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倉庫整理 ちゃんばらごっこりたあんず

 今日は物置部屋と倉庫の整理、まだ使うかもしれない物は一時保管、もう暫く使ってない物は処分。

 まず物置部屋と倉庫の物を片っ端から収納、空っぽにする。

 次に庭へ行き、庭の半分ほどにシートを広げ、種類ごとに別けて並べていく。

「壊れたベッド…壊れた本棚…壊れた箪笥…なんで壊れた物が倉庫と物置に…」

 バラしてニコイチにすれば直せるのでまだ捨てない。

「型落ちのゲーム機に古い空調設備、穴のあいたテントとべこべこにへこんだ飯盒、薬缶、お鍋」

 ゲーム機と空調は砕いて砂山送りで…テントは新しいのがあるから骨組みを抜いてへこんだ飯盒と一緒にウルカンに渡して再利用、穴の開いた布は焼却処分で…

「爪とぎでボロボロになった革張りの座椅子やらソファー…は皮を張りなおせば行けるな」

 猫人族などはたまに本能がそうするのか、やたらと革張りの椅子などで爪を研ぎ始める。

 木に比べてしっかり食い込むので革の方が気持ちが良いらしい…

 しっかり食い込むけどボロボロにならない革を作るか再生する革を開発するべきか、でもボロボロにならないとどの革が気に入ってるか分からないんだよなぁ…まあ保留しときましょ。

 牛皮なら幾らでも生産できるし、追加で材料入れればもうちょっと質のいい革になるか。

「えーと次は…木彫りの…木彫りの…なにこれ…」

 木彫りという事は認識できる、認識できるが…何の生物を象った物かが皆目見当も付かない…尻尾は分かるんだが…

 …まあ焼却処分でいいか…物置で埃被ってたやつだし…

「この敷物は…敷物じゃないな、タペストリーか」

 敷物にしては模様が地面に敷く物ではなく壁にかける用の物、何か人物像とか織られてるし。

 埃を叩き落として並べて置く。

「んー、初期型のランプにいくらでも飲料水の出せる水筒、あ、これ此処にあったのか」

 無くしたと思った水筒は何かの拍子に物置とかに置き忘れただけか、これが無いとメイドに水を出して貰わないと日帰りのキャンプすらできない…

 故障している個所は…無いな、すぐに現役復帰できそうだ。

 埃を落とし、付属のコップに水を注ぐと綺麗な水が出てくる、飲んでみても問題なし、収納に入れてあるキャンプセットの所に纏めて置く。

「壊れたミルカー…壊れたミルカー…壊れた…多いな」

 木箱一杯の壊れたミルカー、壊れてないのもあるが、吸引が強すぎるか合わなかった昔のも混じっている。

 これはもう全部廃棄で、また今度付け心地が良くて頑丈なのを作ってあげよう…


「しかしこうやってみると直せば使えるものが多いなぁ」

 廃棄したほうが良い物は少なく、一部破損しただけの物が多め。

 処分する物は全て一纏めにして別の所に置いておく。

 修理できるものも一度すべてバラし、破損してるパーツを廃棄品の所へ。

 再利用する物はその場で砕いて元の砂山に戻す。

「これも…ウルカン送りかなぁ…」

 全部処分したと思ったけど、何本かの剣に盾や鎧などが出てきていた。

「まあこれは今はいいや、ルシフー、そっちに纏めてる不用品全部処分しといてー」

「んあー?こっちのもう全部要らないの?」

「壊れてるし再利用できないし、謎の木彫りも用途が分からん…」

「確かにこの木彫りはよくわからないね…少なくとも今までこんな生物は見たことが無い…」

 謎の木彫りを眺めた後廃棄品の山に投げ捨て文字通り一纏めに、一つの物質になるまで圧縮。

「ほい、こんなもんでいい?」

「うん、ありがと」

 圧縮された物を収納し、後で便利ボックスに収めて捨てる物の処理は完了。

「次はベッドやら本棚やらの修理かなー」

 壊れていた部分は全て取り除いておいたのでまだ使える部分と交換するだけ。

「いくらかパーツが余るけどどうするー?」

「時間かかるけどメイド達の部屋を回って壊れている所があってパーツが嵌るなら交換かなぁ?」

「はいはいー」

 もくもくと修理を続け、元通りになったのがベッドが3、本棚2、箪笥4、ソファーや座椅子などは綿を追加で詰め革を張りなおすだけなので全部。

「タペストリーはこれなんだろうか」

 修理が終わった後は扱いに困る物をどうするかで悩む。

「特に痛んでもいないし、使おうと思えば使えるけど…」

「これ誰がモチーフなんだろうね?

