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画期的な物 強制終了しても大丈夫

 んー…これどうやって扱えばいいんだろうか…こんなの作ってみたー、って…渡されたはいい物の…でも人によっては悪くないんだろうなぁこれ…抜け毛もないし、実際に存在しているわけではないから猫アレルギーの人も猫を疑似的に飼えるし、鳴き声やら何やらがダメなペット禁止の所はどうしようもないけど。

 でー…これをどうしろと言うのだろうか…色々とリアルなゲームの応用で云々と言っていたし、そこには映像でしか存在していないのに、実際に手で触れる感触も味わえると言うのは確かにすごいんだけど…うちだと使い道が無いんじゃないかなぁこれ…

「実際の所これどういう層に向けた物なのよ?」

「まあ見ての通りそのまま、ペットを飼いたいけど何かしらの理由が有って飼えない、まあアレルギーとかだね、それその物は好きだけど飼えないとか、そう言う人に向けた…と言うのは建前、それだけならうちで作ってるゲーム内で大丈夫だし、この映像を出せると言うのが大事な所なのよ。

つまりはこう言う事、ゲーム内で作ったアバター…自分の分身だね、その皮を自分に被せる事も出来る、音声も地声じゃないあっちで設定した物に変換して出す事も出来る、簡単に言えばお手軽変装セット?ゲームに登録して遊んでる人じゃないと使えないし、悪用しようとしたらちょっとしたペナルティでギリギリ死なない程度の呼吸しか出来なくなるけど」

「主な使い道は何だろうねぇ…?」

「主な使い道としてはバーチャルアイドルって居るじゃない?アレは映像の中の世界だけで、現実の方で行動する事は出来ないじゃない?だから基本的にはゲーム実況やらただのトークやら、そう言った事しかできないんだけど」

「今はゲーム内の方で何でも出来る様になったからスポーツだけでなく、ファンと卓を囲んでのボードゲームにと色々やってるけどね」

「それを言ったら元も子もないけど、ゲームはゲーム、現実は現実だし、現実では出来るけどゲーム内じゃ出来ない事も有る物で、例えばご当地で作られているバーチャルアイドルやマスコットだね、実際に中の人がその皮を被って街中を歩いて紹介をする事が可能、映像の填め込みでも何でもなく実際にそこに存在している形でね。

中の人とのサイズ差の都合でまあちょっとずれたりする事はあるけど、大体背格好が近い人なら違和感は無くなるし、160センチの人と157センチ位の人なら何か食べ歩きをしたとしてもほぼ違和感でない…かな?極端に差があると食べ物が空中浮遊したり、その食べ物喉で食べてるみたいな感じになるけど」

「なるほど…ゲーム内だけじゃ出来ないご当地の宣伝するために作ったと?」

「大体そんな感じ、ペットの映像が出せるのはあくまでもお遊び程度だね、人型は自分で被る皮が限界だけど、何せ物に干渉する事は出来ないからそう言う部分で色々不都合がね、観賞できるようになったらそこに実際に存在している事になるし、一種の召喚みたいな物になるから完全にアウトでしょー?

だからまあ、色々と考えた結果出来上がったのが簡単変装セット、他者が著作権を保有していない自分で作った物か許可を得ている皮しか被れないけど、現実の方でアイドル活動をする場合、ご当地の紹介をする場合には便利よね。

ちなみに発売はもう少し先、宣伝用としてご当地アイドルやら何やらが居る地域、そこにはこんなのあるけど宣伝として使ってくれない?って感じで持ち掛けてる」

「肝心のお値段は?」

「お買い求めやすく50000円ポッキリ、これは一種の光学迷彩とも言えるし、それを考えれば安いよね、ボイスチェンジャーも付いてるし、首輪型ってのがまあちょっとアレだけど、アバターの登録方法はこれを装着してゲームにログイン、うちの公式ページに飛んで自分のアバターを首輪型のデバイスにインプット、それが終わったらログアウトして起動するだけ。

原則として一度に1キャラしかインプットできないけど、書き換え自体は何度でも可能だね、でなきゃ毎回買い替えになって出費がね、買ってくれるならそれはそれで嬉しいけど」

「でもこれうちだと誰も使わないよ?姿を隠して動画を撮っているわけでもないし、そう言う宣伝活動をしているわけでも無し…かといって商店街もそう言う活動をしてるわけじゃないでしょー?」

