気分次第 再現すると空を飛ぶ
よーし、作るぞー遊ぶぞー、まずはシャシーを取り出して、ギアを付けてタイヤを付けて、モーターを設置、前輪にも付けたら四駆にするための棒を付けて、前後にベアリングを付けて電池を嵌めて、最後にボディを被せて止めたら出来上がり、後はスイッチを入れてコースで走らせるだけ、早速は知らせてみよう。
さて、出来たばかりのマシンはどんな物かなー…
「おっーと、ちょっと待ったご主人様」
「うん?説明書通りに作ったけど何か間違えてた?」
「作り方は間違えてない、でも大事な事を忘れている、走らせる前にモーターの慣らしをしないと駄目、スプレー缶にでも何でもいいから乗せて、スイッチを入れたまま暫く回し続ける、暫くすると音が変わってくるから後は感で」
「単純な作りの割には手間が掛かるねぇ、こういうのは新しい方がいいんじゃないの?」
「まあ色々あるんですよ、色々、他にはボディに穴を空けてちょっと軽量化したりですね、モーターも種類が有るので使い分けたりもします、これはこれで奥が深いんですよー?」
「ふぅむ…ただ走らせるだけじゃないのかこれ…」
「以前は大会が開かれたりなんだと結構賑わったんですけどね、流行が過ぎると置いている所も少なくなってきて最終的には生産を止める、そんな感じですねぇ、まあ流行最盛期のボディが作られなくなっただけで、今も根強い人気が有りますよ、実際に走らせたり観賞用だったり、用途は人それぞれですが」
「なるほどねぇ、これは最近の奴なの?」
「昔の奴ですね、今のに比べると作りが結構簡単になってます、ボディも最新のものに比べると当時の物は流行重視で、風の抵抗とかはそれほど考えられてなかったり重かったりします、やたらとシールが付いていたりしますしね、まあ、当時は遅い速いと言うよりは、それを再現したり持っているという事の方が大事だったようですしね」
「ふーーん、で、これは結局皆が作ってるのと比べてどうなの?」
「周回遅れで失格じゃないですか?だって最初から付属してるモーターですし、別売りのモーターに比べて取りあえず動けばいいように作られている安物ですので、それと比べたらいくら慣らしをしてもたかが知れてますね」
「それじゃ意味無いじゃん…」
「大丈夫です、皆付属のモーターしか使ってませんので対等です、電池も規定通りの物ですしね、モーター以外にも充電電池を使うと早くなるというのが有りまして、友達間で遊ぶときには充電電池を使っているかどうかで勝ち負けが決まったとかなんとか」
「えぇ…」
「まあルール無視なんて子供にはよくある事ですね、コイル二重巻きなんてのも有ったとか無かったとか、そろそろ慣らしも終わったようですし走らせましょう、一応慣らしをしていないのも一緒に走らせてみますね」
んーむ、慣らしをしようがしまいが、付属品は付属品か…レース用に作られたモーターに勝てるはずもなく、どう弄って勝つかを考えていた所、途中で大会での使用を禁止されているらしいモーターを装着した狐さんの乱入により遊び気分は一転、どんな手段を使っても勝つ方向へと移って行き、限界まで充電した充電電池、更には改造したモーター、そして限界まで軽量化したボディ…は普通だな、そんな感じで違法改造された物がコースを爆走する修羅の国と化してしまった…
コースもコースで通常の物だと吹っ飛んでいくからと、透明なパイプで作ったコースを縦横無尽に走っているし、何かもう形だけ残した別の何かになってないかなこれ…スピード感は有っていいけど…ちゃんとルールは守って正しく遊ぼうね?速さが足りないからって電池を改造したりモーターを自作するのは何か違うんじゃないかなぁ…
