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ぶわぁちぁるりありてぃ もしもガチャの最高レアとして召喚されたら

 今日も目覚めスッキリ気分は爽快、さて、寝起き早々なんだけども…寝よう…こういう時は寝るに限る、多分昨日ベッドで寝た私が現実でここで起きた私は夢だろう、おやすみぃ…

 何もない場所で何も身に付けず、何か身に付けようにも何故か収納の中身も全て空っぽ、何所かもわからない所に素っ裸で放り出され…幸い水や食料が無くても死ぬ事は無いし、これが夢じゃなかったときは諦めて何かないか探すとしよう。


 目覚めスッキリ気分は今一、さ、起きてすぐだけどちょっとお散歩に行こう。

 いやー…夢じゃなかったね、最初から分かっていたけど、一体今度は何をしようと言うのか、何をさせたいというのか、なんにせよまずは身に付けれる物の確保、葉っぱでもいいからまずは植物か何かを探さないとなぁ。

 砂場を方角を見失わない様に彷徨い、時折サボテンが生えてはいるのだが、未だに切れ目は見えず、サボテン以外の植物も見つからず…サボテンは身に付けれらないしなぁ…どうしたらいい物か…収納の中身があれば衣服くらいは作れたんだけどなぁ…テントが骨組みだけになるけど…

 さてさて、数時間歩き続けても風景に変化無し、どうした物かなぁと近くにあるサボテンを棘に気を付けて突いてみるが、食用に向いている物でも無し、皮を剥いで棘を抜いても身につけるのにも適していない、なんにせよ今は進み続ける事しかできる事は無し、日が暮れるまでにせめて木材なり洞窟なりが見つかればいいんだけどなぁ…


 何も見つからなーい、ついでにサボテンすら生えてない所に来てしまった、このまま日が暮れてしまうと夜を過ごすのが少しつらくなってしまう、ちょっとやそっとじゃどうにかなる事は無いのだが、どうにかならないだけで快適かどうかは別問題、やはり少しでも文明的な生活を求む、まずは初志貫徹、衣服から始めて次に住居、火を熾して暖房、食事は取らなくても良いので今回は食事の優先順位はほぼ最下層、兎に角歩く速度を少し上げて何か新しい物を見つけよう、海に出れば海沿いを歩けば何かは見つかる、オアシスが有れば植物が生えている可能性もあり拠点が作れる、よし、一直線、わき目もふらず一直線で海から探そう、道中でオアシスや気が見つかればなお良し。

 優先順位を少し変え、木材や洞窟を探すのは一つ下、最優先を海またはオアシスに変更、よーし、いくぞー、目指すは最果てにある海、無いかも知れないけど、サボテンが生えていたし、水も何もない場所と言う事は無いはずなんだよねぇ…

 その後も歩き続け、結局水場は見つからず、木も見つからず、洞窟なんかも見つかる事は無く、陽は落ちて夜になってしまった。

 とりあえず陽が落ちてわかる事は…自転と公転が存在している、環境は葵さんの所に限りなく近い、衛星が目測で等間隔に3つ、大きさもほぼ同じ…まあそれが分かった所で何の解決にもならないのだが…ならないのだが、これやろうと思えば衛星3つとここを行き来できるな…?

 これだけ歩き続けて何も無いという事は、そもそも今いる場所は砂と大気中の僅かな水分とサボテンくらいしかないのでは?

 もしかしたらあの衛星3つのうちのどれかに住むのに適した環境が有る可能性もなくはない、ここは試してみるべきか…?取りあえず戻ってくるための目印を如何にかつくらねばなるまい、砂場なので積み上げる事は出来ない、これでもかと言う大穴を周囲に掘って中心部を盛り上げるか、それともサボテンの生えていた所まで戻ってサボテンを積み上げるか…前者でいいか。

 只管砂を掘り、中心部を盛り上げようとした所、砂は掘れるには掘れたのだが…

 なんだろう、歩いている時や手を入れた時は普通に砂、手で掬ったりできた砂、ただ掬うのではなく掘ったら何故かブロック状に…何かこれ…どこかで見たこと有る様な気がします、取りあえずこのブロックを適当にその辺に…置いたら普通の砂に戻って崩れていった…

