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1日でテコ入れ ボートは別に大丈夫

 ナマズの蒲焼き、ドナルドソントラウトのムニエル、ニジマスのスモークと、料理に使える魚が増えたのはいいのだが、底まではっきりくっきり見えるほどのクリアウォーターのせいなのか、余程上手く誘わないと集魚剤付きでも見向きもしない、小魚を追いかけたり小さい虫は食べてるから食い気がないって事は無いんだけどなぁ…

 モエビは投入すればすぐ食いに来る、捕まえてきたワカサギを放してもすぐに来るから…何か悪いんだろうね…?餌を食べに寄って来たトラウトに対してスプーンを投げ込んでみるも見向きはされず、カラーパターンを変えても近寄ってすら来ない、リアルシリーズのワカサギに集魚剤付でも一瞬反応するだけですぐに何処かへ行く。

 スピナーベイトもダメ、バズベイトもダメ、その他ルアーもダメのダメダメ尽くし、スレていないはずなのにちょっと難易度高すぎないかなこれ…餌釣りなら釣れるのでそこから何かヒントを得たい所だが…うーん…

 餌を放してみては観察を繰り返し、あーでもないこーでもないと、色々試してみるが空振り、かすりもしない、逆にこの湖には放していないオイカワを試してもダメ、ほぼ完全に無色透明なのでホワイトカラーもダメ、極彩色もダメでやっぱりダメダメ尽くし、これ…ルアーで釣れるの…?


「まっ…たく、釣れる気配がしませんね、S字系もI字系も全滅、完全にどれが餌でどれが餌じゃないかを見切ってる感じですね、誘い方云々じゃ無い気がします」

「指定の魚が釣れたら何万円、みたいな事が出来るんじゃないですかこれ?」

「エンジンの音にも無反応なんですよね、思いっきり飛ばして散らないというか、断続的に音を送っても知らんぷり」

「バスの目の前に落として挑発してもリアクションバイトすら無し、これがゲームセンターのゲームだったら台パンされてますね、明らかに設定ミスですもん」

「餌釣りなら釣れるんだけどねぇ…狙った物が釣れるかどうかは別として…」

 餌釣りなら生きてようが死んでようが、投げ込んだ端から食いに来るので入れ食いになるのだが、何が違うんだろうね…匂いは一瞬反応するから後は…味か…?でも魚の味がするルアーってなんじゃろね?すり身でも塗り付けてみる…?でもそこまでやるともうただの餌釣りと変わらんよねぇ…

「ドが付く程の透明で底まで見えるクリアウォーターだから悪いのか、それとも最初からここにいる魚全てがどれが餌でどれがそうじゃないかを見切っているだけか、どっちなんでしょうかね?」

「取りあえず今言える事は、この湖はスイムテストは出来ても釣れるかどうかまでのテストは出来ない」


 湖が釣堀として機能するかのテストが終わり、機能しないという満場一致の答えを頂いたのでテコ入れ、とはいえ放っておいたら出来上がった物だからどこをどう弄れば良い物やら…出来るだけ自然な状態でこれだもんなぁ…

 どうすればいいんだろ…湖にお願い?それとも魚にお願い?水を抜いて魚の総入れ替え?海にいる魚は食べる必要が無くなったから餌にすら全く興味を示さない、屋敷の方にある湖や川はちゃんと生態系が築かれていて、釣り方なんかは全く変わらない、スプーンでも釣れればミノーなんかでも良く釣れる、ここの湖は生態系は築かれているし…釣れてもおかしくはないと思うんだけどなぁ…

 取りあえず湖にお願いをしてみたり、魚にもお願いをしてみたので暫くは様子見、これで釣れたらそれはそれで何か悲しい気もするけど…何が悪いかも分かってない状態だからなぁ、また明日試してみればいいか、今日はもう試せることは多分無し、駄目だったら…勿体無いけど数匹残して後は全部捕まえて、食べきれない分は肥料にでも回そうか、後は海釣りで使う団子の材料にでもしてしまおう。


