改装終了祝い ギャグ商品再び
「おりゃーうりゃーそりゃー、っと気合を入れた所で今日は店長さんのお店ー、ちょっと遅れは有りましたが、工場の改装工事が終わったのでまだ予約の受付が再開しましたよーって事で、寿司桶を担いでやってきました。
何で寿司桶を担いで来たのかって?改装工事終了からの再稼働のお祝いと単純にここのお寿司が美味しいからですよ、商店街の魚屋さんお勧めのお寿司屋さんなんですけど、基本的に全部時価って言う結構やばいお店です、その分美味しい物しか出してこないので少々高く付いても納得できますよ?
まあ、全部時価なのは養殖でも値段は上下しますので、暮らしていけるだけの儲けを出そうとしたら値段を固定する事が出来ない、と言う部分が有りますね、例えば養殖物のカンパチでも大体1本7000から、高い時は1万ちょい、高い方で固定すると高すぎますし、安い方だと採算が取れない可能性、平均で出すのが丁度良いんですけど…安い時は7000切る時も有りますので、それだとちょっと取りすぎになりますので、何だかんだで時価表記が丁度良いと言えばちょうどいいです、値段が分からなければ今日はどんな物?って聞けば良いんです。
ちなみにこの桶は5人前入りで8000円位です、かなり安いですね、スーパーの同じ5人前の桶が大トロ入りで5000円位ですし、あっちは基本全部冷凍、こっちはそうでないと言う事を考えればかなりお得ですね。
それじゃやって行きましょう、今日は工場再稼働で追加された商品の紹介が少々ですね、まずはこちら、リール用ハンドルノブとカーボン製のハンドル、まあこれは以前からある物と変りませんが、今までは普通のベイトリールと5000番用のノブくらいでしたが…なんと!今回!大型両軸リール用のハンドルとノブが追加されましたー!やったね!」
「まあ、これ地味に要望があったのよね、カンナギとかクエとか、後100キロのマグロをやる人は普通大型両軸リールを使うし、それ用にって事で作りました、素材はノブがカーボン、ハンドル部分が金属、で、ハンドルの所々にまあ穴が開いているわけだけど、これ、こんな感じでハンドルの長さを調節できるってやつね、それでいて強度は問題無し、軽量化にもなってるとちょっとお得。
小さい回転で数を回す時は短めに、大きく少ない回転で巻き取りたい時は一番長い状態で固定してくれればいいかなーと?
取りあえずこのハンドルノブに付け替えるだけでも、磯なんかで投げた時にハンドルの重さで回ってロックされる、なんて事は無くなるかと?」
「リールって大きくなればなるほどハンドルも重くなりますし、軽く投げても遠心力で簡単に回転してロックしちゃうんですよねぇ…昔大型スピニングのオートリターンが無くなった時期も有りましたが、その遠心力でハンドルが回ってロック、そのまま糸がぶっちーんって切れる事が多々、軽量化に軽量化を重ねて解決してオートリターンが戻って来たんですけど…
両軸リールのハンドルノブってがっしり握る作りで、そのノブ自体も大きく長くてクルクルよく回るので、軽く投げても結構な力が掛かっちゃうんですね、それを解決するためにとことん軽量化を測ったのがこれです。
磯でも無ければ投げる事は無いので、まああまり関係ないと言えば関係ないですけど、ハンドル自体が軽くなっているので、ちょっとは楽になるんじゃないでしょうか?」
「スズキの握りうまっ…んむ、ハンドルだけの軽量化だから微々たる物だけど、それでも純正品と比べれば50グラムくらいは軽くなるからね、長引けば長引く程効果が出て来るってやつ」
「次の商品がこちら、あいのっとなう、文法も糞も無いギャグ商品ですが、物自体はかなり良いですよこれ?」
「ホタテもうまー…んぐ、これはリーダーを結ぶのが面倒、時間が掛かるのが嫌って人向け、両端についてるアイに糸を通して、余分を作ったら後はカチカチカチカチ押すだけで…はい、あっという間にFGノットの出来上がり、後はリーダーの方からあいのっとなうを抜いて外して、余分を切ったりライターで炙ったら完成、0.1号のPEでも綺麗に出来るよー?我ながら良い物を開発したんじゃないかな?」
「均一に編み込まれているので、自分の手でやるよりは綺麗かつ強度も安定、リーダーを新たに結び直すにしても2分も掛からない、いやほんと良いですよねこれ、FGノットしか出来ませんけど、説明書通りに糸を通したら後はカチカチ押すだけでどんどん編み込まれて行って、後はもう余分を切って縛って炙ってお終い、この編み込む所に一番時間が食われますし、ここを短縮できるだけでも良いですよね、そして気になるお値段4800円、可もなく不可もなくじゃないですかね?」
