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景品が届きました 時間はかかるけど美味しい

「お兄さーん、お届け物ですよー」

「んー?どこからー?と言うより誰からー?」

「毎日花を使ってドッヂボールをしてる人ですよー」

「何か貰う様な物有ったっけ…?」

「さぁ…?でもお兄さんは間違いなく好きな物ですよこれ、品名を堂々と書いてますし」

「何だろ…ふむ…確かに悪くも無く好きな部類には入るね」

「動画内でも頻繁にティーセットだなんだと持ち出して、クーラーボックスをテーブル代わりにお茶を飲んでますしね、かなり良いやつっぽいので私達にも飲ませて下さいよー?」

「えー…入ってるのは…どっちでも行けるキャンディ、ディンブラ、ストレート用にダージリンのオータムナルとセカンドフラッシュ、ミルクティー用にルフナとウバ、この6種だね」

「まあ手堅い所ですね、アフタヌーンブレンドだとパンチが弱いって感じで渋みが少々強めのディンブラにしたんでしょうけど」

「ウバとセカンドフラッシュが入ってる辺りかなり攻めて来てる気はするね、美味しく飲めればその辺の雑草でも良いけど」

「毒さえなければなんにでもお茶に出来ますからね、当たり外れの差が凄いですけど」

「取りあえずキャンプに出掛けて茶葉が無い場合はその辺の雑草とか落ちてる葉っぱを洗って乾燥、後は適当にフライパンで水分を飛ばせば出来るからね、天日干しでも良いけど」

「そこまでしてお茶を飲む人はそれ程居ませんけど、これを取り扱っている国の人は国中から茶葉が消えたらやりそうな気はしますね」

「どうだろうねぇ…?流石にそこまで信仰の有るような物ではない気がするけど…」

「アニメとかゲームのあの国出身は何故か紅茶狂いが多いですからねぇ…他国から見たイメージって大体そんな物ですよ、いつでもどこでも紅茶、紅茶をキメれば全て解決、頭の回転も速くなり奇想天外な開発もお手の物、後奇抜な物の開発のインパクトが強すぎて他の印象が薄くなり過ぎるのが玉に瑕、食方面で見ても玉に瑕所じゃないかもしれませんけど、見た目だけで間違って伝わっているのも無くは無いですからねぇ」

「なおマーマイトの味」

「栄養価が高いのは確かなんですけど…なぜあれをそのまま食べ様と思ったのかは謎ですね…ベジマイトもそうですけど…味を調えるなり調味料としていくらでも思いつきそうな物ですけど…なんでそのままパンに塗って食べる方向へ行ったのか…」

「揚げ物とか紅茶とか朝食は美味しいんだけどねぇ…どうしていきなり固形燃料みたいな物になるのか…」

「全部が全部そうではないですけど、極端なんですよね、毎食美味しい食事を食べたいなら自分で作るかそう言うお店に行くか、もしくは朝食を3回食べるか」

「良い物は沢山有るのにどうしてああなっちゃったんだろうね…」


「で、目下の問題は一緒に届いたこの積み重なったゲーム機に冷風機何やらの家電が合計100、これどうするんです?」

「どうしようね?要る要らないで言えば間違いなく要らない物だし、1号と一緒にクレーンゲームを荒しに行った結果まあこうなったと言うか…釣具とは関係ないけど不用品だからマーケットに流す?全部新品だから大体1万円引き位で」

「この時期に冷風機が必要かどうかと言えばノーなので冷風機は厳しいでしょうねぇ…ゲーム機はまあ売れるでしょうけど、後掃除機やら小型冷蔵庫やら。

まあ適当に出品物を撮影して出て来た値段から幾らか引くだけでいいんじゃないですか?冷風機に関しては夏用と言う事も有って除湿機能も付いてるみたいですし、洗濯物の乾燥にも使えますしね」

「リサイクルショップやら中古ショップに持ち込んでも良いけど、あそこ難癖つけてくるからあまり利用したくない」

「向こうはいかに0円に近い形で買い取るか、もしくは逆にお金を貰って引き取ってから売りに出すかですからね、処分代として1000円払った物が12000円で売られていたとかざらにあるので基本的には梯子をするのが基本ですね、それでも結局は二束三文ですけど、今回は全て未使用品ですし、リサイクルショップと言う選択肢は無いですねぇ…

ですがまあ、一度商店街の方に持ち込んでみたらどうです?ゲーム機もその周辺に住んでる人に売れるかもしれませんし、よく会合に使っている場所を借りて臨時でマーケットを開けば良いんじゃないですかね?」

「そうだねぇ、掃除機とか小型だけど冷蔵庫とかあるし、ちょっと商店街の人に話して場所を借りてそこで売ろうかな?それで売れ残ったのをうちの公式マーケットで流せば良いや、と言うわけでちょっと話をしてくるねー、ついでにお肉とか買って来る」

