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かくれおにへるもーど あまりにも卑怯過ぎる一手

ホットケーキミックスでホットケーキの生地を作り、サツマイモの皮を剥き小さめのサイコロ状にして塩水につける、生地と混ぜて炊飯器の中に入れて炊く、炊飯器で作るホットケーキサツマイモ入り―応用は割と効く―

 変わらない毎日、そういう時はふと皆を巻き込んで遊びたくなる。

「というわけで、隠れ鬼をしようと思うんだ狐さん」

「何がというわけでかはわかりませんが、よろしいでしょう。

今すぐにとはいきませんので、日時などはこちらで決めておきます。

それと今日は久々にお仕事をお願いしますね」

「あっはい」

 許可は出たので良しとしよう、久々のお仕事の内容はー…ニールやティア、コウなど、龍人族メイドの尻尾や角、羽の手入れだった。

 磨き上げるための道具を用意し現場へ向かう事にした。


 毎日お風呂に入ってるとは言え落とし切れない汚れもある物である。

 まずは纏めて全員の尻尾と羽に狐さん特製の石鹸を泡立てたものを塗り、蒸しタオルを巻いたり被せたりて暫し待つ。

 その間に専用のやすりやハサミ、削り刀を用意する。

 角は放っておくとドンドン伸びてくるので、ある程度伸びたら切って表面を削り、形を整え磨き上げる。

 角の形は個体差があるのでどの程度の長さとかが良いかもメイド達によって違う。

 神経は別に通ってないので邪魔になる場合は根元から切る場合もあるらしい。

 …まあ…屋敷に居る龍人族は綺麗に整えられピカピカに磨き上げられた角などに誇りを持っているのでまずないが…

 角が終わったら羽を綺麗にして行く。

 付け根、関節部の汚れをブラシでこそぎ落し、皮膜部分を目の細かい布で汚れを取り、最後に洗い流して丁寧に拭き水気を取る。

 尻尾は鱗の間にある汚れを付け根から先にかけて、汚れを一通り落としたら洗い流す。

 さらに細かいブラシを使い汚れを落とし、再び洗い流したらタオルで水気を拭き取る。

 その後、角と同様羽と尻尾をピカピカに磨き上げ出来上がり。

 ニールは黄金の、ティアは黒紫の、コウは薄い水色の。

 他の龍人族のメイド達もピカピカになり形を整えられた角や羽や尻尾を見て満足そうだ。

 

