何となくやってみたくなる時 何もない平和な日々
たまに出来そうでできない事をやってみたくなる時がある
今日は久々にお菓子作りで調理場の一角を占領。
上手く出来るかどうかは分からないけど、やってみたくなる時はある。
まあ失敗したらその時はその時だ…
まずはプリンを作る、が…出来るだけ硬く、ある程度薄く、バットに入れて長方形に。
取り出す時にひっくり返すと間違いなく砕けるのでウルカンに枠を取り外せるバットを作って貰った。
枠にくっついてるプリンを丁寧に切り離し、枠を外して下についてる部分は糸を使い切り離す。
切り離したら生クリームを塗り、ロールケーキのように巻く。
綺麗に巻けたら切り分けで後はカットしたイチゴやキウイなと果物を添えて出来上がり。
無駄に手間がかかる上に難易度の高い物を作れた時の達成感…余韻に浸っている間に昼食の仕込みをしていたヴリトラとハクが近寄ってきて出来上がったばかりの物を食べていく。
正気に戻るころには一切れしか残っていなかった…いいんだけどね…
残った一切れを食べつつ、今後作るかどうかを考え、もう作らないという方向で決定。
生クリームをプリンで巻いてロールケーキのようにして果物を添えて見た目も良くしてるのはいいんだが…
これなら普通のプリンに生クリームと果物を添えてアラモードにすればいい、そちらの方が添え物も多く付けれるし見た目も良くなる。
今回の為だけに作って貰ったバットは…どうしようかな…液体を入れても漏れる事は無く綺麗に枠が外せるのは便利だし…また何かに使うか。
とりあえずまだロールプリンを食べてるヴリトラとハクに感想を聞くとこれはこれで有り、ホイップクリームを多く食べるならこっち、プリンを多く食べるならアラモードと言った答え。
ただホイップクリームの量を増やせば済むだけなのでまあ…やはり今後作る事は無いか。
2人の頬についてるクリームを指ですくって舐めとった後はお片付け。
次は何を作ってみようかなぁ…
海に行って干し網の確認、程よい感じに一夜干しが出来ているので回収。
乾物になるまで干す物はそのまま、スルメに鮭とば、干し貝柱など出汁にも摘みにも使える物を。
鰹節は一度茹でで骨を抜いて燻して干して、天日干しして表面を削る、後はカビを付けて発酵。
とまあ地味に手間がかかる、手間はかかるがやりたくなったらついやってしまう物。
立派に育った3メートルくらいの鰹、これをおろしてちょうどいい大きさにした後に鰹節にするのだが、今回は切り分けない。
大きすぎる分途中で痛む可能性があるので時短で諸々素っ飛ばす、後はカビ付けして発酵も少々時短。
そしてできましたるは2メーター強の鰹節、振り回せば間違いなく当たった人は昏倒する、もしくは死ぬ。
ルシフにそんな凶器作ってどうするの?って言われた。
どうしようねこれ?作りたくなったから作ったけど使い道ないね。
しかも4本ある、1匹丸々使ったからね…
乾物コーナーにでも並べておくか、多分猫人族メイド達が持って行くだろう。
他にも鮭とば、干し貝柱、干し鮑など切り分けずほぼそのままで作る。
長さ5メーターの鮭とば、直径2メーターのホタテの干し貝柱、同サイズの干し鮑。
大きいって何か浪漫を感じるよね…これも乾物コーナーに並べてみよう。
なお持って行くメイドは誰一人としていなかった、大きすぎるとの事、ごもっともで…
鮭とばを適度な長さと幅にカット、皮のない部分もできるが大体直系1センチくらいの長さ30でそろえる、齧って食べるならこんな物だろう。
干し貝柱も切り分けで並べる、大きい分繊維が太いので一本一本ばらした後に切り分け、一口サイズから鮭とばの様にスティック状の物まで。
鮑は…そのまま調理してみようかな…でも鍋だけでも7メーター近くはいるよなあ…
悩むまでもなく切り分け、戻すのにも時間が掛かれば火が通るのにも味が入るのにも時間が…ね…
適度な大きさにした後は水に漬け戻しておく、明日の夕食は鮑…かな?
