特に何の予定もない日に決める予定 釣り堀
んー、今日の予定は特に無し、適当に農場で欲しい野菜を収穫して、海に寄って大きめの牡蠣とハマグリ、調理場で生のフェットチーネを作り、ステーキ用のお肉も出来るだけ薄くしたのを数枚、炭は有るので補充の必要はなし、エビは大きすぎて捌くのがめんどいので餌用の養殖から数匹、スモークサーモンとイクラも用意して準備完了。
炭に火が行き渡るのを待っている間にエビの殻を剥き、お肉には軽く塩と胡椒、炭に火が行き渡ったらお肉を焼きつつ、野菜とパスタを茹で、エビはバターとニンニクで炒め、生クリームとチーズに塩を追加してパスタソースに、茹で上がったパスタをソースと絡め、お皿に茹で野菜と一緒に盛り付け、スモークサーモンとイクラで更に飾り付け、薄めのステーキ肉も表面が焼けたら火から下し、一口サイズに切るだけで出来上がり。
見た目はぼちぼち、可も無く不可も無く、残りのお肉と貝類を焼きながら出来たばかりのパスタを食べつつ、殻を剥いていないエビもそのまま炭火で、肉も薄く切ってあるので表面が焼けたらもう大丈夫、このちょっとした贅沢たまにはいいよね…
片付けが終わったらゲームセンターでクレーゲームやアーケードゲームで遊び、クレーンゲームで取れた物はゲームセンター内のショーケースかガレージに設置しているケース内に飾って保存、自分でセットした景品を自分で取るというのも不思議な感じがするが、それはそれ、これはこれ、フィギュアだったりただの置物だったり、布物も有ったり…布物は面積が広いから飾るのにもちょっと場所を考えないといけないし、折り目を伸ばさないといけないんだよねぇ…
特に中身は確認せずセットした布物は…等身大抱き枕、今ある景品は全種確保したのでガレージに戻り、フィギュアは箱から取り出し、リールを仕舞っているのと同じケースの中へ、折り目の付いた布物は丁寧にアイロンをかけて折り目を無くし、壁の空いている所に飾り付け、写真とルアーを飾っている所には布物は飾ってはいないが、とても釣具を置いているガレージには見えない、少し前に取り付けたシャンデリアのおかげで色々と豪華さはグンっと上がったが、布物と美少女フィギュアが台無しにしている気がするね。
折り目を全て綺麗に伸ばし、飾り付けが終わった後はちょっとお散歩、スイムテストなどに使う野池を再現したプールの更に先、現在工事中の湖を確認、水草だったり、岩場だったり立ち木だったり、橋に橋脚、水深も深い所で10メーター程度、浅い所は1メーターない程度、砂浜も有るので後は水を張ってしまえば試験場として使えるようにはなるのだが、まだボートを下すための場所を作っていない事、水を抜いた時にその水を貯蓄して置く場所、水を戻すための機構と、人工島の釣堀を見て思い付きで作り始めた物なので完成はまだ先、魚を放すかどうかはまだわからないけど、順当にトラウトかバスがメインになる気はするなぁ、普段テストしている物がバス用の物が半分以上を占めているし、その辺りも意見を纏めてからかな…?形だけで広くはないから何も放さない可能性も無くは無し。
お散歩の後は温泉街で露天風呂に入浴、まだお昼を過ぎたくらいだけど温泉に浸かるのに時間は関係なし、暫く浸かり、温泉から上がった後は歩きなれた道をぶらぶらと、宝石店と酒販店にも顔を出し、今月分の納品やら予約の物は全部作り終えているが、品物の追加や、気が向いたので宝石を糸にして織ってタペストリーを作る、ミネルヴァとディアナが庭でお茶を飲んでいる風景を描いた物だが、これは店内に飾るくらいにしておくか、酒販店にもケレスやクロノアがお酒を農場で飲んでいる所を描いたタペストリーを飾り付け、野菜畑じゃなくて果樹園だからまだまあ…それっぽい?
