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ハ・ズ・レ 改装工事

「やっと…やっと嵐が去りましたね…」

「元気なおじさん達でしたねぇ…一つの島で各国のスポーツフィッシュがほぼ楽しめるのは良かったんですけど…」

「何か色々と貰ったんですけどこれは良いんですかね?」

「貰っときなさい貰っときなさい、それどうせ100円の時計をデコってるだけだから、人前に出る時は高い物を身につけますけど、普段は無印品とかそんなんですよ…何ならボブは手ぬぐいに腹巻、地下足袋に土方ズボンと半袖か長袖のシャツという、これぞ昔のおやじと言った服装ですからね」

「いまどきそんなステレオタイプな人はそう居ませんよ…」

「何か奥さん達?もバーゲン戦争に参加しているおばちゃんにしか見えませんでした」

「実際のこちらに遊びに来た時は戦争に参加していますよ、歴戦の猛者です、何か通り名とか二つ名が有るとかなんとか、重戦車のマリーとか、疾風のエリーとか、陽動のサリーとか、隠密のシェリーとか」

「バーゲンに行くような人に付くような通り名とかではないですね、何時の時代の兵士とか傭兵ですか?」

「まあ…旦那がアレですからねぇ…似た者夫婦ってやつです、影響されて似てきたのか元々そうだったのかは知りませんけど、うちのおばあちゃんは後者です。

しかし寄越すなら安物の時計じゃなく少しは高い物にしろと…なんで100円の時計を高級時計風にデコってパチモノを作ってるんでしょうね、自宅に幾らでも本物が有るでしょうにと」

「お金持ちは変わった人が多いとも言いますし、それかと?」

「あなたの常識は世間一般では非常識ーって、それうちにも思いっきり刺さりますからね、毒されてますけど今のうちの状態は非常識の塊ですからね?スーパーの特売品を買いにスーパーカーでスーパーまで走って行くとか、もはやギャグですよね、節約しているように見えて節約できていないって言う、貰い物だから車はまあタダなんですけど、エンジンも大分弄られてるので燃料は必要ないので燃料代もかからなくていいんですけどね…」

「ほぼ毎日車庫を通ってガレージに向かってましたけど、気が付いたら増えているスーパーカーとハイパーカーが数十台に車庫の隣には大型ゲームセンター、お弁当や麺類の自動販売機付き…十分おかしいですね」

「だんだん慣れて行ってそれが普通になっておかしいって事に気が付かなくなるんですよねぇ…普通に使ってますけど、実は車庫って電気とか一切通ってないんですよね、ゲームセンターもそうですけど、ついでに忘れがちですが車庫を抜けた先にある釣具屋らを置いて有るガレージとその前にある練習用のサーキットコース、あれ明らかに国内じゃないですからね…」

「そう言えばそうですよね…雨の日も車庫を抜けると晴れてますし、晴れてる日に行ったら雨が降ってる事も有りますし、あれ何所なんでしょうね…」

「まあ、うちの方がよほど頭のおかしい事になってますよって事です…」


 リールはバケツに水を張ってジャバジャバと洗う、竿も水をぶっかけて適当に水を切る、LE、CEシリーズもガイド内に水を入れて軽く振って飛ばせば簡単お手入れ完了、針も伸びてぼろぼろになったルアーは…記念写真と一緒に壁に展示、竿とリールは何ともなかったけど、ルアーと針だけはどうにもなぁ…頑丈な針も折られるか伸びるかだったし、カジキはバスタックルで釣る様な物じゃないね。

 糸も駄目になってるから廃棄、ベイトもスピニングも巻き直しだねぇ…糸を全部抜き取って…ベイトは16lbでいいや、糸の巻く時にスプールに糸を結ぶのがめんどいと思った人、まず古い糸がここにあります、スプールを取り出して一周させて結び余分な部分を切り落とします、次にスプールを戻し、レベルワインダーから通してきた糸を先に結んでおいた糸に通して結びます、後は巻くだけです。

 古い糸が有るのが嫌、でもスプールに糸を1周させるのが苦手という場合はシールを使ってください、先ず長めに糸を寄せまして、シールをペタリ、後はハンドルを回して下から出てきた糸を取り、シールを剥がして結びます、巻きはじめる前にシールは必ず剥がしてください、張ったまま糸を全部巻いた時はまた糸を全部出してシールを剥がしてください、張ってある状態で調子が悪いといってメーカーや店舗に持って行っても糸を全部出してシールを剥がしてください、と言われるだけです。