ついでに干し貝柱も戻しておいて貝柱入りの焼売も良いだろう。
鮭とばとスティック状にした干し貝柱を乾物コーナーに、後は水に漬けて終了。
鰹節も鮭とばと同じくスティック状にして並べて置いた。
スティック状にした物は猫人族が大体持って行き、休憩中齧っているのをよく見かける。
何となく大きい物を作りたくなって作った結果魚介の乾物があふれてちょっとバランスが悪い感じに。
干し肉とか干し野菜も増やそうかな…
バランスを取る為干し肉を作る。
何もなし、塩だけ、塩と香草、燻製した物と種類を作る。
保存やらを色々考えると塩は必須なのだが、熱風を当て続けて水分を完全に飛ばすという方法もある。
何もつけない物は熱風で、塩漬けなどは干し網で自然乾燥。
出来上がった物は虎人族などが猫人族の様に休憩中に齧る、アルコールを嗜むメイド達にも人気。
でも嗜むメイド達は魚介の乾物も持って行くのでどちらか一方がごっそり減る時もある。
その辺は減り具合を見つつ追加されているので無くなることは無いので気にしなくても良いだろう。
バランスが悪いから追加で作って盛り上げただけだしね…
野菜は農場組にがんばって貰おう。
乾燥コンブ、鰹節、干し貝柱、身を綺麗に取り外し焼いた魚の骨などで出汁を取る。
出涸らしになるまで出汁を取ったら骨は捨てる、他はまだ使えるので甘露煮にしたり醤油と混ぜおにぎりの具材にしたりする。
できた出汁の味を確かめるが…纏まりが無くて今一つ、野菜を追加投入し野菜の甘みを足す。
後は調味料で味を調えて再び味を見る。
うん、ラーメンのスープだこれ…
量的には大体4.5人分、現在調理場にいるのはヴェスティア、エキナセア、ハクを入れて4人、ヴリトラは農場に行ってるけどそろそろ戻ってくるから…大体人数分か。
手早く麺の生地を打ち少し寝かせる、その間に具材の用意。
出汁を取った昆布を細切りにして魚醤で炒める、貝柱も醤油を塗り、海老も取出し同様に炭火で焼く。
ネギを刻み、具材の用意ができたら麺を伸ばし、細麺にして茹でる。
後は丼にスープ、麺を入れ麺にスープを絡ませたら用意した具材を乗せる。
出来上がるころにはヴリトラも戻ってきたので5人で頂く。
味が行方不明になりかけた出汁はラーメンと言う形に収まり、無駄にならずに済んだ。
しかしヴリトラと言いハクと言い…美人なのにラーメンを啜ってる姿が似合うのは何で何だろうね?
おかわりを要求されても有りません。
何となくロールプリンや大きな乾物を作った翌日、まだ何かをしてみたいという気分は収まらない。
以前回収してそのままにしておいたミネルヴァ達の像を取り出す。
覆っているクリスタルを取り除き、纏っている衣装を普段のメイド服に作り替える。
宝石なので透き通ったり光沢も有るので調整、足や腕は透けて見えるけどそれ以外は透けて見えない様に。
調整が終わったクリスタルで再び覆い屋敷に飾る。
本人から苦情が出たら撤去で良いだろう、自信作なので収納の奥で眠らせておくのも勿体無い。
ニールとティアの龍の像は…今も温泉街の食堂で空調としたの役割を果たしているので弄らなくていいだろう。
まだ弄り足りないので宝石を取り出して捏ねる、ヴリトラとハク、コウを象り、服装は以前見たチャイナドレスに、出来上がった後は龍の姿を出来上がった像に纏わせクリスタルで覆う。
うん、いい出来だ。
ミネルヴァ達の像と同じくただの宝石なのでこれと言った機能は無いので部屋に飾る。
他にもニールとティアの分も新しく作り、他の龍人族メイド達の分も作ってしまう。
等身大に加え龍の姿を纏わせてあるので少し大きい、部屋を埋め尽くしてしまった…
仕方がないので収納、ボードゲームが置いてある大部屋に飾る。