「まあ…そうだよねぇ…顔出しがダメって言うわけでもないし、ゲーム内も見た目全くそのまま同じだもんねぇ…テスト中はドッキリも兼ねてたからキャラメイクとか無かったし、アイナ達も見た目ほぼそのままだしねぇ、耳とか尻尾が生えてたり耳が長かったり髪の色が違ったりは有るけど」

「そんな感じでまあ…使う事は無いかなぁ?」

「一応画期的な物なんだけどねぇ、どちらかと言えばイメージキャラクターやその中の人用向けなのになるのはどうしようもないか、でも我ながら恐ろしい物を作った気がするぜ…」

「そうだねぇ、皮を誰でも被れて、声もそのキャラの物に変えれると言う事は、中の人が入れ替わっていてもしぐさ等以外の違いを見抜かないと分からないわけだし、しれっと中身が入れ替わっているって結構怖いよね」

「昔ご主人様がフィリス達に仕掛けで発狂させた奴より大分マイルドだけどね、SNS上での情報発信は中の人とは違う別の人がやるから早々降板するって事は無いと思うけど、知らない内に入れ替わっていて実は今3代目なんですよーってなったら追っかけてる人は震えるだろうね。

最近は色んな物にイメージキャラクターが付いてるし、食べ物やら温泉やら企業やら、車メーカーだと各車にイメージキャラが居たりもするし、昔有ったらゆるーいマスコット戦争再びになりそう、その皮を被って実際に活動できるようになるわけだし」

「使い方は人それぞれ、でも街中で皮を被った人に遭遇したらびっくりはするだろうね」

「そこはまあちゃんと区別が付く様になってるから、びっくりはしても大丈夫なはずよ、取りあえずこれは置いて行くから、何か使い道を思いついたら使ってみるといいかもねー、ペットなら呼び出せるわけだし」

「タコ君とベタ君は向こうで過ごす方が良いと思う、呼び出すなら環境をしっかり整えないと…」

「だよねー、まあ1号と2号も大別すればペットになるし、気が向いたら呼び出せばいいんじゃない?物に干渉する事は出来ないから1号はふてくされそうだけど」

「人型云々は一体どこへ…」

「一応あれ人の形はしてるけど中身がアレじゃない?」

「アレだね」

「だからその辺りは人の形を取る事も有るから例外と言う事で」

「1号は呼び出したら最初は新しい世界だーってはしゃぎ始めるだろうけど、直ぐ何もできない事に気が付いて絶望しそう」

「口車に乗せて何かをやろうとしても強制シャットアウトで戻されるだけだしねぇ、繰り返しているうちに死んだ目でそこに佇んでいるか転がってそうなのが容易に想像できるね」

「んー…取りあえず呼び出してみるか、データは…」

「それはもう最初から入れて置いた、本来なら一度ログインして登録しないとダメだけど、そこは開発運営からのサービスってやつよ」


「自由だー!こんな所からはおさらばして好き放題やって生きるんだー!」

「うん、予想通りの反応をしてくれてちょっとうれしい」

「だよねー、やっぱメインの性格を享楽主義者にしたのが原因なんだろうけど」

「と言うわけで僕は旅立ちます、さらばだー!こんなうっすいガラス簡単に割れるぜー!」

「まあ割れないんだけどね、今の1号はただの映像でしかないわけだし」

「うおおおおーーーー!!ガラスをすり抜けたぁぁぁぁーーっ!!そしてこれ以上進めない!?」

「今日はいつになくテンションが高いね、やっぱり新しい所に来たからなのかねー?」

「見ていて飽きないけどちょっとうるさいのが難点、これ音量下げれないの?」

「音量は呼び出した時と同じ手順、目の前にパネルが出て来るからそこで調整」

「ふむ、音量は…これかな?今100になってるから…」

「この見えない壁を打ち破って僕は大空へ羽ばたくだぁぁぁぁっ!」

「10位で良いや」

「ぁー…!」

「うん、静かになった」

「やっぱりよそ様の迷惑も考えて音量も調節出来る様にしておかないとね、小型犬とか声量凄いし」

「何か叫び声が聞こえましたけどお客さんですか?」

「やっほー、別にお客さんではない、ちょっと新しい物を作ったから持って来ただけ、その機能の1つとしてちょっと1号をこっちに呼び出しただけだから」

「そうですか…ガラスが簡単に割れるとか叫んでいたから何事かと」

「見ての通りゲームの世界から呼び出して活動させてるんだけど、ゲームの方に有るデータを一時的にこっちに移動、映像として出力してるって感じなんだけど、見ての通り映像だから物に干渉する事は出来ないんだよね、それと一定範囲内からは先に進めない、ペットにリードを付けてるみたいな物だね、急に声が小さくなったのは音量調整したから」