 運搬には便利なんだが、置いたら普通の砂に戻るって…一体これでどうしろと…まあいいや、今の目的は周囲を掘って大きな目印を作る事、普通の砂に戻ったとしても問題は無かろう。


 掘ろうとするとブロックの大きさと同じ量の砂が周囲から消える、置いたら消えた量と同じ砂が生成される、収納している間はブロック状で固定、そのブロックから砂粒一つとると普通の砂山になる、砂山に一粒戻してもそのまま、一回砂山を取り出してもう一度掘るとブロックに、何か扱いづらいね…

 当初の予定通り大きな目印は作り終ったので、空に浮かんでいる衛星のうちのどれにしようかなーと適当に選び、取りあえず真ん中から行って見ようと飛びあがった所で、先ほどまでいた所とは違い、何やら石造りの建物内に、素っ裸のままどうにも移動させられたらしい…

 衛星を目指して飛び上がるのが何らかの合図だったのか、それとも選んだ衛星によって違ったのか、それはきっと首謀者であろう稲荷狂いにしかわからない、たまに一人くらい増えるけど、誤差だな、結果は何も変わらない。

 さてと、新しい所に来たらまずやる事は一つ、周囲の把握だね、まずは建物の外に出て身に付けれる物を探し、今いる場所を拠点として弄り、今後の事を考えるのはいろいろ整えてからだよねぇ。

 さぁ探検だ探検だー、まずは出入口となる場所を探すところからだね、四方は石壁、扉となる様な物は見当たらないが、何処かに一部だけ薄い所や、何か隠しスイッチにより開く所があるとか、恵里香さんと一緒に遊んでたゲームにはそうあった、首謀者がお茶菓子代わりに稲荷を山盛り食べる様なやつであればきっと同じような作りにしているはず、隠しスイッチや薄い所は何所かなぁー…


「で、これは不可抗力なわけで、私はただ衣類を求めて彷徨っていたらここに飛ばされてきたわけで」

 隠しスイッチや薄い壁を探し、軽く壁を叩いたり、怪しそうなところを探して弄っていた所、何やら壁が動いたのでこれが当たりかと思い出た所、何やら壁の向こうで待ち構えていた人に思いっきりびんたをされてしまった。

「そうですか、何やら召喚が成功したとの事で迎えに行ったら、召喚部屋の中から出てきたのは素っ裸で隠そうともしない変態、ゆらゆら揺らしながら歩いてくる変態、これ本当に当たりなんですか?」

 こちらの言い訳はほぼ耳の中を素通りしてもう片側から抜けている御様子、思いっきりびんたをしてきたお手ては現在水で冷やされている、力任せに叩くのではなく、衝撃を中に伝えて相手を弾き飛ばすようにしなきゃ、でなきゃ叩いた手の平も居たければ手首も痛めちゃうよ?

「え?えぇ…多分…輝きは虹色でしたし、虹色の確率は1.25%と割と良心的で、出る人は10連1回で引きますし、虹で外れというのは今のところ聞いたことが有りませんね、短期的であれば金や銀に劣りますが、長い目で見れば金ではもう遥か遠く及ばない領域になるとか、一説には…」

「もういいです、取りあえずこの変態は当たりと言う事でいいのね?ハズレではなく」

「はい、それは間違いなく」

「当たりとか外れってなぁに?」

 素っ裸のまま放置され、この変態だのと呼ばれ、当たりとかハズレとか、人に指していう言葉ではないような単語も飛び交い、最終的には当たりの変態と言う答えが出て話は終わり、取りあえず呼び方は変態のままでいいから着る物を頂けませんか?


「こんなのでもちゃんと当たりなんですねぇ、先ほどから注目の的だし、行き交う人全てが振り返ってみてるし、私が虹を引いたと大体的に発表されたのも有るのでしょうけど、注目されるのって気持ちが良いですねぇ…」

「いやー…見ているのは私の方じゃないかなぁ…素っ裸で首輪嵌められて連れ回されているわけだし?

