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でっかい釣堀 企画倒れ

「まだまだ現役おじいちゃんねるとー」

「イカ釣りお姉ちゃんねるのー」

「大物5番勝負ー!」

「え?5!?聴いてない!っちょっとまて!」

「はっじまっるよー?」

「おいコラ!どういう事だ!」

「騒いでる孫娘は放っておきましょう、今回のルールは兎に角大きい魚を釣る事、5日に分けて対決が行われます、1日目に計測した魚は2日目には無効になります、これは負けたチームが持ってきた魚も2日目からは無効となります、つまり、出来るだけ他のチームと同じ魚かつ、それより大きいのを釣らないとどんどん選択範囲が狭まって行きます。

例えば私達じじいちゃんねるが80センチのアロワナを持ちだし、お姉ちゃんねるもアロワナ、補欠チームがカショーロを持ってくれば2日目からはアロワナとカショーロは計測対象外になります、つまりただ大きいのを釣れば良いわけではなく、読みあいも大事になる、と言う事ですな」

「国外まで連れてきたのはそれをやる為か!というかここ何所だよ!パスポートも要らない、自家用じゃないとこれないってどの辺りだよ!?」

「何所って…前に作ったリゾートで得た資金などを使って新しく買った無人島?まああれより遥かに広いけどな!世界中を回って小型から大型の魚全部取り揃えておるぞい!

…ちょっと足が出ちゃって貯金を崩したけど…」

「聞こえてるぞ爺、一体いくら使った?」

「各地の環境をできるだけ再現維持できるようにするために…これ位?」

「それを1人で?」

「いや…ボブやマイク、ケビンにも出して貰った、皆ノリノリだったからつい…特に何もない時は皆で嫁さん連れてきて此処で遊ぼうかなーって…」

「まあ…ポケットマネーから出してるのならいいんですけどね…というかここどれだけ広いんですか…」

「大体北の方にある地方位…?来るまで一直線に全力で飛ばしても数時間かかるような」

「よくそんな所が買えましたね…」

「そこはほれ、ここは人工島じゃし、海の上なら幾らでも土地が余っておるじゃろ?それに強力なスポンサーも付いたから安全性もバッチリじゃぞい、並で揺れる事も無ければ嵐も来ることが無い、自身とも無縁じゃな」

「あー…まあ大体予想は付きました、まあそれなら確かに費用は掛かりますが安全性は抜群ですね…」

 荷下ろしは完了、暫く寝泊まりする宿泊場所に最低限の食材も運び込み完了、釣り道具もガレージに合った竹林をほぼ全て、流石に餌は赤エビ位しか持ちこめなかったが…生物だし、流石に死んじゃうからね…

「餌釣りをするなら浜辺にイソメ、川に行けばモエビがいますよ」

「あ、そうなんだ?」

「これがこの島の地図になります、各エリアごとに分かれていて、島から周囲2000キロ圏内は全て所有地となっています、それで海もエリアごとに環境を再現してまして、特別危険な物を除きある程度再現していますので、気候の移り変わりなんかは有りますがほぼ全ての魚が釣れるようになっています、境界線には円形状にブイを浮かべてありますので、それの内側で有れば常に安全に釣りが出来ます」

「それは良いなぁ…」

「簡単に言えばこの島の周囲を含めてすべてが巨大な釣堀じゃな、人を襲うようなサメなんかも居ないから海も年中泳ぎ放題じゃぞ、問題はロストしたルアーの回収じゃな…こればっかりは定期的に水を抜いて回収せにゃならん…」

「そもそもでっかい人工島を作って丸々釣り堀にするって発想がイカれてますよ、それで、今日はどのエリアで勝負するんです?」

「そこはほれ、お前の大好きなサイコロで決めるといい、のべ竿による川からトローリングまで何でもできるぞい、ちなみにサイコロで出たエリアで5日間の勝負じゃからな?」

「これは厳しいですね…見た目の派手さを取るならアロワナやピラルクのいる河川…下手したら初日で終わる可能性のあるキングサーモンなどがいる河川…変な所を引いたら詰みますね…」

「さぁ!振るが良い!それでおぬしの運命が決まるのだ!」

「えー…84…古き良き時代の原風景、野池と小川…きっつ!まず見た目が地味!後釣れる魚が限られすぎ!」

「じゃあそこで5日間の勝負ね、それじゃ初日の戦いに行くぞー!」


 練り餌とミミズを針につけて、浮きの浮き沈みに合わせて針を掛けて釣り上げる、只管待ちの釣り、ここで釣れるのはメダカ、タナゴ、フナ、コイ、ナマズ、他にもドジョウやイトヨにハリヨ、アブラハヤなども居るので結構楽しい、ただどれを計測するか、中々厳しい所があるね…