 もう一つの方法は古い糸を捨てる時にある程度残しておく、これにノットは何でも良いので新しい糸を結んでください、後は巻き取るだけです、今巻いているリールはレベルワインダーが左右の端まできっちり動いてくれるので真ん中だけに糸が偏るということは有りませんのでこのまま巻いていますが、そうでない場合は指でバランスがとれるように誘導してあげてください。

 基本的な事ですが糸を巻く場合はガイドから通し、糸は棒に刺すか、籠の中で何かに挟んで縦に回転するようにして、糸がたるまない様に指で軽く挟んで巻きましょう、巻き終わったリールがこちらになります、まだ若干スプールが余っていますがこれで100メーター入ってます、20lbでも最大140はは巻く事が出来ますので、かっ飛ばしたい方はPE3号辺りで遠投するといいでしょう。

 糸が巻き終わったら竿に装着しまして、ガイドに糸を通して、先端に輪っかを作ってハンドルにかけて置く、もしくはルアーか針を結んでガイドにかけてください、リールは腐食に強い加工をして有りますが、針で傷が入ったりするとそこから腐食して行く、との事です。

 まあこのリールに関しては別にリールにかけようがガイドにかけようがどっちでもいいと思います、やすりで軽く擦ったくらいで剥がれる様なメッキではないですが、万が一のことを考えた場合はリールに針をかけない方が良いです。

 使う予定のないリースはメンテナンス後にショーケースの中に仕舞っておきましょう、とはいえ特に弄る様な所はないです、オイルをさす必要も有りません、水で洗って水を切って乾かすだけで大丈夫です、干すときはタオルか何かを敷いて室内で干してください、乾いたら仕舞っておきましょう。

 糸の巻き方と手入れは…こんな物かな?あ、カジキなどを釣っている所はまた後日にアップするそうなので暫くお待ちください。


「んー?何を撮ってるんです?」

「この道具は特にめんどい手入れは要らないよーとか、基本的な糸の巻き方?」

「道具葉物によって手入れ方法が少し変わったりしますからねぇ、最近使ってるのはもう水洗いだけでいいので楽ですけど、糸の巻き方は今も昔も変わらないんじゃないですかね?ワインターから通してスプールに巻きつけて結ぶ、スピニングと同じで横か縦かの違い位しかないです、ベイトは下から糸を通してこないと駄目なのでちょっとめんどいですけどね、めんどいならスプールに空いてる穴に糸を差し込んでハンドルを回せばいいです、そうすれば勝手に糸が1周してくるので穴から引っこ抜いて結べば簡単です、開いてないタイプはセロテープかシールを張って1周させればいいんじゃないですかね?」

「糸の通し方は人それぞれよね、で、その手に持っている物は?」

「何時でも遊びに行っていいよという許可証、そもそも片道が遠すぎるので家での仕事を考えると早々いけませんって」

「そっちじゃなくて、その何か怪しい箱」

「ああ、これですか?なんでしょうね?開けてみないと分からないので取り敢えず持ってきました」

「振ってみても音はしないね、そんなに重くもないし」

「まあ開封すればわかるでしょう、というわけでレッツオープン…何でしょうね、箱の中に箱?結構ぴっちり入ってるので引っ繰り返して振らないと出てきませんね…」

「で、取り出した箱を開けたらまた箱が出てくると」

「…嫌な予感がしてきました…」

 その後も箱を取り出しては箱を開け、取り出してはまた開けて…箱を開け続ける事10箱目…最後の箱の中に入っていた紙にはただハズレとだけ書いてあった…


 整理も終わったので、次は消費した赤エビを作り、落とした頭は洗ってからラードと一緒に熱して揚げて、色が黒くなって来たら取り出して油をしっかり落とし、フードプロセッサーで粉々に、砕いた頭はこのまま食用にしてもいいけど、量はそれほどないのでニンニク、着色料と混ぜて剥いたエビと混ぜて色と香り付け、油は普通に料理用に。

 砕いた頭は全部は使わず、これはまた今度団子を作る時のために置いといて、次は海から取ってきたイカをスライス、針に付けやすい薄さにして長さも程々に、イカもエビと同様に着色、こっちは赤と青と何も手を加えていないので3種類、色が付いたら綺麗に並べて冷凍、これで冷凍餌はストックが出来たので大丈夫。