取りあえず着る物が欲しいんだけど、何かない?無ければ葉っぱでもいいから、葉っぱは出来るだけ大きめで」

 当たりと分かった後すぐ、近辺に虹が出たと大々的に発表され、その虹が何かを見ようと人が集まったと思われるのだが…

 見に来た人の表情は凍ってるし、子連れの人は子供の目を覆ってるし、羨望の目と言うよりは…

「仕方ないですねぇ…何かあったかな…これはハズレのゴボウ、ちょっと当たりのポーション、ハズレの穴の開いたお鍋、割れた鍋蓋、木刀、ポーション、犬用首輪…はもうつけてる、ラッピング用リボンと包装紙のセット、鉄仮面。

何も無いね、鉄仮面でも被る?」

「いらない…」

 全裸に首輪と鉄仮面、一体何所の誰がそんな物を喜んでみようというのか、それ以前に騒がしくなってきているのだが気になっていないのかね…?

「取り敢えず家に帰ろう、要らない物の処分とこれからどうするかを考えないと」

「それはいいんだけど、あれ無視していいの?」

 先程から呼び止めようとしているが一向に止まる気配が無いのでどんどん増えてきており、そろそろ実力行使に出てきそうな気がするのだが。

「ちょっと君、いい加減に止まりなさい、止まってこちらの話を聞きなさい、繰り返す、ちょっとそこの君」

「うるさいなぁ…これからどうしようか考えている時に、一体何、何のようなの?」

「ちょっとそこの詰所まで来てもらえるかな?白昼堂々裸の男性に首輪を着けて連れ歩いている不届き者がいるって通報があってね、ちょっとお話を聞かせて貰えるかな?」

「…逃げる!」

「あ!おい!そっち行ったぞ!逃がすな、捕まえろ!」

 おーおー、わき目もふらず一直線に逃げていらっしゃる、さて、どうしようかな。

「あなたも詰所の方まで来てもらいましょうか?」

「あ、はい、それより着る物何かありません?」

「詰所に行けばタオル位は有るから暫くはそれで我慢してくれ…」


「なるほどなぁ、衣服を求めて彷徨い歩いていた所、気がつけばあの召喚部屋に出てきていたと」

「お茶です、どうぞ、それとこちら安物ですが下着と上下一式です」

「あ、どうも」

「まあたまにあるんだよなぁ、大抵は何かガラクタだったり、ちょっとした傷や病気の治るポーションだったり、虹が出ても大抵は宝飾品だったり、虹で生物が出てくるのは更にそれ以下、5年に1度くらいかな?」

「結構頻繁に出てるね」

「人が出てくるのは大体10年に1度かな」

「そこそこ確率高いね」

「まあ出てきた物をどう扱うかは引いた人次第だけど、流石に全裸出歩かせるのは駄目、男性の場合最低でもズボン、女性の場合は水着のブラとズボンが最低の着用義務、また着用させる義務有。

違反した場合は罰金10万及び1年の懲役、まああんたの場合は、自分の意志では無い事、召喚で呼び出されたことを考慮して、無罪放免とは行かなくても1週間くらい無償奉仕すれば解放って所だな。

街中のごみ拾いにどぶ浚い、教会や頼まれた家の草抜きなど、他には斡旋所などでウェイターなんかも有るな」

「ほうほう」

「要は期間限定の便利屋だな、寝床と食事は雇い主が負担だからちょっときつい内容になるかもしれないが、1週間過ぎたら解放されるし、それ以降はその日暮らしでもいいから自分で仕事を受けて報酬を受け取ればいいさ」

「なるほどね、それで、その召喚で呼び出された私はこれからどうなるの?

「取り敢えず1週間ボランティア、召喚した奴が罰金を払えなければ暫くは国預かり、釈放後に召喚した奴につき従うかどうかはお前さん次第だな、そもそも従う理由なんて何所にもないし?