「なるほど、ペットが飼えない人には良いかも知れませんね?声量も抑えれるならペット禁止のアパートでも可能かもしれませんね、抜け毛は出ない、トイレも必要ない、餌代も掛からない、それでもダメと言う所は有るでしょうけど」

「まあ、そっちはメインの使い方ではないんだけどね、後餌代やらトイレは実はこの機械内に一緒に持ち込まれてまして、ただじーっとしてたり、ごろごろしている間にも消費したりトイレをしたりと言う処理になっていて、ゲームにログインしてトイレの後始末やら餌の補充やらはしないとダメだね」

「あ、その辺りは地味にリアルなんですね」

「ゲームの延長線上みたいな物だからね、で、こちらの正しい機能はこんな感じ、これPVね」

「どれどれ…なるほど、ゲーム内で作ったキャラクターの皮を現実の方でも被れる、そして声も変更可能と」

「PVにも有る様に極端に身長差がある場合は変になったりするけど、ゲーム内は身長の差がプラマイ5前後になる様にしてるし、早々変な事にはならないけど、登録したり正式な手順を踏んで書き換えれば誰でもその皮を被れるから、その時はどうしてもこういう違和感が出ちゃいますよ言う実演もしてる」

「ストローがのどに刺さってるのはシュールですねぇ…口もちゃんとストローを加えている様な形にはなっているのに…」

「身体の中心を起点として皮を被せるから、厚底を履かないととこんな感じで足が地面に埋まる事もしばしば、プラマイ5以内に収まっている人であれば違和感はほぼ出ないんだけどね」

「大体のバーチャルアイドルはゲーム内に移住してますけど…んー…各企業や地方や地域等のイメージキャラクターを演じるなら悪くないんですかねぇ?」

「他にはゲーム内でのみ活動している人がこっちに飛び出して来て活動するのにも使えるね、どこにキャンプに行ってみたとか、登山に挑戦とか、活動の幅は広がるね、ゲーム内ほど簡単にはいかないけど」

「そう考えれば地域活性なんかも出来て悪くは無いんですかねぇ?普通すぎて人気はそれ程って言う人も居ますけど、そう言う人にも必ず追っかけは少数ながらも存在しますし、その人が行ってみたなら行ってみようって気になる人も出て来ますし、それで各地にお金が落ちると思えば…」

「オンにしている間は皮を被ってる状態だけど、オフにすれば直ぐ元の姿に戻るし、人ごみに紛れてオフにすればストーカーも簡単に撒けるね」

「ところでお兄さんはさっきからずっと何をやってるんです?」

「んー?ペットが物に干渉はできなくても、触った感触云々って有ったから色々実験中」

「ふぁふぃをふぃふぉあんふぁなーえ」

「何を言ってるかさっぱりわかりませんね、実際それ触っている感触はあるんです?」

「グニグニ伸ばしている感触はあるね、後掴んでると離れて行く事が出来ないっぽい、でも向こうからこっちは触れないと、ちょっと不思議な感じだね」

「撫でまわりたりとかダメなペットもまあ居るには居るけど、犬猫は撫でまわして何ぼみたいな所もあるしね」

「ぶぉっへ…ボクは犬猫と同格かよ!」

「愛想と愛嬌を振りまいて尻尾を振ったりすり寄ってきたりする分犬や猫の方が…?」

「えぇ…」

「じゃあもう帰っていいよーって事でオフっと」

「ちょまっ!」

「演出も無くパッと消えましたね、何かさーっと引いて行くように消えて行く物かと」

「テレビの電源を落とすような物だからね、一応お試しで1つだけ置いて行くから、欲しくなったら教えてねー?」

「使う事はほぼ無いだろうし…どうだろうね?」

首輪型投影装置

ルシエラカンパニー製の色々怪しい機械、ペットを映し出して触れ合う事が出来たり、自分の作ったキャラクター等の皮を現実の方で被る事も出来る、悪用しようとすると度合いによっては死なない程度のギリギリの呼吸しか出来なくなるかなり危険な代物

演者さんがご当地キャラの皮を被って街をぶらついたりしつつ紹介とアピールするのが正しい使い方、見た目も声も変わらないので中身が2代目3代目と変っていても誰も気が付かない可能性有り

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