少なくともご主人様ではないし、にしては周りにいる人物が見たことあるような気もするし」

「遠くから見ても近くから見てもよくわからないんだよね。

作られた年代も最近の物だし、誰かが買ったかしてそのまま物置に放り込んだような感じだし」

「んー、題名が無題なのがつらいね、ここまで荒いと特定ができない」

 タペストリーを広げてうんうん唸る、どうした物かと悩んでいると。

「あー、それ処分してくださって結構です」

 通りがかったユースティアから声が掛かる。

「これユースティアの私物?」

「ええ、一応は。

何年か前に帰省した時に渡された物ですね。

中央にいるのが当時の司祭で周りにいるのが私とマキアとテレサだそうです。

芸術性を持たせた結果こうなったとの事ですが…」

「辛うじて人型と見たこと有る様な無い様な程度しかわからない…」

「ですよねー…人前に出すのも飾りにするにも酷い出来なので物置に放り込んだまま忘れてました」

「まあ処分するという事で」

「お願いしますね、売った所で銅貨数十枚位にしかないませんので」

 タペストリーは処分することになった。


 整理も順調に進んで行き、ベッドや本棚、箪笥のパーツを持ちメイドの部屋を周り、壊れている部分が無いか、交換したほうが良い部分は無いかの確認。

 しかし綺麗に使っているので特に必要は無く、余ったパーツも廃棄送りとなった。

「残っているのは処分を忘れたと思わしき凶器類だねー」

「凶器って…間違ってはいないけど…」

 シートの上に残った剣等を眺める。

「剣を扱える娘っていたっけ?」

「ちゃんと扱えるのはミネルヴァとディアナ位じゃない?

ウルカンは作れるってだけで実際に使うことはないし」

「ふーむ…」

「なに?メイド達に各武器の使い方でも教えるん?」

「いやー、刃物は包丁さえ扱えたら十分だけど、良い運動にはなるかなと」

「あー、何時も燃え尽きるまで走るだけだからねぇ、同じような体の動かし方になっちゃうし。

違う動きを入れるのもいいかもね」

「今あるぶんだけだと数は足りないし、ウルカンに追加で作って貰おうか、特注で」

「出来るだけ切れ味は良い方がいいねー、良く切れる方が治す時に楽だし」

「切れ味はいらなくない…?鉄棒にするつもりだし」

「鉄棒にするの?」

「ウルカンなら痛みはあっても怪我はしないの作れるでしょ」

「そう言えばそうだね、ご主人様の使って留ハリセンとかそうだし」

「まあウルカンの所に行こうか」

 並べてある金属の武具を全て収納し、今度はウルカンの所へ。


「と言うわけでこれを運動用の鉄棒に出来ない?

出来るだけ密度を高めて重くして、当たっても怪我はしないように加工して」

「結構無茶いうね?

鉄だけだと無駄にめんどくなるんだけど…

後これ不純物も多いから取り除くと3割くらいは減るよ」

「んー…追加で金属足さないと駄目かぁ…」

「長さと太さ、重さはどの程度で?」

「長さが70~100、本体の重さは10キロ位で後は用途とメイドに合わせて変動…?」

「ならまずは単純に鉄を10キロ頂戴」

 ウルカンに鉄塊を渡し、加工してもう。

「こんな感じ?」

 出来上がったのは紛れもなく鉄の棒、密度が一定で真っ直ぐ、ムラなく仕上がっている。

「うん、これでいいかな?」

「じゃあ次はミスリルかオリハルコン頂戴」

「どっちがいい?」

「断然オリハルコン、100グラムもあればいいかな」

 オリハルコンを渡すとウルカンはオリハルコンを液状にして鉄の棒に塗布していく。

 溶かしたオリハルコンを鉄の棒に塗り終わった後は金床に乗せ、槌で叩いていく。

 形は特に変わらないが、オリハルコンの方向性を決めながら叩いているので、終わる頃には望みどおりの物になるだろう。

 金属を叩く音を聞くこと暫し、加工が終わったようだ。

「こんな物かな?

