団体さんいらっしゃい 実は過激派
ケレスとテラがほぼ悪ふざけで作ったような植物にエリスが毎日祈り、すくすく育ち実を付け始めた頃、エリスからお願いをされる。
「ご主人様、里から何人かを数日程屋敷に招き入れたいのですが、よろしいでしょうか?」
「んー?それは構わないけど狐さんにも許可を取ってね?」
「メイド長からは既に許可を得ています、後はご主人様の許可が得られれば」
「はいはい、許可は出すからまた後で人数と日程を教えてね」
「わかりました、では私は選出の為に暫く里に戻ります。
私の侍従をお預けしますので、何かあれば侍従に伝言をお願いします」
「ルビーはどうする?」
「ルビーは里に連れて行きます、これから先里に1人で行ってもらうことになると思いますので、里の場所を教えておくつもりです」
「里の人達は受け入れてくれるの…?
あそこに住んでる人達って大体排他主義じゃない?」
「排他…と言うより外海からくる人達を余程の事がない限り受け入れないだけですね。
同じ大陸に住んでる者達とはちゃんと交流もしている…はずです」
「うん…まあ…今も交流があるのならいいけど…
あそこの人達はちょっと目を離すと引籠って変な信仰を始めたりしかねないしなぁ…」
「私の種族は…大丈夫だと思いたいですね…以前買い取らせていただいた木を象った細工を祭ってあるので大丈夫…なはずです…」
「変な信仰始めてたら止めておいてね…?」
「わかりました、では行ってまいります」
少し話した後エリスは屋敷を離れ実家へ一時帰宅、エリスの侍従は残され少し寂しそうではある。
しかし止める者も居なくなった今…
「それではご主人様こちらへ…」
侍従4人組に捕縛され、空き部屋まで連行。
「次はこちら、その次はこちらの物をお願いいたします」
メニュー表を持ち、各々好き放題に甘味を注文、砂糖控え目とか果物多めとかの細かい注文も全て聞き入れ、侍従1人1人の好みに合わせてお菓子を作り続けた…
「今日は髪の手入れをお願いします」
「私は整体マッサージ」
「新しい服のデザインもお願いしたいですね」
「では私は夜に添い寝をお願いします」
「あー!添い寝は駄目!」
「抜け駆け禁止!」
「添い寝が有りならもう今からでも部屋に連れ込む!」
「エリス様がいない今が好機、髪の手入れやマッサージとかは何時でもして貰える。
なら添い寝一択!」
「「「なるほど!」」」
なるほどじゃなくて…
「では場所を決めましょう、腕と胸か太腿か…」
「いいでしょう…勝負方法は?」
「シンプルにサイコロで良いでしょう、イカサマ等はなし、1から6で数字が小さい物から場所を選ぶ」
「それで行きましょう…勝負!」
エリスの侍従4人は何時の間にか持っていたサイコロを振り目が小さい物から場所をしていく…
「では私は右腕を」
「左腕」
「ふふふ…二人ともまだまだ甘いですね…私はお腹で」
「じゃあ股座を頂きますね」
「「「!?」」」
禁じ手と言える一手を取った1人に驚愕の表情を向ける3人。
「仕方ありませんね…今回は譲りましょう…」
「さ、ご主人様、私達の部屋に行きますよ」
「…はい…」
首輪と鎖を付けられ部屋まで連行、腕を指定した2人は腕を枕にしつつ胸を揉み。
お腹を指定した1人は直に肌を枕にし、お腹をさすったりペチペチ軽く叩き。
股座を指定した最後の1人は仰向けではなくうつ伏せで…後息遣いがなんか荒い…
「あー…この柔らかさはやはりいいですねぇ…」
「触って良し、枕にして良し…」
「ぷにぷにのお腹も良い物です」
「すぅー…はぁー…すぅー…
…ふぅ…」
非常に混沌とした添い寝だった…
エリスー…早く帰って来てくれー…そしてこの4人を止めてくれー…
「今日は話し合ったとおりに髪の手入れで」