 手入れが終わった後道具を片付け、ぶらぶらと適当に歩き回る。

 ルシフがいつもの様に狼三姉妹と、ミアとミウは木々の剪定中、ユースティアとマキナはミネルヴァやディアナと甘いものを、テレサはユノーと読書中。

 何時もと変わらない日常である、これがずーっと続くとやはりたまには刺激はほしくなる物である。

 今度もきっと楽しい遊びになるであろう。

 そう思いながら一日を過ごした。


 日時を伝えられないまま数日が経過。

 その間毎日各種族のメイドの尻尾や羽やらをひたすら手入れしていた。

 森人族や小人族、魔族精霊族などは手入れする尻尾は無いのだが、だからと言って除者にするわけにはいかないので髪を手入れする。

 シンプルなショートからストレートロング、少しいじってガーリーやハーフアップ、ツインテールにドリル。

 要望通りの髪型に仕上げる。


 そうしてまた暫くたった後。

 朝食が終わり食休みをしていると―

「今より所有地全域を使った隠れ鬼を始めます。

隠れるまでの制限時間は30分。

最初の鬼はご主人様が務めます、見つかりタッチされ名前を呼ばれた者は鬼となります。

タッチされ鬼となったものは腕に赤いスカーフを巻いてください。

ご主人様以外の鬼に対しては戦闘行為を許可、勝利すれば鬼は捕虜に、負ければ鬼に。

終了時刻までに総数の多かった方の勝利とします、私は審判として参加しますのでご安心を。

ですが、各纏め役達は参加します、ご主人様に見つかり鬼の側に回らせないよう立ち回るのも大事ですね。

なおご主人様は接近するためなら手段を問わなくて結構です。

では各自行動開始」

 唐突に隠れ鬼が始まった、手段は問わなくていいのなら多分どうにかなるだろう。


「どこに隠れる?」

「所有地の全域ですから候補はかなり、まずは山に潜伏しましょうー」

 ニールとティアは山へ。


「さて、まずは移動を開始ましょうか」

「まずは何所を目指す?」

「そうですね、見つかってもタッチされなければいいので川を渡りましょうか」

 タニアとアナトは川へ。


「こういった物は近場が一番見つかり辛かったりするものです」

「なるほど、勉強になります」

「問題は…近すぎて見つかる時はすぐに見つかるという事ですね」

「ここにきて運任せー?」

「そういうのも面白いでしょう?」

 エリスとミア、ミウは屋敷内から出ず近場の部屋へ。


「どこー」「どこー?」「どこかくれるー?」

 狼三姉妹は特に何も考えず庭で相談していた。


「今回の遊びは如何にルシフとミネルヴァとディアナを見つけさせないか、何所に誘導して遠ざけるかになります」

「ルシフ様達を見つけさせないのには何か理由が?」

「ルシフはあれはあれでメイド長の補佐をするくらいには優秀です。

ミネルヴァは勝利、ディアナは狩猟を司りますのでどちら科が見つかり鬼になれば一気に不利になります」

「ではお三方の居所を常に把握しご主人様を逆方向へ誘導するという事で」

 ユノーとテレサは囮を用い誘導し遠ざける狙い。


「ふんふんふーん、どこに隠れようかなー。

でもあまり遠くに行くのもめんどいし近場でいいや」

 ルシフは屋敷の外へは出ず屋敷の何処かへ。


「じゃあ、私はこっちに行くから」

「私はこちらに行くのでここでお別れですわね」

 ミネルヴァとディアナは途中まで同じ方向へ行き、途中でわかれていった。


「クロノア、農場へ行きますよ」

「わかりました」

「今回の隠れ鬼、タッチされた上で名前を呼ばなければ大丈夫、籠城してしまえばいいのです」

 農場に引籠りを決めたケレスとクロノア。


 チームを組む者、他のメイドを囮にしようとする者、引籠る者。

 皆それぞれの場所へ散り隠れていった。

 そして30分後―

「ご主人様、時間です」

「よし、いくかー」

 ―鬼が動き始めた。


 まずは何所から探そうか、見つけたところで逃げられたらまず追いつけない。

 接近するための手段を考えないとなぁ…

 どうやって近づき、タッチし、名前を呼ぶか。

 手段は問わないとの事だが、何をするにもまずは人数を少しでも増やすのが先決か…

 どうするか考えると庭に狼三姉妹がいた。

 三姉妹は隠れておらず庭をうろうろしていた。


「ばしょー」「かくれるー」「どこにー?」

 まだ隠れる場所を決めていないらしく庭をぐるぐる回りながら相談している。

 音を立てないように扉を開け外に出るが…

「ご主人様きたー」「きたー?」「にげろー!」

 ピューっと走り去っていった、当然追いつけるわけもない。

 逃げてる三姉妹をどうにか捕まえるべく物置へ向かう。

 物置から三姉妹お気に入りのボールを持ち出し庭へ戻る。

 庭に戻ると遠巻きに三姉妹が此方を見ている。

「よーし、カルラとってこーい!」

 三姉妹の方向へボールを投げる、すると―

「うわーい」

 ボールに向かって走りだしボールをキャッチ、そしてボールを持ってこちらに走ってくる。

「ご主人様、ぼーる!ぼーる!」

 褒めて褒めてをしぽっをパタパタ振りながら近づいてくる、そしてそのままカルラを抱きかかえ―

「カルラ捕まえたー」

 まずはカルラを捕まえた、そして―

「カーラとカミラもとってこーい!」

 残り二つのボールも投げる。

「きゃー!」「ぼーる!」

 二人ともカルラと同じくボールをキャッチし走ってくる。

「カーラとカミラ捕まえたー」

 二人を抱きしめながら宣言する。

「あれ?」「つかまった?」「おにー?」

 ボールに釣られた三姉妹はいとも簡単に鬼になった。


 その後三姉妹を連れ屋敷内に戻り三姉妹の首輪を交換する。

「よし、カミラ、カーラ、カルラ、今ここに居ないメイド達は皆カミラ達と遊びたいそうだ。

だから見つけ次第思いっきり遊んであげるといい」

「いいのー」「いいのー?」「おもいっきりー?」

「うんうん、思いっきりぶつかってあげるといいよ」

「いってくる!」「いってくるー!」「おもいっきりだー!」

 三姉妹は元気に外へと駆け出して行った。

 これで大半のメイド達は捕まるであろう、次はだれを捕まえようかと考えていると―

「ご主人様えげつないことやるねー」

 屋根の上からルシフが話しかけてきた。

「ルシフ隠れるのやめたのか?」

「タッチされなければ名前呼ばれても平気だし―?