「初日にナマズとコイを潰して泥仕合に持ち込むか…それともあえてメダカやタナゴを持ち出して小さいのを潰すか…これは厳しいですねぇ…」

「取り敢えずどれを計測に持って行くかを決めてから狙い撃ちしましょう」

「初日に勝ちを狙うならコイかナマズの二択、ですが、ここのナマズは大きくて60、コイならメーターが期待できます、貪欲に価値を狙うならコイが良いかと」

「そうですねぇ…野池に潜んでるコイを狙いますか、道具は…やべぇのべ竿でいいですね、これなら絶対におられる事は無いので針さえ取れなければ後は持久戦です」

「んー?コイ釣るの?」

「はい、今日はメーターのコイを釣って勝ちを取りに行きます、上から順々に潰していく事にします、最終日はメダカやタナゴでの勝負になるでしょうが、それまでに2勝もぎ取れれば逃げ切りが可能になります」

「なるほどねぇ、じゃあこれは要らない?」

「うん?どれどれ…でっか…オオナマズですかね…?目測で…95から100くらい?よく2lbでこんなのが上がりましたね…」

「小川の幅は知れてるしねぇ…横に走られたら付いて行けばいいだけだし」

「これはもう初日は釣るものが無いですね…これより大きいのが釣れたら入れ換え程度で、適当に釣って遊びますか…」


 ヘラブナロングからヘラブナショートに変更し、餌は練り餌のみでのんびりフナ狙い、10センチ程度のキンや25センチ程度のヘラ、7センチくらいのギンなど、フナは良く釣れるが未だにコイはかからない、餌を練り餌からパンに変えてパンコイにでもしようかな?

 適当にパン粉に水を混ぜて軽く纏めて、糸が届く範囲に少しずつ投げて、出てきた所で針に練ったパン粉をを付けて後は針が付いている方を食べてくれるのを待つ、食べなかったらちょっと強めに引いて針から団子にしたパン粉を外して新しいのを付けてまた投げ込む。

 20分くらい粘った所で小さいけど1匹釣れたので満足、また竿を変更し、更に短いタナゴ用に変更、糸も更に細く針も小さく、餌は練り餌、練り餌万能よねぇ…ちゃんと練った物とあまり水を入れていない粉っぽい物を作り、粉っぽい物を小さめの団子にして撒き餌に、後は集まってきた所に練り餌を付けた針を落としてモロコやらアブラハヤを釣り、アブラハヤは唐揚げにするので確保、後はリリース。

 ハヤを釣っている間に終了時刻が来たので一斉に魚を提示して計測、さて、結果はどうなる事やら…


「初日は余裕でしたね、流石にメーターに乗ったナマズは誰も超えれなかったようで」

「あんなもんだされて勝てるかっ!これで初日でナマズとコイ、ヘラブナの比較的大きくなる3種が除外されたわけだが、ここからどうやって勝つか…」

「えっ?ヘラブナ持って来たら不味かったですか?」

「別にいいんですよ、残りの4日で何を選ぶかが重要になっただけですから、ただ企画倒れ寸前になってるだけです」

「明日から地味じゃぞー?フナはもうキンかギン、小川の方もモロコやハヤ、タナゴとかメダカくらいじゃからのぅ…」

「ドジョウも10センチ程度だからね、こういう企画倒れも悪くないさジョン」

 規格がどうのと言っている間にこっちはハヤの頭を落とし、内臓を綺麗に取り除いて洗ったら粉を付けて唐揚げに、味付けは塩を振る程度でいいな、後はレモンではなくスダチを添えればお摘みの出来上がり、メインは大盛りざるうどん、天ぷらを作って天ざるにすれば出来上がり、伊勢海老やアワビも捕り放題だから張り切って伊勢海老やアワビの天ぷらも作っちゃったけどいいよね…?