旅館に戻り再び温泉に浸かり、程々に温まった所で食堂へ行き、氷の入った冷やしうどんと大根おろしに刻み大葉を入れた濃い目のつゆ、何時もの昆布天に稲荷2つ、温まった体に良く冷えたうどんやつゆが染み込んでいく感じが何とも…
食事を終えたらまた温泉街を軽く散歩、饅頭屋でお土産用のお饅頭の購入とお茶を飲みながらの世間話、1時間くらい放した所でお暇して屋敷に戻り、エキナセアにお土産のお饅頭を渡し、ゲーム部屋に籠っているメイド達にもお土産の饅頭を渡し、葵さん達にもお饅頭をお届け。
その後は夕食の材料を買いに何時ものスーパーへ、茎ワカメや千切りコンブを2パックずつ購入するついでに何か良い物が釣れてないか情報収集、とはいえ特に目新しい情報は無く、船で沖へ出て青物が良いという位、食べる目的じゃないのであれば浜から泳がせでシロザメが釣れるとは言っていたが、サメか…サメ釣りも良いかもしれないね…
「サメ、釣りに行きたい」
「サメはちょっと…外道としてたまに掛る位なら良いんですけど、狙って釣るにしても危ないですからねぇ…大きな物になると糸が先に切れるから逆に安全ですけど、釣り上がってしまったら暴れるので…」
「駆除というわけでもないのでリリースしないといけませんしね、地味にお金もかかる割に基本的には食用に向かないのが多いのでお勧めは出来かねます」
「ふむぅ…」
「それより、湖の方はどうなってます?」
「もうちょっとで完成するとは思うけど、野池風のプールだけでも良くない?」
「それはそれ、これはこれ、色んな環境でテストが出来るというのが大事です」
「…本音は?」
「でかい釣堀を見てうちにも欲しくなった、あそこは気軽に行ける様な所じゃないですけど、環境をほぼ再現してある気軽に行ける釣堀が欲しいなーって」
「まあ、いいんだけどね…それで、何を放すかは決めたの?」
「んー…そうですねぇ、水はドが付く程のクリアになりますし、バスをメインに淡水魚を色々ですね、ブルーギルは常に管理しないと酷い事になるので無しで、ニゴイにウグイ、ワカサギなんかも必要ですね」
「ナマズなんかも欲しいですね、水が綺麗な所のナマズは美味しいんですよ、トラウトも各種欲しいですね、ニジマスやブラウンと言った物から、管理釣り場でお馴染みのスチールヘッドにドナルドソン、他にもレイクトラウトやヒメマスなんかも」
「環境に適応させるのが大変だねぇ…」
適応したらしたで独自の生態系が作られて面白い釣堀にはなりそうだけど、湖を拡張しないと駄目そうだなぁ…
決まったような決っていないような予定が出来た次の日、工事中の湖まで行き拡張工事、イワナやニジマス系なんかも放すという事で上流となる場所に川と渓流も作り、水を循環させる機構も追加、放す魚は環境に適応させるために屋敷の方で調整中、拡張が終わり次第湖に水を張り、水が溜まる前に突貫でボートなどを下す場所を作り、ある程度溜まった所で水抜きを試し、問題なく戻せるかを試し、追加した渓流の方にもちゃんと流れていくかを確認、問題なく動作しているので後は水を只管溜め、水質も調整して小魚の餌となる物などを先に増やし、調整の終わった魚を順次放流、後は放っておけば独自の生態系が築かれるので待つだけ、ただ養殖場のように一気に増えて1日で生態系が完成する可能性が高いんだよねぇ…利用する側としては悪くはないんだけど、変化を見れないのがちょっと悲しい…
取りあえず以前言った釣堀よりはるかに小さいが、何時でも気軽に利用できる釣堀の下地は出来た、後は様子を見るだけ、もう少ししたら利用可能になるという事を伝えに行こうかね。
「魚も放流したからそのうち利用できるようになると思う」
「おー、それは楽しみですねぇ」
「何が多くなって何が少なくなるかはまだわからないけどね、水を抜いた時に魚は自動的に保護されるようになってるから、根掛かりしてロストした場合も場所さえ覚えてれば回収できるね」