それにしても枷を外すとか、今から見つかるメイド達が大変だなーと」

「止めれば良いじゃないか、ルシフなら簡単だろう?」

「ははは、それじゃあすぐ終わっちゃうじゃん。

遊びは本気で楽しまないとね、それじゃあまた後でね、ご主人様」

 そういってルシフは屋根の上から消えていった。

 遠くでは何か悲鳴と地響きがしていた。


「これはノーマークでしたね…」

「どうしますかユノー様?」

「あの三姉妹を止めるにはルシフかミネルヴァ達を連れてこなければなりませんが…

今から呼びに行ったのでは間に合いませんね…」

「では散開して一人でも多く生き延びることに?」

「そうしましょう、各自散会、とにかく生き延びることを目的としてください」

 三姉妹の襲撃によりユノー達の目論見は瓦解、それぞれ散り散りになり逃げて行った。

「つぎー」「どこー?」「あそこー?」

 三姉妹は次の行き先をを農場と定めた。


「ふんふーんふふん、これでばっちり」

 寝室に戻りメイド服に着替え変装を終え、部屋を出る。

 屋敷内を歩き各部屋を回る。

 食堂近くの部屋に入ると…

「あら、貴女出歩いてて大丈夫?」

 エリスが天井から話しかけてきたので演技をする、ミアとミウもいるな。

「森に隠れていた所、三姉妹が襲撃してきまして…それで皆散り散りになって逃げてきたのです…

対抗するためにはルシフ様達を呼ぶしかなく最後に見かけたとの情報があったこちらに…」

「そうですか、それでルシフ様は?」

「ただいま捜索中で御座います、エリス様たちもご協力してくださいませんか?」

「いいでしょう、ミア、ミウ、行きますよ」

 天井から降りてきたところでエリスに抱き着き―

「エリスつーかまえたー」

 ―と耳元でささやいてあげる。

「ふわあぁぁ…」

 エリスは顔を赤くし脱力、ミアとミウは「?」となっていたので二人の手を握り―

「ミアとミウつかまえたー」

 名前を呼び宣言し、変装を解く。

「くっ…やられました…」

「ご主人様!?」

「ご主人様ー」

 ははは、一気に三人鬼に引き込んでやったぜ!

「屋敷のメイドに変装するとは…」

「手段は問わないって言われてるからねー、後こうでもしないと視認された瞬間逃げられたら追いつけないもん」

「どこからが嘘で何所からが本当だったのか…」

「森の襲撃は本当、ルシフを探してるのも本当、散り散りになってるかは知らない」

「という事は三姉妹が暴れ回ってるのですね、でしたら散り散りになっていると思いますので個別に捕獲し鬼にして行きましょう」

 サクッと切り替えてどうやって鬼を増やすかを提案するエリス。

「まあそっちは任せるよ、こっちは変装してもうちょっと数を増やしてくる」

「わかりました、行ってらっしゃいませ、ご主人様」

 エリス達と別れ再び単独行動を開始する。


「大きな木ー」「木ー?」「こんなのあったー?」

 農場へ着いた三姉妹は大きな木が生えてるのを見つける。

「すんすん」「くんくん」「ふんふん?」

 近くへ行き、匂いを確かめる三姉妹。

「けれすさまのにおいするー?」「くろのあさまもー?」「ふたりともー?」

 ケレスとクロノアの匂いを嗅ぎ分ける三姉妹。

「よーし、とつげきだー」「とつげきー」「だー!」

 木に向かって攻撃を始める三姉妹、そして…

「ケレス様、見つかったようです、如何致しますか?」

「破られなければ問題ありません、様子を見ましょう」

 木の中に引籠っている二人。

「すこしかたいー」「すこしー?」「かたいねー?」

 ケレスの生やした木は硬く少ししか削れない。

「ほんきだすー」「だすー?」「ほんきだー!」

 木に向かい全力を出す三姉妹、少ししか削れなかった木は―

「少ししか削れていないようですね」

「なら大丈夫でしょう、このまま―」

 三姉妹の全力により綺麗に折れた、大丈夫だと思っていたのか中でお茶を飲んでいたまま固まるケレスとクロノア。

「おれた!」「おれた!」「おれたー!」

 木が折れたことに喜ぶ三姉妹、お茶を飲んでいる状態のまま固まる二人。

「けれすさまー!」「くろのあさまー!」「つかまえたー!」

 すぐさま動きだし二人に抱き着き宣言をする三姉妹、ケレスとクロノアは思考が停止したまま鬼になった。


 さて、エリス達を捕まえたはいいが次はどこに行こうか。

 ルシフが捕まれば決着は早いが早々捕まらないだろう、狙い目はユノーか…?

