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お散歩日和ハード 鞭の後は飴、飴の後は?

 今日は朝からお弁当を作り狐さんとメイド2人を伴いお散歩。

 空は雲一つない快晴、日差しは強いがお散歩をするのにはとてもいい天気だ。

 ただ周囲には何もないのでぶらぶらと歩くだけと言うのが寂しい所。

 暫く歩き続けお日様も高くなってきた頃にお弁当を食べる。

 風が吹いて台無しになってはいけないのでテントを出し、皆で中に入って食べる。

 私と狐さんは何ともないがメイド2人はテントに入った途端倒れ込む。

 そんなメイドを介抱するわけでもなくそのままにして置いてお弁当を取出し広げる。

 お茶も取出し並べ終わった所で倒れていたメイドが起き上がり昼食開始。

 久々の食べ物だと言わんばかりにがっつき、お茶も身体を冷却するように飲んでいた。

 現在主犯であるメイド2人は身体能力等を抑制する首輪を付けて砂漠でお散歩をしていた。


「メイド長、せめて携帯型温度調節器の所持の許可を…」

「能力も封印されて耐熱装備も無く何時ものメイド服で砂漠横断とか…死ねる…」

「駄目です」

「それに、ここ暫く飲まず食わずで働いてたから体重も落ちたし…」

「うんうん、胸もちょっと萎んだ、これは元に戻るまで休養と食事を取るべき」

「嘘をついても駄目です、肌の張りも胸の大きさも体重も何も変わっていません。

少しでも早く解放されたいのであればこの砂漠のお散歩を終わらせる事ですね。

疲れてその場に倒れようが、砂に飲まれて動けなくなろうが、死ぬことは無いのでいつかは終わるでしょう」

「動けなくなった時点でもうお散歩も何もできないのでは…」

「行動不能な状態でお散歩も何もないよね…」

「何のために2人一緒に連れて来たと持っているのですか?

1人が倒れたらもう一人が担げば、砂に飲まれればもう1人が助ければ解決ですね?

