ちょっと贅沢をしよう 溢れ出る親馬鹿
万能出汁に貝類や海老を漬けるのは仕出しや料亭、スーパーですらやっている事、分量による味付け等の違いはあるけど
野菜が食べたい、それも生じゃなくガッツリ茹でたり焼いたりした物。
「よし、久々に農場に行くか」
思い立ったが吉日、調理場で余っている肉と魚介を幾つか回収、野菜だけだとバランスが悪いのといつもの如く何人かが参加するので量を増やすという意味もある。
現地で野菜に合わせて切るので肉も魚介も塊のままで大丈夫、下味もいらない。
飲み物は…水でいいか、アルコールは飲みたい人が勝手に持ってくるだろう…
農場に付いたら早速物色、白菜、キャベツ、青ネギ、椎茸、エノキ、他多数…
まずは白菜の外葉を剥がし、葉と軸の部分を切り分ける、キクラゲとタケノコと人参を刻み、海老やイカを適度な大きさに、鍋に油を入れ熱し、油通ししてから取出す、その後炒める。
炒めている間にウズラの卵を茹でて置き、調味料を入れるタイミングで投入。
後は片栗粉でとろみを付け、暫く火にかけ粉っぽさを飛ばして一品完成。
次にキャベツの芯をくり抜き大雑把に十字に切り四分の一に、そのまま鍋に入れしっかり茹でる、軸の部分に完全に火が通る前に椎茸やエノキ、豚肉を投入、量はお好みで。
青ネギを大量に刻み山盛りに、キャベツを食べる時に味付けポン酢にネギを好きなだけ入れて一緒に食べる。
外葉を剥いた残りの白菜の芯をくり抜いて輪切りにする、間にスライスした豚肉を挟み、鍋に詰め込む、詰め終わったら後は火にかけ火が通るのを待つ。
キャベツと白菜に火が通るのを待つ間に最初に作った物を摘まむ、本来であれば丼用の餡ではあるが、単品でも美味しい物は美味しい。
鍋を二つ火にかけている間にちまちま摘まんでいると何人かが野菜やアルコールを持参して近づいてくる。
ケレスとクロノアは以前作ったネギのアヒージョ、ミネルヴァがインゲンとベーコンの炒め物、ディアナが大葉を使った海老やイカ団子の包み焼き、テラとノクスが大根のつまと刺身。
要望された物を作り並べていく、そうこうしている内に白菜とキャベツが煮えたのでお碗にネギと味付けポン酢、後お好みで七味を入れつつきはじめる。
ディアナはまだ火に通してないエビやイカ団子を鍋に放り込み、火が通った後大葉に包み味付けポン酢に漬けて食べていた、それも美味しそうだね、私も食べよっと。
テラとノクスも刺身でしゃぶしゃぶをしていた。
食べ終わった後は取ってきて置いた果物でミックスか単品のジュース。
少しずつ飲み、食休み。
休憩後道具を収納し、捕ってきた野菜の畑を耕し種を植えて水を撒く。
果物は水やりだけで大丈夫、茸類は…ほっとけば増える…と言うか採った端からにょきにょき生えてくる。
水撒きを終えたら農場全体のお手伝い、参加者はもれなく全員雑草を抜くお仕事。
農場の土は栄養が豊富なだけあって雑草も良く生える、生えなくすることも出来るが生えてこないとなぜか野菜の味が今一になる、謎だ…
抜き終わった雑草は一纏めにして乾燥、その後燃やして灰にする、後は肥料として使う。
後お茶用のドクダミも切れたので植えて置く。
こいつもミントに負けず劣らず危険物なので要注意、前回の反省を踏まえ囲いをつくり、地下深くまで石で作った板を埋め込みドクダミの根が範囲外に出ない様にしておく。
ディアナが持ってきた大葉も危険物に入るがこちらは隔離に成功している、刺身で使用頻度が上がったから収穫する度に根絶するのが面倒になったともいう。
タケノコも言わずもがな、農場の外に完全隔離してある竹林で栽培中。
準備ができたのでドクダミを植え、肥料と水をやっておしまい。
ドクダミは三日後には収穫できるだろう、収穫後は土を焼き根や撒かれた種を完全に死滅させる。
後は死滅させた土と元気な土と肥料を混ぜて元通り。
弄り終わった後、お風呂で土の汚れを落とし、調理場で使った物を洗い午前終了。
後はお茶の時間までのんびり。
翌日竹で作りたいものが出来たので竹林へ。
ある程度太く育った物を選び、根元から切る。
節をまたぐように輪切りにし、その後縦に割る。