人が人を召喚したからってお前奴隷ね?って言ったらその場で殺されても文句は言えないぞ」

「長い目で見れが銀とか金より上ってのは?何かそう言う話をしていたんだけど」

「それは単純に物か人かの違いだろう、アレで出てくるのは銀とか金だとそこそこお高めの貴金属で売っても良い所4ヶ月暮らせる程度、虹で人や動物が出てきた場合は鍛えてやれば一時のお金ではなく恒常的にお金を稼ぐようになるし、究極、自分が働かなくても暮らしていけるようになるわけだな、何もしないと見捨てられて独立されるけど」

「ほーん…じゃあ適当に奉仕活動でもして、それ以降は適当に過ごしてみようかね」

「まあ、まずは召喚した奴がどうなるかだな、身元は召喚の時の発表で割れているからすぐ捕まると思うけど」

「それまではお茶でもどうぞ、お茶菓子も有りますよ」

「あ、これはどうも」


 さて、これからどうしようかなと考えつつ、受け取った上下の服の丈を調整、少しぶかぶかだったのでもう少しきつめに調整と、借りた裁縫セットでお裁縫をしていた所、逃げていた人が捕まったらしい。

「んで、罰金を払えないという事で、お前さんは一旦国預かり、身元は国が保証してくれるから何かあったら近くの詰所でも警備で出歩いている衛兵にでも、気軽に声をかけてくれればそれで。

奉仕活動は明日からだな、今日の所は詰所にでも泊まっていけ、明日の朝にでも斡旋所に案内するから」

「はいはい」

「さて、それじゃ俺は帰るとするかね、それじゃ後は宿直よろしくー」

「はい、お疲れ様です、それでは私達は交代の兵が来たら一旦食事にでも行きましょうか、お酒は駄目ですけどね」

「飲まないから大丈夫」

 お裁縫を済ませ、上下を着用し、交代の人が来るのを待った後、近くの酒場へお食事に、未だにここが何所かもわからないし、呼び出した人は御用になったし…取りあえずどう過ごしていくか考えないとなぁ。

 当初の目的であった衣服は確保、次は拠点、1週間ほど無償奉仕なので拠点と言う拠点は今すぐ確保と言う事は出来ない、でも寝泊りする所は出来たのでこの問題も解決としておく、食事の問題も解決で…後はどう過ごしていくかに戻ってくるよねぇ…無償奉仕も草抜きやらごみ拾いやらどぶ浚いやら、特に何も考えず出来る物にウェイター等もあるようだし、まずはごみ拾いからだな、ごみ拾いなら町中歩き回るし、何所に何があるかを覚えるのに最適、どぶ浚いは水路などに沿って歩くので覚えるのに適してはいるがごみ広いほどでは無し、草抜きは教会と呼ばれた家位なので却下、明日からはごみ拾いに従事するとしよう、何所で寝泊まりするかは…まあ斡旋所で聴けばよかろうて…


 目覚め今一、気分程々、お風呂は無かったので濡れタオルで体を拭いてと…砂が絡んでいる尻尾も丁寧に手でどうにか砂を取り除いて…よし、今はこれが限界、櫛やらお風呂やらが無いとこれ以上は無理、ちょっとムズムズするけどこれ以上は落とせないから仕方ないね。

 床に落ちた砂は纏めてその辺の花壇にでも巻いて置く、塩は付着してないし、ただの砂なので問題は無かろう、砂を処理した後は詰所の中に戻り、適当にお茶を淹れて一服、斡旋所に案内してくれるまではここから離れる事は出来ないし、ちょっと軽い運動でもしていようかな。


「おはよう、早速だが斡旋所まで行くぞ、早めに行かないとまともな依頼が無くなるからな。

どぶ浚いは汚れ仕事な分日当は悪くないし、ごみ拾いも範囲が街の全域なのできつい分こちらも悪くない、そう言うのが取られる前にさっさと行くぞー」

「はいはい」

 無償奉仕用の依頼とかでもなく、普通に割のいい仕事の部類に入るのか…支払いも良いのであれば無償奉仕で送り込まれた人を使えば費用もそれだけ浮く、なら早い内に行く方がいいやね、雇用形態も日当と言ってるから日雇いだろうし、1回しか受けれない事も考えないとなぁ。

「取り敢えずこれとこれ、それとこれを持って受付の所へ行ってこい、最初の2枚が国預かり中の証明、それと無償奉仕1週間の届け出、3枚目が斡旋所での寝泊まりの届け出。

何か考えているのが有ったら確保して置いてやるから行ってきな」

「じゃあごみ拾いで」

 渡された持った書類を持ち、既に何人か並んでいるので適当な所に並び、列が進んでいくのを待つ、しかし朝の早くからこれだけ並んでいる所を見ると、日雇いでも十分安定した生活が送れる、と言う事なのかな?

