でっかくいこう 別名ウォータースライダー
あ、あ、あ、…だめ…そんなに…そんなに激しくされたら…おぶっふ…
「おはようございますご主人様」
「お…おばっ!よ、う…お…おなっ…お腹の上…で…と…どびっ!」
「もう少しはっきり言ってくれませんと、何が言いたいのか分かりません」
人のお腹の上で飛び跳ねながらはっきりと言えとは無茶を仰る…
「そ…ぞろっ!そ、ろっ!お…おり…でぶふっ!」
叩くでもなく揺するでもなく跨るでもなく、お腹の上で飛び跳ねるのはちょっと…回転したり捻りを加えたり宙返りしたり…そもそも私のお腹はトランポリンでも無ければマットでもない…
「ていっ!」
「きゃっ!」
飛び跳ねるのを止めそうにないので、悪戯っ狐をひっ捕まえてポイっと投げ捨て、坂道をコロコロと転がっていくが直ぐに体勢を立て直してこちらに戻ってきた。
「いきなり投げ捨てるなんて酷いですね、尻尾に枯れ草などが絡んでしまったじゃありませんか」
「枯草とか取ってあげるからこっちおいで」
もどってきた狐さんを膝の上に乗せて抱え、尻尾やら髪やら耳やらに枯れ草がくっ付いているので、まず櫛で大雑把に落とせる物を落とし、目の荒い櫛で駄目な物は手で丁寧に、草の汁等は付いていないので枯れ草を落として櫛で整えれば完了、念の為香油位は付けておこう。
「で、何で目が覚めたら外にいるのか、何でお腹の上で飛び跳ねていたのか、そもそもここは何所なのか、はい説明」
「何かこう…ウズウズっときた、普通にダイブして飛び込んでもそのまま捕まって布団の中に引きずり込まれるから、場所は廃牧場ですかね、何かいろいろあって放棄された所をルシフが買ったとかなんとか」
「ふむぅ…」
見渡す限り枯れ草の地面が広がっているだけで特に何もない、遠くに山も見えるがそこは含まれているわけでもないだろう無し…
「それで、ここで何をする御予定で?」
「普段あまりやらないような事、何か大きい物を作りましょう。
意味のない建造物だったり、緩やかな坂を利用しての無駄に長い流しそうめんだったり、兎に角何でもいいので大きい物を作りましょう」
「大きい物ねぇ…」
「後でメイド達も何人か来ますので、その場その場で思いついた物を作っていけばいいかと、ただしこれでもかと大きい物で」
ふぅむ…何でもいいから思いついた物をとにかく大きくしろと…
「レンガが後17個ー、それと薪に使う丸太が全然足りてないよー」
「レンガが後30分ー、丸太は水分などを抜き終わったのが…どちらに持って行きました?」
「あー、あっちでログハウス作るって言ってたからそっちに渡しちゃった」
「じゃあ薪に使う丸太は後1時間ー」
「はいはい」
薪に使うとしてもまだレンガが組み終わってないのでまだ使わないので問題なし、取りあえずこちらはもう後はレンガ待ち、その間に出来立ての窯で焼くための生地を作っておこう。
まず小麦粉が…700…それに合わせたドライイースト…を小分けにしてよく捏ねて寝かせる、寝かせている間にレンガが出来上がったので組み上げてしまい、つなぎ目を乾かし、内側外側と角ばっている所を削って丸くする。
丸くした後は中に溜まった破片や削った時に出た粉塵を除去、最後に中を軽く燃やして仕上げ、熱の通りも問題なし、中に籠った熱は逃げにくく、開けっ放しにしなければ問題はないだろう、窯はこれで完成。
追加で薪を入れてもやし、中の温度を少し上げている間に生地を伸ばし、ソースを塗り、具材をたっぷり乗せて焼く準備は出来上がり、中に入って温度を確認し、燃えている丸太を動かしつつ少し温度調整、ほぼムラがなくなった所でピザを入れ、窯の入り口を閉じてじっくり30分、大きいとはいえ生地の厚さは普通と変わらず具材も程々、いくら大きくと言っても焼いて作る以上、生地を厚く利したり具材も大きくしてしまうと炭が出来上がってしまう…