ささくれ立たないよう角は削り丸くする、節をまたいで切っていくので当然節のない筒になった部分もできる、が、特に使い道も無いので竹炭にする。
竹炭にしてしまえば消臭やら肥料やらに使えるが、屋敷は常に爽やかな香りが漂っているので肥料としての使い道しかないが…
器にした青竹を仕舞い、帰る前にドクダミの様子を見て終了。
その次の日はルシフを伴い海に行く、刺身に使える魚を全種捕り、海の家に持ち帰り捌く。
皮も鱗を丁寧に落としたら収納、骨や内臓、鱗など食べない所は水分を飛ばし粉末にする。
捌き終わったら屋敷へ戻り、農場まで行きドクダミの様子を見る。
いい感じに育っており全て収穫できそうなので収穫。
収穫したら隔離して置いた場所の土を全て掘り返し火にかける、熱が中まで通り根や種が死滅したのち冷まし、元気な土と作っておいた竹炭、魚粉を混ぜ土を休ませる。
雑草が生えはじめたら雑草を抜いて元の場所に土を戻す、ドクダミがまだ生きていた場合再び火にかける必要があるのでまだ戻さない、肥料は無駄になるがテロが発生するよりはましであろう…。
収穫したドクダミは干し網に並べ天日干しで乾燥、いくつか生の葉も残しておく。
調理場へ行き小麦粉を拝借、水と塩を入れひたすら打つ、どんどん打つ、打ち終わったら寝かし、中揉みしてまた寝かす、その後に踏んで伸ばすのだが…いかんせん重さが足りない…
ニールやティアを呼び、重しを持ってもらい踏んでもらう。
足でよく踏んだら打ち粉を払い面倒で均一に、伸ばし終えたら畳んで切る、細、中太、太、平の4種を作る。
切り終わった後少し粉塗れになってるニール達をお風呂場に連れて行きお手入れ、粉が掛かってくすんでいた尻尾も羽もピカピカに。
手入れが終わった後は解散、次の準備の為乾物を漁りに行った。
また別の日農場へ行き野菜を吟味、椎茸と舞茸は外せない、大葉も大事、サツマイモ、タケノコ、ゴボウ、玉ねぎ、獅子唐…次から次へと収穫していく、その後また耕して種まき。
この辺りになってくるとメイド達が少しそわそわしはじめる。
汚れを落としたら調理場へ行き乾燥コンブや鰹節を使い出汁を取る、干し貝柱などの出汁も取る。
出がらしになった昆布は結んで醤油と砂糖で煮付ける、鰹節は…乾燥させて醤油と混ぜてまたコントおにぎりに出も入れよう…
貝柱も砂糖、薄口醤油、みりん、酒と水を入れ沸かし、薄く少し甘くした万能出汁に漬け込んでおく。
捌いておいた魚もどんどん刺身にし、青竹の器に大根のつまと大葉を敷き、刺身を並べていく。
ヴェスティアにもどんどん作って貰いできた端から収納、出汁は寝かせておくのでそのまま。
寿司酢も炊き、ご飯と合わせてある程度冷ましたら桶に入れたまま収納。
天ぷら用の野菜や魚も切り、これは準備ができ次第揚げていく、油を切ったら熱いうちに仕舞う。
準備が終わればその日は終了、出汁を寝かせつつ毎日コツコツと準備を進める。
出汁が熟成し、丸くなって来たら溜まり醤油、みりん、酒を少しづつ加え味の調整。
貝柱の出汁はそのまま冷やしておく、打っておいた麺も茹で、冷水で締めたのち種類ごとに別け仕舞っておく。
ここ暫く調理場から常にいい匂いが漂い続けたので耳や尻尾をパタパタさせ落ち着きのないメイドが増えてくる。
もう暫くの我慢ではあるが…解放されたときが怖いなぁ…
仕上げに温泉街へ行き旅館の宴会場の使用許可を得る、女将さん達も参加する側なので快く貸してくれた。
後は宴会場に台を設置していき各自食べたいものを取る何時もの方式にする。
少し火も使うので防火もしっかりと対策を取る、最後に点検と作り置きしている食料の確認。
狐さんと打ち合わせが終わり次第すぐにでも始められる。
「それでは、本日より温泉街にて7泊8日の旅行です、新しくできているお店やご主人様が出店しているお店も有りますので以前とは違った楽しみがあるでしょう。
それでは今より移動を開始します、宿泊場所は以前と同じ旅館、正確には今は領事館ですが、ご厚意により旅館のまま残して貰ってあります。
迷惑はかけない様に」
そわそわしていたメイド達が歓声を上げ、一見冷静を装っていたメイド達も頬が緩む。
以前とは違い、温泉街の外から入門する必要は無く、直接旅館の前へ移動した。