「次の方ー、空きましたので依頼書の提示をどうぞ」

「はいはい、依頼書じゃないけどこれ」

「拝見します…はい、ではこちらへどうぞ」

 何処かに案内してくれるようなので受付の人についていく、案内してくれた衛兵さんは…ごみ拾いを確保してくれているようだ、良かった。

 案内されるままに階段を上り、通された場所は空き部屋だった。

「こちらが1週間あなたの寝泊りする場所です、水などの飲み物は無料、ベッドなどのシーツや布団はこちらで毎日取り換えますので、特に洗濯などに出して頂いたりしなくても大丈夫です。

洗濯物も籠に入れておいてくれれば外に出ている間にこちらで洗濯いたします。

食事などは1日3食、朝昼晩、斡旋所の隣に併設されてある酒場でどうぞ、無料奉仕期間と言う事であまり良い物やお酒は出せませんが、一般的な定食なんかは無料です。

また、1週間を過ぎた後も住居が決まるまでは寝泊りをして頂いても結構です、ただし1日につき500ペッタンコ頂きます」

「何だって?」

「期間以降は宿泊代として、1日500ペッタンコ頂きます」

「ペッタンコ…」

 ペッタンコか…かなりの美人に入る人が真顔でペッタンコとか言ってると何かこう…来るものがあるな…言ってる本人も結構大きい方なのにペッタンコとはこれいかに?

「こちらがペッタンコを貯めておくための指輪や腕輪になります、どちらになさいますか?」

「じゃあ腕輪で」

「では…はい、これであなた以外には使えなくなりました。

数字だけでやり取りをするので現金は有りません、また貸し借りする事も可能ですが、借りた場合は期限以内に返済できなければ取立人が支払いが完了するまで付き纏いますのでご注意を。

他にも分からない事が有るかもしれませんが、今はここまで、下に戻って今日の仕事内容を決めてしまいましょう」

「あ、そうだね」

 階段を下り受付まで戻ると、先ほどまではかなり並んでいた人達がほぼいなくなり、閑散としていた。

「どの仕事を受けるかはそこの掲示板に張り出されている依頼書を持ってこちらまでお願いします」

「はいはい」

 確保して貰っていた依頼書を受け取り、受付まで持って行き、以来の受注を確認して貰いお仕事開始、ごみ拾いの報酬は歩合制、労働時間は1日5時間、決められた範囲内を掃除、最低ラインが指定範囲の半分を掃除、毎日最低ラインだけでも問題はないが給与は増えず依頼主から拒否されるようになる、指定範囲全て掃除でちょっと多め、範囲外まで手が届くとさらにボーナス有、ふむ…まあ無償奉仕中なので給与に影響はしないが、何が何所にあるかを覚える必要があるので掃除している内に範囲外まで手が出るか。

「それじゃ、後は頑張れよ」

 衛兵さんは斡旋所を去り、詰所へと戻って行ったようだ、さて、こっちもお掃除をしましょうかね、今から5時間、お昼休憩を挟んで16時まで、何所まで掃除できるかな。


 んーむ、中々広い…お昼休憩を挟んで残り1時間でようやく範囲内全域、範囲外もそれほど掃除できそうにないなぁ…それでも街がどうなっているかの確認と場所を覚える必要はあるし、行けるだけは行って見よう。

 拾ったごみは範囲内の一角にある収集場にに持って行き、纏めて捨てるだけなので分別しなくていいのはではある、陶器にガラスに紙くずなどを纏めて捨てれるっていいね。

 収集場に捨てた後、ごみ拾いに使っている火はさみを立て、適当に回して倒れた方角へ、倒れた先は…

「ここにごみはないぞ、ごみ拾いならもう少し手前から南東に進んだ場所だな、そこがごみ拾いの範囲内だ」

「ふむ」

 適当に歩いて行った先に有る大きな建物前、確かに周囲にごみ一つ落ちてないね、言われた通りに引き返して南東方面へ行ってみよう、時間は…残り30分、これは…着く頃にはもう時間切れだね。