「異議なし」
「余った時間は新しい服のデザインという事で」
「それも異議なし」
エリスが旅立ち3日目、今日は割と平和に過ごせそうだ。
「ではご主人様、軽くで良いので手入れをお願いしますね」
編み込んである髪を解き、頭皮を軽くマッサージしながら根元から汚れを落とし、腰まである長い髪の先まで洗う。
洗い終わったら髪は自分で乾かして貰っている間に髪が背中の中ほどまでの者、次はそれより短く、最後に肩くらいまでの長さの者と、順番に洗っていく。
後は香油やら何やらを使った後に髪型を整え完了。
「ありがとう御座いますご主人様」
「さ、次に参りますよご主人様」
「今日の空いてる残りの時間は全てデザインに充てます」
そしてまた首輪に鎖を付けられたままの状態で部屋に連れ込まれ、エリスや侍従たちの種族が理想とする背丈と体形に身体を調整、髪の長さもテラやノクスみたいに足先まで、耳と尻尾は…
このままで良いと、耳と尻尾があるほうが可愛いからと…
…で、この体系と髪の長さとかに合わせた服のデザインを今からすると…
「生地の色は薄い緑に金糸や銀糸で刺繍、もしくは深い緑…どちらにしましょうか?」
「うちの種族のシンボルってどんなだったっけ…」
「庭に生えてるあの木がそうです、スケッチしてきなさい」
「んー、ドレスよりは法衣とかの方がいいかなぁ…」
「儀式用の礼装でいいのではないですか?」
「エリス様も滅多に着ないあれかぁ」
「殆どドレスと見分け付かないけど…」
「シンボルの刺繍をすればどんなものだって儀式用の礼装と言えば礼装になります」
「エリス様のは…スレンダーにワンショルダーだっけ?」
「それで背中がぱっくりと空いている奴ですね、髪で見えないだけであれ髪を避けるとお尻の近くまで空いてますよ、パンツも穿きませんね、穿いたらパンツが見えるから…
ハクにしてもローライズが紐になります」
「うちの礼装って結構過激だよね…」
「ご主人様は尻尾が有るので髪を持ち上げても見えないので問題は無いでしょう。
エンパイアのハイネックで、背中はエリス様と同じ程度、色もエリス様より少し濃い位の緑にしましょうか」
首からお尻までの周囲を細かく計測、背中はぱっくりと空いた物にするため首筋から腰の付け根までの長さも計測。
後は紙に大まかなデザインを起こし、ドレスのどの部分にシンボルの刺繍を入れるかの相談。
「スケッチしてきた、実が生ってた…」
「知ってる、知らなかったの多分貴女だけ」
「だからエリス様は一時実家に帰った」
「今回のシンボルは実の付いた物にしますので早くスケッチを寄越しなさい」
スケッチしてある紙を強奪し再び相談、裾の左右から胸辺りまで2本の木を金糸と銀糸で。
金と銀の葉が交わる胸元に金糸と銀糸で実を。
大まかに決めた後は少しずつ修正。
「んー、葉が交わるのは胸の半分くらいで良いとして、その枝葉から実が生っているよりは…
此処じゃない?」
胸元に着ける実を下腹部まで移動、ついでに幹から枝を伸ばし包み込むようにデザインの付けたし。
「なるほど、好みはご主人様が産み出した物であると、そう表現したいのですね?」
作ったのはケレスとテラで私じゃない…
「そうそう、最終確認はエリス様が帰ってきてから…かな?」
「わかりました、ではこのデザインの他に良いデザインお思いついた者は?」
その後も暫くデザインの話し合い、最有力候補は下腹部に実が有り、それを左右から金と銀の枝が交わり包み込んでいる物。
次点で胸元から実が生っている物と木を金と銀が入り混じった1本に纏め、足元から胸元にかけて少しずつ別れ、ちょうど間が出来るおへその上あたりに実がある物の3つに絞られた。
紙に書くだけならまだしもこれ刺繍するって大変じゃない…?