 翌日、1人で湖に繰り出し釣れるかお試し、昨日と違ってほぼ普通の魚と同じ様に反応はする、ただし食いつかない、集魚剤も反応は良くはなっている、誘い方を変えると軽く小突いてくる、この調子で行けば明日には釣るのが少し難しい位に落ち着くはず、この調子でお願いしますとお願いをして今日はもう引き上げ。

 さて、お願いという名のお祈りを済ませた所でガレージで道具の整備でもしようかね、スプーンの針は少し大きめに変更、糸は2000番に2lbの細い物に、竿は出来るだけ粘りと余裕が欲しいので180のSUL、ベイトタックルは必要なし、そっちは恵里香さん達にお任せ、ミノーに付いてる針も返しの付いていないマス針に変更、カラーバリエーションは兎に角多く、どの色が反応が良いのか、釣れるのかを探っていかないといけない。

 整備というよりも準備が終わった所で今日はもう特にやる事も無し、ホームという事になっている少し離れた湖に行きちょっと生態系の調査、駄目だったらもうここをそっくりそのまま再現すればいいんじゃないかな…


 さらにその翌日、反応は少し鈍いが普通に釣れるまでにはなっている、スプーンも反応が悪ければ色を変え続ければ食いついてくるようになり、ミノーも同様、これなら少し難しい位の釣堀に収まった…んじゃないかなぁ?餌だと相変わらず直ぐ食いに来るけど…

 レイクトラウトも問題なし、釣り上げるのに苦労はするけど、色が有っていればちゃんと食ってくるようにはなった、バスの方はどうなってるのかねぇ?ちょっと見に行ってみるか。


「全滅してたのは一部を除いて軒並み釣れるようにはなってますね、でも相変わらず巻き物のただ巻きは興味すら示しませんね、変化を与えると一瞬反応はしますが、まあそこまでですね、あからさまに目立ちすぎる様な物とか、ラトル入りの物はダメ、この湖に居ない魚を模した物はほぼ興味を示さない。

ドクリアのせいなのか、カラーもナチュラル系、ソフトの方が食いつきは良いですね、ハードはラトルの入っていない、ほぼ音の出ない物、後は…メタルジグもダメですね、結構難しいです」

「まあ、釣れるならまだいいんじゃない?昨日までは全くかすりもしなかったし、難しい位ならそのうちほぼほぼ釣れるようにはなるでしょ」

「まあ…練習次第ですかねぇ…?ここで釣れるなら大抵の所で釣れるとは思います、感覚がずれそうな気もしますけどね、ラトル入りやワイヤーベイトとか巻き物が見向きもされないので…」

「同じ条件で釣れる場所の方が珍しいと思うし、これはこれでいいんじゃないかな?」

 そのために同じ所ばかりでは無く違う所にも行ったりするわけだし、基本に立ち返りたいときはホームという事にして有る場所に行けばいい、釣れるかどうかは別として…

「取り敢えず釣り堀としてはもう問題なしという事で大丈夫?」

「釣り堀というほどは釣れませんけどね、リミット5匹で勝負するには楽しそうですかね?」

「チームでやるか個人戦かによるね」

「そこは個人でしょう、特に何もない場合は約1名ほど手漕ぎボートになりますが、操縦だけして貰えば多分大丈夫では?」

「そうかねぇ…?でもそもそも私はバスボート持ってないんだけど?」

「ガレージのあるのは6隻ですしね、もうルシフさんかダイヤさんに操縦して貰うの前提で購入すればいいのでは?」

「うーん…」

「物に依りますけど新艇で大体500行くかどうか、ラッピングは…どうなんでしょうね?レッドウルフの穴釣りロングSEにでもします?アイナとアスカのボートもマーメイディアとワイバーンのラッピングに変わってますしね」

「船の模様は特に拘りはないかなぁ…取りあえずルシフに相談…かな、それとガレージの拡張、余裕は有るけど広げないときつきつになっちゃう」


 ガレージを拡張した後はルシフを呼び出してバスボートの購入手続き…をする必要も無く、ポンッと渡されたのでガレージに収納、ラッピングは既に済ませているようで、何所か知らない所のロゴが既に入っている、これは何の略だろうか…まあいいや、実際に乗り込んで収納ペースなんかの確認をしないとね。