「お帰りなさいませ、腕をこちらにお出し下さい…はい、達成率100%ですね、お疲れ様でした。

無料奉仕期間なので報酬は出ませんが、この調子であと6日間頑張ってください。

この後はどうなさいますか?1日の労働は5時間と決まっているのでもう仕事を受ける事は出来ませんが」

「んー、じゃあ、朝に応対してくれた人は居るかな?いろいろ聞きたいことが有るんだけど」

「あの子はもう仕事を終えて帰りましたので、質問であれば私が」

「あ、そう、じゃあ…依頼は何時から始めれるの?」

「指定が有るもの以外は何時から始めても構いません、街のごみ拾いやどぶ浚い等は24時間何時でも受け付けています、ただ1日の労働時間は5時間までなので1日に何度も依頼を受ける事は出来ません。

また依頼の受付は0時から始まり、最終は19時になっていますのでお忘れなく」

「19時に受けて0時に依頼を終えた場合またすぐ受けれるの?」

「受けれますが…翌日0時までは依頼を受けれなくなりますね朝から1日中遊んだり寝て過ごしたいというのであれば19時と0時に依頼を受ければできますね」

「ふむ…無償奉仕期間が終わった後の住居は何所に行けば借りられるの?」

「家と土地は国の管理ですので、近くの詰所に行き、審査に通れば借りられます。

通らない場合は安定して得られる収入が1日1万ペッタンコとして、月に20万ペッタンコの家賃が掛かる所に住もうとする、などですね、最低でも1日当たり3万ペッタンコの収入が求められます。

1週間は7日、1ヶ月は28日固定の1年336日、家賃以外にも水道代に光熱費にと色々掛かりますので、食費を余り押さえない場合は使用量次第で、家賃の他にも月10万ペッタンコは掛かりますね、衣服などを買ったりすればもっと増えるでしょう」

「家賃が高い所と安い所の違いは?」

「高い所はサービスが良い、安い所はサービスそれなり、宿無しは衛兵から質問された後詰所まで連れて行かれます。

家を買う場合は最低でも使用人を1人雇えるくらいの収入は必要です、使用人の給与が1日5時間で5万ペッタンコ、これだけで月140万ほどかかりますので月に200万ペッタンコは稼げないと家を買う事は出来ないでしょう」

「使用人の仕事内容の内訳は?」

「家の広さにもよりますが、平屋の1戸建てですと掃除と洗濯で1時間、朝昼晩の食事の用意で計1時間、3時間ほど持て余すことになります、買い物を代行して貰えばプラス1時間、お風呂も用意させるのであればもう1時間、どう振り分けて何所まで自分でこなすかが節約の基本になりますね」

「つまり給与は1時間1万ペッタンコ?」

「はい、そうなりますね、出張ではなく雇われている家で寝泊まりをしますので、宿代などを引いて給与が1時間1万ペッタンコ。

雇っている相手が仕事と思っていなければ加算されませんので、使用人の見極めも節約には大事ですね、掃除などが日課で仕事と思わない者であれば掃除中も仕事にならず、料理が仕事と思わなければ仕事にならず、と言った具合に」

「炊事掃除洗濯の3つが仕事と思わない場合は?」

「極稀にですがありますね、そう言った場合は適当に仕事を割り振ってあげるのも大事です、お裁縫や花壇の整備など、1日5時間制限は有りますが、できれば3時間は働かせてあげる事」

「ふんふん、まあ家を買うなんて当分先だし、その時になったら考えればいいか」

「他に何か分からないことは有りますか?」

「依頼を失敗した場合はどうなるの?またどこまでの依頼なら受けれるの?」

「失敗した場合は進捗状況次第、依頼を受けるための条件は有りません、また、収入を得る方法は依頼だけでなく、出先で倒した魔物などの素材を売って稼ぐ方法も有ります。

無償奉仕期間中は街からは出られませんので関係は有りませんが」

「討伐を主体にした場合の月の平均収入は?」

「街周辺で活動している人達ですと月15万、少し離れれば30万と増えますが、街に居ない間も容赦なく借りている家の家賃は発生しますので、月に1度は帰ってこないと契約は自動更新され、家賃を滞納している状態になりますので今以上に稼ぐ必要が出てくる、なんて事も有りますので安定はしていませんね」

