適当にお散歩 原理は同じ、大きさも大体同じ
んー…朝日が眩しい…でも腰痛は完治したし、また今日から日常生活に戻らないとなぁ…でもその前にちょっとプラプラと散歩に出かけたい気分だし、軽く朝食を食べたら出かける準備をしましょうかね、問題はどこに散歩へ行くかだけど…ふぅむ…どこへ行くとか考えずに適当に歩いて飽きたら帰ればいいか。
よし、それじゃあまずはお風呂、湿布を剥がして薬品の臭いを落とさないとね、臭いと言うわけでもないので大丈夫では有るけど、独特な臭いが有るし、食事の場でその臭いが漂うのはちょっとね…散歩の時には気にならないだろうけど、気分の問題よね。
湿布は臭いが漂わない様に袋に入れて口を縛ってからごみ箱へ捨てて、着替えを用意したらいざお風呂、髪の毛も尻尾の毛も連日の疲れがたたって草臥れた感じになってるし、ちゃんと手入れしないとなぁ…
「狐さーん、ちょっと散歩に行って来るねー」
「どちらまでお出かけでしょうか?」
「さぁ…?目的もなくその辺をぶらぶら歩きまわるからどこへ行くかは分からないなぁ…飽きたら直ぐ帰ってくるし、遅くても夕食までには帰ってくる…かな?」
「分かりました、何が有るかはわかりませんので気を付けて下さいね」
「そうそう何も起こらないと思うけどねぇ、ただの散歩だし、どこまで行くかはわからないけど…まあちょっと茶飲み話がてらに子供達の所に寄る可能性は無くも無い、その時はちょっと帰りが遅くなるかもだけど」
「はい」
まだそこまで行くかどうかは分からないけど、一応漬け物やら茶葉やらは収納してあるし、何かあった時のための食糧もちゃんと有る、それじゃあお散歩に出かけましょうかね、ひょっとしたらまた新しい星やら生命体が誕生しているかもしれないし、そこもちょっと観察してみるとして…直近で危険物を廃棄したのが…でも廃棄してからそう直に誕生するわけでは無いので…可能性があるのが…
えー…ちょっと前にゴミ掃除を所の更に先か、良し、方向を決めた所で出発ー、何か変った面白い生物でも見つかると良いなぁ…似た様な所には似た様な生物しか誕生しない確率の方が高いけど…そこは突然変異に期待しましょ。
ふむ、この星は文明はまだ無いのと人に該当する動物は存在してないけど、動植物はかなり豊富、人に該当する物が台頭してきた辺りで減少が加速、最終的には全て死に至る…のはいつもの事だから気にせず放っておいて、何か珍しい生物はいないかなぁ…
まずは一番深い場所を探してちょっと潜って深海探索、光も何も無い所なので目が無い生物ばかり…と言う事も無く、生物発光する生物も居るので完全になくなっているわけでも無し、巨大な生物になっても発光する強さは変わらずぼんやりとした程度。
あえて発光して見つかりやすくして、宿主を更に大きな生物に食べさせて宿主を変えると言う寄生生物もいるけど、んーむ、目新しいと言う生物は特にいないかな、姿形に僅かな差異は有れど根本的な部分は変わらないし、ここに誕生するであろう人に当たる種族がなんて言う名前を付けるかはわからないけど、似た様な星に居るのと同じであるとは言えるかな?
取りあえず深海に変った生物はいないので少しずつ上に上がって行って、青物に該当する魚やら根魚に該当する魚を探して、白銀に輝くマグロっぽい魚の群れがいたので一匹確保、手早く締めて血を抜いたら一旦陸地に戻って捌いてみまして…
極寒とも言える場所に即しているせいか全身大トロ、でも赤身ではなく白身、見た目はマグロっぽいけど中身はブリとかカンパチ系統かなぁ…食感はカンパチやブリの様なコリコリ食感の、アジもカンパチとブリの間の子の様な…美味しい魚であるのは確かだね。
取りあえず見た目が綺麗だから確保して海に持って帰って増やそうっと、大きさもメーター乗るかどうかって位だし、釣り目的の方で増やせばいいか。
海の中を見て回った所で平地や森の中をお散歩、鳥類に獣の鳴き声、色や柄は違えどこれも同種、大きさが違ったりするけど、猫は猫、狼は狼である事には変わりなし、ペットはオパールとオニキスがいるし、ひよこちゃんとかぽっぽちゃんに駄犬と居るし、この辺りは捕まえなくても良いね、オパールとオニキスも駄犬がいると尻尾を丸めたりして怯えちゃうし、ストレスでおかしくなっちゃうから獣のお持ち帰りは無し…だね、うん。
まだまだ他に見て回れそうな所は沢山あるので座標をメモして置いて、現在の時刻が…もう15時半位か、そろそろ帰ってマグロっぽい魚を海の方で養殖出来る様にして…よし、帰るか。
「そんな感じでちょっと新しい魚を仕入れて来た」
「これはまた見るからに眩しい魚ですね…釣ったばかりタチウオ並みに輝いてますし、あっちは死んだらくすんだ色になりますけど」
「アレは時間がちょっと経ってるのと扱いが荒いから水分が抜けた所に傷が入ってどうのこうのってのが有るからね、これも釣り上げた場合リーダーが擦れて口の周りに線がびっしり入るんじゃないかな?」
「んー、まあそうでしょうねぇ、それで、これは美味しかったんですか?」
「見た目マグロの中身がブリとカンパチの間の子、水温が凍って無いだけでマイナス行ってたから、凍り付かない様にするためか皮がちょっと厚めで全身脂の大トロ、刺身だけでなく照り焼きとか炙りにすると美味しいかも?
