扱い辛いのは確かだけど、重さ自体はこれでも120位しかないから物凄く軽い、リールも5000番だし、意外とすぐ慣れるよ。

まあ…他は大体皆ルアーやってるけど…」

「フカセも楽しいんですけどね、長い分幅を取るのと、潮の流れを読まないとダメなのと、今回は餌が餌なのでちょっと生臭くなると言うのが有りますね。

後ルアーなら表層から底まで自由ですからね、トップでもミノーでもジグでもワームでも、簡単に変えれるのが強み、フカセも変えれなくはないですけど、そこまで深い所を狙う釣りではないですからね、大体深くても5メーター位。

15キロ20キロのヒラマサを取るってなると今度は浮きが付いてない物、あっちに置いてある長さは変わらないけど硬さがMH位のやつにリールが15000番で道糸がPEの5号、リーダーも根ずれ対策に60lbの物、その下にサルカン、そしてハリスがもっと太い26号で80lb、針がクエ用の20号から、タマン針でも良いんですけど、20キロクラスのヒラマサって40とか50ある魚を食ってきますからね、大きめの針を付けて生き餌は背掛け、そのまま泳がせて食わせてがっつりフッキング、って言う釣り方。

まあこれはフカセではない磯の泳がせですけどね、これはこれで楽しいですよ?」

「餌に出来る魚が釣れるかどうかだけどね、そうでなくてもこっちに食ってくる可能性も無くは無い、イワシも大きめも20センチの物にして貰ったし、大きいのを狙いに行くならイワシを使えばいいだけだね、生き餌より反応は薄いけど」

「国外でもヒラマサをやってる所って結構あるんですけど、その一部の国にカーワイって言う40とか50行く鯖っぽい魚が居るんですけど、15キロクラスからのヒラマサはそれ食ってますからね、もっとでかい20キロクラスを仕留めるぜー、ってなったら使う餌もそれ相応の物を使いましょうねってやつです。

国内でも南の島に行くとメーター近いダツを釣ってそれを餌にするとかも有りますからね」

「ルアーより大きいの釣れる?」

「釣れますよー?でも餌を現地調達する所から始めないとダメなんですけどね」

「ちなみに近くでフカセをやっている人がいると魚が物凄い集まってくる、海だから潮の流れも有るし、流れに沿って餌が集まってくるから、流れを呼んでそっちの方向にルアーを投げると良く釣れるよー?」

「なるほど」

「小さいのから大きい物まで集まるので結構カオスな事になりますけどね」

「最初はオキアミを巻いて小さいのを寄せて、次にキビナゴを餌にしてぱらぱらと巻いて、程々の大きさの魚が釣れたらキープ、ムロアジが釣れるとありがたいんだけどね、餌に丁度良いから」

「まあ、いつまでも話してないで釣りましょ釣りましょ」

「だねー」


「何か独特なフッキングの仕方だね?」

「フカセはこう言う物よ、竿が若干柔らかめだから、1回目で針を立てて、2回目3回目で貫通させるとかそんな感じ、1回目で貫通する事も有るけど、しっかりかけるためにはガツッガツッと2回3回フッキング、小っちゃいなら軽く1回で済ませるけど、大きいやつはどうしてもねー」

「で、それは大きいの?」

「6キロ位のヒラマサかなぁ?まあそれほど苦労するような大きさではないね、持ち帰っても良いけどこれはリリースかな?」

「勿体無い気はするけど…ここだとそう言う物なの?」

「沖磯で6キロはまだまだ小物よ、あっちに取り置きしてあるムロアジを使い始めてからが本番だね」

「泳がせだと何が釣れるのかねぇ?」

「ヒラマサが入ってきてるから…そうだね、15キロ以上のヒラマサは望めるかな?普通ならもっと太いビッグゲーム用の物に大型の両軸を使うんだけどね、クリムゾンウルフならその点は安心、竿の強度は問題無し、リールのキャパも十分で5号が500、根ズレしない限り切れる事も無く、全部持って行かれる事も無く、だね」

「釣れたら記録申請するの?」

「大きさ次第かなぁ?パワー勝負で無理矢理引きずり出すために早々切れない糸を使ってるわけだし、やろうと思えばだれでもできるしねぇ」

「なんて事言ってますけど普通は出来ませんからね?ドラグフルロックでイシダイとガチでやり合ってる人は分かると思いますけど、お兄さんがやろうとしてるのはフルロックで20キロ30キロクラスのヒラマサと綱引きですからね?船からドラグで糸を出して釣るのとはわけが違いますからね?」