ちゃんと隅にならない様に中に入って温度も確かめたし、ちゃんと大きいだけの普通のピサができるはず、こっちはもうこれで終わりだね、後はお任せして他の所を見てこようっと。
「窓に嵌めるガラス厚さどのくらいー?」
「縦横5メーターで厚さが5センチ、それが全部で8枚、浴場に使うのが縦10横5、厚さが同じのが2枚、窓枠に入れるのが縦横3で4枚」
「ガラス出来たらこっちに持ってきてー、それともう出来てる蝶番やら扉なんかは持って行ってー」
「階段の高さがちょっとずれてるよー」
「あー、だったら直しておいてー、こっちもちょっと微調整中ー」
遠くから見れば普通のログハウスにしか見えない何かいろいろおかしいログハウス、一体誰が住むんだろうねこれ、まず飛べないと取っ手に手が届かないし、どうにか開けようとした所で何人で押したり引いたりする必要があるんだろうねこれ、一応引き戸なので取っ手に手をかけずとも開ける事は可能だが…いずれにせよ普通の人では開ける事は出来ないだろう。
住もうと思えば住めるが、快適に暮らせるのはここには存在していない種族だな…
「これに使える様な水道管なんてなかったから内にあるのと同じ仕組みにしたけど大丈夫ー?」
「メイド長の許可がでてるのでそれで良し!室内の冷暖房から火熾しまで全部それを取り付けちゃって!」
見た目だけじゃなく実際に水や火も使えるようにするのか…これ完成した後どうするんだろうね…
ピザの焼ける時間になったので引き返し、窯の中からピザを引っ張り出してみる事に、ここまで大きい物を作る事なんてまずないし、ちゃんとできているか実際に見てみないと分からない、常に中で見ていてもいいのだが、普通の大きさで作るのと同じ温度には保っているし、多分大丈夫、大丈夫だといいなぁ…
閉じていた所を開き、特製の巨大なヘラをピザの下に形が崩れないように差し込み取り出す、見える範囲ではいい焼き色が付いている、問題は中心部分、焼いている間も温度がちゃんと保たれていれば火が通っているはず。
「お皿持って来てー」
「用意してませーん!ピザと言えば紙製の入れ物なのでそっちにー!」
「あ、そうなの?じゃあそれ持って来て」
お皿はないけど入れ物があると言うのでそちらに、ちょっとでも風が吹くと飛んでいきそうだな…
「あと50センチ左ー…そこで止めてー、奥に30センチ、はいそこですとーっぷ!下してー!」
焼き立てのピザを紙製の箱にいれ、箱が切れない様にカットして蓋を閉じれば出前用のピザの出来上がり、何所へお届けするかは知らないけど…早く食べないと冷えてカチカチになっちゃうよ?中心まで問題なくちゃんと焼けていたし、早めに食べて欲しいのだが…
「流しそうめんのコース出来たよー」
「じゃあそろそろそうめん茹でるねー」
ピザのお届け先は巨大なログハウスの前で作られていた、流しそうめん用の竹で作られた只管ながーいコースの所に、これ絶対最後まで流れないよね、途中で曲げて距離を稼いでるのもそうだし、茹でているそうめん自体は普通の物、大量に茹でているとは言え…
「流すのはそうめんだけじゃなくて船盛もあるから忘れずにねー」
「こっちの竹は何様だったけ?」
「出汁巻きとか煮凝りとか、箸休め的な物、それとそうめんをつける汁を入れる奴、縦に割っている奴は氷を入れて笹を被せて冷却できるようにして押しと握り、焼いてる石は横の竹に肉を乗せて」
流しそうめんって船を流すような物だったっけ…?船盛に使う船は普通水に流す物ではないと思うのだが…後これあれだ、以前興味が出てロザリアと一緒にやったことのあるあれだ…ウォータースライダーだ、それより大きいけど…船盛の船所か人も余裕で流せそう。
「ご主人様、手が空いてるなら竹を纏めるの手伝ってー。