「はいはい、それじゃあ今日の昼は焼肉丼とかその辺りですかね?」

「焼肉入りビビンバ丼かな?とびこもたっぷり混ぜて」

「じゃあ焼肉のタレの他にビビンバ用の山菜ナムルやら何やら用意しておきますね」

「お願いねー」


「えー、来て早々だけどこのバラと牛脂、このホルモン頂戴ー」

「はいよ、全部で800円さね、牛脂はサービスだから好きなだけ持って行きな、それで、今日は何の用だい?」

「いつも会合に使ってる場所をちょっと借りれないかなー?って、ゲームセンターでゲーム機とか家電の入ってるクレーンゲームを荒したから全部で100ほど不用品がね、それをちょっと売ろうかなーって思って、全部未開封の新品で掃除機に小型冷蔵庫に冷風機、最近のゲーム機が合わせて全部で100。

物的には全部最新型、取りあえず全品1万から2万位引いて3万4万でで売ろうかなって」

「なるほどね、それならこっちで話しを通しておくから好きに使いな、それで、物を持って来るのはいつだい?」

「持って来ようと思えば今日のお昼過ぎには?」

「なら夕方までに運びんでおいておくれ、それまでに近所中に声をかけておくからね」

「全部で100だから早い者勝ちになるだろうけど、まあ売切れるって事は無いだろうねぇ、家電だし、古い物を使ってない限りは買い替えようってならないだろうし」

「ま、その辺りは物によるさね、おーい華ー、ちょっと出かけてくるから店番頼むよー」

「はーい、今やってるのが終わってからねー」

「今日はフォンでも作ってる感じ?」

「自分の扱ってる物をどう調理すればどうなるかを知っておくのも勉強だからね、育てて売るだけでなく、ちゃんと物を知って置く事も商売では大事さね、それじゃ行って来るよー、昼までには戻ってくるからそれまでは頼むよー」

「はーい、行ってらっしゃーい」

「それじゃ私も一旦帰りますかね、お昼作らないと」

「はーい、お兄さんもお気を付けてー、でもその前にちょっとこっち手伝ってくれませんかー?」

「はいはい、じゃあちょっと裏にお邪魔しますよと」


「それで、何が分からない感じで?」

「焦がしたらダメとは言われてるんですけど、天板にこびりついてる焦げは大丈夫なんですかね?」

「んー…どれどれ…うん、焦げ臭いにおいがしなければ大丈夫、浮いてる脂だけ取り除いて、骨を寸胴に入れて、天板にちょっと水を入れてこびりついてる物を落としてそれも寸胴に、こびりついているのは旨味の塊ね」

「牛筋と野菜もこんな感じで炒めてはいるんですけど」

「野菜はもうちょっと、牛筋はもっとしっかり、でも焦げ臭くならない様に気を付けながら、野菜も底にちょっとこびりつくから、寸胴に移した後は天板と同じ様に水を入れて落としてそれも寸胴に、牛筋も同じ」

「この位ですかね?」

「そうそう、その位焦げ色が付いたら筋も脂を捨てて、寸胴に移して、そしたら次はニンニク、下の部分だけ切り落としたらそのまま寸胴に入れて、ホールトマトも刻んで入れたらひたひたに水を張って、ここから寸胴を火にかけて煮込んでいくんだけど…」

「もう後は煮込んでいくだけですよね?」

「ここから90度になるまで強火、90度になったら火を弱くして90度を保って12時間、この間ずーっと浮いてくる脂と灰汁をひたすら取っては捨てる、12時間経ったら一旦漉して…この1回目に漉した奴が1番フォン、大事に取って置きましょう。

次に残骸を寸胴に戻してまた水を張って、香味野菜を炒めて寸胴に追加してまた灰汁を取りながら12時間、そして取って置いた1番フォンと合わて沸騰させる、灰汁を取り除いたらしっかり裏漉しして出来上がりの計36時間少々、なのでここから滅茶苦茶時間が掛かる」

「うわぁ…これ今日明日は帰れそうにないですね…」

「でも作る大変さを知っておくのは大事だね、それとここまで時間の掛かる物で骨や使った筋が高いだけで今一だったら物凄くがっかりするから、お肉だけじゃなく骨の髄に至るまで半端な物を育てるんじゃないよって、そう教えたいんじゃない?」

「でしょうねぇ…」

「後はもう温度に気を付けて煮込むだけだから大丈夫かな?」

「はい、温度計もばっちり用意して90度を保って36時間頑張って煮込みます」

「それじゃ頑張ってねー、ずーっと鍋を見続ける必要は無いし、定期的に寸胴を見て浮いてきた灰汁と脂の除去すれば良いだけだから、その間に他事は色々出来るよ、ただ寝る時間はほぼ無い、まあ火を止めて寝ても大丈夫だけど、そうなるとまた煮込む時間が変わってくるから大抵のお店は1番フォンしか取らない、でも36時間しっかり煮込んで煮凝りになるまでに凝縮したフォンは比べ物にならないほど美味しいよ。