腰の付け根から首筋にかけて背中は丸々空いてるし、前の部分も少し横が空いてるし…
まあまだ最終決定ではなく、エリスが帰ってきてから最終決定らしいから大丈夫か…
今日の所は生地と生地の色、ドレスの型紙作りで終わった。
「ご主人様、ただいま戻りました。
その首輪と鎖を付けたお姿も素敵ですね」
「ありがとう…
それで、何人くらいが何日ほど?」
「誰を選んでも角が立つ、という事になり、種族総出になりましたので45人ですね。
新しく生まれ変わった者もおりませんでしたので平和そのものですね、変な信仰に目覚めたりもしていませんでした」
「暫く誰も居なくなるけど大丈夫なの?」
「外から訪れる者は妖精族や精霊族が全て排除していますので大丈夫でしょう」
「なら安心…なのかなぁ?」
「まあそれ以前にあそこに辿り着けた者はご主人様達以外にはおりませんので心配する必要もないかと」
「私達は普通に入れたんだけどねー」
「後にも先にも入ってきたのはご主人様達だけですね、後で納得はしましたが…」
「エリス様、至急相談したいことが」
「何かありましたか?」
「ご主人様が着る礼装の最終決定をお願いします、候補は3つに絞ってありますので」
「わかりました、ではご主人様、これで失礼いたしますので受け入れの準備をお願いします。
滞在は5日後から7泊8日で予定していますので」
「はいはい、食事とかはどうする?」
「無くても花の蜜などを頂ければ問題はありませんが、食事を希望する者も多く出るでしょうね」
「じゃあそれも含めて準備しておくね」
「お願いします、それではまた」
エリスと別れ受け入れの準備をすることにした。
「と言うわけで海に行こう」
「うん、ちょっと待とうかご主人様。
説明も何もないままに海に行こうって言われても目的が分からない」
「えー、ルシフなんだからそれくらい察してよー」
「察してって…今起きたばかりなんだけど…」
寝ていたルシフを文字通り叩き起こして海に行こうと誘う。
「にしても今日のご主人様髪も長いしスタイルも良いねぇ、後なんか首輪と鎖もついてるし…
海で箱入りのお嬢様がいけない遊び…とかそう言うプレイでもするの?」
「違います」
「あいたぁ!」
ハリセンでまだ寝ぼけてるっぽいルシフを叩く。
「5日後に団体さんが来るから海の宿泊施設の開放と掃除だね、人数がちょっと多いから屋敷だと入りきらない」
「それならそうと早く言ってよ、でも首輪と鎖をつけてる意味はまだちょっと分んない、似合ってるけど」
「5日後には外れると思うから多分大丈夫…」
宿泊施設の開放をするためにルシフを連れて海へ、掃除は定期的にしているがお泊りに来るのでメイドを数人引き連れ本格的に掃除。
私はその間にルシフと海に出て魚を生け簀から何種類か捕り捌いておく。
後花の蜜も用意しないとなぁ…
「花の蜜ですか?
えぇ、構いませんけど枯れない程度にお願いしますね?」
翌日は狐さんから許可を貰い花壇の花から蜜を採取。
量が取れないが混ぜるわけにはいかないのでちゃんと種類別に。
ただ45人分の蜜となると足りなさすぎるなぁ…
よし、覚悟を決めよう、ダイヤが…
「ダイヤー、おいでー」
「お呼びでしょうかご主人様?」
とてもいい子に育ったダイヤを利用するのはちょっと心苦しいが…
「うん、この蜜をちょっと飲んで」
「わかりました」
ダイヤに採取したばかりの花を蜜を飲ませる。
「ほのかな甘みと花の香がして美味しいですね…」
「でしょ、この蜜をちょっと大量に採取しないといけなくてね…」
「採取を手伝えばよろしいのですか?」
「んー、いや…エネルギーの結晶か水が欲しい、今すぐに、できれば水で」
「……っ!?」
少し沈黙し顔を真っ赤にするダイヤ…それは誰だって目の前で出してくださいって言われたら恥ずかしくもなる…
「…何所から出せばいいですか?下ですか?」
「いや、指で良いから…」
「わかりました…では見ていてくださいね…?」
ダイヤは花壇に指を向け指から水を散布する、すると花壇に植えられた花から蜜があふれ出してくるので全て採取する。
「どう…ですか…?ちゃんと見ていてくれましたか…?」