横に切っているのが7個、縦に割ってるのが3個で糸で縛って一纏めに、取りあえず転覆しなければいいから」
「それが終わったら盛り付けの所に持って来てー、その後で船盛用の船を作ってる所に行って船を貰って来てー、そろそろ耐火性のある直接炭を乗せてもいい奴ができてるはずだから」
「はいはい、それにしても、大きさがちぐはぐだねぇ、船盛用の船で丁度いい位、竹だと今一小さい気がしてくる…普通こんな物が流せる流しそうめんなんてないんだけどさ…」
そもそも船を流す流しそうめんとは一体…?流すための作った竹の器にもお寿司やら箸休めやら、普通に出汁や薬味だけを入れた物もあるが、流しそうめんとは何かと考えられそうな気になってしまうな。
「はーい皆集合ー、流したり食べたりはちょっと待ってねー」
各所で作られていた物が完成した頃、ルシフが呼んでいたので指定された場所に集まり、1時間ほど待たされた所で何やら山の向こうからヘリコプターが1機、暫く旋回していたかと思うとそのまま去って行った。
はて?何だったんだろうか?
「もう好きに食べちゃっていいよー、食べ終わった後は撤収ね、作った物はそのままでいいから」
「もうピザが冷えちゃったんだけど…」
「温めて食べるしかないね、ついでに焼き石の上にでも乗せて流す?」
「それだともっと小さく切らないとなぁ、四角形になるけど仕方がないか」
「大丈夫大丈夫、ちゃんと記録には残ってるから、ささ、遠慮なく食べやすい大きさに切って一緒に流しちゃおう」
ふぅむ…まあいいか、目の前でそうめんと言う名前の巨大な塊が流れて行っているし、船盛も流れてるし、ピザくらいなんて事は無いか。
「そういや向こうに有った大きなバーガーとポテトは?」
「あれも後でちゃんと食べるよ、ピザ焼いてる窯が空くの待ってたから、ちょっと完成が遅れちゃったけど」
「で、狐さんはあれか…」
何時か何処かで見たような石像でもなく。高さは20メートルはあろうかという巨大な稲荷寿司、狐らしくちゃんと三角の物が中心に、周囲には四角形の物がいろんな具材を乗せて4つほど、赤に黄色に緑と色とりどり、茶色もあるな、あれは…しいたけにゴボウにレンコンを炊いた物か。
「まあ、皆これ位なら軽く食べれるし、たまにはこういう変わった趣向も良いでしょ」
「まあねぇ、特に食べても食べなくてもあまり変わらないってだけで、食べようと思えばいくらでも、だしね多すぎると飽きるってだけで」
たまにはこういう大食いも良いと言えばいいよね、明日からはいつも通りの食事に戻るが、ちょっと遅めの花見と思えばこれはこれでよかったのかな…桜もログハウスより高く大きく育ってるけど…これはちょーっとやりすぎじゃないかな…ケレスもクロノアも満足そうだからいいけど…
食事が終わった後は建造した物はそのままに、ちょっとしたごみは全てお持ち帰り、流しそうめんのコースも水を止めてしまえば問題なし、しかし…これこのまま放置で良いみたいだけど、どうするんだろうね?途中でヘリコプターが入れ代わり立ち代わりきていたし、降りてくる事は無かったけど、ルシフが途中で何所かに連絡を入れたり色々印をつけたりしてたし、ルシフに任せておけばいいか。
こっちは余った料理やらをお土産に包んで帰宅、いやーそれにしても、普段考えてもやる事のない巨大化って何か楽しい物があるよね、食べきれることが前提になるけど、また今度何か程々に大きな何かを作ろうかな、牛一頭と変わらない大きさと重さのローストビーフとか、豚も同じように一頭分のチャーシューとか…鶏ちゃんだとね、そのまま丸焼きとか有るから普通に思えてしまうんだよね…牛や豚もなくはないけど。
やはり丸焼きでは無く調理した状態、巨大なステーキなんかも特別感があっていいし、巨大なトンカツなんかも…