「お待ちしておりました、どうぞこちらへ」
「女将さん、本日よりまた暫くお世話になりますね」
女将さんと狐さんが挨拶をし皆旅館の中へ入っていく、形は旅館ではあるが領事館であるため普通は宿泊は出来ないので少し珍しい物を見る目で見られる。
住んでいる人たちはまた来てくれたんだなぁと言った感じで見ていた。
「お昼は旅館の隣にある食堂でとりますので、お昼までには戻ってくるように。
では今から自由行動開始です、なおご主人様の出店しているお店は食堂の反対側です」
メイド達が各自以前見つけたお気に入りの場所や変わった所を探しに行こうと動き始める、何人かは宝石店へ入っていった。
そんなメイド達に続き仕事の一つである注文の品を作るために宝石店へとはいって行った。
「店長、おはようございます。
早速ですが此方が今回の注文の品のデザインになります」
「はい、おはよう、指輪が多めのブローチ少な目、後…ドレス…?ドレスは服飾店では…」
「いえ、合っています。
以前作られた宝石を糸にし伸縮性などを持たせドレスに加工した物を見た方が此処を訪ねてこられまして」
「あれ宝石だから透けてるし…着るものとしては欠陥では…」
「宝石のドレスに合わせて下にもドレスをを身に付けているようですね、宝石の色に合わせたものを身に付ければ色鮮やかになるので」
「上から装飾感覚で着るのね」
「質素なフリルも何もない白のドレスの上から身に付けるだけでも色鮮やかな美しいドレスに早変わりと評判です」
「評判も何も1着しか作ってないんだけど…」
「買い取った方が貸し出しをしているようですね、それにより夜会などで目にする方が多いので作った人は誰か、何所で売っているのかと探し回ったようです。
ここに辿り着いたのは1名でしたが」
「まあいいか…指輪から作っちゃうか」
「ドレスは特に機嫌は無いそうなのでごゆっくり、デザインは指定が有りませんので店長にお任せします」
「指輪とブローチが終わったら作っておく…」
宝石を取出し指定されたデザイン通りに作り始めた。
「ご主人様、私もドレスの注文をしてもよろしいですか?」
「それは良いけど、先に今ある注文終わってからになるよ?」
「構いません、使用する宝石はお任せいたします」
「はいはい、狐さんに許可を取っておくよ」
その注文を皮切りにメイド達が殺到した、次から次へと注文が入り結局メイド達全員の宝石のドレスを作る事になった。
「はい、仲居さんコレ注文分の指輪とブローチ、ドレスは二重に着るって聞いたからある程度余裕を持って腰に余裕を持たせたプリンセスラインにしておいた」
「お疲れ様です店長、花や蝶の刺繍も宝石によるものですか、手触りもシルク以上…
このような物を出されたら貴族ご用達の服飾店はお手上げですね」
「これが原因で何が有っても責任は取れないからね?」
「大丈夫です、買った人の縁者以外が身に付けていた場合即座に衛兵などが駆けつけ取り押さえるようになっていますので。
また所持することも場合によっては捕まります、理由があり借受け、またその返却であれば大丈夫であるよう各国と話し合い済みです」
「レンタルしてるのはその理由があるって事?」
「たとえば娘が社交界に出る時にドレスが何らかの事故により破損していたり、また余り裕福ではない貴族では豪華なドレスなどは着る事がかないませんので質素なドレスの上から着飾る、などですね。
レンタル料もお安く1回銀貨1枚ほどです、善意による貸し出しですね、体面上無償ではまずいという事でこのお値段だそうです」
へー…親切な人もいたもんだ、まあそう言う人じゃないと買えないけど。
「辿り着いたのもその方です、1着しかないのではどうしても一度に一人までしか貸し出せませんからね。
もう2.3着はほしかったそうですが年に使える予算の都合上1着だそうです」
「年間予算から資金を出して買うってどこの豪商…」
「豪商ではありませんね、お隣の国の現王妃様です」
えぇ…まあ受付書には住居がお城ってあるけど…えーと何々…
「ユースティアの実家じゃん」
「お知り合いで?」
「たまにお土産持ってお茶を飲みに行くくらいには…」
後その国の元国王が温泉街に住んでいる…