「最後の縛る部分だけは手動でやってね?そこまで自動でできるようなメカニズムにするとお値段が1つ当たり2万位になっちゃうし、縛り方位は慣れておいた方が良いと言う事で」
「ちなみにお店に来て早々10個買いました、これでもうFGノットで縛る時に時間を5分も10分も取られなくて済みますね、面倒な時はちち輪で時短してましたし」
「狙った魚を釣り上げる事の出来る強度が有ればノットなんて何でも良いんだけどね、PEとリーダーを縛るとくればFGノットと言う事で、縛るとは言っても最後にメインラインの方を通して縛れば完成だし、自分で結べなくてもこれを常に持ち歩けば良いだけだね」
「ポケットサイズなので持ち運びも簡単、店長ファクトリー渾身の一策ですね、現在私が10個買ったので在庫は残り倉庫にあるのを合せて360個位ですが、通販の方でも買えますので、予約待ちは嫌だって人はお早めにどうぞ、あいのっとなう、本日より発売開始です、ちなみに私が来る前にすでに130個位売れてます、凄いですねぇ…」
「知り合いとか友達にも買って行って上げようって人が結構多いからね、買って行ったのは40人位」
「そして私のそのうちの1人、では次の新製品、これも便利品、サビキ再利用君です、絡んだサビキとかは普通もうそのままゴミに出しちゃうと思うんですけど、糸が絡んで胴付き部分が使えなくなっているだけですし、針なんかはまだ使えますからね、糸を根元から切って針をある程度糸が付いた状態で取りまして、まあこれだけでも1本針として小物に使えなくもないですけど、こちらに用意した別の糸、これに先程のあいのっとなうにちょっと似た奴、これを通しまして、絡んでいてもう切るしかなくなったサビキから切り取った針、これの糸を通してカチカチカチっと、後は糸を通していた部分を開いて上げると…こんな感じで、またサビキとして再利用できますよと。
胴付きなんかを作るのにも使えますし、ちょい投げの2本針仕掛けも作れますし、使い方次第ですね、こちらは1個2000円、毎回サビキ仕掛けを買ったりしている事を考えれば安いですね、サビキは保管がちゃんとしていれば何度か使えますし、買い替える必要は無いんですけど、絡んだ場合針はまだ無事でも…ってなりますからね。
胴付きにしなくても先程も言った様に小物釣りには使えますし、絡んだサビキを捨てる前に再利用してみませんかと言う事で、後ゴミも減りますからね」
「特に出来合いの仕掛けはその辺に捨てて行くやつが多いからねー、使える事が分かれば捨てる人はまあ少しは減るはずって事で、ちなみにうちの堤防はゴミを捨てて帰ったら立ち入り禁止だからその辺りよろしく」
「新製品の紹介はまあこんな物にして置きまして、工場はもう通常通り稼働していますので、予約なんかの受付を再開しましたよと言う事で、ここからはいつも通り、適当にだべって時間潰しですね」
「とは言っても何か話題あるかねぇ?」
「質問もちょっと前に大体消化しましたし…あ、そうだ、天然ウナギと養殖ウナギの違いなんてどうです?少し前にウナギ釣りやりましたし」
「あ、そうね、割と身も蓋もない物になるけどそれで行こうか、えー、まず天然物は養殖物に比べて油が圧倒的に少ないです、そして運動量が多いので、身が白く見えても若干赤身より、火を通すと物凄く縮みます、それと火を通した時に天然物は若干茶色、養殖は白色のままです」
「天然の方が良いと言う人も居るには居ますが、味に関しては養殖の方が遥かに上です、天然物だと養殖程ふわふわした身にならないんですよね、これは何故かと言うと、店長さんも言った様に運動量が多いから、筋肉質で身が締まってるから硬いんですよね」
「そして色の違い、これはどの当たりの流域に居て何を食べてるかでも変わってくるのと、陽にあたる様な所かどうかでもまた変わってくる、それとエビとかカニを食ってるようなやつは頭が大きいのも特徴だね。
で…天然物は特に黄金色だとかよく言うけど…あの色の元は何だと思う…?栄養豊富だから金色になってる?違います、アレ泥の色が染み付いてるだけなんだよねぇ…養殖物は泥の無い水の循環する水槽で育てられるから皮膚が汚れる事が無い、なので成長過程で汚れが染み付いて行かない、だから真っ白。
泥抜きで1週間くらい流水に晒すと若干色が薄くなるんだけど、あれ別に栄養欠乏云々じゃなくて、単純に汚れが泥抜き中に少々落ちただけ、ぶっちゃけると泥臭い証と言えば良いのかな?天然物の方が美味しいだとか何だとか言ってるのは幻想にしか過ぎないってやつよ。
それにどうせ炭火とタレの匂いで風味なんかは全部消えるし、どっちが天然?って聞いたらほとんどの人が間違えるよ」