それとしっかりやる所は一度に作る量が桁違いに多い」

「今作ってるのは骨だけで100キロの寸胴が5つ…気が遠くなりそうですね…心が折れる前にちょっと元気をください…」

「はいはい、これ位で元気が出るのなら」

「んー…あぁー…癒されてちょっと元気が出ました」

「まあ何かあったら気軽に携帯の方まで、お婆さんも見てくれるだろうし、最初に焦げ臭い臭いがしてなければ失敗する事無いかな?基本的にはただただ煮込むだけだから、最初に処理さえ失敗しなければ大丈夫」

「取りあえずお婆ちゃんが戻ってくるまでは火に掛けずに店番をしませんと、後明日も帰れない可能性合有るのでもう一度お願いします」

「はいはい、お望みと有ればいくらでも」


「そんな感じで物を知るためにはーって事でフォンドボー作ってて今日明日は帰ってこれるか分からないって」

「美味しいけど時間が掛かるのが難点ですよねぇ…うちの系列のスーパーでも自社工場の方で作ってますけど、基本的にトン単位で作るので脂も灰汁も最後に纏めてザーッと取るだけって言う割と適当な感じになってますよ、それでもちゃんと2番フォンまでは取ってますけど」

「ほぼ自動で作れるのは良いけどそれなりに省く所は省いてるとかそんな感じ?」

「材料費自体は意外と安いんですけどね、精肉用に買った牛からでる骨を他に回さず自社工場で消費、値の付かない形の悪い野菜を安く買い取ってそれを使ってって感じで、後やっぱりほぼ自動化しているだけあって旨味は手作りに比べるとちょっと今一ですよ。

骨も筋も野菜も表面をコンベアで流して表面を焼くだけで軽く香ばしい匂いを付けたら後は煮込むだけみたいな、なので焼いて出る旨味と言うのはそれ程無いですね」

「でもしょうがないと言えばしょうがない…のかなぁ?全部手作業でやると灰汁取りだけで何十人必要になるのかってなるし」

「安全面で考えても人の手がほぼ入らない自動化が一番良いんですよね、巨大寸胴の中に人が落ちたら面倒な事になりますし、人の手が入るのは空になった寸胴を洗う時くらいで良いんですよ、工場生産は生産性を高めつつ、どれだけ人の手が掛からない様にして人災等を防いで損害を抑えるか、これが大事です」

「肉を切るスライサーでも慣れてきた人ほど指を切り落とすって言うしねぇ…」

「そう、やるなっつってる事をこの方が楽だからって簡略化してやりやがるんですよ、一応労災は出ますけど、絶対にこれに書いている事を守れとでかでかと書いてますし、異物混入をされても困るので監視カメラも動いでますし、うちが悪いみたいな言い訳は通らない様にしてるんですけどね、勤務時間もちゃんと5時間から8時間、時間帯の責任者も決めてますし、労基に引っかかる事も無いですしね、何かしらあった時は大抵やるなって書いて有る事をやった人です、たまにそうじゃなくて移動中に足を滑らせてって人も居なくはないですけどね」

「よし、器も温まったし肉も焼けた、ご飯にはとびこもたっぷり混ぜて準備完了、それじゃどんどんビビンバを作って行ってお昼にしようか」

「この刻んだ牛脂が焼けているのも良いんですよね、フォンドボーだと脂が残っていると後々響いてきますけど、こういうのはむしろ脂たっぷりの方が良いと言うか」

「だねぇ、それじゃ皆を呼んできてお昼ご飯にしましょ、それが終わったらお昼から不要な電化製品の販売だね」

「どれくらい売れますかねぇ?」

「さぁ…?地区内に住んでる人大体には声をかけてるっぽかったし、半分くらいは売れるんじゃない?」

「売れると良いですねぇ…」

「だねぇ…」

家電色々合せて100個

代理人さんと警察の間で行われた話し合いの結果、家財から何まで全て売り払ってでもそれを買って来て景品を用意しろ、と言う事で纏まった、ついでにお店は色々粗探しをされて現在営業停止処分中

ごねるだけごねて追い返す、もしくは適当に袋にして剥ぐものを剥いで、ついでに隣にいる1号をどうこうして稼ごうとした結果こうなった、後襲いかかったお仲間は物理的に折り畳まれて全身複雑骨折の重傷

折って砕いて人間パズル、組み合わせている部分がそのうち腫れて抜けなくなるので地味にえぐい

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