限られた所から限られた量しか取れないが故に大きくすると言っても普通は限界がある、でもうちには便利な物が有る、一般的なトンカツに使うようなお肉の形そのままに大きくすることも可能、その気になれば1トンと言う重さのトンカツも作れちゃう、揚げるためのお鍋から作る所が始まるけど…
普段ちょっとした驚きのために出すとしたら良い所…500グラム位かな、1キロまで行くと厚くなるので火を通すのに時間がかかるし、普通の厚さにすれば広くなるので入るお鍋が無くなってしまう…やっぱり500くらいが限度かな…
大きいのにわくわくするか分厚いのにわくわくするかは物にもよるけど、美味しく温かい内にと考えると…何事も程々にだな…皆が皆うちのメイドと同じわけでも無し、食べれる量にも普通は限界がある、大きい物を作ったとしても分けて食べきれる程度にしておこう。
「ただいまー、お土産も持って帰って来たよー」
「お帰りなさいませ、お土産はどちらに?それと中身は何ですか?」
出迎えは程々に、お土産の中が気になって仕方がないご様子、時間的にはもう夕食も終わってる頃だけど…
「全部食べ物だけど、明日の昼か夜の方が良いんじゃない?」
「よし、晩御飯確保!見つからないうちに部屋へ行きましょう」
「え、え?何事?」
玄関を通って帰って来てみれば物陰に潜むように隠れ、出迎えてきたアリスに手を引かれ、導かれるままにコソコソと部屋まで戻り、部屋にヘイル時も少しだけ戸を開けて中を確認、入った後も部屋の左右を確認してから音も立てず扉を閉めていた。
「ここまでくればもう安心でしょう、もう楽にして下さっても大丈夫です」
「うん、自分の部屋だから楽にするけどね?」
物陰に潜みつつ、周囲を警戒して誰にも見つからない様にして部屋に戻ってきたが、一体何をしているのやら…
「はぁー…12時間ぶりの食事、ようやく一息つけますねぇ…」
持ち帰ってきたお土産の料理を少し早めのペースで食べていくアリス、昨日は特に変わった様子はなかったと思うけど、連れ去られている間に何かあったのかな?
「はい、お茶、それで、ベッドの下に隠れて食べているのは何故?
一応毎日掃除してるから埃とかもそんなにないとは思うけど、ちょっとお行儀悪いよ?」
「ちょっとしたかくれんぼ中です、ただし時間が無制限、範囲は家の中、最後まで見つからず、見つからなかった時間に応じてちょっとしたボーナスが出るとかなんとか」
「なるほど?」
「と言うわけでお昼ご飯も食べずに隠れているわけなんですよね、他の4人はもう見つかったので普通に夕食を食べていると思いますが、私はまだ見つかっていませんので場所を変えつつ隠れているわけです」
「ふむ、誰が鬼かは知らないけど、私はお風呂行ってくるね、それとお土産を届けてこないと」
「私は暫くここに潜んでいますので、聞かれても言わないでくださいね?」
「はいはい、それじゃごゆっくり」
アリスを部屋に残し、残りの9人分のお土産を持ち、だれ頭がいるであろう食堂へ移動、居なかったらいなかったで…冷蔵庫にでも入れておくか。
「帰って来たけど誰かー…居るね」
「あ、おかえり、こっちに来る時アリス見なかった?」
「見たと言えば見たね、はいこれお土産、アリスが一つ持って行ったから9人分ね」
お土産は9人分、言わずとも1人分足りないのでアリストどこかで会ったというのは直ぐにばれるので、会って渡したと適当に言っておく。
「それで、何でまたかくれんぼを?」
「得にする事もなく、暇だったから何となく?4人は直ぐに見つかったんですけどねー、どうにもアリスだけが」
「ほーん、取りあえず食べれそうならお土産食べちゃって、ご飯物も有ったりするからちょっと重いけど」
「どれどれ、中身はー…おおー…お刺身に押し寿司、出汁巻き卵にいくら、稲荷の中身は…とびこを混ぜた物とゴマを混ぜた物の2種、それと彩に山菜ですか、何所かお寿司屋さんにでも行ってたんですか?」