「ロストした場所のメモは必須ですか…まあ広いですもんね、ロストしたルアーがそれで戻ってくるなら安い物ですか」
「流石にプールみたいに浅くはないからね、流石に引っかかったのを全部自動で回収、なんてのはめんどいからちょっと…」
「出来なくはないって事ですよね、めんどいってだけで」
「一応自分で回収する方がどうやって根掛かりしてたかを調べる事が出来ていいと思う」
「まあそれもそうですね、魚の口に掛った状態で切られた場合はどうなります?」
「それはまた後日落し物コーナーに自然と置かれてると思う」
「魚が自分で届けに来るんですかねそれ…」
「まあ、船でちょっと走る位ならもう出来ると思うし、行ってみる?」
「そうですね、どうせなら皆誘って行ってみますか、今日は特に何もないですし、たまには船の上でのんびりするのも良いでしょう」
「それじゃあ皆を呼んで来ようかね、船は手漕ぎにでもする?」
「バスボートでいいんじゃないですか?結構広く作ってるみたいですし、好きな所を回るにも手漕ぎだと広すぎる気もします」
「それもそうか」
部屋で休んでいる皆を呼び出して出来たばかりの湖にご招待、まだ魚は増えていないだろうし、釣り道具は要らないか。
皆を呼んだ後はボートで湖に繰り出し、そこまで透き通って見える湖でちょっとしたお茶会、ただ…
「バスボートの上でお茶会ってのもなんだか締りがないですねぇ…」
「やっぱり手漕ぎの方が良かった気がしないでもないね」
モーターボートでお茶会をするのは何か違う気がするねぇ…水は透き通っているから魚が泳いでるのが見えるのはいいんだけど…
「これなら屋形船を浮かべても良いかも知れませんね、少し広めとは言え3人しか乗れませんし、椅子なんかが出せませんからねぇ」
「小さいちゃぶ台と座布団位なら出せるね」
比較的広いスペースがある場所に小さい折り畳み式のちゃぶ台、それと座布団が3枚、そしてお茶とお茶菓子を少々、波は無く穏やかなのでほぼ揺れる事も無く、落ち着いてお茶は飲めるのだが…今度お茶を飲んだりするとき用の船を作っておこうかな、出来るだけ広めに…ちゃんとテーブルを椅子が設置できるくらいの広さに…遊覧船というより…やっぱり屋形船とかそう言うのが良いかな…?
魚が何かみるみる増えている気もするけど、まあそこはどうでもいいや、そこは明日にはもう釣り堀として機能するんじゃないかと予想は出来ていたので気にする事は無い、多分放っておいたらそのうち増殖は止まるはず…
「日差しは強いですが気温は少し涼しいくらいですね、ここは」
「大体20度前後をキープかな?春先から秋頃、その程度の気温にしてるから半袖だと肌寒くなる時もあるかな?」
「冷房要らずでいいんですけどねぇ、ずっと此処にいると家の方に戻った時に外へ出るとムワァっと来るんですよね…湿度と共に…」
「高温多湿は辛いよねぇ…まだ山の方だからましだけど、海沿いだと肌にベターっと纏わりついてくるからね…尻尾とか髪の毛が潮風でべたつくともう…」
べたべたになると真っ直ぐにするのが辛いんだよね…櫛が途中で止まるし、ちょっと湿度が高くなるとまたべたーっと…ここの夏が嫌いというわけではないけど、少し湿度は低めでさらりとする感じが一番好きだなぁ…
バスボートの上でお茶を飲んだ後は湖をゆっくりと回ってから撤収、各エリアでほぼほぼすみ分けているようなそうでもないような、もう生態系も築かれている様なので明日にはもう釣り堀として利用ができるだろう、ただ…今の状態だとなんにでも食いついて来そうな気もするけど、実際の所は投げてみるまでは分からないか…
翌日、恵里香さんやファイブA達と一緒に湖で釣れるかお試し、結論としてはほぼ釣れない、そこまで透けて見えるほどクリアなので、よほどうまくだます事が出来ないと見向きもしてくれない、スイムテストや実践テストには結構いい環境かも知れない、けどまあ、練習には良い所かもしれないね。




