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農場組のなんやかんや 大抵何か齧ってる

アンチョビなんて洒落たものがない時はイカの塩辛で代用すれば割と行ける

玉ねぎの山盛りサラダはスライサーで薄く切って水にさらして辛味を抜けば美味しく頂ける

後短め

 今日は冷蔵ボックスのお掃除、普段は出来るだけ使い切るようにしているので早々余りは出ないのだが。

 奥の方からちょっとばかし古いエビやイカ、貝柱の切り身が出てくる。

 匂いは…問題なし、量もそれほどないのでちょっと何かに使えばすぐ使い切れる程度…

 んー…乾物にするときに使わないワタを塩漬けにしてたの収納の中に確かあったような…

 とりあえず冷蔵庫から余ってた海老などの切り身を全て引っ張り出し空っぽに、そして手早く清掃。

 清掃が終わったら壊れてるヵ所が無いか確認、冷気の漏れも無く、また冷気を生み出している宝石の交換の必要も無し。

 冷蔵ボックスのお掃除と確認が終わったので今度は収納を漁る。

 漁り始めてすぐお目当てのイカのワタを塩漬けにした物を発見、残っている切り身の量に比べるとワタ1本がかなり多いのでワタが余る。

 この消費のためにイカを捕ってくるというのもまた本末転倒…となれば…

 まずはイカを食べやすい大きさに切る、塩漬けしたワタを綺麗に漉し切り身と混ぜる。

 エビと貝柱も食べやすい大きさに切り、一旦仕舞う。

 次に生パスタを用意、この際種類は気にしない、気にしないが一応無難にスパゲッティとタリアッテレの2種。

 パスタはでき次第茹で、茹で上がったら収納し、取り出してすぐ調理できるようにしておく。

 準備が終われば愛用のコンロに小鍋とフライパンを持ち、炭などがちゃんとあるかを確認、無ければ途中で寄り道。

 炭もちゃんとあったので農場へ移動、後は現地調達。


 農場に着くとケレスやクロノア、テラにノクスとルシアとルシエが農作業に勤しんでいる姿が見える。

 邪魔をしない様の上の片隅へ行き、コンロに炭を入れ網をかぶせ、フライパンも乗せて置く。

 火はまだ点けずに材料調達、まずはニンニク、次にネギ、じゃが芋、パセリ、他多数。

 収穫したら水で土を洗い落とし、ニンニクとパセリはみじん切り、ネギは輪切り、じゃが芋は角切り。

 野菜の準備ができたら炭に火を点け、フライパンにたっぷりのオリーブオイルを入れ熱する。

 オリーブオイルが温まればニンニクを少量、ネギを敷き詰め、程よく火が通ったらイカの塩辛を投入。

 後はイカに火が通ればネギとイカの塩辛アヒージョ風の出来上がり。

 匂いに釣られ作業中だったケレス達が集まってくる、人数を数え小皿を準備。

 それほど大きなフライパンでもないのでネギやイカはあっという間になくなり、オリーブオイルだけが少量残っている状態、ここまでは予想通り。

 小鍋も網の上に置きオリーブオイルをたっぷり、まだオリーブオイルが少々残っているフライパンにはニンニクを投入。

 小鍋に入れたオイルが温まる前に、フライパンに入れたニンニクがいい匂いをさせてくる、ここであらかじめ茹でて置いたパスタを投入、イカの塩辛も入れイカに火が通るまで炒める。