皮は頑張れば食べれなくもないけど、パリッパリに焼くかカリカリになるまで上げるかの2択だと思う、乾燥させて粉末にすればまあぼちぼちと言ったゼラチンになりそうでは有るけど」
「皮と言うより全身1枚の鱗…の様な物なんですかね?」
「多分ね、だから食べる時は皮が付いてない状態にしないとダメだね、切り方…というか捌き方はマグロと同じ、5枚で下してスプーンで中落ちを取って、カマトロに頬肉に他の部位なんかも同じ、柵特に関してもブロックにしてから身を皮から外して整形、柵取りって感じ。
お腹周りが最も脂が多いけど、それでも誤差じゃないかなって程度には全身均一に脂が入っているから…」
「これはまた凄いですね、お腹周りと同じ様に背の部分もびっしりとサシが入って脂が」
「かといって筋肉が無いわけじゃないんだよね、だから捌いたばかりの物を食べたら結構弾力がある、さらっとした脂だから胃もたれする事も無いかな?脂は凄いけど凄い割にはあっさりしてるとかそんな感じ」
「舌に乗せただけで脂がかなり染み出てきますね、手に持った時点でて脂がべっとりですけど…んー…臭いは特に無し、脂も意外とスッキリでかなり身が締まっていて味は濃い目…ニンニク醤油に軽く漬けて炙っても良いかも知れませんね」
「それも美味しいだろうね、でも見た目は兎も角、味的にはカンパチとブリの中間みたいな感じだし、脂ののったカンパチやブリが食べたい、って事でもない限りは…」
「見た目が珍しいだけですよね、今日はこれを料理して食べますけど、物が物ですし、手堅くしゃぶしゃぶと刺身ですね」
「それじゃあ私はちょっとエビを取ってこようかな、マグロモドキだけだと少し寂しい感じがするし、エビを追加して、ついでに牡蠣のしゃぶしゃぶも有りかもしれないね」
「あー…そうですね、表面に軽く火を入れてプリッと、中はとろりと、結構美味しいんですけど、やる人は少ないんですよね、生は生、鍋は鍋、見たいな感じで火を入れる入れないで両極端な感じですし」
「生食用を加熱するのが勿体無いという心理と、加熱用を半生で食べるのは怖いという心理が有るからじゃないかな?取りあえずエビと牡蠣を取ってくるねー」
「はーい、野菜はこっちで収穫しておきまーす」
エビは胴体と頭を分離させたら頭は真っ二つに割ってこれは冷蔵庫、胴体の方は殻を剥いたら薄造りよりちょっと厚い位に切って、牡蠣は殻を剥いたら念の為にざっと洗って殻の破片を落として、ざるに上げて余分な水分を落としたらお皿にマグロモドキ、エビ、牡蠣を並べて行きまして…
「冷蔵庫に入ってる頭はどうするんです?真っ二つになってますけど」
「どうしようね?伊勢エビじゃなくて車エビだけど大きさが大きさだから頭にも身はしっかり詰まってるし、味噌も美味しいし、味噌汁と焼きどっちにしようか?」
「手堅く行くなら味噌汁ですが…今はまだアイナ達は帰って来てませんし、数は足りているので贅沢に焼きで行きましょう、それに今日はしゃぶしゃぶですし、汁物は必要ないでしょう」
「ならそうしようか、基本的には和だから…西京味噌かニンニク味噌で焼く?」
「もろみをつけて焼くと言うのも有りですね」
「あー、それも良いね、それじゃあもろみを塗ってオーブンでじっくり、その間に昆布と鰹節でしゃぶしゃぶの出汁を取りまして」
「マグロモドキの皮はどうしましょうかね?」
「炙ったくらいじゃ食べるのは厳しいし、今回は捨てるか、それともオーブンに追加で放り込んでじっくり焼くか、油で揚げるか」
「揚げましょう、それで塩を振って味を確かめて、それでまた次回から皮をどうするか決めましょう」
「それじゃ油を用意するから皮の方の処理はよろしく、切るだけでいいけど」
「念の為に片栗粉も少々塗しておきますかね」
「チップスの様な感じになるか、それともおつまみになるか」
「微妙だったら次回から処分ですね」
「今日の夕食なにー?ってお兄さん帰ってきてたのね」
「帰って来てましたのよ?今日の夕食はしゃぶしゃぶ、お肉じゃなくて海鮮、散歩で行った所で取ってきたマグロモドキと、海で捕って来た車エビと岩牡蠣のしゃぶしゃぶ、マグロモドキは海の方の釣りが出来る場所で増やしてるからその内釣れる様になると思う」