 さて、次は何をしようかね…?壁に飾ってる写真の説明と、作ったばかりの油での料理どっちにしようか?でも昼が近いから料理の方でいいね。

 多めに捕って剥いておいたエビの背ワタを取って、これを天ぷらにします、油は作ったばかりの油で、揚がったら横に避けておきまして、刻みニンニク、刻みネギを豆板醤で炒めまして、鶏がらスープとケチャップ、水溶き片栗粉で簡単チリソース、後はこの中に天ぷらにしたエビを入れて軽く混ぜてエビチリ、続いて卵と軽い塩だけの炒飯、最後に出来たばかりの炒飯にエビチリを乗せて完成です、これが今日のお昼ご飯の見本になります。

 それではお昼ご飯を作ってきますので一旦止めまーす、まあ何で青空の下で見本を作ってるんだって気もするけどね…


「そう言えば恵里香宛てにおじい様から小包が届いてますよ」

「またハズレと書かれた紙が入ってるんじゃないでしょうねぇ…」

「結構お茶目なところありますよね」

「お茶目で済まされるような物じゃないと思うんですけどねぇ…今度は何でしょうか…」

「またハズレが入ってたりして」

「また入ってたら焼却処分してる動画を送り付けてやります」

 そう言いながら箱を開封し始める恵里香さん、今度は何が入っているのか…また箱の中に箱…そしてその箱の中にはまた箱…これは…ハズレが入ってるかもしれないね。

「…さっきより大きい分箱の量が…しかも今度は段ボールじゃなくて厚紙だからさらに酷い事に…これでハズレだったら焚火会場はおじいちゃんの家にしてやる…」

 箱を開け続ける事49箱目、そろそろ終わりかなーという大きさまで小さくなってきた、でもまだ折り紙で箱を作るという事も出来なくはない、ここで終わるのかまだ続くのか…そして恵里香さんの青筋は切れ無くで済むのか…切れたらミアかミウにでも呼んで来て治療してもらうか、狐さんだと劇薬で治療しかねない…

 ようやく最後の箱を開封し終わった所で紙が1枚、さて、書かれている内容は…

「ハ・ズ・レ、当たりは今まで開けた箱のどれかだよーん、捨てずにちゃんと箱を一つ一つ確かめろよー?だそうです…めんどくせぇ…めんどいですけど一つ一つ調べましょうか…」

「さて、当たりは何なんでしょうねぇ?」

「ロクでもない物だと思います…」

「箱はばらすの?それとも箱のまま?」

「取り敢えず一つ一つ箱のままで確認していきましょう、何かそれっぽい物が有ったら組み合わせていく感じで…」

 取り出した箱を一つ一つ、外側から内側まで隅々まで確認、すると何か模様みたいな物が付いているのでそれにピタリとはまる様に、箱をばらして模様をどんどん組み合わせていき、組み立てが終わったので模様を観察すると文字になっており、それを読んでみると…

「アタリが出たのでもう一箱、ここに電話してね?」

「流石おじい様、やる事が違いますね」

「やらなくていい事をやってるだけだと思います…えー…取りあえずここにかけて…あー、もしもし?アタリが出たのでもう一箱って物が出てきたんですけど?あ?今から届ける?はい、お待ちしてます。

30分以内には届くそうです、一体何を送り付けてくるのやら…」

「恵里香の言うようにロクでもない物じゃないですか?」


「今度こそ箱のマトリョーシカじゃなくなってると良いんですけどねぇ…重さは先程までの箱に比べると全然軽くて、振っても音はないですね、開けてみましょう…」

 張られているテープをカッターで切り三度目の箱の開封、そして中に入っていたのは…

「ハズレ、三回も引っかかった孫にはこれをプレゼント、追伸、買った駄菓子屋はとっくに潰れてるから使えません…ちょっとおじいちゃんの家を解体して来ても文句は言われませんよねこれ?」

「まあ待ちなさい恵里香…裏、その紙の裏、そっちが本命です」

「裏…あー、何か書いてますねぇ…えーと、こっちが本命、ここに電話すると良い事が有るよ…また電話ですか…取りあえず掛けましょうかね…あーもしもし?なんかここにー、え?着信が有った時点でもう発送した?あーはい、わかりました、お待ちしております。