「いや、行って無いけど、天ぷらとかは湿気て衣が駄目になるから、お刺身とお寿司を中心にしてみた」
「これは早めに食べたほうが良さそうですね、まだお風呂には入っていないでしょうし、皆呼んできましょうかね」
恵里香さんはお土産に蓋をし、食堂を出てこの場に居ない人を呼びに行ったので、こちらは当初の予定通りお風呂へ、1日中かくれんぼもいいけど、程々にね?言えるような立場でもないけど…
お風呂でゆっくりと温まり、お風呂上がりは良く冷えたコーヒー牛乳で一息、普通の牛乳かコーヒーかフルーツかで分かれる事も有るが、気分次第で変わるのであまり拘りは無し、お茶を飲む時も有ればオレンジやリンゴジュースの時もある、今日はコーヒー気分、あー、甘いコーヒー牛乳が沁みていく…
「あ、お土産頂いてます」
「美味しいお土産有難うございます」
「あ、はいはい、ゆっくり食べてね」
空き瓶を片付けに食堂の方に行けば皆勢揃いでお土産を食べている所だった、何かのお祝いと言うわけでもないので、詰めてある物はありふれた物ではあるが、良い所を見繕ってきたので少し贅沢と言えば贅沢だろう。
空き瓶を洗い、乾かしたらコーヒーを作り、砂糖を少し多めに入れて牛乳と混ぜる、あら熱が取れたら後で瓶に詰め、蓋をしてお風呂場の冷蔵庫に入れて冷やしておく、無くなったらちゃんと作って補充しておかないとね。
「そう言えばアリスと合った時に聞いたけど、ボーナスって何なの?見つからなかった時間で変わるらしいけど」
「あー、あれねー、簡単に言えば特注の釣り道具?
1時間で竿1本、2時間で小型リール付きに、3時間で竿がもう一本、4時間で中型リール、以降2時間毎に小物など欲しい物を一つ、そんなところですね、ここにいる四人は1時間たつ前に見つかったので、頑張ったで賞で50lbラインを400メートルプレゼント、従来の三分の一以下の太さなので地味に良いやつですけどね。
特注の竿も手や体に合わせて作るので疲れにくかったり馴染みやすかったりする程度…ですかね?
リールも手に合わせて馴染むように大きさを測って各部品を作り、従来の物より性能を良く、小型でもメーター級を相手に出来る耐久とハイパワー、中型でも基本は同じですね、糸を巻ける長さが違うくらいで」
「それで、アリスはまだ見つからず逃げ続けていると」
「そろそろゲームセットですかねぇ、小物も有っても困るものではないですが、多すぎると忘れたり邪魔になったりしますし、適当に終了の合図でも出しますかね」
最終的にアリスは13時間逃げ切り、竿2本にリール2個、小物を4つと50lbラインを400メートル貰っていた、ラインは1時間と言う端数の分、らしい。
「明日明後日辺りにでも注文しに行くから、竿の最終的な長さ、スピニングかベイトか、どの程度の魚を狙う様か決めておいてね。
一見ウルトラライトにしか見えないようなインナーガイドのロッドでも、やろうと思えば500キロにも600キロにも耐えれる物に出来るから、その辺も良く考えてね」
「はい、それで…もし買うとしたらいくら位に…?」
「んー…いくら位だっけ…?」
「どっちの値段で?」
「こっち価格、前に1本辺りいくらかルシフさんが値段だしてなかったっけ?」
「あー、出してたねぇ…確か…ついている機能によりけりで、ただ耐久力があるだけの竿なら1本大体70万、折れない壊れないになると一般販売不可、リールはこちらにあった物を参考に耐久性やら無駄を省いたりしてあるだけだから1個当たり40万、一応竿にせよリールにせよ大型トラックで踏んでも壊れないって言ってた」
「それ…しなるんですか…?」
「ちゃんとしなるから大丈夫、作った時に説明書が付いてくるはずだけど、何所から何所までの重さって変更できるから、狙う獲物によってその都度変更だね、まあ細かい所は説明書で」