「マグロモドキ?」
「見た目はマグロそっくりなんですけど、白銀1色で中身はブリとカンパチの中間って言う変ったお魚です」
「へぇー…美味しいの?」
「美味しかったですよ、脂が結構凄いですけど、かなり軽いのとすっと入って行くので纏わりつくと言う事は無いですね」
「楽しみにしておく、それはそれとして塩くれない?」
「塩ならそこの棚の青い入れ物の中です」
「いや、1キロ位欲しいんだけど」
「1キロですか、何にお使いで?」
「カワハギを釣るのにアサリの塩漬けが良いってのを見たから明日やってみようかなーって」
「あー、それなら作らなくてもガレージの冷凍庫に入ってますよ、大きい方じゃなくて小さい方の冷凍庫に、メイドさん達もそこから持って行くので無ければ作り足す必要が有りますけど」
「なら見落としたかな?」
「生や冷凍の餌は祭典会場風ガレージではなく休憩所の冷凍庫に入れてますからね、また今度お兄さんに弄って貰って餌をそっちに保管する様に…ってして貰った方が良いかも知れませんね」
「そうだねー、道具と餌を分けて置いてるとあっちこっち行く事になるしねー、と言うわけでどうにかならない?」
「なるにはなるけど、使いかけの餌は流石に物によっては戻せないよ?解凍された冷凍餌とか、混ぜちゃった練り餌とか、その辺りは今まで通り休憩所の冷蔵庫の方に入れるしかないね、後冷凍餌のエビとかアサリ、イカの切り身なんかは手作り品で数が安定してないし、そっちに詰め込めるほど生産出来ないと言う実情がねー。
手作りを止めて店長さんのお店でカートン単位で発注を掛ければ余裕は出来るけど」
「昔は節約のために養殖したり、手作りで餌を作ったりとしていただけですし、スパッと止めても良いんですけどね、問題はうちは竿やルアー、糸に針を作っているメーカーとの繋がりは強いんですが、餌を作っているメーカーとは繋がりが全くないんですよね、強いて言えばレッドウルフの芋グルテンを愛用しているくらいです。
まあ気にせず買えば良いんですけどね、実際気にせず買ってますし、取りあえず良さげなものをチェックして5カートンずつ注文しておきましょうかねぇ?それでもすぐ無くなりそうな気がしますけど」
「入れ食い状態になる時とならない時とあるけど、入れ食い状態の時でも餌を使う時は使うし、消費量が変わるわけじゃないからね、はい、塩1キロと旨味調味料に隠し味でちょっとしたスパイスを混ぜた物。
まずは塩が溶け残る位の飽和水溶液を作って剥いたアサリを入れて、その後でその塩を軽く塗す位でいいよー、がっつり漬け込んでも良いけど、そうなると逆に硬くなり過ぎてボロボロっと水管と紐と身の部分が分解するから注意ね、アサリの殻剥きは釣りをしているメイドを呼んでくれば良いね、餌が無いから補充するのを手伝ってーって」
「じゃあ夕食が出来るまでガレージの方で餌作りの練習をしてくるねー」
「アサリの殻を剥く時は刃のついてない専用のナイフを使うんだよー?」
「でもその前に…んー…美味い、牡蠣は火を通したのも良いけど生も良いね、後お兄さんの首筋がキスマークだらけ、私も追加しておこうっと」
「追加するのは良いけど残念ながらこれはキスマークではないんだよね」
「んー?じゃあこの痕は?」
「散歩で遠くへ行った時に深海探索とかしたんだけど、その時にタコとイカを混ぜた様な生物に絡みつかれた時の物だね」
「虫刺されやら吸盤の痕をマークと勘違いするのは割とあるあるなんですかねぇ?」
「あまり見た事が無い人からするとそうなのかもしれない、虫刺されは兎も角吸盤に関してはマークが付く原理が同じだしね」
「んー…ご馳走様、色々とチャージした所で餌作ってきまーす」
「はいはい、出来たら呼びに行くねー」
「今日は餌を作りに来たメイドさんの分も追加ですね」
「だね、追加でエビとか取ってくる」
「行ってらっしゃーい」
マグロモドキ
白銀1色のマグロ、中身はカンパチやブリに近い、背中の部分まで脂で真っ白
見た目が綺麗なのでちょっと改良して釣り用に海に放流された、でも見た目だけなのでマグロ程は走らない




