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組み立て式 グレードアップ

「きょーうもうーみではーえなーわりょー、で、何で延縄漁やってるんだろうね?」

「さぁな、雇われのわしに言われても分からんよ」

 組合で延縄漁の許可を貰い、海に慣れているもう引退した老人を1人雇い、穴場の漁場に案内してもらい延縄を仕掛ける、まず上がって来たのはサメ、狙うはサメ…ではなくシロアマやキンメ鯛、掛っていたと思われるシロアマやキンメの頭、たまにサメ…食い荒らされてるなぁ…

「ここサメ多くない?」

「その分餌となる他の魚も多いという事だ、食われる前に引き上げればいいだけだな」

「延縄って仕掛けてすぐ引き上げる様な漁だったっけ…」

 引き上げた延縄を邪魔にならないよう直ぐに片づけ、本日最後の仕掛けを引き上げ、サメ、サメ、シロアマ、シロ頭、キンメにクエ…サメも多いけどキンメとシロアマだけでなくクエもちょこちょこ掛かっている、おじいさんの言う通りにいい場所ではあるんだよねぇ…

「全部引き上げたな、それじゃ港まで引き返すぞ、絡んでる延縄は今すぐできそうなのは直して、駄目そうなのは帰ってからだな」

「へーい」

 サメが滅茶苦茶にしている部分はもう駄目そうだな、頭だけになっている魚も魚で魚粉にしたりするので捨てずにちゃんと保管、サメも全てお持ち帰り、買い手がいるのでちゃんと市場に卸す。

 捕れたサメはその場で仕留め、縁に繋いで港まで引っ張り、港についたら全て引き上げて競りに出す、イタチはフカヒレやカマボコに、ネズミはサメ料理の専門店など、結構需要が有るんだよねぇ…狙いの魚が食われるのは辛いけどこれのおかげで赤字にならないのが救いか。

「今日はどれを持って帰るんだ?」

「クエが捕れたし、今日はクエを貰って行こうかな、どうするかはまだわからないから生きたままで」

 確実に取れるかどうかも分からないし、特に養殖する事も無く普通にお鍋なりで食すかもしれないけど、クエを輸送用の入れ物に入れて貰い、持ち帰りの準備は完了、その前に駄目になった延縄の仕掛けを直して翌日の漁の準備も済ませて置く。

 延縄を全て直し、船に積み込んだら雇っているおじいさんに挨拶をして帰宅、行きは自宅の転送装置で楽なんだが…帰りが馬車になるのがなぁ…行きの分が有るだけでも十分と言えば十分か、さ、帰ってクエをどうするか聞くとしましょ。


「シロアマとキンメの雌は捕れたか?」

「捕れたのはもう養殖場に放り込んできた、今日はクエも捕れたからそれ貰って来た」

「クエか…とりあえず台所に運んでおいてくれたら夕食にでも使うわ」

「はいはい」

 クエは別に養殖はしないと…増やすなら増やすでまた土地を買わないと駄目だしねぇ…現在家1に対し農場6の養殖場8、もうこれ以上増えなければいいんだけどなぁ…土地代とか全部私持ちだし、卸売りで得た収入は何所へ消えてるんだろうね…特に何かを買っているわけでも無いようだし、貯め込んでいるんだろうけども…まあいいや、斡旋所で何か良い依頼が無いか見繕ってもらおっと、無いならないで木材を買ってきて舟でも作るか、漁で使ってる船も契約で借りてるだけだし、自分の船が欲しいやねぇ…


「誠に申し訳ありませんが、今その条件でお出しできるような依頼は御座いません、またのお越しをお待ちしております」

「ないかぁ…」

 土地の拡張だ何だと費用が必要になっては駆け込み、土地を拡張しては費用がなくなったと駆け込み…そんな事をやってれば大体の高額依頼なんてなくなるよね、切り替えて材木屋にでも行こう、積載量は特に考えず…2人…余裕を持って3人乗り出来る程度でいいな、丸太で買い取るか既に製材している物を買うか…製材している物だと曲げる必要があるし、丸太で購入してそう言う形に切りだしても良いし…ふむぅ…困ったときは聞けばいいな。