 基本的な所は恵里香さん達の物と同じ、竿を収納する場所、タックルボックス等を収納する場所、基本構造は変わらない、ただし魚探はない、魚探に頼るなという事だろうか…?まあ釣り堀として作った湖に関しては底まで見えるので不要と言えば不要か。

 恵里香さんのボートに積ませて貰っていた道具を全部撤収、多分自分の?ボートに全て積み替え、見えやすい様、取りやすい様に配置を弄り、納得のいくまで弄った所で一旦終了、後は実際に使ってみないと分からない、今すぐ使うという事もないので、暫くはボートの中で眠ったままになるだろうけど、多分使いやすい様になっているはず、後は…

「これの操縦方法は?」

「ゲーム内でご主人様が所持しているのと同じ、ペダルで操作する必要も無く、ボートを自由自在に動かすことが可能だね、その気になれば真横に動かすこともできるよ」

「ふむ…」

「まあ基本的には海にある漁船と同じよ、舵はただの飾り」

「アレは雰囲気を味わうためだけに取り付けてる物だしなぁ…で、このロゴは?」

「適当にこっちで使ってる名前の頭文字を付けただけ?それっぽく見える様に書体も弄って、カラーリングもきつくならない様に薄い金銀で、まあこれで何所でも1人でバスボートに乗って釣りができるね、収納して運ぶも良し、誰かに牽引して貰うも良し、まあ誰かに牽引して貰うのが良いですかね?

運転に関してはボートの運転席に張り付けてあるやつを突き付ければ大丈夫、恵里香ちゃんとかに渡してる免状みたいなものだから。

当たりそうになっても急停止できるし、当てられそうになっても即時回避可能も出来るし、ぶつけたりぶつけられたりって事はまあないんじゃないかな?」

「実際に乗ってみない事には何ともだねぇ、まあ近い内に乗る事になるだろうし、その時に色々と試せばいいかな?」


「見た目は普通のボートですね、収納も特に変わらず、操縦席も…あ、椅子良いなぁ…すわり心地がかなり良いし、風防もいい感じで飛ばしても風を受けることが有りませんねこれ」

「今日が初めての運転になるけどね」

「大丈夫なんですか…?」

「船は大丈夫なんだよね…海でも漁船とかに乗ることが有るからかな…?」

「良く分からない基準ですね…まあ、ぼちぼち出発しましょうか、お試しという事で1日だけかつチーム、4時間程度の短い勝負ですが、まだまだファイブAに負ける気は有りませんからね」

「はいはい、それじゃ適当に行こうかね、まずは…川から水が流れ込んできている所か、水草の多い場所のどちらかからかな?

…そう言えば釣る魚の対象って決めたっけ?」

「…決めてないですね、つまり釣る魚は何でも大丈夫ですが…まあバスだけにしておきましょう、というわけで釣る魚を伝え忘れてたけどバス限定ね…と、これで良し、さ、行きましょ行きましょ」

「結構出遅れた感じもあるし、近場の水草から行こうかね」

 さてさて、このボートの性能はどんな物かね…近場とは言ってもそこそこ離れてはいるし、飛ばして行こうか。


「飛ばしているのに音は静かなのは良いですねぇ、椅子の座り心地も良いですし、私のボートもこれに買い替えようかな…」

「ルシフ次第じゃないかなぁ?燃料が要らなくなるのは確かだけど、その代り魚探が無くなる、付けてないだけかもしれないけど」

「魚探が無いのは辛いですねぇ、でも魚探を使わないボートでの大会も有りますから、必須というわけでもないですけどね」

「なるほどねぇ、さて、少し見ただけでもワカサギなんかを追いかけて食べているバスがいるわけだけど、何で攻めた物かな?」

「まずはワカサギカラーのミノー、もしくはワーム、後リアルシリーズですかねぇ?」

「ちょっと前に試した限りだとその辺りよね、適当にリアルシリーズから行ってみようかね」

「じゃあ私はミノーで、深い所にいるからシンキングで沈めないと駄目ですねこれは」

 準備が出来た所で釣りを開始、さて、以前の反応は鈍かったがどうなってるのかなぁ…と思いつつ投げた所でバスが飛んでいったルアーを追いかけていき、ちょっと誘うとさらに追いかけ、もう一度投げるとまた追いかけ、更に丁寧に誘うと食いついてきた。