「まあ…ユースティアの妹分なら心配はないか…追加で何着か作っておくよ」
「よろしいので?」
「身内価格ってやつだねぇ…そもそも元手0で手間賃くらいしかかかってないし」
Aライン、エンパイアライン、スレンダーライン、マーメイドライン、ミモレ、ミニの6種作り、刺繍も入れ完成。
ネックはビスチェを基本としているがまあ大丈夫だろう…
昼食は注文の品が落ち付いた頃に取り、ユースティアの実家の注文が終わった後は狐さんの許可を取りに行く。
「メイド達からの注文でドレス作る事になったんだけど、砂をいくらか使っていい?」
「構いませんが程々にしてくださいね」
許可が出たので宝石店の工房に籠り夕食時まで作業を続けた。
夕食は宴会場にて作り置きして置いた食料の放出。
旅館と言えばお刺身に天ぷらは欠かせない、青竹の器や竹籠に盛った物を御膳に乗せ運ぶ。
初日はお刺身と天ぷらを主に、貝柱の出汁で炊き、万能出汁に付けておいた貝柱を解し、混ぜ込んだご飯など、おかわりも自由で盛況だった。
その後皆で温泉に浸かり、癒され、メイド達と就寝。
翌日は朝から夕食に使う温泉卵の購入、初日は形式ばった少しお硬い感じで攻め、二日目からは丼物も織り交ぜていく。
同じのばかりじゃ飽きるからね、女将さん達も同じものより新しい物の方がいいだろうし。
買い物を終えた後、宝石店で一仕事、砂山をこね回し圧縮し安定化しさらに糸にし紡いでいく。
後はメイド達に合わせた色合いのドレスを作っていく、中々に悩むが直感で色を合わせる、一部拘りのあるメイドもいるがそれ以外のメイドは直感で決める。
ニールが金色にこだわったり、エリスが薄緑を好んだりと言った程度である。
希望するデザインは大まかに聞いてあるので糸を紡ぎ終われば一気に作ってしまう、無縫製なので素肌に付けても問題はない。
数が多いのでその日の内には終わらなかった。
夕食は温泉卵乗せ漬け丼、ワカメとネギの味噌汁付、後漬物少々、女将さん達も丼物はかき込んで食べてた。
工房に籠りまたドレスの作成。
メイド達のドレス作りも終わるまでもう少し、残はアリサ達のドレス。
父様の作ったドレスなら何でもいい!と言われたのでフリルが沢山付いたゴシック・アンド・ロリィタ。
あれもこれもとどんどん付け足していき、色はアリサには黒と赤を半分、ロッティは黒に白を半分、マリは赤に白を半分で色も合わせていく。
ベールよりはヘッドドレスが良いだろうとヘッドドレスも色をドレスと同じにする。
作るたびどんどん興が乗ってきて作り終えたヘッドドレスに宝石の花をあしらい、ドレスもリボンをつけ可愛くも暗めの色合いで少し大人っぽい感じに、ガーターとストッキングは赤白黒の三色、さらに楽しくなってきたので編み上げブーツも作ってしまう。
少し砂以外の物に手を付けてしまったが満足のいくものが出来た。
後はアリサとアリシア達に着せて撮影を残すのみである。
上機嫌のまま3日目の夕食を終えた。
早速アリシア達を呼び出しドレスを進呈、その場で着替えて貰う。
一部は透けるけど大事なところは透けないように加工済みなので素肌に着用しても問題はない。
普通の宝石と違ってこういう加工ができるのが便利である、扱いづらいけど…
「父様、可愛い?」
「私はどうですか父様?」
アリサもアリシアも大変にあっている、アリシア達のドレスはアリサに合わせゴシックに、フリルはほぼ無くリボンがちょこんとあるだけで9割黒の1割赤である、ロッテたちも同様に娘達に色を合わせてある。
まず一人ずつ、その後母娘、父娘、父母、親子3人のパターンで撮影していく
次に娘3人、母3人、母娘6人、父娘3人、父母3人で撮影後最後に7人全員で記念撮影。
その後アリシア達と相談しながらアリサ達にポーズと取らせ撮影、アリサ達の要求も呑んで嫌がられないようにする。
ひとしきり撮影が終わった後狐さんが私はお呼びではないのですか?と来たのでドレスを渡し狐さんも撮影。
狐さんは紅白の着物風ロリィタにしておいた。
撮影後なんてものを材料に使ってるんですかと怒られた、ばれたらしい。
「それで、父様は一体何を使ったのかなー?」