道具が並んでいるのを見るのが好きな人は兎も角、竿とリール1個、糸も巻き替えなくても良いというのはとても良い、壊れないスナップが前提になるが…この辺りも追々だね。
「それで今日は何所に行ってたんですか?朝部屋に行ったら居ないし、玄関を通って帰って来たようですが」
「あれは何所だったんだろうねぇ…起きたら枯れ草だらけの草原だったし、四方を山に囲まれていたし…廃牧場とは言ってたけど」
「四方を山に囲まれた枯れ草だらけの草原の廃牧場…そんなところありましたかねぇ…?」
「わからんね、帰りは適当に狐さんの明けた門を取って来ただけだし、狐さんも詳しい場所は知らないし、知ってるのその土地を買ったルシフ位かな?」
「何所なんでしょうねぇ…」
ヘリコプターが飛んでいたからこっちだとは思うのだが…よく分からんね…
翌日の昼頃、ぼーっとテレビを眺めているといきなりチャンネルを変えられた。
「これ、これ見ましょう、謎の巨大建造物、巨人は実在した!?
何やら昨日国外にある無人だったはずの僻地で巨大な建造物が見つかったらしいですよ」
「んー…?」
アイナが楽しそうにテレビを見ているが…この建物は…
「建物は全て新築、ただ大きさからすると人には不可能、建築技術も何もかも水準が人より上、ドアの大きさから推定身長は15から20メーター、四方を山に囲まれており重機なども持ち込めず、ドアは開かず中に入れないそうです、ガラスも特殊なのか、強化ガラスより遥かに硬く、傷一つつかなかったみたいですね」
「ほほー…」
「外にあるドーム状の物も入り口を空けれず正面からは入れず、映像をパッと見た一般人の感想は窯か何かなのでは?が半数以上、残りがフェイク映像だろう?と言ってますが、真偽は未だわからず。
この建物実在すると思います?他局も取り扱っていますが、映像を出しているのは国外の1社だけで、皆その映像しか使えていないみたいなんですよね、どうにも辺り一帯がルシエラに買い取られていて、今は空からも進入禁止になっているとか、たまたまヘリで移動していた所のカメラマンが発見、立ち入り禁止になる直前に着陸、撮影に成功したとの事です。
衛星から見る事も不可能なようで、かなり貴重な映像のようです」
「ははぁー…」
飛んでいたヘリコプターはそれかぁ、皆の食事などが終わるのを待ってから撮影を許可したと、何の意味があるのかは知らないけど…
「ドーム状の建築物もそうですが、大きな家の前にある物も気になりますね、何の用途で作ったのか、水を流すにしても途中で途切れている、水を流して運ぶのが目的ならまっすぐで貯める所に通じているはずなのにそんなところが無い、実に興味深いですね」
それ大きいけど流しそうめんを流すコースです…人も流せるけど…
「映像では結局巨人は出てくる事は無く、窓から室内の様子を伺っていただけでしたねぇ、大きさが大きさだけに話題作りに作ったフェイク映像と言われるのも納得ですが、私は実在すると思いますねぇ」
「建物?それとも巨人?」
「どちらもです、そしてもし会えたら聞いてみたいですねぇ…家の前にあるあの曲がりくねった物は何のための物なのか、食料はどうしているのか、水は何所から引いているのか…興味は尽きませんね」
「…少なくともここに巨人はいないんじゃないかなぁ…」
「まあここには居ませんね、でもあそこに居るかもしれません」
あの建造物の所に行っても居ないんじゃないかなぁ…作ったの昨日出し、ルシフがもう手を入れて何かしてるだろうし…まあいいや、今は純粋に楽しんでいるアイナと一緒にテレビを見ていよう。
「あぁー…アトラクションの一つだったと…」
夕食後のバラエティを見ていた所、ルシエラが全世界に向けて新しいテーマパークを建造、直前まで隠しておくつもりだったが、不在の時にとあるフリーのカメラマンに撮られてしまったと、そう話している。