まさか仲間を置いて1人だけ先に行く、なんて事はありませんよね?」

「うぐっ…」

「もし置き去りにした場合は…?」

「お散歩が永遠に終わらないだけですね。

ああ、2人が完全に力尽きたり飲まれた場合は救助するのでご心配なく。

休憩も好きなだけ取って下さっても構いませんが、お散歩を再開したらテントは撤去しますのでそこはお忘れなく。

長居すればするだけ外に出た時の熱さは来るものがあるでしょうね」

「メイド長のおにー!あくまー!」

「鬼でも悪魔でもありません、それにこれは貴方達のやったことです。

少しは反省をしてください」

 現在朝からお散歩をしている砂漠は通貨の流通・製造管理を担当しているメイド2人…

 大陸の一部とはいえ、国の一つを海に沈め、生物は全滅、植物も塩にやられ、建物も倒壊。

 浮上させた後いちいち撤去するのもめんどいと全て砂に変えてしまった、結果国一つ丸々砂漠になった。

「だからって何で砂漠をお散歩なんですかメイド長…」

「そこはただの思い付きです、ただ、今現在どんな環境になっているかを体験してもらおうかと。

それに良いのですか、ここで話をし続けている限りお散歩は終わりませんよ?」

「ぐぅ…」

「外出たくない…」

「まあ外に出なくてもお弁当を食べ終わったのでテントは撤去しますが」

 お弁当を食べ終わったのでテントは収納、再びお散歩が始まった。

 なおどこで終了するかは狐さんの気分次第、明確な目的地などは無かった。


 それからもお散歩は続いた、照りつける太陽の中、日差しを遮る物も無く、砂に足を取られながらも一歩一歩前へ。

 途中1人倒れたがもう1人が担いでそれでもなお進む、幸い砂に飲まれることも無く歩を進める事は出来た。

 日も沈みかけたころ2人とも力尽き倒れたので回収し、テントの中に寝かせる。

 お散歩が終わるまでは砂漠に滞在するので屋敷の食事はヴェスティアとエキナセアにお任せ、リッカの食事もヴェスティアが居るので問題なし。

 こっちはこっちで夕食の準備、簡易な物しか作れないがまあいいだろう。

 後は倒れた2人が目を覚ますのを待つだけ、極度の疲労による気絶だからまあそう直には目を覚まさないだろう。

 今の内に狐さんを手招きして尻尾を手入れする、砂が塩を含んだままだから付着したままだとべたつくからなぁ…

 手入れが終わるころに2人が目を覚ましたので夕食を取る、夜も歩くかこのまま寝るかはお任せ。

 2人は寝る事を選択したので、服を脱がせ、細かい所に入り込んでいる砂を落とす、その後倒れた時に髪に絡まった砂などを落とし手入れをする。

 それが終われば即就寝、かなり疲れているので布団に潜り込むなりすぐ寝息を立てはじめた。

 2人の寝顔を見ながら狐さんとお茶を飲み、今後の事の相談。

 早ければ明日のお昼にはお散歩は終了するだろう、反省しなければまだ続くが…

 お茶を飲んだ後は眠りにつくまで狐さんの頭を撫でたり尻尾をもふり続けた。


「朝食を済ませたらすぐに再開しますよ。

何所に向かって歩いていくかはお任せします。」

 朝食が終われば即出発、目的地は無いので方角は適当。

 起きてきた2人は疲労は抜けきっていないがそれでも歩くしかない。

 食べ終わった後に少し休憩をはさみ出発。

「それでは参りましょうか、今日中にお散歩が終わればいいですね?」

 狐さんの肌はツヤツヤとしており機嫌は大変よろしい、ボロボロになっている二人とは大違いである。

 お散歩を始めて早々1人が倒れる、まだ大丈夫なもう1人が担いで歩きはじめるがお昼を待たずして力尽きたので回収しテントに寝かせる。

 うわ言でもうしません、許してください、と言っていたのでお散歩終了。

 2人を担いで屋敷に戻り、少し色の怪しい栄養ドリンクを飲ませる、効き目は確かなのでもう少しすれば目は覚ますだろう。

 その間にこっちは目を覚ました時の準備をしておく。


 2人が目を覚ましたらお風呂に連れて行き汚れを落とす。

 新しく付着した砂も綺麗に洗い落とし、少し輝きを失っていた髪や肌を磨き上げる。

 お風呂から上がり、乾かして髪型を整えれば狐さんによる鉄拳制裁前と同じように肌もツヤツヤ、髪もサラサラで日を反射している。

 お手入れが終わった後は暫くまともにとっていなかった食事を満足いくまで。

 食事が終われば最後に狐さんの部屋に連れて行く。

 その後どうなるかは2人次第、まあ大丈夫だろう、うわ言では反省してたし。


「それで、2人とも今回のお散歩はどうでしたか?」

「もう二度とやりたくないです」

「次からは沈めなくて済むよう努力しますのでどうかお許しを…」

「ぜひそうしてくださいね、砂漠化したところは戻した後隔離しておきますので。

人を住まわせるか立ち入れないままにするかはお任せします。

それと、言う事をきかないなら直接乗り込んで殴り飛ばした方が早いですよ、以前も言ったとは思いますが」

「次からはそうします、はい…」

「反省しています、はい…」

「では2人が今後取るべき方針は?」

「まずは神託を飛ばしていう事を聞かなかった国に乗り込んで偽造している奴らを殴り飛ばす」

「その次は?」

「偽造された物を全て使えなくする、今後偽造できないようにする」

「よろしい、まだありますが今はそれで十分でしょう。

では来月より行動を開始してください、今から1ヶ月ほど休みを与えます」

「よろしいのですかメイド長?」

「ええ、もちろん。

最低でも1ヶ月は休みが必要になると思いますので。

ではメルクリウス、マーキュリー、お疲れさまでした、これから暫しの間存分にお休みになって下さい」

「わかりました」

「それでは失礼いたしますメイド長」


「1ヶ月休みかー、休みの間何をする?」

「とりあえずお食事とか惰眠を貪りたい、ここ2ヵ月くらい不眠不休のほぼ食事抜きだったし…」

「だねぇ…来月からちょっと忙しくなりそうだけど…」

 何やら相談しつつ2人が狐さんの部屋から出てきたので2人を呼び止め部屋に連れて行く。