 そう考え早速テレサに変装し移動を開始する、尻尾や髪などは乱れた状態にして置く。

 森の外周部にたどり着いたころ、テレサとばったり遭遇してしまう。

「…!?」

 うーん、これはどうした物か…

「…ご主人様ですか、私に変装して皆に近づくおつもりでしたか…

ですが本人に見つかってしまってはその計画は失敗ですねご主人様」

 テレサを観察する、毛並みは乱れずサラサラツヤツヤ、対する此方は乱れた状態…うーん…

「少し名残惜しいですがこれで失礼させていただきます、変装していることを生き延びているメイド達に伝えねば」

 テレサはそう言い残し消えていった。

 見つかってしまったものは仕方がない、このまま行くとしよう。

 変装を解かずそのまま森へ入っていった。


「それで、テレサに変装したご主人様が森の中へ入ってきたと」

「はい、メイド達に変装し近づき鬼にしているようです」

「それは困りましたね、ご主人様の変装は見分ける術がありません、強いて言えば身体能力はご主人様のままなので逃げれば追いつかれないという事ですが…」

「如何致しましょうか」

「ここからは接触を避け他のメイド達が近づいて来たら即座にはなれる方がよいでしょう。

それでは私達もここを離れ以降は個別に生き残る方向で」

 ユノーが再集結していたメイド達に指示を飛ばしていた。

 ユノーが行動を開始する直前。

「ユノーつーかまーえたー」

 抱きしめて耳に息を吹きかけてやる。

「はっ…ふぅ…」

 ユノーが膝から崩れ落ちるので支える。

「ご…ご主人様?」

「はい、ユノーのご主人様ですよ」

 変装を解き正体を現す。

「あれ、では本物のテレサは?」

「あー、本物のテレサならさっきまでいたメイド達に追い払われてたよ」

 合流するまでの間に見かけたメイド達にご主人様が変装している、毛並みに乱れは無く綺麗だったとの情報を流しておいた。

 結果毛並みに乱れがないテレサは警戒され追い返され、偽物が中枢部に潜り込んだ。

 襲撃されて毛並みに一切乱れがないと怪しく見えるもんね。

「さて、屋敷に戻ろうかユノー」

「わかりましたご主人様、こうなってしまった以上、鬼の勝利のために知恵を絞りましょう」

 ユノーを連れて屋敷へと凱旋した。


 屋敷に戻ると三姉妹がケレスとクロノアを連れて休憩していた。

「ご主人様おかえりー」「おかえりー」「おかえり?」

 ケレスとクロノアと捕まえてきていたのでいっぱい褒めてあげた。

「さてユノー、ここからできることは?」

「そうですね、ケレスとクロノアがいますので植物を操ってしまえばある程度の物は拘束できるかと。

ただ派手にやりますとたどり着く前にミネルヴァやディアナが救出して失敗しますね」

 そうなんだよねぇ、まだミネルヴァとかディアナがいるからどう転ぶか分からないんだよねぇ…

 少しでも手札を増やすためにはどうするか…

「ユノー、テレサを捕獲する方法ない?」

「テレサですか?無くはないですけど」

「じゃあテレサの捕獲を最優先でお願い、ケレスとクロノア、後三姉妹も動員してでも」

「わかりました、では早速テレサの捕獲に行ってまいります」

 ユノーはテレサ捕獲のために再び森へと向かって行った。

「エリス、お風呂の準備頼める?」

「まだ終わっていませんが今からですか?」

「そう、頼める?」

「わかりました、ミア、ミウ、行きますよ」

 エリスはミアとミウを伴いお風呂の準備へ向かった。

 後はテレサが捕獲されるのを願うのみ。


「ご主人様、無事テレサを捕獲してまいりました」

「みんなご苦労様」

 それほど時間はかからずテレサは捕獲されてきた。

「ご主人様、お風呂の準備ができました」

 お風呂の準備も完了したのでちょっとした命令を飛ばす。

「カミラ、カーラ、カルラ、テレサ、今からいう事をちゃんと復唱するように」

 四人に復唱する内容を伝える。

「「「るしふさまー、いっしょにおふろはいろー!」」」

「ルシフ様、入浴後尻尾の手入れをお願いいたします!」

 四人が良い終わった後。

「よし、それじゃあ今から入ろうか!」

 ルシフが出てくる。

「ルシフ捕まえた!」

 逃げられる前に正面から抱きしめて宣言、勝った!

