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雪だるま式 毛量増量中

 骨はオーブンでじっくり焼きましてー、その間に玉ねぎをひたすらスライス、もう一気に作ってしまうので使う玉ねぎもたっぷり2トン用意、スパイスも在庫を全て使い切り、牛も卸して貰ったのを内臓も含めて丸々全部使い切り、食感だけで出汁がほぼ無い部分は…別に料理して自分達で消費だな…

 スライスした玉ねぎは牛脂でしっかり炒めてから寸胴へ、お肉も全ての部位をオーブンでじっくり焼いて旨味を出して、焼き終わった骨と一緒に寸胴へ入れて、天板にこびりついている旨味も逃さず寸胴へ入れて…ここからペースト…と言うより煮凝りになるから限界ギリギリまで煮詰めて…40時間から50時間位ひたすらじっくりか。

「ここまで来たら後は12時間煮込んで漉して、1回目に漉したやつは取って置いてまた別に水を入れて漉した時に出た残骸と残ってる玉ねぎを追加、まだ12時間煮込んで漉して、1回目に漉したやつと2回目に漉したやつを混ぜてスパイスを入れて、煮込んで漉して、最後にしっかり煮詰めたら出来上がりだね」

「今回のペーストは手間がかかりますね…」

「作り方で言えばほぼフォンドボー、なのでペーストと言うよりは結構硬めの煮凝りになる、漉す時はしっかり裏漉しをしてねー?」

「玉ねぎは2回に分けて?」

「本来なら1回目は骨と牛筋だけだけど、今回は量が量だから2回に分けてだね、だからもう寸胴に炒めた玉ねぎを入れてる、1回目で半分の1トン、2回目で残りの1トンを入れて煮込む事になるね、面倒なら最初に全部入れても良いけど、仕上がり自体は変わらないし」

「じゃあもう最初に全部炒めて入れてしまいますか、後でまた1トン刻んで入れるとなったら流石に…」

「量が違うのと時間が掛かるだけで作り方自体はいつもとほぼ変わらないんだけどね、まあこういう手間のかかる物を覚えておくのも悪くは無いよ、いつも何気なく食事を用意してくれる使用人さんもこういう物を作っている事が有るわけだからね」

「保温機が追加されてからは台所に籠っている時間は短くなってる気がしないでもないですけどね」

「36時間の作業をお金を入れてボタンを押すだけに短縮できるならそっちを選ぶだろうねぇ…」

「で、これ本当に50時間煮込むんですか?」

「そだよー?今回の場合だと1回目で玉ねぎが完全に無くなった状態になって、2回目で残っている骨髄やら肉を完全に溶かしこんで…玉ねぎはもう1回目で使い切りだから、ここでもうスパイスを入れて良いね、3回目はもう漉した物を合せて焦げない様に気を付けながらドロドロになるまで、普段のペーストも何だかんだで少しとろみは有るけど、それよりもっと濃い状態。

硬さで言えば…大体こんな物かな?火が入って温まっている状態でお玉に纏わりついてゆっくり落ちて行く程度、ホットケーキの生地よりちょっと硬い位かな?」

「それだと相当煮込む事になりますね」

「2日間ずーっとその状態になるまで煮込み続ける事になるなら、交代しつつ適宜休憩を入れてやるようにねー?どうしようもなくなったり分からなくなったらハクとかヴリトラに見て貰えば大丈夫、食事にせよ睡眠にせよこっちで済ませればいいよ、部屋は余ってるし、ゲーム部屋も有るし」

「漉す時は…」

「それもハクとヴリトラに手伝って貰えば良いかな?寸胴の大きさが大きさだから1人だと面倒でしょ?」

「ですねぇ…そもそも持ち上げられる気がしません…」

「それじゃあ後は順番を決めて頑張ってねー?」

「頑張ります」


 長丁場になるカレー小屋組みはこれで良しとしまして、期間限定のたたきの様子を見つつ、普段売りに出してるカレーも代わりに作って…貸し付けたお金の話し合いが少々ありまして…オパールとオニキスの散歩に付き合いまして…

 んーむ…多分見落としは無いよね…?分からない事が有ったりした時は仕込みやら何やらをしているハクとヴリトラに聞いて貰えば良いし、寸胴を移動させたりも手伝うように言って有るし…うん、大丈夫かな?