「何々ご主人様?」

「まだ何か他にやる事あった?」

 部屋に入ると扉が閉まり外から鍵が閉まる。

 2人が驚いたような顔をするがもう遅い、先回りしていた狐さんに捕まりベッドに投げ込まれる。

「メイド長…これは…?」

「お散歩終了のご褒美ですね、受け取りの拒否はできませんのでちゃんと受け取るように」

「まだ首輪を外してもらっていないのですが…?」

「はい、その状態で可愛がってもらってくださいね、暫く腰が抜けて立ち上がれなくなるとは思いますが」

 そう言っている間にも狐さんは2人の服を引っぺがし、抵抗できない様に拘束、うつ伏せに寝かせる。

「ではご主人様どうぞ、今までたまった疲れを取るためのマッサージに、少し荒れている尻尾のお手入れを存分になさってあげてください」

 2人が狐さんに拘束され動けなくなった所で疲労を抜くためのマッサージを開始、悶えているが構わず続ける。

 暫く続けていると息が荒くなり、声を上げた後尻尾がピンと立ち、脱力と同時に尻尾がへたり込む。

 完全に脱力した所で荒れた尻尾の毛をお手入れ、付け根からじっくりと、櫛を入れゆっくりと梳いていき、櫛がスーッと引っかからず通るようになるまで繰り返す。

 汚れなどはお風呂で落とし終わっているので後は香油を使い保水していく。

 終わるころには2人の顔は蕩けに蕩けきっており、シーツも濡れていた。

 下着を脱がせ汗などを綺麗に拭き取り、シーツなども綺麗な物に交換。

 着替えさせたらベッドに再び寝かせ、2人が寝るまで頭を撫でてやる。

 寝静まる頃には狐さんは退室していた、扉の鍵も開いているので部屋を出て夕食の準備。

 2人は来月から忙しくなるので充電期間として1ヶ月ほどは私の部屋で寝泊まり。

 そうでなくてもマッサージと手入れにより最低でも1週間は腰が抜けたままになっているだろうけど…

 他のメイドの埋め合わせもしないとなーと、考えながら静かに部屋を退室し、夕食を作りに行った。


 その後は部屋に立ち入れなくなったメイド達に部屋に連れ込まれたり、ケーキなどの食い倒れを要求されたりと、何だかんだで普段と変わりは無く。

 私の寝室で寝泊まりしているメルクリウスとマーキュリーも立ち上がれるようにはなったが、ベッドから出る気はないようだ。

 食事の時も寝る時も甘えてくるので満足してくれるまで存分に甘やかす。

 まだ2人のお休みは2週間ほど残っている、その間は2人の要求も出来るだけ受け入れる。

 要求してくる内容がどんどん過激な物になってくるが仕方あるまい…

 メルクリウスとマーキュリーの二人は1ヶ月ほど休暇を満喫した。


 休暇が終わった後2人は忙しなく働き西の大陸は正常に戻っていっている。

 何人か消えた者もいるが…まあ警告を無視し続けた結果だ、消えた所で誰も困らない。

 2人はその後も休暇を返上し働き詰め、2人が休む頃には偽造通貨が完全に消え、国交も正常な物になっていた。

 沈んだ国が有った土地も今は港町として再開発中、時間はかかるが何れは元に戻るだろう。

 メルクリウスとマーキュリーはやり切ったという表情で眠りについていた。


 2人が起きて後は部屋に連れて行きベッドに寝かせ、ご褒美にまた荒れた尻尾や髪の手入れ。

 色々とおねだりもしてくるので甘やかす。

 最初に取った手段は問題だった物の、その後はこれと言った問題も無く、現在は刻印を増やし、デザインも一新した通貨を作っているとの事。

 でき次第順次交換、今度のは偽造してもその場で塵となって消える罠を仕込んでいるらしい。

 そんな話を聞きつつ2人の頭を撫で、尻尾を梳き、可愛がって上げた。

 その後2人が首を甘噛みしたり、体をくっつけてきたりしたので早めにお休み。

 明け方近くまで続いたがメルクリウスもマーキュリーも満足な顔で眠りについていた。


 新しい硬貨のデザインはなかなか決まらず、あーでもないこーでもない、モデルは誰にするだのと。

 一部親馬鹿を発動した者が私の娘を、いや私の娘をだのと言い争い、最終的には各国を巻き込んで投票に。

 結果、白金貨にはフローレンス、金貨にはテレサの顔が、銀貨にはスズランを銅貨にはシーマニアが刻印されることとなった。

 親馬鹿を発揮した4人は娘に謝っていたが娘達はデザインにならなくてほっと一息、ヴェスティアとエキナセアは最初から不参加、2人で老夫婦と成長した弟のための饅頭を作っていた。

 硬貨に刻印されることとなった二人は少々おめかし、表がウィンプル有り、裏が無し、細部まで拘り刻み込まれ、硬貨に汚れや傷がつかないように付与を施し完成。

 最後に同じ金属を取出し偽造できるかを確認、偽造しようとすると警告音が発生、無視して作ると作った物が消え、担当部署まで偽造している場所の情報が即座に送られてくる。

 後はこれを現在流通している通貨と同じ枚数より多く揃え、交換していくだけ。

 どの国に何枚流通しているかは常に記録が取られているので時間はかかるが交換作業は問題なく進むであろう。

 結果脱税していたりするところが何件かばれるだろうが…まあそこは管轄外なので国にお任せ。

 担当部署はあくまで流通させた枚数と同じか偽物じゃないかを確認してるだけなので…


 新しい通貨への交換が始まってからは混乱などは多少あった物の、時間をかけて入れ替え完了。

 メルクリウスとマーキュリーはやればできる子ではあるんだが…なぜあんなに酷くなるまで放っておいたのか聞いたところ。

「もういちいち確認するのめんどいし、機を見て纏めて大陸ごと沈めちゃえば一気に解消できていいかなと」

「偽造する人もした物も全て沈めてしまえば解決!」

 と言った後、狐さんにどこかへと連れ去られていった。

 大体5日立った頃に真っ白に燃え尽きて帰ってきた、今度は休暇も無く直ぐ職場に缶詰にされた。

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