犯人を捜せ 多分もう戻らない
寝ぼけていたメイドに噛みつかれ眠りから覚める。
メイドを起こさないようゆっくりと引きはがしベッドから這い出る。
噛まれる前に舐められていたらしく少し涎塗れになっている…
このまま着替えるわけにも行かないので、箪笥を漁り着替えを確保。
鍵を開けて貰い部屋を出てお風呂に行き涎と汗を流すことにする。
お風呂場に着いたので服を脱ぎ去り、涎と汗を流し湯船につかる。
あまり長湯をしているとメイド達が入浴する時間になるので、軽く温まったら出る。
が、心地よかったので湯船に浸かったままウトウトとし始め少し寝てしまった。
「――……―」
「…―……」
話声により意識が戻ってくる。
目を開けるとメイド達の入浴時間になっていたらしく、メイド達が湯船に浸かったりしている。
「あっ、ご主人様が起きた」
「おはようございますご主人様」
入浴していたメイド達が挨拶をしてくる。
「ああ、おはよう」
挨拶を返し、くっ付いて来ていたメイド達に離れてもらい湯船を出る。
長く湯船に浸かっていたせいが少しふらつくが脱衣所まで戻る。
脱衣所には今から入ろうとするメイド、湯上りで少し涼んでいるメイドなど、皆それぞれ挨拶してくるので返す。
持ってきていた服に着替えようと置いていた所まで戻ってきたが、服が無い…
「ここに置いてあった服知らない?」
「いえ、この場にいる者達は存じないと思います」
「私達が来た時にはそこにはもう何もなかったかと」
メイド達が入浴しに来る前にはもう服は無かったらしい、服どうしよう…
流石に裸のまま部屋に戻るわけにも行かないので、メイドから服を借り着替える。
部屋に戻り箪笥を開けるが、服が入っていない…
一度閉じてもう一度開くがやはり服が入っていない。
入っているのはマイクロビキニ・スリングショット・競泳用などの水着。
着替えを何時も用意してるのは狐さんだから狐さんの仕業か…?
借りたメイド服を着続けるわけにはいかないので比較的露出の少ない競泳用を着用する。
魔改造されていて食い込みが激しく体のラインもくっきりとでるが他のよりはましであろう。
「メイド服ありがとねー」
「いえ、お役に立てたようで何よりです」
借りたメイド服を返しに行き、今度は狐さんを探し始める。
すれ違うメイド達がちらちら見てくるが気にしてはいけない。
たまに部屋に連れ込まれるがこれも気にしてはいけない、犯人を見つけるためだ…必要経費だと考えよう。
「漸く見つけた…」
色々と犠牲を払いながらも庭で休んでいた狐さんを発見した。
部屋に連れ込みたいからって偽情報を掴ませるのは酷いと思います。
「あらご主人様どうなさいました?」
「どうなさいました?じゃなくて服返して…」
持ち去られた衣服の返還を要求する。
「ご自分の意志で私の用意した衣服に着替えず、水着を着ているのでは?」
「箪笥の中はきわどい水着しかなかったんだけど…
後お風呂に持って行った服がなくなってた」
「おかしいですね、私は水着は用意してませんし、脱衣所に洗濯物を回収しに行ったときには服はありましたし」
狐さんも頭を捻りうんうんと唸る、狐さんではないらしい。
「んー…?となると犯人は誰だ…?」
狐さんが洗濯物を回収した後に服を持ち去り箪笥の中を水着で埋め尽くした犯人…
「怪しいのはルシフか…?」
あれなら狐さんに気づかれず事を成すことも可能だろう。
狐さんと別れ今度はルシフを探すことにした。
探すまでもなく三姉妹を連れて庭にやってきた。
「ルシフ服返して」
「どしたんご主人様、それとその水着良く似合ってるね」
「ご主人様きれい」「ご主人様かわいい」「ご主人様いいにおい」
三姉妹にありがとうと返しておく、カルラが若干飛びかかってきそうであるが…
「ルシフが服を持って行ったんじゃないの?」
「なんで私が持って行く必要があるのさ、ご主人様の水着姿なんて狐に頼めばいいことだし?」
「それもそうだね」
この反応ルシフでもないらしい…
「となると誰だ…狐さんに気づかれず服を持ち去って箪笥の中身を入れ替えたのは…」
再び頭を捻りうんうんと唸り始める。
「それにしてもご主人様良い尻尾だね、もふっていい?」
「駄目です」
あまりにも食い込みが激しく後ろはほぼ丸見えなので尻尾生やして隠している、だから尻尾を持ち上げないでくださいお願いします。