「伊勢海老1尾丸々の天ぷらとか贅沢ですねぇ…」

「どうせ無料じゃ、気にせず食え、作ったのわしじゃないけどな!アワビの天ぷらうまっ!」

「1回酒蒸しにしてから衣をつけて、高温で一気に衣だけ揚げてさくっとさせたら出来上がり」

「おばあちゃん達に食べさせなくても良いんですか?」

「大丈夫大丈夫、そろそろ来る頃だから、今日は皆で天ざるパーティーじゃな!」

「高級リゾートもかくやと言う所でうどんでパーティーというのも中々あれですねぇ、天ぷらの材料が伊勢海老とかアワビですけど」

「ちょっと海まで行ってキスを釣って来たからこれも追加しよう」

「トラフグも釣って来たぞ、こっちは唐揚げにしよう」

「バイタリティ溢れる老人たちですねぇ…というか免許持ってるんですか?」

「それはもうバッチリ、ちゃんと修行したからね!」

「ほんと…自分とこの企業ほっぽり出して何してんでしょうねこの老人達は…」

 全部の料理が出来上がる頃に丁度やってきたおじいさんのお嫁さん達?がやってきたのでそのまま夕食開始、揚物もうどんも追加で茹でたり揚げたりしてるのでまだまだ終わりそうにはないけど、明日はどうなるかねぇ…?企画倒れのまま終了か、それともてこ入れか…まあどっちでもいいか。


 翌日、早めに起床して竈でご飯を炊き、釣って来たばかりの魚を塩焼きにし、これまたとって来たばかりのワカメのお味噌汁に付けてあった沢庵を2切れ薄切りにして朝食の準備は完了、後はお湯を沸かしてお茶を入れないとなぁ…

 お茶を入れた所でボブがやってきたので運んでもらい、皆で朝食、沢庵は触ってみたところかなり硬かったので薄切りにしたけど、これで正解だな、ゴリゴリに硬くて塩辛い沢庵だからこの薄切り2枚でも十分ご飯が進む、魚は骨と内臓を全て取り除いてあるので丸かじりでも大丈夫、でも大根おろしを付けたほうが良かったなぁ、ちょっと脂が強いや…


「えー、話し合った結果、今日の勝負は嫁さん達に決めて貰う事にしました、もうぶっちゃけ企画倒れです、このままだと最終日はもうメダカの大きさ比べになるので絵的につまらん!

というわけでまず1人目が釣る場所、2人目がその場所で釣る魚、3人目が大きさ、4人目が重さ、これで行こうと思います。

100面を使うので大きさは単純にセンチ、重さはかける100グラムで計算します、で溜めに限りなく近い大きさと重さだったチームの勝ちです、ではよろしくお願いします」

「おばあちゃん頼みますよー…野池と小川はやめてくださよー…」

 そしてサイコロが4回転がされ、場所と魚、目標記録が決定した、特に変な数字にはなっていないので、どれだけ近づけれるかだねぇ…


「今日の勝負はこちら、ここの川でキングサーモンを釣ります、サイズは81センチ、重さ7500グラム、これが目標です、これにどれだけ近づけるかが大事です。

釣る方法は特に指定は有りません、おかっぱりで有ろうがバックトローリングであろうが、制限はないです。

うちのチームはまず王道とも言えるスプーンで狙って行く事にします、反応が鈍ければキーナイ仕掛けですね、大きすぎず小さすぎず、軽すぎず重めの物を狙って行きましょう。

あ、言い忘れてましたが今回メーカーは全く絡んでいません、老人の暇つぶしに付き合っている様な物です」

「ちょいちょい、気になったんだけど勝負って1匹だけ?」

「…そう言えば数の指定は有りませんでしたね…目測81センチの物と体感7.5キロの2匹を持って帰りましょうか…後だしでやられそうな気がします…」

 前回の事もあるからなぁ…まあ2匹用意してどっちにでも対応できるようにしておけば大丈夫か、余ったとしてもそのまま夕食に使えば大丈夫、さて、釣りましょうかね。


 制限時間になったので計測と計量、目測と体感のみでの見極めなのでピタリとはいかなかったが83センチで大きさは何とかクリア、ただ重さは…まあ超えてるよね…しっかり丸々と太ってるし、後出しされたら2匹目のサーモンを出すだけだからいいんだけどもね。

 その後しっかりと後出しで2匹目をねじ込んできたのでこちらも計量して7100、ファイブAには負けたがおじいちゃんねるのメンバーに勝つことは出来た、後勝ち数ではなく何時の間にかポイント制になっていたので、明日からは激戦が予想されるであろう…どこまで勝負内容が捻じ曲がるのかねぇ、最終的に釣った数でポイントも3桁になりそうな気がしないでもないな…

人工島

ルシフプロデュースの安心安全設計

領海や領空内に入ると警告がくる、無視すると国がやばい


ナマズ

のべ竿に2lbラインでも3キロ超えを釣れる、糸が細くても竿がよくしなるので切れそうで切れない

ご主人様が釣ったのは多分オオナマズ


パンコイ

食パンを投げてこいを表層に寄せ、パンを付けた針をそこに投げ込んで釣る

パンでなくても小麦粉をただ練った物でも食いつく、少し香りのする物を混ぜておくとなお良し、でも釣れるのは基本的にフナとかコイ位

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