「手漕ぎで3人乗れる程度の舟を作るのに必要な木材ある?」

「3人乗りの手漕ぎだと…これ位だな、届け先は?造船所か?」

「自分で作るから自宅だね、用意してくれたら自分で持ち帰るから大丈夫」

「そうか、なら送料を抜いて…130万ペッタンコだな、直ぐに用意させるからそこで待っててくれ」

「ちょっと高くなぁい?」

「既に組み立てるだけの状態にしてあるからな、鉋掛けとかは必要だが、組み立てるだけで釘も要らない、浸水もしない、拡張性もあるし、付け足す部品も取り扱っている、自分だけの船を簡単に作れるってやつだな」

「ふむ…」

「かなりのペッタンコをつぎ込めばそれこそクルーザーまで組み立てるだけで作れるようになるぞ」

「木材だと壊れそうな気がするんだけど…」

「強度も十分だから全速で岩礁に突っ込んだりしなければ壊れる事は無いぞ、耐火性にも優れているからエンジンが火を吹いても船は燃えない」

「ははぁ…まあ今は手漕ぎで十分かな、はい、130万ペッタンコ」

「まいど、船の拡張や部品が必要になった時はまた来ておくれ、エンジンが必要になったら隣にあるお店に行っとくれ」

 んーむ、組み立てるだけでいいとは、何と簡単な事か…でもちょっとは鉋掛けしないと駄目みたいだけど、それほど時間がかからなくて済みそうだね、時間も余りそうだし、エンジンもどんなのが有るか見てから帰るか。


「足漕ぎの人力エンジンが15000、小型の燃料エンジンが15万、魔道式が45万ペッタンコね」

「足漕ぎは要らない、燃料式と魔道式の違いは?」

 アヒルさんボートに取り付けるような物を進められても困る…買うとしても無難に小型エンジンよね…

「燃料式はそのまま、動かすのに燃料が必要、速度もそれなりだがうるさいのと燃費はあまり良くないって所だな。

魔道式は乗る人の魔力次第、魔石でも補充は出来るようになっている、燃費がセットした魔石や扱う人の魔力次第、パワーなんかも人や魔石次第、音は静か」

「ふむ…念の為魔道式を買っておこうかな…バックトローリングをしたくなった時にいいかもしれない」

「はいよ、今だしてるのは一番安いやつだけどどうする?100万足せば直接エンジンを操作しなくても船に乗ってれば何所でも操作できるようになるぞ、舵も要らない」

「あー、ならそれを一つ」

「はいよ、130万ペッタンコね、取り付けは簡単、縁にこいつを噛ましてボルトとナットで締めて止めるだけ、操作方法なんかは付属の説明書を読んでおくれ」

「はいはい」

「買い替えたくなった時は古いエンジンを持ってくるのを忘れるなよー」

 ちょっと余計な買い物だったかもしれないが、音もほぼ無く、舵操作も必要なし、手漕ぎ舟とは言え積んでおいて損はないかもしれんね、それほど場所も食わないし、取り外しも簡単だし、帰ったら舟をぱぱっと組み立てちゃうか。


「こういう時庭が広くてよかったーって感じるよねぇ…」

 買ってきた木材を積み上げ、船底になる部分から鉋をかけて少しずつ組み立て、プラモデル感覚で作れる手漕ぎ舟…釘も要らない楔も要らない、本当にただ組んで木槌で軽く叩いてはめ込むだけ、これでクルーザーまで作れて海で走らせることもできる、この辺はゲームって感じがするねぇ…

 そこまで技術を高めているだけかもしれないが、なんにせよ組み立てるだけでいいのは有り難い、中ほどまで組み立てた所で一時休憩、鉋屑は燃えるごみへ、ゴミだしを済ませたらお庭で組み立て中の舟を見ながらお茶で一服…休みを満喫してるって気がするねぇ…たまに鳥が飛んで来てはお茶菓子代わりの炒り豆を突いて持って行っているが、まだまだ沢山あるので軽く砕いてその辺に撒いて置く、流石に食べようと思った豆を摘まんだら指を突かれるのはちょっとね…