「ごみ拾いやどぶ浚いを一ヵ月続けた場合は?」

「歩合制で多少増えますが、達成率が毎日100%だった場合は月6万と言った所ですね、日雇いの中では割の良い方ですけど誰にでもできる事ですので」

 んー…ごみ拾い等だけでは家を借りる事すら厳しいか…掲示板に張り出されている依頼書出稼ぎの良い物を選ぶのも大事か…まあ今はとにかくごみ拾いだな、無償奉仕期間を終了させないと街から出る事すら叶わない、頑張ろう。


「…はい、1週間お疲れさまでした、明日からは一般となりますので依頼が完了次第報酬が発生いたします、また、依頼書での仕事が1日5時間制限と言うだけで、個人的に街の外に出て採取、それを商店やここに持ち込み買い取って貰うという事は可能です、ただ依頼書で受注して持ち込むよりは買い取り金額が下がるのでお気を付けを。

部屋は引き続きご利用なさいますか?」

「あー、利用します」

「では500ペッタンコの貸しにして明日纏めて1000ペッタンコ払いますか?それとも街の外で何か採取をしてきますか?

定食であれば無料で食べれますので、食べ物が無いといって慌てる必要も有りませんが。

借金の取り立ては週初め、後3日は滞納しても大丈夫です、ですがよく週初めに取り立て屋がそちらに向かいますので出来ればお早めに、特に利子などは発生しませんのでペッタンコが貯まっているのであれば取り立て屋の方に渡して貰えれば返済完了です」

「取り敢えず借りで、明日の報酬で纏めて払う」

「分かりました、では本日はお疲れさまでした」

 あぁー…やっと無償奉仕期間が終わったー…本当に掃除してご飯を食べてお風呂に入って寝るだけの日々であった…しかし、明日からは街の外に出れる、まずは日付が変わると同時にごみ拾いの依頼を受け、4日宿泊できるだけの報酬を得る、その後は街の外に出て探索、何が高く売れるか、何を討伐して素材を剥ぎ取れば儲かるか、少しずつ稼ぎながら探索範囲を広げて行こう。


 …で、もう1週間たったんだけど、何時迎えに来てくれるんだろうね?

ブロック状の砂

ブロック、直方体、立方体…箱っぽい…砂…サンドボックス!

色々適当に設定した結果、掘る時だけブロックに、積み上げると普通の砂に戻るようになっていた

周りの砂も重力に引かれて崩れるため、パッとみ中央が大きく盛り上がっている巨大なアリジゴク、落ちたら普通の人はもう上がれない、ヘリでの救助待ちになる、そんな物は存在しない場所けど


虹色の扉

銅・銀・金・虹と4種類ある、1年に1回回せる、10年貯めれば10連を回せる、別に最低保証もないし天井もない、虹1.25%金5.5%銀22.25%銅70.5%???0.5%

???は別にご主人様ではない、演出も銅から虹のどれか、こっそり混じって出てくるサプライズ、当たれば腐った卵引換券と言うどうしようもない物が貰える

ゲームのような世界でいてやっぱりゲームの世界


呼び出した人

出会い頭に叫びながら思いっきりびんたを噛まして手首を痛め、虹を引いて浮かれて首輪を嵌めて見せ付ける様に練り歩いた

ついでに大通りを堂々と裸出歩かせたので一発で御用となった、ついでに罰金を払えなかった、懲役一年決定!

罪状は違えど毎回捕まる役柄の人、食い逃げだったり割れた鍋蓋のポイ捨てだったり


ペッタンコ

お金の名前、まな板から巨峰、オッチャンまでペッタンコペッタンコ言う

借金すると何所からどう見ても堅気じゃない人が今まで貸したペッタンコを返してもらいましょうか!と言ってくる、動けなくなると返済できなくなるので付き纏うだけ、只管に鬱陶しい、排除しようとすると間違いなく返り討ちにあう、ベッドに運ばれている間も寝ている間も返してもらいましょうか!と只管繰り返す

なお現金取引は一切ない模様、腕輪や指輪を介して数字だけをやり取りするので銀行もない


迎え

多分気が向いたらくる

もしかしたら既に誰かが紛れ込んでいる、かも知れない

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