どれだけ強く叩いても軽く小突かれた程度の痛みしか発生しないし怪我もしない。

重さも任意で変更可能、ただ持ち上げられない重さにはできない」

「どれどれ…」

 出来上がったばかりの鉄の棒を後ろを向いているルシフに思いっきり叩きつける。

「うん?呼んだ?」

 叩いた時の衝撃もほぼ無く、音もあまりでない。

「ちょっと出来上がったばかりの物の実験を」

「無言で鉄の棒を振り下してきてたのは怖いなぁ…肩を叩かれた程度だったけど」

「これなら娘達が遊びで使っても怪我をすることはないね」

「重さは何所まで行けるん?」

「んー…計測できないから何とも?

メイドによって限界は違うし」

「ちょっと貸してー」

 ルシフに鉄の棒を渡すと重量を弄りはじめ…

「ちょーっとすとーっぷ!」

 床から音が鳴り始めた所でウルカンから待ったが入る。

「えー、まだまだ全然軽いよー?」

 ルシフは鉄の棒を親指と人差し指で挟み、ゆらゆらと揺らして錯覚を発生させ遊んでいる。

「まあこれ以上重くすると床が抜けるね、まずはこれを扱える場所を作らないと駄目かも」

「ああー…」

「広さによりますが…1メートル四方につきオリハルコン50、アダマンタイト50ですね。

アダマンタイトは板に、オリハルコンは片面25で両面に使って計50ですね」

「んー、9枚お願い」

 オリハルコンとアダマンタイトを3メートル四方分渡す、問題が無い様ならちょっと多めに…かな?

「ではまた暫しお待ちください」

 アダマンタイトを叩き、伸ばしで板状に、その上からオリハルコンを塗布、槌で叩いて裏と表で違う付与をしていく。

 裏は空間固定、足場を固定してしまうので解除するまで設置した場所から動かない。

 表は単純に破壊不可、アダマンタイトでも十分な気もするが…保険か・

「まず一枚どうぞ」

 出来たばかりの板を渡されるのでルシフに渡す。

「んー、どれどれ…」

 地面から少し離れた位置に固定し、板の上に乗ると棒の重量を増やし始めるが特に見た目に変化はない。

「これ位が限界かなぁ…」

 片手で持っていた棒を両手で持つが板に変化はない。

「多分この状態で降りると綺麗に穴が開くね!」

「絶対にやめてくださいね!」

 叫びながら待ったをかけつつも手は止まらない。

「…ふぅ、これで9枚目ですね」

「お疲れ様ウルカン、棒の材料もあと3本分渡しておくからお願いね」

「続きはまた明日という事で…」

「急いでないからまあ何時でもいいよー」

「ではこれで失礼させて頂きます、流石に疲れたのでもうお風呂に入って寝ます…

夕食は乾物かアイスがあればいいので…」

 特殊な物を連続して加工したので汗だくになりフラフラしている。

「部屋まで送ろうか?」

「いえ、大丈夫です、それでは失礼いたします」

 ウルカンは鍛冶場の炉を落とし、フラフラと歩いて行った。

「此処まで重いと結構来るねぇ…」

 ルシフは鉄の棒と足場用の板の実験を続けていた。


 10日ほど経過した頃、追加の鉄の棒19本と足場用の板が72枚ほど追加された。

 81枚ほどあればそこそこ広く使えるだろう。

 今回は狐さんに許可を取ったので怒られることなく存分にチャンバラごっこができる。

「講師にはミネルヴァとディアナを呼んでおきました」

「ご主人様これは何かのお仕置きですか?」

「大丈夫、ミネルヴァとディアナは自分で持ち上げられる重さの限界に調整してるから」

「本当ですか…?その割には軽く振り回してますけど」

「力だけで振り回しているわけではないので」

「持ち上げるのに確かに腕力は必要ですが、力だけで押し切ったりするわけではないですしね」

「との事です、各自ミネルヴァかディアナ、好きな方を選んで自分に合った重さに調整して挑むように」

 まずは基礎も何もない状態から実戦に放り込む、早さを重視しようと軽くしたり、自分に良い重さを確かめてみたり、とにかく重くして重さで押し切ろうとしたりするが、誰一人としてミネルヴァ達に触れる事は出来なかった。