「養殖技術が微妙だった時代はもう過ぎ去りましたし、うなぎの天然物信仰はもう終わりでしょうねぇ…ただ旨味が強いのは運動量の多い天然物です、それもしっかり泳いで沢山食べて丸々太っているやつ、それに限りますけどね」
「養殖はたくさん食べて太っているけど運動量は少ない、養殖より良いとされる天然との違いはそれ位だね」
「ちなみに前回うなぎ釣りで大量放流したうなぎ、アレは流れの有る所かつメーター近くまで、更に常に満腹状態で全身に脂が回りつつ若干赤が入って旨味が増しているやつです、つまり天然より美味いです、水も綺麗な状態で育てているので泥臭さも染み込んでませんしね。
で、もうひとつ面白い話、ここ最近出回っている天然うなぎ、あれ正確には天然じゃないんですよ、大体60まで育てた物を放流、海と川とを行き来させて育った物を捕まえて天然として売ってるんですね、言うなれば半分天然半分養殖、完全養殖成功前と逆のことをやってる状態ですね、昔はある程度育ったやつが川に上がって来たりしているのを捕まえて、そこから餌をたらふく食わせて養殖、今はその逆、育ててから自然に放して育ったやつを捕獲ってやってます。
うなぎに関する話題はこんな物ですかね?次の話題は何が有りますかねー…?」
「マグロうめぇ…と言う事で次はマグロの話題にしてみようか?今食べているこれ、クロマグロなんだけど…昔国内でヨコワを釣るのが禁止、と言うより30キロ以下が釣れたらリリースしろよーってなってたんだけど、あれ実はザル法でねぇ…結構問題になったりしたんだよね…今はマグロも順調に増えて来て30キロ以下をお持ち帰りしても良いんだけど、そこは置いとこうか。
でー、何がザルで問題だったか、アレ遊漁で釣って帰るのだけがダメで、漁で釣ったり獲って帰るのは問題なかったのよ、物凄いザルじゃない?増やすために取るなつってんのに、遊漁で釣るのはダメだけど漁で取れた奴は良いですよーって、馬鹿じゃねぇの?」
「ちなみにその法案作って通した人全員首が飛びました、だって漁扱いなら釣って持って帰れるんですよ?そりゃ皆漁扱いで釣る様になるし、真面目にリリースしている人が馬鹿を見るだけになったので、そんなざる所じゃない法作って私腹肥やしてんじゃねーって叩かれて懲戒解職で議員報酬から何から全部返納で切られました、隠し金庫等も全部暴かれた状態でね。
その後は漁師もヨコワの30キロ以下を取ったら罰金500万な?って法になったので、猟師も全リリースになり、更にマグロの養殖が成功したのも有り、順調に増えて行って解禁されましたよと、そう言う事が有りました」
「他には調査なら解禁も何もされてない鮎を投網でどれだけでも獲って良いよーってのもダメになってるね、そっちは今も解除されてない現行法になるよー、でなきゃ組合員だからって何百匹も取る馬鹿が出て来るからね、調査をするにしてもそんな何百匹も取る必要ないし、月20か30も取れば十分、今の技術なら10匹でも充分だろってなって、調査で獲れるのは最終的に月10匹までになりました。
鮎が増えない減り続けてるーって、調査と称して一度に一人当たり数十匹、それをほぼ毎日のようにやって月数百から数千、そんなもん増える分けねぇだろって言う事をやっているのがバレて…今の食卓に鮎が一般的な焼き魚として出てくる位には増えました」
「大体ああいう馬鹿な事をやる所って中抜きが酷かったり、そこ出身の議員と癒着してたりでやりたい放題だったんですよねー、今はもう粛清されたので大丈夫ですが、そう言う色々禁止になった時代も有りましたよと言う事で。
やらかした議員や組合は纏めでずーっと公開されてますので、調べてみると良いんじゃないですかね?」
「今の組合は全然違い別組織と言って良い物になってるから、今の組合なんかを批判しちゃダメだよー?資源保護とかそう言うのに滅茶苦茶厳しいだけだからねー?
取りあえず私は花井ちゃんとお寿司を食べるのに集中するから離脱ー」
「はいはーい、と言うわけで今から少しの間妹ちゃんと一緒に店番しまーす」
あいのっとなう
リーダーとメインラインを説明書通りにアイに通してカチカチスイッチを押すだけでFGノットが出来上がる
ギャグ商品だけど1分程度でFGノットを結べる便利アイテム、初回生産の500個は宣伝も1日で売り切れた、サビキの方は売れ残った
ヨコワ
ヨコワマグロ、クロマグロの幼魚の事、メジともシビとも、個体数減少に付き30キロ未満はキャッチ禁止になっていた
採捕量次第ではまたすぐ禁止になる、結局は水産庁の気分次第、なお釣るのは禁止だけど漁で取れたのは大丈夫と言うザル、禁止されていたのは遊漁、つまり釣りだけ