最初に作ったマシンに取り付けたモーターでは絶対に出せないんじゃないかと言う高音を出しているし、熱で持たないからとシャシーからボディから全部素材も変わっているし、これはもう何なんだろうね?少なくともルシフが言っていた大会に出れる物は1台も存在していないのは確かだな、うん。
シャシーとなる部分が大きくなっただけで形は基本的に同じ、配線やらなにやらと増えていたりしっかり留めないと駄目にはなっているが、所々部品が増えたりしているので説明書もさらに細かく詳しく、順番を間違えない様に時間をかけてじっくりと組み立て、組み立てが終わればスイッチを入れてプロポで操作。
以前のミニと違って最初からスピード感も有り、自分で操作もできるのでこっちの方が良いと言う人も居るかもしれない、コースのライン取りも考えないといけないのは中々難しいが…
以前の方は違法改造に次ぐ違法改造、最終的には再現だーとか言って壁が無くても自動で曲がるようになっていたり、空を飛んだり宇宙まで走らせようとしたり…こっちはそんな事は無いだろう、多分。
ラジコンの方は特に流行らず、作りがそれほど単純ではないのと、自分で操作するのなら実際の車でいいと言う事になり今一つ、ゆっくりできていいと言えばいいんだけど、誰もいないのはさすがにちょっと寂しい…
たまに休憩に来たメイド達がちょっと遊んでは行く物の、評価は余りよろしくない、実際に運転するよりは手軽、でも実際に運転する方が楽しいとなれば…まあ仕方の無い事か、私は運転の許可が下りないのでラジコンとレースゲームで我慢、ほぼ1人なのは寂しくもあるが、暫くはこれで遊んでみよう。
「ゲームセンターがまた広くなってると思ったらそんなことが有ったんですね」
「ミニ用のコースとラジコン用のコースを追加したからねぇ、ミニは兎も角として、ラジコンの方はどれも性能がほぼ同じだから自由に使っていいよー、ミニの方は…危険だからショーケースの中に封印中」
「確かに当時のアニメや漫画でも空を飛んだりしていたような気がしないでもないですけど、あれはアニメとかだからこそ有りえたことなんですけどねぇ、まさか実現させるとは…」
再現と言う事なので見た目は変わらない、勉強と言う事で確認したアニメや漫画の通りの見た目に仕上がっている、ただ声をかけると加速したり飛んだり曲がったり、電池も交換することなく宇宙まで軽く走れる、らしい、玩具もアニメなどの再現をすると玩具の皮を被った何かになる、でも見ている分には面白いんだよね、どう見ても飛びそうにないのに空を飛んでいくとか、何もない所で曲がるとか、もうコース要らないんじゃないかな?
メイド達の間で流行が去った後はショーケースの中でただ飾られるだけになったが、たまに走らせることもあるかもしれないという事でコースもそのままに、作った物をそのままにするのもあれだし、たまには走らせてあげないとね、タイヤが勝手にすり減っていたりするのは多分不在の間にメイド達の誰かが走らせているのだろう、多分、物が意志を持って勝手に走り出すなんて…珍しくもないな、多分自分で勝手に走っているのかもしれない、空も飛べるし、出入り位自由にするだろう。
コースを綺麗にして、タイヤも取り替えて、電池はもう放っておけば勝手に充電されていくので交換は不要、要望も特に無いので弄る所はないな。
コース整備とタイヤ交換を済ませた後はクレーンゲームの景品交換、ルシフがこっちで活動するときに身に着けていたという小物類も入っているが、設定をこれでもかと渋くしているので未だに誰も捕れていない、ファイブAが言うには数千万だとか何だとか言ってるけど、時計にそこまでお金をかけてもねぇ…使わないと経済も回らないし、仕方のない部分ではあるんだろうけど。
小型のクレーンゲームには他にも指輪やらネックレスやらも設置、普通の方にはいつも通りにフィギュアを、大型には…何だろうねこれ…ぬいぐるみとかクッションっぽいのは分かるんだけど、何で巨大なこぶしが有るんだろうか…よくわからんね…