 ポリポリと音を出しながら豆を食べ、程よい温度の緑茶を飲み、豆がなくなった所でお茶の残りも全て飲み干し、舟の組み立てを再開、今日中には完成させたい所だねぇ。


「参った、舟を片付けておく倉庫が無い…」

 舟を乗せて置くための台は付属でついてきた、だが舟を使わないときは仕舞って置くための倉庫は別売り…これは…倉庫を増設するしかないな、詰所か何処かで倉庫を取り扱ってる所が無いかを聞いて来よう、それまでは…天日干しになるけど仕方ないか、そして今日もこうして稼いだペッタンコが飛んでいくー…受けれる依頼もないし、程々にしないとね…


「倉庫は小で50万、中で100、大で200、特大で400だな、舟を入れるなら中、他にも色々中に片付けたい物が有れば大だな、今の家の大きさだと特大は設置できないな、設置するなら新しく土地を買うか、家を潰してプレハブ小屋にでもしないと無理だな」

「じゃあ中で、雨ざらしになるのを防ぎたいだけだし、そこまで拾いのは要らないかな」

「はいよ、いつも通り家の空いている所に設置されているから、場所の移動はそっちでやってくれ」

 よし、これで船が雨ざらしになったり天日干しになる事態は解決できた、家に帰って倉庫の位置を決めて舟を倉庫に入れないとねぇ、さ、帰りましょ。


 あまり近すぎると影になるから離して、遠いのはそんなに邪魔にならないので問題なし…この辺りかな…?家から5メートルくらい離れた位置に倉庫を移動し、倉庫の中に舟を置くための台を設置、手漕ぎくらいの小さい舟ならまだまだ余裕はあるな、片づけに困っている程々の大きさの物は…そんなにないな、農具なんかは温室の中に置きっぱなしだし、養殖に使ってる漁具等も養殖場に置きっぱなしだし…紐で吊ってるから物干しざおもないし…物干し台は特に動かす必要なし…そのうち誰かしらが農具やら漁具を収納し始めるだろうけど、それまでは舟専用にしておくか。


 舟も作った、倉庫も設置した、次にやるべきことは…

「浸水無し、エンジン音もほぼ無し、急停止からの後退も問題なし…よし」

 試運転だけと言うのも何なので、川の方まで出てバックトローリングのお試し、糸を垂らし、流れに任せて舟を流し、反応が無ければ回収してまた上流まで舟を走らせ良そうなところに垂らして流れに任せる。

 んーむ、バックトローリングでも問題なく何らかの魚が追っかけてきてるし、一瞬竿が持って行かれそうになるのを見ると結構大きなのが潜んでいるみたいだねぇ、針を付けてないので飲み込まれでもしない限り早々釣れないだろうけど…

 流していたルアーを回収し、舟を走らせ湖まで戻り、少々濡れるが来た時と同じように舟を担いで街まで戻り、街についたら家までひとっとび、今度は帰る時用に牽引するための台を作ろう…材木屋で売ってるかなぁ…組み立てるだけで作れる舟の部品を取り扱ってるくらいだし、多分売っている…はず?

 舟を倉庫に戻し、使った釣具も手入れをしてから一緒に倉庫に片付け、濡れた服を洗濯物に出した所で少し早めの夕食、クエはどうなったかなー…

「今日の夕食は王道の鍋、クエと言えばこれだよな、火が通るまで待ってる間に刺身、それと皮の湯引き。

薬味はネギと生姜にワサビ、好きな物を使え、食べ終わる頃には鍋も丁度良い具合になっているから、味付けポン酢にネギ、もみじおろし、大根おろし、もちろん薬味無しでもいいぞ」

「白ご飯も下さい、大盛りで」

「ご飯は締めの雑炊までとっとけ」


「んー…今日も美味しかった、さてと、そろそろ寝ないと…」

「次起きるまでに許可証が届くはずだから、まずは詰所に行って養殖場と温室の総入れ替え、養殖場は土地1つ丸々使うくらいに大きくはなるが、1つにつき6種まで養殖できるようになる。