「すこーし前にニールとティアが暴走した時の中心地にあった花を使ったヘッドドレス…」
「それと?」
「ヒヒイロカネとオリハルコンを混ぜ合わせた金属糸で作ったストッキングとガーター…」
「ほかには?」
「全属性がほぼ限界まで詰め込まれたレインボーダイヤで作ったリボン…」
「まだあるよね?」
「そのレインボーダイヤを圧縮に圧縮を重ね限界を突破した物で作ったブラジャーとショーツ…」
「圧縮とか精製に失敗するという可能性は?」
「まずありえない、狐さんとルシフが消えるくらいありえない」
「安全性は問題なしと…で、効果はいかほどのもので?」
「急に隕石が降ってくるとヘッドドレスの花が展開して隕石を消滅させる、反動もないし身に付けてるアリサ達も気づかないうちに処理される。
ストッキングとガーターは身体能力の向上と補助を限界まで、持続力も限界を超えて疲れ知らずになる。
リボンは呪詛や攻撃が飛んで来たら100倍くらいにして返す、少しでも妬んだら屋敷のメイド達以外だと死ぬまでどん底になる。
ブラとショーツは暴漢に襲われてもし脱がされそうになっても絶対に脱がせない様に、そもそも少しでもそういう意思を持った時点で何所にいようと消滅する、射程と感知距離は無限…」
「はぁー…ブラとショーツは封印で…何のためにフローレンス先生から護身術を習ってるんですか。
そこいらの暴漢なんてもう触れる前に消し飛ばせますよ」
「でもこうやって抱きつかれたりしたらどうするの!」
アリサを後ろから抱きしめる、アリサは嬉しそうに尻尾を振っている。
「父様と屋敷のメイド達以外そんな事は出来ないので安心してください」
「むぅ…」
「むぅ…じゃありません!」
「じゃあこれ…」
レースのが付いて少し透けている大人っぽい三色の下着を渡す。
「今度のこれは?」
「ダイヤを圧縮したところまでは同じ、ブラは半重力で胸を持ち上げるし締め付けないから重さも圧迫感も感じない、ショーツは衝撃を使うとき伝達率を上げる…」
「まあ…それくらいなら…ブラは私もほしいね…」
「ブラの問題は半重力で持ち上げてるから激しく動くと動いただけ揺れる…」
「ほぼ揺れない物も作りなさい、娘に邪な気持ちを抱くものが増えます」
「じゃあ…これ」
色は同じでリボン付になっただけのブラを渡す。
「これならどれだけ激しく動いても胸は揺れないし痛くもならない」
「最初からそれを出しなさい!」
「ごめんなさい」
しかしアリシアはレースの方を身に付けさせアリサの胸が動くたび揺れるのを撮影しつつ、アリサをこっちにけしかけていた。
普段はレースを付けさせてお出かけの時はリボンにするようだった。
ドレスを作り終えたので後は観光を楽しむだけ。
皆ドレスに身を包み温泉街を観光している。
アリシア達もドレスに身を包み、早朝からアリサ達と街へ繰り出している。
一人で観光するのも寂しいのでルシフにドレスを着せ、髪も整える、狐さんにもドレスを着せ髪と尻尾を整える。
そして二人を引き連れて街へと繰り出した。
ルシフは顔を赤くしていたが腕を絡め、頬が緩んでいた。
狐さんもにこにこと笑いながら腕を絡めてしな垂れかかりながら一緒に歩いていた。
残り3日だけど休暇を楽しもう。
6日目の夕食に大漁に仕込んでおいたうどんと天ぷらを大量に出す。
この時のために設置して置いた道具に火をつけ鍋にお湯を入れ沸す。
冷たいままが良い人はそのまま、暖かいのが良い人はお湯に通して調整。
出汁もお好みで調整、天ぷらを乗っけてかけるもよし、漬けにして食べるもよし。
出がらしになった昆布も味を染み込ませて天ぷらにしておいたので無駄は無い。
ドクダミや大葉も、イカやタコ、貝柱の天ぷらなど魚介の天ぷらも用意してある。
ただのうどんでも天ぷらの組み合わせでは豪華になる物である。
出がらし昆布の天ぷらをかじりながらうどんを啜るメイド達を見た後、私ももうどんを啜った。
ニールやティア達に協力してもらっただけあってコシもしっかりとしており、のど越しも中々によかった。
そしてうどんは旅館の料理人に何か刺さったらしい。
隣の食堂で出すことになった、食堂からうどん屋に転向しそうな気がするが大丈夫だろうか…
 