テーマパークの名前は直球そのまま、巨人の世界、もし巨人が住んでいたらこういうスケールになるだろう、そう言った考えの元作ったのでぜひ遊びに来てほしい、完成する頃には人用の階段や出入り口が作られているだろう、との事だった。
なるほどね…ただなぁ…
「ジャイアントシンクヌードル、巨人の流し麺…そうめんですかね?巨人も流しそうめんをするのでしょうか?」
「するんじゃないかなぁ?」
巨人ではないが実際に素麺を流したしね、流れている映像では人が大きなお碗に入って流されているが、別にお碗でなくても水着を着てそのまま流されればいいと思う。
「時間があれば行って見たい気もしますね、ただ場所が…」
「飛行機で片道10時間、そこから色々乗り継いで計28時間、現地は山に囲まれていて昔の道は崩れていてヘリ以外での移動は無理、現地に最速でついたとしても40時間くらいですね」
「ぐぬぬぬ…アスカの家の力でどうにかなりません?」
「なりません、アイナの所にルシエラのコネが無ければうちにもありませんよ」
宿泊施設は作った覚えがないんだけど、その問題はどうするんだろうかねぇ…オープンは半年後と言っている辺り、まだいろいろ作ったりするんだろうなぁ…今度は何を作らされるのやら…
家とピザ釜、流しそうめん用のコースを作っただけだから…公園とか…畑とか?また何か思いつく限りの物をとにかく大きく作れって言われるだけな気もするし、考えるだけ無駄か…
「お嬢様の権力でどうにかなりません?社員旅行であそこに行って見ましょうよ」
「あーそうですねぇ…運が良ければいけるかもしれませんねぇ…確約はできないので何時になるとも、行けるようになるとも言えませんけど」
アヤカはどう話せばいい物かと悩み、アリスはまだ気づいていないのか流しそうめんに興味津々、他の2人も行けたらいいなぁと話している。
まぁ…また拉致されて連れていかれたらいろいろ作ろう…
目覚ましトランポリン
人のお腹をトランポリン代わりに使う、体重や相手次第ではとても危険
目覚ましダイブで起きる時も有ればそのまま引きずりこまれることも有る、確実に起こしたいときは声をかければいい
だだっ広い空き地
よくある廃牧場、ただ僻地なのでかなり広い、色々とごたごたが有って浮いた土地なので安かった
よくある近所同士のトラブルからの裁判、負けてお金が払えず売り飛ばし、買った所が何か作ろうとしたら資金難に陥りどうした物かとなっていた所を買い叩いた
小麦700
グラムではなくキロ、生地の厚さは普通のピザと同じ、700キロの小麦を使った大きなピザ
約前にちゃんと温度を確かめたのでちゃんと焼けた、具材も量はおおけれど大きさは普通
ログハウス
農場組の頭ケレス主導、クロノア補助、テラとノクスが伐採加工、その他メイド達が組み立て
ガラスや蝶番やら窓枠などは鍛冶組担当、かなり遠くから見れば普通のログハウスに見える、距離感が狂う程度には
流しそうめん
流しているそうめん自体は普通の物、ただし塊、たまに船盛用の船や追加の出汁や薬味、お寿司に箸休め、時には焼肉用の肉と焼き石が流れていく
食後にウォータースライダーとして使う事も出来る
大きなバーガーとポテト
ピザと同じく兎に角大きく、横ではなく上に高く
この追い討ちにより、皆の体重とお腹がハッピーなことになる、2日後には体重も戻っている
テーマパーク巨人の世界
スケールがそこそこ大きい、少なくとも再現は出来ない、そのスケールで半年後はまず不可能
でもルシエラだからと納得、オープン前には多分飛行場も出来ている
普通には流すより流し台に麺をぶちまける方が想像しやすいという事でシェドではなくシンクになった、多分後で一番上に流し台みたいな物が取り付けられる