「うん、ありがとうねダイヤ」
「いえ…ご主人様の頼みですから…では失礼いたします…」
ダイヤは顔を真っ赤にしたまま消えるようにその場から去って行った。
自分の意志で見せに来るのと、お願いまたは命令されて見られるのとでは何か違うらしい…
何はともあれ…目的の花の蜜を大量かつ、枯れないように採取完了、次は庭に生えている木の実の採取。
「んー、立派に育ったし実も一杯だなぁ…」
現在刺繍されているだろうエリス達のシンボルである木から採取した蜜の種類と同じ数採取。
これはタニアに見つかると後で酷いことになりそうなのでこっそりと…
まず採取した蜜の3分の1に別け、別の瓶に詰め、採取した実の果汁を絞り混ぜ、蓋をしたら冷凍庫よりさらに冷たい温度で保管。
もう3分の1wp同じ花の蜜で作られた蜂蜜を少量混ぜ発酵、発酵は余り進めず、酒精がほぼ無いに等しい状態で止める。
水のように飲まれると辛いが…水で割って飲めば7日は持つだろう…種類もあるし…
残った3分の1は果実を角切りにし、各種蜜に漬ける。
「ご主人様こちらにいらっしゃいましたか…今何を御隠しに?」
「ん、いや…あぁ…エリスならいいか…これ」
製造中の物を取出しエリスに見せる。
「里の者達を殺す気ですか?」
「死にはしないでしょ…これただの飲み物とおやつだよ…」
果実と蜜のミックスジュース、蜜と蜂蜜の甘い香りがする軽いお酒、果実の花蜜シロップ漬け。
どれも毒性なんてないし…あったとしても毒抜きするから大丈夫。
「こんな物だしたら里の者がずっと此処に居座りかねませんよ…あ、これ美味しいですね」
果実の花蜜シロップ漬けを一つ食べるエリス。
「この果実大抵の物には合うんだよね」
できた物を収納し、団体客に備える。
「ですがお出しするのは禁止です、こんな物食べさせたら亡者の如く寄ってきますよ。
後その状態で里に帰したら精神的に死にます。
出していいのは…蜂蜜と花蜜で作られたお酒位ですね…」
「えぇ…せっかく作ったのに…」
「駄目な物は駄目です、タニアには黙って置いて差し上げますので…」
「それは助かる…」
結局ミックスとシロップ漬けはお蔵入りになった…ダイヤの頑張りがほぼ無駄になってしまった…
「それで何かご用で?」
「ああ、そうでした。
礼装の刺繍が終わりましたので試着をお願いします」
「はいはいー、じゃあ部屋に行こうか」
エリスを伴いエリス達の部屋へ向かう、その間エリスは嬉しそうに鎖を持っていた…
「下着は一切身に付けず、着用してください。
胸の部分にはインナーを付けてありますので浮き出る事はありません。
背中も腰の付け根までですので、尻尾で隠せば大丈夫でしょう」
出来上がった礼装の試着中、ノーパンノーブラで着用、胸の部分も浮かび出ないようにガードされている。
裾の部分は葉っぱなどが刺繍され、膝より少し上あたりから木の刺繍が始まり、下腹部付近に果実、周りを交わった枝が果実を守るように囲い、木は胸元まで伸びている。
木は少しデフォルメされ収まるように調整したようだ。
「緩んでいる所もなくきつい部分もなく…大丈夫そうですね」
体にぴったりと張り付いている感じではあるが絞めつけている部分もなく、また緩い部分もない。
「次は当日の髪型ですね、長さはこのまま地面を擦る程度の長さで、真っ直ぐ下すだけか、軽くウェーブをかけるか、または先の方で少し結ぶか…」
礼装を着せられ髪型の話し合いが始まる…
「髪型は日によって変更でいいのでは?
この長さですと必ず誰かが髪を地面につかないように持たないと駄目ですし」
「そこは続く道や周りに絨毯を敷けばいいのでは?」
髪を持ち上げ移動するか、絨毯の上を擦って歩くかの話し合いも始まる。
最終的に初日は真っ直ぐ伸ばして絨毯の上を擦って歩くことに、痛むことはないから良いけどさぁ…
髪型を決めた後はエリス達の礼装の手直し、とはいえ修繕する必要もなく、着用して確かめるだけ。
エリスの礼装は元になっただけあってほぼ同じ、侍従は黒地に金か銀の刺繍と顔を隠すためのヴェール、一応髪を持ち上げて歩く時の予行演習もする。
…何で泊めるだけなのに予行演習いるの…?
