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道はまだまだ続いていく この先行き止まり

「次はどんな所かなー」

「どんな所でしょうねー」

 目的地も当てもないドライブを始め、2ヶ所目のパーキングエリアで給油、次のパーキングエリアを目指して車を走らせる。

 走り始めてから30分、今の時間は午後3時、そろそろどこかで落ち着きたい所だね。

 道路から出るような所も無く、次のパーキングエリアもまだまだ見えないしなぁ。

 ずーっと同じ様な景色が続いているし、そろそろ何か変化が欲しい所。

 それから暫く走り続け、3ヶ所目が見えてきたので入って貰う。

「んんーっ!…ふぅ。

ちょっと遅いけどお茶にしようか」

「ですね、レストランが有る様なのでそこで注文でもしましょうか」

 楽とは言えずっと座りっぱなしは流石に来るものがある、軽く運動して身体を解してから建物内へ。

 2ヶ所目の出店も微妙だったので期待をしてはいけない、それに食事ではなくただお茶を飲んで一息つくだけ。

 そこまで酷い物は出てこないだろう、多分…


「紅茶、それとティラミスで」

「私はコーヒーとモンブランを」

「そちらの券売機で券を買ってから持ってきてください」

「あ、そうなのね」

 自動販売機みたいなのが有るなーとは思ったけど、券を買って渡せばいいのか。

「紅茶紅茶…ホットで…ティーラーミースー…有った有った」

 券売機で購入を済ませ、再び注文。

「出来ましたらお呼びいたしますので、この番号札を持ってお待ちください」

「はいはい」

 札を受け取り適当な所に座って待つ、ロザリアも札を持ちやってきたので、お互いに注文した物が出来上がるのを待つ。

「28番のお客様ー、29番のお客様ー、ご注文の品が用意できましたのでカウンターまでお越しください」

「出来たみたいだね、それじゃ取りに行こうか」

 番号札を確認し、札に書かれている番号なので取りに行く。

「お待たせしました、食べ終わった食器はあちらの方へお返しください、ご利用有難う御座いました」

 注文の品を受け取り、先ほどの席へ戻り、紅茶とティラミスを頂く。

 ロザリアも戻ってきてコーヒーを飲み始める。

「んー…最初と2ヶ所目が酷かったから期待してなかったけど、これは中々」

「ですね、これは確かに美味しいです」

 程よいほろ苦さのココアパウダーに、口の中に入れるとふわっと溶けていく感じが何とも。

 追加で注文したい所だが、ずっと此処に居座るわけにもいかないし、これだけにしておこう。

 ティラミスを食べ終え、紅茶も飲み切った後は食器を返却し、外に出て再び軽く運動。

 このまま進むならお泊り、引き返すなら日帰りにはなる、どうするかはロザリアにお任せだね。

 今から戻っても夕食には間に合わないけど。

「今日はもう行けるところまで行ってみましょうか」

「それじゃお泊りだね」

 車に乗り込み、そのまま道の続く限り先へ先へと進んでいく。

 どう言う所に辿り着くのかねぇ、ちょっと楽しみだ。

 やはり景色はあまり変わり映えがしないが、行ける所まで行くと言う事でわくわく感が勝り、あまり気にならなくなっていた。


「日も暮れてきましたし、そろそろ高速を降りて何所か泊まれる所を探しましょうか」

「何所か良い所があるといいねぇ」

 今が何所に居るかもわからないし、ロザリアも知らない所に来ている。

 ナビが有るのでどうにかなるとは言っているが。

「ここから降りれそうですね、先にホテルを探して、部屋を取ってから何所か食事ができる所へ、ですね」

 別れ道にそれて行き、暫く走ると街中に、そこからロザリアがナビを操作してそれに従いホテルへ。

「高級…と言う事は有りませんが、ナビによると此処が良いらしいです」

「ふんふん」

 見た目は以前泊まったホテルとは違うが、雰囲気は似ている感じがする。

「駐車場は地下なのでそこに停めてからですね、予約なしの飛込みにも対応しているそうですし、フロントで聴いてみましょう」

 車で地下へ降りて行き、車を停め、階段を上がり受付へ。

「ダブルベッドで一部屋空いてますか?」

「少々お待ちください…はい、空いています。

何泊の予定ですか?」

「明日にはまた別の所へ行くので、とりあえず一泊で、帰りにまた寄って泊まるかもしれませんが」

「わかりました、お支払いはカード、それとも現金で?」

「ああ、このカード使って」

「はい、ではこれで」

「では少しお預かりします」

 受付にいた女の人はカードを受け取り、何かに差し込んでいる。

「このカードの持ち主はこちらの方で宜しいですか?」

「んー?一応預かり物かな…?これ使ってーって渡された奴」

「いくつか質問させて頂いてよろしいですか?」

「はいはい」

 受付の人に2.3質問され、それに答えると少し慌ただしくなり始めた。


「宿泊代は結構です、ただ今スイートルームの準備をしていますので、もう暫くお待ちください」

「だって?」

「ダブルの一部屋でよかったんですけどね」

「ルシエラ様の関係者を最高のお部屋以外に泊めたとなると、私共が御叱りを受けてしまいますし。

何よりお客様が低く見られてしまいますのでどうかご了承くださいませ」

 5分ほど待たされ、部屋に案内してくれるという事なのでついていく。

「こちらが当ホテルで一番良い部屋、スイートルームになります、御用の際は気兼ねなくご連絡ください、ではごゆっくり」

 案内してくれた人は去って行き、部屋にロザリアと2人だけが残された。

「さて、どうしようね」

「有名なホテルより建物自体は小さいですが、置かれている物はかなり良い物のようですね」

「うん、まあそれはいいんだけど、夕食どうしようね?」

「あ、そうですね、部屋に入ったばかりですけど、フロントで何所か良い所が無いか聴いてみましょうか」

 上がって来たばかりだけと引き返して受付へ。

「何か不手際か不都合がございましたか?」

「いや、夕食がまだだから何所か良い所が無いかなって?」

「そうですか、それでしたら少しお時間を頂きますがよろしいですか?」

「いいよー」

「では、少し失礼いたします」

 対応していてくれた人は奥へ引っ込み、奥から別の人が出てきて受付で対応している。

 はて、どれくらい待てばいいのだろうか?