 よし、それじゃ焼肉屋でたたきの様子を見て、それからカレーを作って、カジノの方に顔を出して、やる事をやったらサポートに入らないとね、本当に長丁場になるし、休憩を挟んでいても疲れる物は疲れるしね。

 さて、ぱぱぱっとやる事をやってしまいましょうかね。


「まだ開店して3時間位だけどたたきはどんな感じー?」

「期間限定と張り紙は出してあるのでお持ち帰りを含めて10皿分で可もなく不可も無く、そろそろお昼時なので出る量が増えるとは思いますが」

「んー…今日の所は50皿分で丁度良いかも知れないね、売切れたら明日はちょっと多めに70用意しようか、後はそこから随時調整して行く感じで」

「まあ売れ行き次第と言う事ですね、売れ残りはいつも通り…」

「カレーに使う分を取り除いたら後はご自由にだね、干し肉にしても良いし、自分達で消費しても良いし、挽き肉にして隣のパスタ屋に売っても良いし」

「一番良いのはお隣さんに売る事では有りますね、そうすれば多少なりとも売り上げは増えますし、適正価格で買ってくれますしね」

「1日2日置いた位じゃどうって事は無いし、火を通せば何も変わらないからね、ミートソースに使ったりメンチカツに使ったり、ミートボールにしたり、結構用途が多いからね。

取りあえず問題は無いみたいだし、何かあればカレー小屋まで、そっちに居なかったらカジノの方に居ると思う、そこでもない場合は屋敷の方かな?」

「分かりました、ところで今日の毛並みは合格ですか?」

「昨日徹底的に手入れしたばかりだし、特に問題は無いね、あまり人目に出る事はそんなにないとは言え、食品を扱っている以上身嗜みを整えるのも仕事の内よ、だからどんなに忙しくてもスパッと切り上げてしっかり休んで次の日にやる事、流行も有って忙しいのは分かるんだけどね。

もう手が回らないってなったら店を1日2日位はお店を閉めて、新しい書類が入ってこない様にしてから溜まっているのを処理、しっかり休んで身嗜みも整えて、それからお店を開ける、2号店もあるとはいえ一応個人店だし、休みは好きに取っていいわけだからね、毎週休みをちゃんと入れても足りないって時は休みを増やす事。

どうしてもって時は王女様から人を借りて来る事かな?王女様の使用人は元々私が教育していた娘も居るし、書類仕事も出来れば断られる事も無いはずよ」

「耳が痛いですねー…でもそうですねぇ…無理をし過ぎていたのは確かですねぇ…」

「カレーの流行も重なってペースト作りも全く進んでいないのも有ったし、頭を抱えるのも分からなくもないんだけどね、小さい店だから事務所に詰めるのは店長代理含めて2人居れば十分だし、平常時だとそれでもちょっと過剰気味では有るし、今回みたいにパンク状態になったからと新しく雇ってもねぇ…

ついでに言えば色々特殊なお店だから一般公募で募集するのはもう無理というか…開店当初なら大丈夫だったんだけどねぇ…まあその話は終わった事だからもういいか、取りあえずカジノに行った時に1人借りてくるから、分担して残っている仕事を片付けてね?」

「分かりました、それではまた後で」

「次は無茶をしないようにねー?」


「と言うわけで1人貸してー?出来れば一番最初に教育していた娘の…今王城に詰めている娘で良いよ」

「王城勤めになっているのは何か有った時に困るので出来れば却下したい所なんですけど…暗部の中でも一番実力も有りますし、纏め役でも有りますし…焼肉屋の書類仕事の為に職務を放棄させると言うのも…」

「でも私が育成していたのを持って行ったのは王女様じゃん、その次に教育してたのは2号店のために全員持って行かれたし」

「地味ーに2度持っていたのを恨んでます?」

「いや別に?でもこういう時は貸してくれてもいいんじゃないかなー?って、一般で雇うのは無理だし、かと言って事務員を増やしても小さいお店だから3人は多すぎるし、ならこういう時は居る所から借りればいいじゃないって事で」

「流石に王城勤めは色々と無理なので、天井裏に潜んでいるので何とかなりません?」

「書類仕事や整理はできる?」

「報告書の提出やら何やらが有るので一通りは出来ますよ、店長代理や事務員並みに出来るかどうかと言えばそこまでではない、ですけど、手伝い位なら間違いなく」

「じゃあその娘貸してー」

「話は聞こえていたと思いますので今直ぐ焼肉屋の事務所の方へ、拒否権は有りません、拒否した再教育が待っていると思いなさい」

「おー、焼肉屋の方へすっ飛んで行ったね、これで焼肉屋の方は大丈夫として、昨日マスター代理の方からお金の貸し付けの話が言ったと思うけど…そっちはどうなってる?」

「有るだけ全部、9000枚少々貸して頂きましたよ、街道整備に東野大陸の開拓資金に、まだ完全には直っていない場所の復興資金にと、いくら有っても足りませんからね」

「で、問題の利子ですけど、前々回が1700枚で年2%前回が3500枚で年1%、今回が端数はもう切り捨てで良いと言う事で9000枚、返済は0で利子だけ払っている状態ですね」

「2%と1%で69枚の…これ以上利子が増えたらきつい?」

「割と、大分豊かになってお金は回ってますけど、その分国庫の中の変動も激しいですからね、東の大陸の開拓はそもそも片道だけでかなりの時間が掛かりますし、いくら有っても足りないんですよね、早くて安全な新航路の発見も全く進んでませんし…」