「謀ったな!ご主人様!」

 なんとでも言うがいい、手段を選んでいられないのだよ。

 あ、お風呂は本当だから安心してほしいと伝えるとならいいと答えてきた。


「さて、ユノーにテレサ、ルシフを捕獲したわけだがここから執れる策は?」

「ルシフが捕獲された以上もう三姉妹とルシフに捕獲に向かわせれば勝利は確定ですね」

「私もそう思います、逃げてきたところをケレス様とクロノア様の植物で拘束、もしくは逃げ道を塞いでしまえば確実でしょう」

「じゃあそれで行こうか」


 自由に暴れるので逃げられる可能性がある三姉妹にケレスとクロノアをつけ、ルシフは単独行動。

 行動開始から10分後、鬼の数が生存者の半分を上回ったので鬼の勝利が決定した。

 隠れ鬼開始から約8時間、長い戦いだった…


「いやー、遊んだ遊んだ」

「それは良かったですねご主人様」

「やっぱりたまにとは言えみんなと遊ぶのは楽しいもんだ」

 遊びで充実した一日を送り、その後は狐さんと過ごす。

「ええ、また皆と一緒に遊びましょうね、ご主人様」

「今度は狐さんも審判じゃなくて参加しようね」

 審判として参加し遊びには混ざらなかった狐さんをもふりつつ労いまたつか遊ぼうと約束をした。


「しかしご主人様、三姉妹とテレサを餌にするなんで酷くない?」

 ルシフに四人を餌に釣りあげたことを突っ込まれ―

「変装した時鬼の目印のスカーフをつけていなかったのもルール違反では?」

 ユノーには捕まえた時スカーフをつけていなかったことを突っ込まれる。

「捕まえるための手段は問わないと説明にあったし。

タッチされ鬼となった者はスカーフをつけると説明に合った通りに、タッチされることも無く最初から鬼だったのでつけなかった。

狐さんに咎められてないのでルール違反じゃないはず」

 勝つために知恵を絞った結果なんです、許してください。

「まあ狐が咎めてないならルール違反じゃないねぇ…」

「そうですね、メイド長のルール説明通りならご主人様は鬼ではあったけどタッチはされていない。

また接近するための手段は問わないとも言ってます」

「だねぇ…それでもちょっと癪に障るからやっちゃう?」

「はい、もちろん」

 ルシフとユノーに引きずられ部屋の中へ消えていった…


「最後のアレ…酷くない…?」

「あれはどうあがいても無理ですねー」

「あの三姉妹あんなに強かったっけ?」

「三姉妹以前にミネルヴァ様とディアナ様が鬼に回った時点で…」

 ニール、ティア、タニア、アナトは黄昏ていた。

 最後の出撃命令が下された後、ルシフの手により早々にディアナが捕縛され鬼に、その後すぐミネルヴァも鬼に。

 二人に終われたどり着いた先で四人が合流、そこへ狼三姉妹が襲撃、抵抗むなしく捕縛され鬼に。

「ミネルヴァ様とかディアナ様の二人だけならルシフ様の気分次第で何とかなった。

でもルシフ様が真っ先に鬼になるとはねー」

「ルシフ様を先に捕獲するなんて、ご主人様はどういう手を使ったんでしょうね」

「一番最初に鬼になったのは狼三姉妹らしいけど」

「その時点でもうご主人様の勝が確定してたのかなぁ…」

 何が敗因だったのか、狼三姉妹は何時の間にあそこまで強くなっていたのかを話し合いながらグラスを傾けていた。


「そういえばルシフ」

「はいはい、なーにー?」

「隠れ鬼の時三姉妹の首輪を枷の無い物に変えたけど問題はない?」

「ははは、加減もできるようになってるから大丈夫だよ」

 ならよかった。

「テレサの首輪もそろそろ一番効果の強い物になるから後は経験次第だねー」

 三姉妹とテレサの強さはそろそろ頭打ちらしい。

「まあそれでもまだまだ伸ばす方法はあるから楽しみにしておいてねー」

「ほどほどにね…」

 三姉妹とテレサは何所まで強くなるのか…ルシフの気分次第だと思います。


 狐さんの強さ?屋敷のメイド達が全員本気で襲いかかっても秒も持たないと思います。

 ご主人様との接触禁止令とか甘味禁止令が出されたりとかで始まる前に終わるから…

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