私が先頭、侍従が髪を持ち上げ地面につかないようにして歩く。
エリスはその後ろをついてくる。
木の前に着いたら果実を1個もぎ取り跪いているエリスに渡してお終い。
簡単だけどめんどいなぁこれ…
もぎ取った果実は何時の間にか切り分けて侍従と一緒に食べてた、美味しいもんねそれ…
「では今から連れてきますので此方でお待ちを」
エリスは礼装で身を包み、実家へ戻っていった。
1時間ほど立った頃エリスを先頭に黒地に緑の刺繍をした侍従たちと同じような礼装を着た一団が現れる。
庭の木の前に用意された長椅子の前に全員座るのを確認した後エリスが戻ってくる。
「では行きましょうご主人様」
予行演習と同じく先頭を歩き、後ろに侍従4人、その後ろにエリス、初日は決めた通りに髪は地面を擦りながら…
木の前まで来るとエリスが跪き、手を掲げる、その後果実をもぎ取り、髪が絡まないように侍従に持ち上げて貰い振り返ったらエリスに渡す。
渡した身をエリスは…丸ごと齧って食べた…
予行演習中そんなことしなかったじゃん…
「天より授かりし果実、確かにこの身に賜りました…」
と言った所で侍従に小声で頭を撫でるように言われたのでエリスの頭を撫で退場。
その後歓声が上がり、侍従はエリスの元に戻り、木に向かって祈り始めた…
なお滞在期間中は礼装を脱ぐのはお風呂の時だけ、エリスと侍従たちが守ってくれているけど一段の見る目が若干というかかなり怪しい…
7泊8日の間寝食を共にし、食事は少し質素に、花蜜と蜂蜜を合わせた物を水で薄めた物をメインに。
基本食事はとらなくていい種族なので食べる事にはそんなに慣れてないのを忘れていた…エリス達は普通に食べるもんなぁ…
そして8日目のお昼頃、祈りを終えた一団が帰る時がやってきたのだが…
「それでは最後に…1人1人の頭を撫でてあげてください…」
小声で指示が飛んでくる…
1人1人門を潜る前に頭を撫でると少し感動した様な、何かを我慢しているような、それでいて顔が赤いというよくわからない表情になる。
そんな表情のまま門を潜りまた1人また1人といなくなり、最後にエリスが門を通って行き忙しかったのかどうなのかよくわからない8日間の儀式が終わった…
「最後のアレはまあいわゆるあれです、別れを惜しんでいるという感じの表現です。
また何時か合いましょうって言う」
「あぁ…なるほどね…」
「実際にご主人様が里に来たのって私達が此処に来る前の1回だけですし、その時からずっとまた会うのを楽しみにしてた人もいると思いますよ?