温室も言ってしまえば巨大なガラス温室だな、生産力は今より遥かに上がって…取り扱える作物も大幅に増えて…

そうだな、温室を1つ増やして6、養殖を1つ削って8、削っても今は36種で入れ換え後は48になるから、まだ暫くは養殖するための魚の確保だな」

「もうペッタンコが無いです…依頼が無いんです…」

「あん?この国に依頼が無いなら隣国に出張して依頼を漁って来い、通行許可証とかは斡旋所か詰所で審査に通れば貰える、何の問題も無ければ1時間もかからず発行してくれる。

漁から帰ったらまずは詰所で入れ換え、足りなかったら通行許可証を発行して貰って隣国に出張、高額の依頼を1つ終わらせれば足りるだろ」

「何だろうこの…自転車操業だっけ…?」

「うちは今のままを維持してもまず潰れる事はねぇから違うな、投資するための資金を稼いでるようなもんだ」

「何が違うというのか…まあいいや…お休み…」

「おう、また今度な」


「はえー…ご主人様の所は大変そうですねぇ、それで、養殖とか農業って儲かってるんです?」

「さぁ…?未だに一度も卸売した時の収入は入ってきてないね、今は延縄漁で捕れた魚を売って出た稼ぎがお小遣いだし、お小遣いで漁をするための許可証を買って、漁で使うための漁具やら船やらを借りて…後はポイントを知ってる人を雇っているしで…」

「そう言うのも含めて色々とリアルなんですかねぇ…」

「収支の計算やら養殖の許可証の発行手続き、養殖した物の卸売なんかはやってくれるんだけどね」

「人を雇っているのか雇われているのかわからない…中間管理職とも全然違う…なんでしょうね?」

「なんだろうね?まあいいや、今日のお昼は何が良い?」

「久しぶりにラーメン!向こうで出てた屋台のラーメンを食べたらこっちでも欲しくなっちゃって」

「それじゃあ今から出汁を取ろうかね、豚骨とかだと昼を飛ばして夕食になるけどそれでもいい?」

「鶏白湯がいいな」

「豚骨と掛る時間は大差ないね…昼を過ぎるという点においては…」

延縄漁

現実の物に比べるとかなりすぴーでぃー

1日に仕掛けていいのは2ヶ所までの制限有、長さも100メートルまで


引退した老人

狙った獲物が何所に居るか、かつどこがその獲物がうようよ居る穴場かを知ってる人

日雇いで5万ペッタンコ、それと市場に魚を卸した時の売り上げの10%、結構持って行かれるけどその分優秀


組み立て式のお舟

舟と呼ばれる小型から小型漁船やクルーザーまで、全て木造、組み立てるだけで作れちゃう

火に強い木材を使い、更に耐火加工もしてあるのでエンジンルームだけは燃えない、他はちょっと燃えにくい程度、初期消火が早ければちょっと焦げるだけで済む


燃料式、魔道式

液体燃料を使うか固形燃料を使うかの違い、前者はリッターで120ペッタンコ前後、後者はお値段10万ペッタンコ前後、その時によって価格変動

魔道式は魔力さえあれば固形燃料となる魔石が無くても直結で動かせる、魔石は劣化はすれど2年くらいは使える、後音が静か

燃料式は本体が安くてほぼ毎日燃料代が掛かる、魔道式は高いけど上手く扱えば年単位で燃料代が掛からない、どれだけ頻繁に船を使うか次第でどっちの方が最終的に安くすむかが変わる


足漕ぎエンジン

アヒルさんボードについているアレ、人力で燃料代要らず、取り付けも簡単

体力に自信があるなら一考の余地あり、流れの有る所で使うのには向いてない


大型養殖場、ガラス温室

土地1つ丸々使う分生産力や栽培できる種類、養殖可能な種類が向上

最小規模で5メートル四方、生産力もほぼ無し、生け簀みたいなもの、25メートル四方で大規模、土地1つ丸々100メートル四方で最大規模、最大6種、1ヶ月で1種類当たり500キロは出荷可能、その分餌代がかかるし管理も大変

温室も同じように種類や生産力が増える分管理が大変になる、大きくても管理しきれなければ無意味


ラーメン

あっちで食べたらこっちでも欲しくなった

食べた味などもしっかりと覚えているので、あれは美味しかったなーとか、遊んでいる人同士で共有する事も可能

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