 いきなり実戦形式を終えた後は各自鉄の棒を持ち素振り、今回参加しているのはいつも通り食べすぎたメイド達。

「じゃあ次はさらに重くして素振り1000回行ってみよう」

「う…腕が…プルプルして持ちあがらない…」

 何時もは走り回るだけなので素振りは結構効いているようだ。

「素振りが終わらないとお茶の時間に間に合わないぞー」

 お茶の時間に間に合わないと聞いて気力を振り絞り素振りを再開するメイド達…

「はい、お疲れ様、これから毎日続ければ上半身も鍛えられてバランス良くなるかな?」

「毎日は無理です!」

「鍛え続ければダイエットコースを走らなくても良くなりますよ?」

「ぐぐぐ…」

 慣れ親しんだダイエットコースを走るか、毎日素振りをして鍛えるかで悩んでいる…

「頑張り続ければこれくらいの重さでも素振りできるようになるから」

 ミネルヴァは鉄の棒を軽く振った後メイドを手招き、棒を落とさない様にメイドの手に乗せる。

「おっも!こんなもの振り回せるとかどうなってるんですか!?」

「よく食べてよく鍛えた結果…?」

「私達はダイエットコースを走った事はありませんしねぇ」

「うぬぅ…」

 ますます悩み始めるが…

「気が向いたらという事で」

 毎日の素振りは嫌な様だった。


 一応その後も運動でチャンバラごっこをすることはあり、見た目が鉄の棒だった物もそれらしい見た目に加工し直されている。

 振り回している内に上半身も鍛えられ、その度しっくりくる重さに変更、またはハンディキャップで少し重めにしたりするので、少しずつではあるがダイエットコースに行く者も減っていくであろう。

 何時になるかはわからないがダイエットコースがお役御免になる時が来るであろう、そうすれば巻き添えをくらって走らされることも無くなるはずだ。

 …多分。


 なお、おいたをした所に殴り込みに行くときは皆武器を捨てて無手になる、ミネルヴァとディアナも武器を捨てて無手になるし、普段刃物を扱っている農場組も調理場組も皆素手になる。

 本気でやる時は邪魔にしかならないらしい…

基本的に皆無手>武器を持った状態の強さ

チャンバラごっこは体の使い方が普段とは違うのでいい運動にはなってる

殴り込みの際、武器を持ってる時は加減をしてくれている、加減をしてくれているだけで生きて帰れるとは言って無い


ミルカーを使っているのはかなり初期からいるメンバーの1人

元々食用として子牛の頃から飼われていたけど死ななくなったので食べれなくなった

狐さんが乳牛になる様肉体改造したり毎日搾れるように薬漬けにしたり、搾るには人手が足りない、なら自分で搾らせればいいじゃないと弄られまくった結果、最終的に人型になった

当然ご主人様に説教された

牛から無理矢理人型になったので牛成分は耳程度、背丈は190と大きいが絶壁

身体を弄られた結果、良質で濃厚なミルクが好きなだけ出せる

昔は好き放題に身体を弄り回して薬漬けにした狐さんが苦手だった

餌を毎日くれるし、お世話をしてくれてたご主人様に順当に懐いた、けど後で食用で食べる予定だったと聞かされ暫く引籠った

でも毎日搾りたてを部屋の前に置いてた

育たない胸を育てようと一杯食べるのでダイエットコース常連

彼女の胸はどうやっても育たない、というか狐さんが人型にするときに弄った


後、死ななくなったのは大体ご主人様のせい

1頭だけだし初めての試みだから美味しくなるようにと、飲み水にちょっとした混ぜ物をしてたから、主に粉末にした龍の鱗とか、妖精とか精霊とか森霊からこっそり採取した水とか

説教された後にこの混ぜ物の事を聴いた狐さんはご主人様にお仕置きした

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