部屋のいたるところにチャイナドレスを着て龍を纏ったメイドの像が設置されているが広い部屋なのでまだ余裕がある。
本人達には許可を得ていないが…まあ大丈夫だろう。
宝石を弄った後は夕食の準備。
昨日戻しておいた鮑を煮込み、取ってきて置いた活鮑を刺身に、貝柱を砕きひき肉と合わせ焼売に。
アサリやハマグリの酒蒸し、炊き込み、みそ汁、吸い物など、今日は貝尽し。
他にも牡蠣を生、醤油やバター醤油、ニンニクと唐辛子で焼いたものなどもどんどん追加。
出したら出しただけ無くなるのでヴェスティアもエキナセアも休まる暇がない。
夕食開始から2時間ほど追加に追加を続け、出した物がほぼ無くなった所でメイド達の夕食が終了。
煮込みは2人分に刺身も同程度、焼売と酒蒸しが無くて炊き込みと汁物が人数分、焼き物も無し。
量は減るが煮込みと刺身を半分にして4人で分ける、ただそれだと足りないので追加で1品作る。
余っているのは…生牡蠣とアサリ、机の中央に七輪を置いて各自醤油を挿し焼いて食べる。
小ぶりな物を選んでも牡蠣もアサリもかなり大きいので4人で分けて食べる。
食事が終われば調理場を掃除して終了。
夕食が終わればお風呂、まだ入浴しているメイドや入るのを見計らってから一緒に入浴をしてくるメイドもいる。
手が何か落ち着かないので髪を洗おうとしているメイドに目をつけ洗う事にする。
エリスがどうぞと言わんばかりに髪をおろしているのでエリスの髪を洗う。
終われば髪を纏めお湯に浸からない様に、タニアが次は私と待っていたのでタニアも同様に。
テラとノクスの長い髪も良いが…ルシアとルシエが洗っているのでお任せ。
一足先にお風呂から上がり脱衣所で待機、上がってきたメイドの髪を乾かし、寝る前ではあるが少しいじる。
いつもは真っ直ぐ下しているか毛先付近で一本結びにしているエリスをツインテールに、タニアは下してるだけの髪を一本結びに。
少しだけ違う感じにして雰囲気を変えてみる。
皆の髪を弄った後は広間に行きお茶を飲んで過ごす。
ボードゲームの部屋から声が上がるがこれと言って何も起こらない。
ニールやティア達を少し羨ましそうに見るメイドが何人かいる程度。
ニールやティア達は嬉しそうにしているので問題は無かったようだ。
その後もお茶を飲みつつぼーっと出入りするメイド達を眺める。
お茶のおかわりを入れようとしたところで一人のメイドが何かのチケットの様なものを持ってくる。
【好きな彫像を1体作って貰える券】
…なるほど、狐さんがいつの間にか景品に追加していたようだ。
今すぐ作るわけにはいかないので今は受け取らずに後日注文を受けると伝える。
自身の彫像を注文してくるかはたまた別のメイドか…好きなと書いてある以上どんな注文でも作らねばならない。
注文してくるメイドの良心に期待しよう、…多分無理だな。
チケットは1枚限りだったらしくその後はメイドが来ることは無かった。
今日はリッカもタニアもゲームには不参加、エリスも広間で一緒にお茶を飲んでいた。
後日受けた注文は子狐ロリバージョン、ただきわどい物ではなくメイド服を着た物、透ける処理も無し。
等身大でも無く1/5スケール、覆っているクリスタルを合わせてもそこまで大きいものではない。
受け取ったメイドは嬉しそうに部屋に飾っていた。
ここ暫くは何もなく、休暇中のメイドに拉致されることも無く。
娘達の授業風景を眺めつつお茶を飲み、狐さんと稲荷をつついたり。
夕食に何を作るか悩んでヴェスティア達と少し話したり。
1ヶ月近く部屋に籠って出てこないルシフの部屋に乗り込みを大上段から振り下ろして叩き起こしたり。
そんな何もない平和な日々を過ごしていた。
なお一部とはいえ大陸を沈めた通貨の製造、流通量管理担当者達は休みも無く睡眠時間も取る事なく働いてた。
 