「ルシフは高速艇を提供する気はないだろうしね」

「大金貨の価値を一切落とさないまま100万用意できれば良いよーって吹っかけられましたよ、つまりどうあがいても無理って事ですね」

「ま、その辺りの開発もコツコツ積み重ねて行くしかないね、一応こっちの物で作ってるはずだから、いつかはあれと同じ様な物も作れる…んじゃないかなぁ?何がどうなってそうなっているとかは見せる事は出来ないけど」

「それは置いておきまして、現在の借金は膨らみはせずとも約15000枚、今回の借りた大金貨の利子次第ではお金以外の物で返済する必要が出てくる可能性が有りますね」

「返済期間は特に設けてないから破産する事は無いだろうけど、んー…0.1%位なら大丈夫?」

「今までの分を合わせて年78枚…今での割とギリギリですからねぇ…雪だるま式に増えて行くような気もしますね…」

「利子を返すためにまたお金を借りて利子を払って、救いとしては返済期限が無いのと借りてる所が同じ事かな?」

「踏み倒した場合は?」

「別に何もしないかな?持て余してどうするか悩んでる物だし、寄付って形にすると危機感も何も無くいくらでも使えるーって意識が芽生えるから貸し付けにしてるだけだし。

でも度が過ぎた場合はまあ…流石に回収しに行くかな?利子分だけは何が有ろうときっちり払って貰うし、国庫に有るお金は全部持って行くかも?」

「そうならない様に厳しくても利子はキッチリ払いませんとね、今の所そう言う人達は居ませんが、いつそう言う人が出て来るか分かりませんし、監視するための暗部の育成にも力を入れませんとねぇ…」

「ここの要職勤めの人って基本的にプライバシーとかそう言うのは一切ないよね、何から何まですべて筒抜け、いつどこで何をしたとかどこで何を食べたとか、トイレに至るまで全て監視状態だし」

「逆に地方の役人の監視は緩いですけどね、どこかと内通して好からぬことを企てない限りは見逃しです、辺に叩いて安定している物を崩しても仕方ありませんしね、王城勤めの場合は色々各地にも影響が出てきますので常時監視です、行ってしまえば私もお姉さまも常時監視状態でプライベートなんてほぼ有りませんよ」

「安全のために自分達が抱えている暗部に監視状態…だもんね、その話も置いといて、利子はいくらにしましょうかね?全部一纏めにして15000枚の年0.5%に下げる?枚数的には78枚から75枚になるだけだけど」

「そうですね、それで行きましょうか、それにしても…国が保有しているお金を出してやるべき事を国が借金してやってると知ったら周りはなんて思うんでしょうねぇ…」

「周りの国からしたらやたらと羽振りがいい様にしか見えないだろうね、実際は借金塗れなわけだけど」

「最近動かす金額が大きすぎて若干金銭感覚が麻痺して来ているのが怖いです…50枚とか多い時は200枚と言う事も有りましたけど、今はもう1000単位で動かすまでに…」

「それだけ豊かになったと言う事では有るね、もう切り詰めて爪に火を灯すようなやりくりをする必要が無くなってるわけだし」

「戦時中にお金が無くても有る様に見せるのって結構大事ですからねぇ…底を突いているのを悟られるとどさくさに紛れて…と言う事も有りますし、実際滅ぶかどうかの瀬戸際と言う所でもうちは関係ないからーって宣戦布告してきた所もあるには有りましたからね、隣接しているとは言え小国だったので暗部を放って王族は一人残らず、反戦の貴族以外も残らず消えて貰いましたけど」

「そう言う所はどこに行っても有るよね、そんな事やってる場合じゃないって時に、いやいやうちは関係ないから、なんならうちの方がもっと上手くやれるからって謎の自身過剰な所が」

「上手く行くわけがないんですけどね、取りあえず来年度から利子は0.5%の75枚と言う事で」

「はいはい、じゃあこれに名前と拇印ね」

「拇印より血判の方が良い気もしますが」

「その辺りは信用してるから大丈夫、だから形だけでもね、それじゃこれは金庫に仕舞っておきまして、次はオパールとオニキスの散歩か」

「この時期でもオパールとオニキスは元気ですよねぇ、毛量も増えて抱き心地も良くなってますけど」

「まあ、ちょっとした暖房にはなるしね、散歩中に店長代理が来たら対応よろしく」

「対応とは言っても、売り物に対する物だと私は答えられませんけどね」

「売り物に関しては来たとしても期間限定のたたきだろうし、1本追加してそれでも足りないなら明日の分から随時追加って感じで」

「現場の判断で良いと思いますけど…期間限定ですか」

「来月半ばまでね、カツオのたたきの牛肉版だから食べた事はあると思う、まあ行って来るね」

「はい、お気を付けて」

暖房替わり

冬毛に変って長くてふわふわのもこもこ、体温も有るのでクッションにするとすごく気持ちいい

手入れを怠ると抜け毛で酷い事になるので毎日のブラッシングは必須

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