しかしルシフから逃げられるわけもなく三姉妹と一緒に纏めてもふられた。
犯人は未だ見つからず、昼食時を過ぎても見つからない。
狐さんも新しい服を用意するつもりがないのか水着のまま午後の時間も過ごす。
こうなると着替えを用意しない狐さんがやっぱり怪しいのだが…
時間も差し迫ってきているので稲荷を作り狐さんの部屋に持って行く。
「狐さんきたよー」
「どうぞご主人様」
いつもの様に部屋に入ると、なぜか狐さんがメイド服を脱ぎ水着になっていた。
よく見ると箪笥に入って他マイクロビキニを着ている。
「なぜに狐さんも水着…」
「ご主人様の水着姿を見たからですかね?」
この狐さんたまに理解できない事をするんだよなぁ…もうそう言う物だと諦めてるけど。
いつも通りに膝に抱えての休憩タイム、お互い水着なので肌が直に触れ合うがそれを除けば普段と変わらず。
結局この日は犯人は見つからず水着で一日を過ごした。
翌日、寝ているメイドを起こさないようにベッドから出て箪笥を確認する。
ちゃんと服が入っているので水着を脱ぎパパッと着替えてしまう。
うむ、一度着てしまえばもう大丈夫だろう。
寝ているメイドの目が覚めるまでツンツンつついて癒されながら朝食の時間を待った。
朝食を取った後の食休み中、昨日犯人捜して一日中歩き回ったせいか疲労がまだ抜けきっていないらしく。
少しウトウトとしてきたので軽く睡眠をとる事にした。
眠気によりふわふわとした感じで部屋まで戻りベッドに倒れこみ、そのまま意識を失った。
眠りから覚め時間を確認するがまだそれほど時間は立ってないらしい。
ベッドから起き上がると何も身に付けていない事に気が付く、今度は寝ている間に衣服を剥ぎ取っていったらしい…
箪笥を開けると今度はゴシックドレスとロリィタドレスに紐の下着、どういう事ですかこれは。
他に着替えは無く仕方なくゴシックドレスを着る。
そして犯人捜し二日目が始まる…
しかし目撃情報が無く犯人が絞れない。
気づかれずに行動ができるのは狐さんとルシフの二人。
だが二人は否定している、他のメイド達に犯行時間と思わしき時間は他のメイド達といたとの証言有。
動き続けているので汗が流れ、服に染み込んでいく、少し不快な感じになってきたので箪笥からロリィタドレスを取出しお風呂場に行く。
お風呂に入るといつも通りに狐さんが洗濯物を回収していく。
汗を流したあと少し涼み新しい下着と持ってきていたロリィタドレスに着替える。
その後も少し探すが時間切れ、狐さんとのお茶の時間になり終了、二日目も空振りのまま終わった。
三日目
少し手掛かりを得る、掃除中に服を持ち歩いていたメイドをチラッと見たそうだ。
ただ髪が長かったという証言しか得られず特定はできない、髪が長いだけだと半数以上該当するもんね…
自由に長さを変えれるメイドもいるのでそんなに当てにはならないけど、その日伸ばしていたメイド達も当たればいいだろう。
一人一人聴取していくがその時間は他のメイド達と行動しており、結果空振りに終わる。
今日は一日下着にシャツ一枚だけの姿で過ごした、後やはり紐だった。
四日目
紐の下着を好んでつけるメイド達に当たりをつけ聴取を再開。
しかし紐の下着を好んでつけるのは脱ぎやすい脱がせやすいからとの返答、ご主人様には此方も似合いますとガーターベルトなども用意され着せ替え人形にされる。
犯人捜しを続けられなくなり着せ替え人形として一日を終える。
この日はタイトなスーツに少し動いただけでも下着が見えそうなくらいに短いスカートだった。
五日目
やはり紐なのは変わらない。
ブラが毎回用意されておらず、用意される服も小さいのを考えると小さいのが好きなメイドかもしれない。
小さいのが好きなメイド達を招集、そして聴取を開始。
小さくてもブラを着ける、着けないでわかれたので着けない側に残ってもらう。
残ったメイド達に話を聞いてみるがたまにチラッと見えるご主人様のポッチがどうのと豪語される。
全員疑わしくて特定できなかった。
この日は胸部がわざとスカスカで少し屈むだけでも見えるバニースーツだった、胸部を弄りピッタリにすると泣きそうになるメイド達で溢れたのでペッたんこのままだった。
六日目
いつもの様に紐の下着を身に付ける。
ここまで来るともう犯人探しがどうでもよくなってくる。
惰性で犯人を捜し続けるがやはり空振り、これもうメイド達皆で共謀してない?