 3分も待つことは無く、受付の人が戻ってきた。

「お待たせしました、御夕食はこちらの店へどうぞ、少し離れた所にありますが、満足いただけるかと思います。」

 地図とお店の名前が書かれた紙を渡されたので受け取り、そのままロザリアへ渡す。

「んー、それじゃ行って見ようか」

「はい」

「行ってらっしゃいませ」

 受付の人に見送られ、ホテルを出て地図に書かれたお店まで車で移動。

 ロザリアはナビを操作し、表示された所と地図を見比べているようだ。

「ここから大体10分くらいですね、では行きましょう」

「はいはい」

 ロザリアはナビの案内に従い、目的地であるお店まで走り、駐車場に車を停めてお店の中へ。

 中に入ると店員さんに直ぐに座敷まで案内され、座ると直ぐに料理が運ばれてくる。

 前菜から始まり、食べ終える頃に次の品が、そしてまた食べ終える頃にはと。

 全て出来上がったばかりの物で運ばれてくる。

 食後には多すぎず少なすぎず、口の中をさっぱりとさせる柑橘系のシャーベット。

 受付さんの言ったとおりに中々満足のいく夕食だった。

 支払いをしようとすると。

「お代は結構でございます、またの御来店、お待ちしております」

 との事だった。

 ホテルに続き此処もか…まあ多分後でルシフがどうにかするのだろう。


 ホテルに戻った後は部屋に戻り、湯船につかりちょっとした疲れを癒す。

 程よく温まった所で髪などを洗う。

「ロザリア、おいでおいで、洗ってあげる」

 手招きしてロザリアを呼び、少し伸びてきた髪を洗う。

 葵さんに大事にされているのか、綺麗な髪で痛んでいる所は無い、耳の中も綺麗なので濡れタオルで軽く拭くだけ。

 泡を流した後は髪を纏め、マットを取り出し、石鹸とローションを取り出す。

 石鹸で体を洗い、洗った後はローションをお湯で溶き、ある程度薄めたら手で掬い、ロザリアの肩から腕、背中らから腰、お尻から爪先まで。

 ローションを塗り、滑らせるようにマッサージをしていく。

 背中と肩と腰、それと太腿が張って硬くなっているので重点的に。

 後ろ側が終われば次は前側、鎖骨から股までしっかりと。

 股関節部分も少々負担が有ったようなので、しっかりと塗り、解した後は蒸しタオルを被せて温める。

 2.3分経ったくらいで拭き取り、お湯で流して入浴。

 これで明日には疲労は完全に抜けているだろう。

 流し切れていないローションが無いか、湯船の中でも体の各所に手を這わせ確かめ、塗るついた所があれば中で擦り落としてしまう。

 量的には微々たるものなのですぐに中和されてしまう。

 ロザリアを後ろから抱えて入浴していると、ロザリアは眠たくなったのかうとうととし始めた。

 少し早いけど上がろうかなと思った所で、ロザリアは胸に口をつけて吸い始めた。

 半分以上はもう寝ているし、ロザリアもまだ生まれて半年もたっていない、本人は乳離れしたつもりでも出来ていないのだろう。

 ロザリアを起こさないようにお風呂から上がり、どうにか身体を拭き、そのままベッドの中へ。

 ロザリアは出会った頃のように眠ったまま母乳を飲もうとしている…まあ少しくらいならいいか。

 身体を弄り、母乳が出るようにし、ロザリアを抱きかかえて寝る事にした。

 んー…体も大きく成長して知識もついてきて、葵さん達と同じ様に振る舞おうとしても、まだまだ子供だねぇー…


「お早う御座いますお母様…」

「ん、おはよう」

 ロザリアの方が先に起きていたようだが、まだ腕の中から抜け出しておらず裸のままだ、顔も赤い。

 それにお母様呼びも久しぶりな気がするなぁ…

「あ…あの…」

「んー、どうしたの?」

 ロザリアの頭を撫でながら聞き返す。

「もう少し…飲んでも良いですか…?」

「ん、おいで、ロザリア…」