 イカに火が通れば最後に刻んだパセリを散らせばイカの塩辛パスタの出来上がり。

 こちらも出来上がり次第すぐに品切れ、小鍋に入れたオイルが温まっているのでいくらかフライパンに移し、小鍋には角切りのじゃが芋、フライパンにはエビと貝柱の切り身を。

 じゃが芋を煮ている間に切り身を炒め、タケノコ、キクラゲも投入しさらに炒める。

 じゃが芋が煮えたら余っている塩漬けしたワタで味付け、炒めたエビや貝柱等も同じように。

 最後に茹でたフェットチーネを並べておしまい。

 フェットチーネは小鍋に入れてオイルを絡ませるか、炒めた切り身などと絡ませて食べるかはお好み。

 ただ基本的な味付けは全てワタの塩漬けによるものなので飽きが来ないか心配だが、心配とは裏腹に農場組は全て平らげていった。


 農場から引き上げ、使った物の片づけ。

 ワタは少々残ってしまったが、また今度イカを取った時にいくらか塩辛にしておこう。

 片づけも終わり、お茶を飲みつつ休憩していた所、農場組が野菜や肉などを運び込み、掃除したばかりのボックスの中に次々に詰め込んでいく。

 ボックスに詰めおわると農場組は調理場から食堂へ移動し、各自乾物を片手にお茶、またはアルコールを飲んでいる。

 テラやノクス、ルシアとルシエは乾物に拘りがあるのか大体同じ物ばかり食べる。

 ケレスとクロノアは野菜なら何でもいいと言わんばかりに何でも齧る、キュウリやトマトならまだしも、ダイコンやニンジン、ゴボウにショウガすら生で齧るからなぁ…

 今はダイコンのスティックを齧っている。

 ダイコンやニンジンを齧るのはケレスやクロノア意外にもいるが、ゴボウとショウガは少数派。

 現在はそのまま1本丸ごと齧って食べれるワサビを開発ているらしい、ツンと来る辛味は程々に、刻んでドレッシングに混ぜたり、カルパッチョに―

 と幅が広がりそうな物をとの事だが、丸々1本齧って食べるのが前提なのはどうなんだろうね…

 そのうち野菜スティックにワサビが入る日も来るのだろうか…ツンと来る辛味が程々なら甘みが有って美味しいのは確か。

 そんなワサビができたらいろいろ試して見たい所だなぁ…

 お茶を飲みつつ調理場からケレス達を眺めていると野菜の追加オーダー。

 玉ねぎサラダ山盛り、鰹節と味付けポン酢でどうぞ。


 その後農場組は昼食も食べ、お茶の時間までお昼寝。

 お茶菓子を楽しんだ後は農場に戻り午後の水やりを済ませたらお仕事終了。

 ケレス達が農場から戻ってくるあたりで大体夕食の時間か少し早い位。

 今日は牛肉が大量に詰め込まれていたのでローストビーフに牛のタタキ、すき焼き、炭火焼のステーキと牛肉尽くし。

 野菜は添え物程度、とはいえ肉に比べたら添え物程度に見えるだけで量と種類は多い。

 エキナセアにローストビーフを任せ、ダイヤと共に各テーブルにすき焼き用の鍋とコンロを設置、割り下は入れてないのでただ肉を焼いて食べるだけでも良し、なので焼き肉用の肉も準備してある。

 ローストビーフが焼きあがり、中は桃色で程よい日の通り具合、牛タタキは表面だけを一気に焼き色を付け中は生。

 ローストビーフを切り終えた頃、食堂にメイド達が集まり始め、各自用意された肉に群がる。

 ほぼ全てのメイドが肉9野菜1の割合に対し、農場組は野菜8肉2と言った所。

 テラとノクスも今や農場組に染まり野菜7肉3位にはなっている、魚介を出すと魚介10他0は変わらないけど、そこは譲れないらしい。


 夕食後はお風呂、お風呂から上がれば遊戯室へ、ただ消灯よりは早く寝る。

 そしてまた翌日他のメイド達がまだ寝ている時間から起きだし農場へと向かう。

 例外もあるが農場組は朝早くからお仕事をしているのである。


「どうしましたご主人様。

何やらメモを取っているようですが」

「んー、いや、ダイヤとかサファイアとか屋敷の仕事をまだ全部分かってはいないみたいだから」

「なるほど、ただ食べてばかりの所が書かれているような気がしますが?」

「大体あってるんじゃない…?」

「失礼な、食べてばかりじゃなくちゃんとお世話とかしてますよ」

 ケレスはそう言いながらも取れたての大根を齧っている。

 あっていると思うけどなぁ…

「それに誰だってご主人様が料理してればそこに寄って行きますよ」

「そこは否定できない」

 以前余り物をすべて使い切るために色々仕込んで毎日屋敷の何処かで料理した時はメイド達が並んでたもんなぁ…

「ですので、食べてばかりではない事を教える様に」

「善処します」

 でもダイコン齧りながら言われてもやっぱり説得力が…ねぇ…?

 少し不満げなケレスに検閲されつつ修正作業をしていった。


 後日農場組の仕事内容を纏めた教材を作り授業内容に体験学習も入れた所。

 事前連絡なしで農場に突撃したのでキュウリやニンジンを齧っている所を目撃され、基本的に皆何かを齧りながら働いている人、と認識されることになった。

 ケレスが齧りながら働いてるのは私達だけじゃありません!と力説していたが…

 他のメイドは休憩中に齧っているのであって、農場組の様に働きながら齧っているわけではないので説得力は無かった…

今更

収納は大抵のものは仕舞い込める、収納した物は時間の経過が止まったり、時間の経過をちょっと早くしたりとかできる

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