用意されていたベビードールを着用し一日を過ごす。
七日目
紐を身に付けインナーを着用、その上からサウナスーツの組み合わせで屋敷をぶらつく。
きわどい格好をさせた後にこれとはどういう事なのだろうか…
犯人の狙いがますますわからなくなる。
汗だくになるので何度も着替える、サウナスーツを着用せず歩くと襲われそうになったので泣く泣く着用する。
八日目
紐と修道服とウィンプルが置いてある。
今までに比べ普通に行動できる服装になった。
久々にまともな服に安堵、お茶を飲みながらのんびりとした一日を過ごす。
犯人探しはもうどうでもよくなった。
九日目
犯人?見つかる。
フローレンスが数日前に洗濯に出したはずのドレスを抱きかかえて匂いを嗅いでいた。
夢中になっており話しかけても反応が無いので戻ってくるのを待つ。
正気に戻った後隠そうとするが現場を押さえているのでどうにもならない。
その後聴取を開始すると間もなく自供した…
事の始まりである初日、狐さんが干した洗濯物の匂いに釣られ夢中で嗅いでるところ狐さんに見つかる。
咎められるわけでもなく洗濯物を渡された後狐さんはその場から去っていったらしい。
その後狐さんがお風呂で寝ている間に服を箪笥の物も含め回収、フローレンスにプレゼント。
フローレンスの私物はまだ少ないため贈り物の製造を開始。
犯人探しで歩き回らせ衣類に汗を匂いを染み付かせる、洗濯物として回収しそのままフローレンスに横流し、用意された服は狐さんの趣味によるもの。
紐はフローレンスとちょっとしたペアルックだとかなんとか…
回収した物はどれもこれも状態保存で回収した時のまま保つようにしてあるのもまた何とも言えない。
回収するわけにも行かないのでフローレンスの頭と尻尾を撫でて立ち去る事にした。
「で、フローレンスが自供したわけだけど、狐さんの弁明は?」
「フローレンスのためを思ってした事なので何も悪くありません」
うん、フローレンスの為なら仕方がない。
「メイド達の犯人の目撃証言が今一はっきりしなかったのは?」
「協力すれば暫く可愛いご主人様を見ることができますよと通達しておきました」
メイド達全員が共犯者なら被害者一人犯人他全員、どうにもならんわな…
「初日に水着を用意した理由は?」
「子狐が食い込みの激しいピチピチの水着を着ている姿って可愛いですよね、ポッチもくっきりですし」
あっはい。
「狐さんも水着を着たのはなぜ、それに着てたの私の水着だし…」
「きわどい水着を着て肌を密着させる子狐二人、良い絵だとは思いませんか?」
あっはい。
だからあの時同じ位の子狐になってたのね…
「もちろんあらゆる角度から撮影、録画済みですので、複製が完了次第メイド達に配布されます」
「あー、うん、それはまあ別に何時もの事だしいいけど」
まあいつものメイド達のための行動なので怒れない、最後の質問を投げかける。
「最後に、今日用意されてた服がスカートの短いメイド服なのは…」
「その方が色々とやり易いからです」
あっ…これ駄目な奴…
「じゃあこれで」
逃げようとするが逃げられなかった。
「ではご主人様こちらにどうぞ」
狐さんに捕まり寝室に連行される…
この後汗などをたっぷり流し、いろいろ染み付いた服などはフローレンスにプレゼントされた。
何かを失った気はするがやはり何時もの事なのですぐ気にならなくなった。
後フローレンスが服に顔をうずめたまま動かなくなっていた。
「しかし服をプレゼントするだけなら下着まで一緒にする意味はなかったんじゃない?」
「あれはあれで使い道があるのでいいのです」
下着は何か使い道があるらしかった、怖くて聞けなかった。
翌日紐の下着を嗅いでるフローレンスと目が合って気まずかった、そういう事は部屋でしてくださいお願いします。
後、顔を真っ赤にして部屋に連れ込まないでください。
 