特にエリス様の妹分とか…」
「楽しみも何も…初めて会った時君たち私達を始末しにかかったじゃない…
聞く耳も持たない様子で始末しに来てたよね?」
「記憶にございません」
「ご主人様の記憶違いかと」
「ですね」
「少なくとも私は濡れ衣」
何とも調子のいい…
「ただいま戻りました…ってどうしましたこの空気?」
「いやー、エリス達に初めて会った時は種族総出で始末しに来たよねーって」
「ああ、あの時ですか。
あの時は各種族から代表者を5人選出し、その身を差し出すように―
なんて言われていましたからそれはもう皆抵抗もしますよ」
「私そんなこと言った覚えない…」
「ご主人様は言っていませんね、企画原案メイド長、演出ミネルヴァ様ディアナ様、監督ユノー様、大道具小道具ケレス様クロノア様ウルカン様、実行犯ルシフ様」
「まてまてまて、なにそれ…」
「そして黒幕がヴェスティア様ですね…」
「えぇ…」
「ヴェスティア様がメイド長にもっとメイドを増やすべき、ご主人様に仕えさせるのに良い種族がいると吹き込んだようです」
「おお…もう…」
確かにあの頃のヴェスティアはちょっと過激だったけどさぁ…
「ですのでご主人様が足を踏み入れた時に即開戦、と言う流れですね。
ヴェスティア様が一族の物に変装し、少しずつ排他主義を植え付け、外から来るものは基本悪と…」
「はい、エリスちゃんちょっと向こうでお話しましょうねー」
横からヴェスティアの手が伸びてきてエリスの口を塞ぐ。
「んんーっ!んむーっ!」
「悪い子にはお仕置きが必要ですよね?」
ヴェスティアはみる者全てが蕩けそうなほどやさしい笑顔をエリスに向け、エリスは抵抗を止めた…
「ご主人様は今聞いた事を忘れてくださいね、エリスちゃんが言ってるのはでまかせですから」
「…はい」
「それじゃあエリスちゃんちょっと私のお部屋まで行こうねー、大丈夫、痛くしないから。
エキナセアにも良いお勉強になると思いますしね?」
そう言い残しヴェスティアはエリスを引きずって行った、侍従たちは木に向かって祈りを捧げていた…
翌日、エキナセアに子供のように抱きかかえられているエリスが各所で目撃される。
エリスはエキナセアに対して「ままぁー、ままぁー」と言っている。
エキナセアはそんなエリスに対して頭を撫でたり軽く揺らしながら子守歌を歌ったり、実に平和で美しい光景だった…
なお侍従たちはそんなエリスの姿を見ないように今日も木に祈りを捧げていた。
小声であんなのエリス様じゃない、きっと誰かが入れ替わってるんだ…と少し現実逃避をしていた。
成人として知識を持った状態で誕生してくる種族を幼児化させるエキナセアの成長が恐ろしい…
そしてヴェスティアは…
「お母様ぁ…お母様ぁ…褒めて褒めて―、私エキナセアを立派に育て上げたよー。
いっぱい、いーっぱい褒めて欲しいなぁー」
「はいはい、良く頑張って育てましたねー」
「お母様とお昼寝したいなー、後久しぶりにおっぱいも吸いたい…」
「うんうん…頑張った子にはご褒美は必要だからね、そこの木陰でお昼寝しようか」
「えへへ…お母様だーい好きぃ…」
ヴェスティアも幼児化していた…
ヴェスティアを抱っこし、母乳は出ないが授乳しつつ木陰に行き、ヴェスティアが眠るまで子守歌を歌いつつ頭を撫で続けた。
ヴェスティアが胸を吸ったまま眠った頃、エキナセアもエリスを抱っこして木陰まで移動してきて同じように授乳をしていた。
侍従たちは立ったまま気絶してた、幼児化したエリスと黒幕だったヴェスティアの様子を見て耐えきれなくなったのだろう…
エリスは翌日元に戻った、ただ黒幕と言うとビクっと反応し周りを警戒するようになった。
そしてヴェスティアは甘え方をエキナセアに教え一緒に甘えてきた。
今日は左右の胸両方で昨日までは出なかったはずの母乳を授乳中、朝食に一服盛られたらしい…
効果が何時切れるかはわからないが…少なくとも次から次へと溢れ出てくるのでどうしようもない…
リッカやカレン達も列に並び順番待ちをしている。
それにしても今日もいい天気だなぁと…エキナセアとヴェスティアに授乳しながらぽかぽか陽気を感じていた。
参考までに、エリスを抱っこしていたエキナセアは背丈が126、エリスが175である
ついでにヴェスティアが168の特に意識せず性別が変わった場合のご主人様♀は160あるかないか
…そして自称130の狐さんは実は116である、耳の長さを含めてギリ127、鯖読んでるってレベルじゃない
エキナセアは耳の長さを含めると131くらい
自分の背丈は耳有で測定して他の獣耳メイドは無しで測定する一部大きいけど小っちゃい子狐さん
でも禁句でもないので突っ込んだところで何もない
ただルシフだけは投げ飛ばされる、ルシフも普段背丈は弄って160位にしてるけど戻すとサファイアと同じで185くらいある、多分そのせい
ご主人様は色々ときつきつの体罰が待っている、でも大体狐さんの方が体罰中に先にへばって逆にお仕置きされる
 