後は待つだけみたいです、何が来るんでしょうねぇ…?」

 それから1時間程だった所で荷物が届けられたので受け取りのために外へ、届けられた荷物はー…

「目録付きですね…ヘラクレスのスーパーカーが3台、ヘイズルーンの各種お酒が10本ずつ、それも高いやつばかり、フリートから広間と食堂用のシャンデリアが2つ、それと新型のモニター、居間用とお風呂用で2つ、その他お高い家電多数、おじいちゃんからは遊んでくれた女の子達全員に小切手…ひのふの…1人500万ですね、頭おかしいんじゃないですか?」

「孫と遊んだ時にお小遣いを上げるような感覚なんでしょうけど、相変わらず送ってくる物が色々と規格外ですよね」

「ファイブA達には小切手を渡して…お酒はワインセラーや各保管場所に移して、車と家電はどうしましょ…?」

「シャンデリアは使うならルシフさんに人を借りて取り付けて貰わないと駄目ですね、新型のモニターは…ペラペラですね、壁に貼り付けるだけで後はタッチパネルで操作、熱湯をかけても叩いても壊れない、電源がワイヤレスで近くに付属のアダプターをコンセントに刺しておくだけ、結構便利ですねこれ、他には瞬間冷凍や業務用冷凍庫並に温度が下げれる冷蔵庫、オーブンなんかも有りますね」

「シャンデリアはこの家には大きすぎるのでどうしましょうかね…ガレージを無理やり拡張してそっちで使いましょうか…台所用品も今有るので十分ですので…これもガレージ送りですね。

しかし、アスカとアイナの実家が泣きそうなラインナップですね」

「あちらは一般家庭向け、こちらはお金が有り余っている家庭向け、比べる物ではないでしょう」

「取り敢えず車はこのままだと敷地内しか走る事は出来ないので、ルシフさんにお任せしますかねぇ…ガレージも拡張してお風呂用以外の家電は全部そっちに持って行ってしまいましょう、お風呂用も十分大きいですけど、基本的に全部大きすぎて使えません、というわけで荷物運びお願いします」

「はいはい、ルシフ達も呼んで来て改装工事だね」

 しかしこのシャンデリアのデザイン結構いいな、今度狐さんに見せて屋敷のシャンデリアも新しいのにして貰おうっと。


 整理して壁に色々飾ったりした後ではあるが、一旦全て回収してまずは拡張工事から、天井は高く、奥行きも広く、休憩室にまず1つ、練習用のコースの近くに併設した休憩所も少し拡張してそこにも1つ設置してシャンデリアの配置はこれで完了、次はガレージで使ってる冷蔵庫を新しい物と入れ替え、の前にこれも電気が必要ないように改造して…オーブンも全部弄って…

「終わったー…」

「お疲れ様、もうガレージとは言えない位豪華になってしまいましたねぇ、下手に高級と謳っているホテルよりお金かかってますよこのガレージ…」

「まあ観光するような所なんてないし、有るのはこのガレージと養殖場、それと練習用に作ったサーキットコースだけだし、宿泊代自体は取れて1泊50って所じゃない?

あ、車はもう弄り終ったからコースまで運んでおいたよ、それといつもの免状」

「まいどの事ながらお世話になります」

「いつも通り燃料は不要にしてあるから排ガスなんかの心配は一切ないのと、レコーダーの積み替え、もし事故に有った時の為の安全機構、シートなんかもちょっと硬かったからすわり心地が良いものに取り換えとかかな?後は乗って確かめてみてー、変な所が有ったら弄りなおすから」

「送った車が一度も乗る事無く改造されるとか、ボブが見たら泣きそうだね」

「良いんですよ、どうせそのままだと敷地内しか走れないんですから、さ、試運転に行きますよ、助手席に乗って下さいね」

「たまにはハンドルを握ってみたいんだけどねぇ…」

「駄目です、ゲームセンターにあるなんちゃってレースゲームで我慢してください」

「はーい…」

ハズレ

最初は10箱程度、2度目は50箱、3度目は1箱

嫌がらせに余念がないおじいちゃんの茶目っ気、3度目はアイスバーのアタリ棒、購入したお店は閉店済みの物も入っていた


目録

遊びに行った孫にお小遣いを上げるような感覚で送られてきた物

基本的にそのまま使えるような物はない

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