景品の追加とアームの調整等が終わればほぼ専用に近くなっているアーケードの基盤変更、縦シューティングも良いけど横もいいよね、縦の後だとちょっと狭く感じるけど、とてつもなく横に広い横も有ったりするのでまあ物に依るか…据え置きにもあるのだが、アーケードの大きさでやるとちょっと物足りない、でも据え置きにしかないのが有るのも悲しい所。
基盤を取り換えた所で調理場から缶やボトルのジュースの入った箱を引っ張り出して補充、麺類にお弁当、スープ専用自販機も原液をセットすればゲームセンターでやる事は終わり、麺類は製麺機を追加してからちょっと安っぽく感じるようになってしまったが、何時までも手打ちのままだとさすがに時間が辛いんです…
仕上がりが安っぽくともお昼や夜に出したりする手打ちとの差別化が出来たので、結果的に製麺機の導入は悪い事では無かった、機械任せの間にできる事も増えたしね。
さぁてと、ゲームセンターでやる事もやったし、そろそろ夕食の買い出しに行かないとねぇ、魚魚肉魚と最近は魚多めだし、ロールキャベツでも作るか、それとピーマンの肉詰めもキャベツと一緒に炊けば良いか。
「肉は肉でもこう来ましたか」
「いやー、買い物の前にちょっと遊んでたらつい」
時間的にはまだ余裕が有ったのでシューティングで遊んで…こう…ね?敵として出てくるじゃん…機械だけど何所からどう見てもソレなやつが…そしたらそれも最近食べてないなーって…
「刺身に始まり竜田揚げに煮物に、まあ肉と言えば肉ですね」
「頭にワニとか付きますけどね」
肉は肉でもサメ、クジラもいいかなーと思ったけど、サメの方が先に出てきてしまった物は仕方がない、一応お肉っぽくするために揚げ物も作ったから許して?
夕食後は調整と追加の終わったクレーンゲーム等に集まるファイブAを眺めつつ、夕食前には横で遊んだので次は縦、でもなくベルトスクロール、ステージ数が多くクリアするたびにルーレットを回したり、何か癖になる、同社の出しているシューティングもぶっ飛んでるし、飽きさせない何かが有るんだよねぇ…ベルトスクロールの方が終わったらシューティングもやろっと。
でもステージ数が多いから1時間くらいかかるのが何とも…これで制限プレイをしたらどうなるんだろうか…大して変わらない気もするな、武器の変化は当り判定の違いしかないみたいだし、難易度が上がるか下がるか程度か。
1時間と少しかけてクリアした所で時間も程よい時間、最後にシューティングを適当に、クリアを目指すわけではなく如何に変な物を見つける事が出来るか、または乗れるか、残機が減るのもいとわずプレイした結果5分も持たず終了、でも面白かったので良し、やっぱゲームはクリアを目指すのと楽しく遊ぶのは別ものだな、うん。
お風呂から上がった後は釣り道具や小物類の確認をしてから就寝、鮮魚コーナーのおっちゃんからまた良い釣り場を聞いたし、明日の朝は早く起きないとね。
…夕食はまた魚になるが…まあいいか、釣れた魚によってはバーベキューも有だし、夕食を決めるのは魚が釣れてからでいいな。
釣れなかったら…そのままバーベキューになるだけで誰も損はしないな、多分。
ミニな四駆
声をかけると加速したり空を飛んだり、果ては軌道エレベーターで宇宙まで走って行ったりする
加速をつけずに坂道をローラーブレードで登ったり、息を乱さず宇宙まで走って行ける子供達の凄さよ…
アーム
強弱は気分次第で変更、取れたら無料でプレゼントになっている分弱いのが多い
数千万ほどの物が入っているが別に商売でもないので特に問題はない
横長のシューティング
色んな魚介類の出てくるアレ
実物は大体食べれるので食べたくなって夕食のメニューが変わった