「あれぇ…?こんなに簡単に釣れたっけ?」

「なんかやたらと反応が良いね、試にスピナーベイトを投げてみよっと…」

 勝負の事も忘れて色々とルアーを試し、好みは有るようだが大体は食いついてくるし、巻き物のただ巻きも以前は無反応だったけどこれも良く釣れた、何がどうしてこうなったのか…良く分からんね…

「ラトル入りも大丈夫、トップウォーターも食いつき良し、ただメタル系統のカラーは好みじゃ無いっぽい」

「何なんだろうねぇ、あれほど苦労してたのがこうも急に釣れるようになると、色々と対策をしてきた意味がなくなって何とも…」

「この調子だとA1からA5皆5匹釣って来そうだし、ちょっと大きいのがいる所に移動した方が良いかもね」

「何所か良い所有ります?」

「立ち木の有る所か流れ込み、落ち込みなんかは抑えられてるだろうから…もう1ヶ所ある流れ込みかな?そっちは滝みたいになってるから、大きいのが潜んでいる可能性は有る、バスとは限らないけどね」

「まあ、40台を5匹確保してますし、一応この5匹でも7000は行ってるでしょうし、十分勝てる範囲ではあるので…その場所で入れ換えを狙ってみましょうかね」

 ボートを若干秘密の場所っぽい場所まで走らせ、滝になっている所でキープしているバスの入れ換え狙い、小魚も含め結構集まってくる場所だから、種類を問わなければ大きいのもいるんだよねぇここ、さて…入れ換えできるようなのが釣れるかな…?


「結果発表ー!今回はA1とA2、A3からA5、私と妹さんでチームを組んで勝負を繰り広げたわけですが、お兄さんではなく妹さんなのはアレです、単に今日そこに居たから、それだけです、後お兄さんよりちょっと人気があるから、多分性別のせいでしょう、別にお兄さんは首にはなりませんので安心を。

まあ計量結果を発表いたしましょう、はいこちら、ドン!

A1A2チーム7171、A3からA5チーム7124、姉妹チーム7217、いやー、接戦でしたね…最後のポイント確かに大きいのがいたんですけど、入れ換えできたのは1匹だけでそれが功を奏した感じですね、はい、ブラウンの110とかレイクの120は釣れたんですけどねぇ…バスのみに絞らなければ多分圧勝でした、次回指定を忘れた時は何でも有にしたいと思います。

そして最下位だったA3チームの罰ゲームはこちら、整備室のごみ出し、まあそれほどないですけどね、いつもはお兄さんが定期的にごみを捨てたり掃除をしてるので綺麗な物です、なので特に捨てる物も掃除の必要もないので罰ゲーム感は全くないです、なので…A3チームは次回ゴスロリドレスで参加させたいと思います、拒否権は有りません、ライフジャケットも衣装の一部に組み込むのでバッチリです、次回をお楽しみに!」


「それで、今ライフジャケットを付けたゴスロリ衣装を作っていると?」

「安全対策は必須ですからねぇ、ベルトポーチなんかも雰囲気に合わせた色や柄にしてあります」

「力を入れる方向が間違っているような気がするなぁ…」

釣り堀…?

魚は増えたがルアーには一切見向きもしない、初期状態は欠陥

最終的に難易度が自然に変動するようになった、つまり釣れないときは全く釣れない


タックルボックス

釣りのお供、これがないと道具の収納に困る

昔はタックルボックス、今は何故かバッカン

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