 一度体勢を変え、枕を背もたれにし、ロザリアを抱える。

「んっ…んっ…」

 ちゅうちゅうと音を立てて吸い、母乳を飲んでいく。

 飲んでいる間も頭を撫で、ロザリアが満足して離れるまで続いた。


「いっぱい飲んだねー」

「ごめんなさい…」

「ロザリアはまだ生まれて半年もたってないんだし、あまり背伸びをせずもっとゆっくり、ね?」

 ロザリアを抱きしめ、優しく撫でつつ、急がずゆっくりと学び、成長していくようにと伝える。

「はい…お母様…」

「君を生んだお母さんも成長は誇らしく思うし、嬉しいだろうけど、あまり急ぎすぎても心配しちゃうよ。

だからね、もっとゆっくり、のびのびと、焦らず行こうね」

「はい」

 ロザリアは恥ずかしいのか、胸の中に顔を埋めたまま離れない。

 強く抱きついて来てるし、もう暫くはこのまま。

 頭や背中を撫でながら、ロザリア自身から離れるまで待った。


「さて、着替えも済んだし、そろそろ行こうか」

「はい、今日は何所を目指しましょうかね」

 鍵を受付に帰してホテルを出る手続きが終わり、これから何所を目指すか考える。

「ここは初志貫徹、また高速に乗っていける所まで行ってみましょう、そこから各地を周りながら帰りましょうか、ぐるーっと全国を1周して」

「なるほど、それも良いかも知れないね」

「はい、いろんな所を見て回りましょう、焦らずゆっくり、寄り道をしながら、ですよね、お母様?」

「んー、そうだね、急がず慌てず、ゆっくりと、たまには寄り道をしながら、まだまだ歩きはじめたばかりだからね」

「はい、家に着くのは半年…いえ、1年近くかかるかもしれませんが。

お母様は大丈夫ですか?」

「大丈夫だよー」

「では行きましょう、まずは車で行ける最南端まで」

 ロザリアは車を走らせ始め、まだ見ぬ場所へと走り出した。

 昨日まで1本しかなかったロザリアの道は今はいくつもの別れ道になっている、この先どの道をどう進むかはロザリア次第。

 引き返して違う道に進むのも良い、引き返さず先に待ち受けている別れ道を選び進んでいくのも良い。

 ただ最短で突き進む道は閉ざされているし、もう開かれることも無いかも知れない、でもどこかで交わり合流する。

 その時に今まで進んできた道のりは決して無駄にはならない、道が交わった時に今までに進んできた道を振り返り、ロザリアは答えを出し、また新たな道を進み始めるだろう。

 さぁて、次はどんな所に行くのかな?


「そう言えば着替えどうしようね?」

「どこかで買う…わけにはいきませんね…」

 どうしようもないので葵さん経由でルシフに連絡を取り、着替えなどを用意して貰った。

 色々と締まらないなぁ…

ティラミスとモンブラン

かなり美味しかった、でも紅茶とコーヒーは普通だった

最初に寄った所と2ヶ所目が酷すぎただけに更に美味しく感じた

此処で初めて券売機なるものを見た


ルシフのカード

ルシフの経営している所でこれを出すと全部無料になる、そこ以外だと普通のカード、流石に対応していないSAやPAでは使えない

情報を抜こうとしたり、盗んで使おうとすると別荘へ招待してくれる、関係者も漏れなくご招待


ローション

マッサージ用、疲れを癒す成分入り、仄かな花の香り付き

お湯で温めつつ薄めて使う、マッサージしながら肌になじませ、最後に蒸しタオルを被せるとじわーっと疲労が抜けていく


ろざりあちゃんせいご3かげつ

身体は大きく成長して見た目は成人女性と変わらない

1ヶ月立つ前に急いで成長しようと自ら無理に離れたのでお乳が恋しいのを無理やり押さえ込んでた

年相応…とは行かなくても、そのうち狼三姉妹達と仲良くなって一緒に遊び始める

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