「いけるいける」

「本当に行けるの?」

「がっちりとした体形でパワーのある人なら何とか、でも取り込みは取り込みでこういう竿を通して誘導するタイプのネットが必要なので船で釣り上げるより遥かに難しいです、近くに来たらネットで掬ってはいお終いではないので、それにネットに入れた後もロープを引っ張って引き摺り上げると言う作業も待ってます」

「ドラグをずるずるにしたらかなりの確率で切られるけどね、何も無い船の上なら兎も角、その辺中岩があるわけだし」

「私は出来そうにないね、こうやって若干緩い位のドラグでスズキを釣るのが限界だー」

「磯でイシダイを狙わない限り普通の人はフルロックしませんけどね」


「こうやってムロアジを付けて、後はそのまま軽く投げて泳がせるだけ、ベールアームは起こしたまま糸を送り出し続けて、糸の出方を目視と指で確認しつつ、暴れ始めたらちょっと集中して、一気に糸が出始めたらアームを戻してがっつりフッキング。

折れる事は無いからしっかりと、後は重心を落として引き摺りこまれない様にして、根に潜られない様に無理やり引っ張って、海面に浮いて来る様に竿も立てて糸を巻き取って行く。

ポンピングをするのも良いけど、少しでも緩めると一気に下に向かって走るから、巻き取る時に糸を絶対に緩めない様に巻き取って行く、後は足元に来るまでこれを繰り返して、足元に来たら大物用のネットを竿に通す、この時も糸を緩めない様にして魚は若干浮かせたままにして、ネットの中に入ったら後は引っ張り上げる」

「流石に重いんで説明が終わったら手伝ってくれません?」

「はいはい、大体29キロ位かな?これなら1匹でもお裾分けするだけの量は取れそう」

「でっか、140位あるんじゃない?」

「まあそんな物だね、ヒラマサは2メーター行くようなやつもいるし、餌をどれだけ食べてるかによるけど、50キロ60キロ超えてくるようなやつも居なくはない、だからそれと比べれば小さい方よ」

「比較対象が色々とおかしいですけど、こんな物が釣れたらもう十分ですからね?」

「いやー、以前に堤防で190のブリヒラを上げたでしょー?それを考えるとこれもまだまだ小さい方だし、沖磯に来たなら大きい物を釣りたいじゃない?」

「ああいうのは本当に極稀にしか居ませんけどね、取りあえずサクッと絞めてしまいましょうか、これはお持ち帰りでしょ?」

「だね、でもここでやると殺害現場みたいになるから離れた所でやってくるね」

「昔と違って血が映ったり内臓が映ったりは大丈夫ですけど、血がダメな人は多いですからね、一応画面外で処理して貰ってきます」

「あれは今日の食卓に並ぶのか、それとも明日か」

「熟成させるので来週くらいですね、今日の食卓はヒラスズキで十分でしょう、なので頑張って数を増やしていきましょうね、青物もぼちぼち上がってますけど」

「でも青物は大体リリースしてるね」

「食べたければ持って帰る、でも80以下はここでは小物も良い所なので基本的にはリリースする、そんな感じ。

あ、ちなみにここの沖磯、普通の遊漁船では来る事は出来ません、ここに来たい人は漁業の人と仲良くなりましょう、なんで?って言うとごみを捨てて帰る人がいるから、信用している人以外は連れて来たくないってやつですね」

「それでいい場所の割に人が居ないんだね」

「そうですよー?磯に来る時は基本的に収録外ですからここが映るのは多分初めてですけどね、磯での収録がほぼ無いのは以前にも言ったように危ないから、子供達でも陸地沿いの磯は歩いて行けてしまいますし、真似をされて海に落ちたら大変ですからね、なので磯釣りは基本的に撮影しない事の方が多いです」

「私も命綱が無かったら落ちそー」

「ここは潮が満ちて来ても被る事は無いですけど、場所によっては波を被った上にさらわれる事も有りますからね、磯に釣りに行く時はくれぐれも過剰すぎる位の装備で行ってくださいね?

今リオがやっている様にレッドウルフ製のピトンに命綱を繋ぐのも有りです、むしろ着けてください、死にたくなければ着けろ、そう言う場所です。

それじゃお兄さんが戻ってくるまでのんびりして置きまーす、こういう所のフカセは基本2人1組でやらないと取り込みが大変ですからね」

カーワイ

鯖っぽい魚、群れで行動して40とか50を超える、けど現地ではほぼ食べない、それより美味しい魚が居るから

15キロ前後からのヒラマサはこれを丸呑みにしてくるので、カーワイを釣って泳がせてヒラマサを釣る、と言うのも良く有る、国内の磯で似た様な事をやるならムロアジを使うのがベター、大きい魚を釣りたいなら生き餌も大きい魚を使う

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