別に優遇はされてない 確定で赤字
「特にどこにも話題になってない焼肉丼風ビリヤニ1人前100ペッタンコでーす、大盛りはないので大盛りが欲しい人は2人前頼んでくださーい、ビリヤニじゃない単品の焼肉と茹でただけのバスマティ米セットも100ペッタンコで販売中でーす」
「ビリヤニとセットだと何が違うんです?」
「ビリヤニはお肉をタレに漬けて焼いた後に蒸してるからホロホロに崩れるくらい柔らかいし、蒸してる間に染み出してきた脂もほぼお米に吸収されてる、セットはそのままタレ漬けを焼いただけだから一般的な焼肉弁当に近い感じで、お米が長粒種で炊くのではなく湯でという違いがあるくらいかな?」
「そもそもビリヤニをよく知らないんですよねー、聞いた事があるだけで食べた事がないというか」
「簡単に言えば炊き込みごはんもしくは混ぜご飯、和食だとご飯で焼いたうなぎを挟んでふっくらさせるまむしってのがあるじゃない?あれと同じ、ビリヤニは蓋の周りを生地で固めて完全密閉してお鍋の中でしっかり蒸すから崩れるくらい柔らかくなるんだけどね」
「なるほど、まむしですか、それも食べた事はないですけど」
「お米の種類が変わっても食べ方とか最終的な調理方法は実はそれほど変わらないって事だね、和食でおなじみの短粒種でも炊飯器を使えば簡単にビリヤニが作れるのよ?
まずは普通にご飯を炊く、上半分を一旦取り出して味付けをして焼いたまたは揚げたり煮付けた肉をご飯の上に並べる、タレもあるなら全体にさーっとかけて取り除いたご飯を戻してしばらく保温または10分から20分追加で炊飯、これでビリヤニ風の混ぜご飯ができちゃう。
あ、短粒種は粘り気が出るから、最初に炊く時の水分は少し少なめで硬めにして、蒸し終わったらごま油をちょっとかけて香りを付けつつ混ぜるといいかな?」
「聞いたところで作るかどうかは謎ですねぇ…ビリヤニの方を5人前とライスなしの焼肉単品ってのできます?」
「肉単品なら1人前80ペッタンコで全部で900ペッタンコねー」
「900…っと」
「はい確かに、単品焼肉もすぐに出来るからちょっと待っててねー」
「いやー、大盛況大盛況、このゲームが始まったばかりの頃は花見は一部の国のみの行事だったけど、世界中の人が遊んでるだけはあってじわじわと広まっていって今じゃこうやって国籍関係なく花見に来てるのはいいことだ」
「花を見るイベントじゃなくて大勢で桜を囲んで飲み食いする行事って感じで広まってる気がするけどね」
「花が2割団子が8割って感じではあるね、とはいっても本当にただ単に花を見て飲み食いするだけの行楽イベントだし、次回のハードなイベントに備えてしっかり静養しろよってことで」
「現実の方でのお花見はまだなんだけどね、明日の夜に皆帰ってくるから土日にっていう予定ではあるけど」
「ご主人様と違って在宅じゃ出来ないから仕方なし、しかし5月のイベントはどうするかねぇ?7月からは毎年恒例のお金稼ぎ系のイベント、8月はそれを吐き出させるためのイベント、5月6月だけは微妙なんだよねー」
「特に何もないといえば何もないからねぇ、豊穣祭とか春を祝う祭りとかがあるけど、国によって何月かはまちまちだし、収穫と豊穣を混ぜた採取納品が5月はまだ無難?」
「そうだねぇ、その方向で行ってみるか、バラの収穫と納品、それで豊穣ポイントを貰ってイベントアイテムと交換って感じで、後はそれ用のマップ作りとお邪魔モンスター等の配置、安全に収穫できるマップは時間制限有のリアル1日1回の10時リセットって感じにして、草原や森だけでなく雪原や砂漠でも咲くバラを設置して、収穫したら消滅するようにしてリポップ時間も設定して…」
「最終的な作成や調整はAIを交えてだけど、基本的な案はこっちで考えないといけないのが面倒なところね」
「爺ども特性のAIだから全部お任せでもいいっちゃいいんだけど、そうすると間違いなくご主人様超優遇のイベントになっちゃうよ?優秀だけどご主人様が何においても最優先っていう爺どもが作ったやつだし、そういう環境で作られたAIだし」
「あー…それは大問題だね、皆で楽しく遊んでこそなのに特定の1人だけを優遇するってのはねぇ」
「それを避けるためにもこっちで考えてこうしろよーって命令を出さにゃいかんのがね、プレイヤーの一部は運営とズブズブなご主人様を優遇してるって思ってるけど」
「別に優遇はされてないんだけどねぇ?むしろほとんどのイベントは参加禁止されてるし、テスターとしていろいろ実験台にされるし、家にせよ使用人にせよちゃんと自分で稼いだお金で購入したり雇用したりしてるわけだし」
「使用人に関しては要望通りに自分好みの、指定した通りの使用人が生成されるようにもしてるし、それで使用人に関しても優遇だのなんだの言われてもねぇ、完璧を求めた結果雇用費が月2000万とか3000万になるって言われたとか苦情を入れられても困るわ、カトレアちゃんクラスの使用人を月5万で雇えるわけないだろバカか」
「むしろ5万で雇える使用人とか居るの?最低でも月20万からはかかると思うけど」
「何も出来ない使用人でもそんなものだね、何か1つでも出来れば能力給とかそんなので40万50万って上がっていくし、熟練ならそれこそ100万とか超えてくるしね、というより斡旋所で雇用する時に説明があるだろうに、能力が高いほど何でもこなせるようになるほど高くなりますよって、それで何も考えず全て完璧1人で何でも出来る使用人って指定したらそりゃ月2000万軽く超えるわ。
カトレアちゃんが引っ張ってきたゴージャスなネコ科も普通に指定雇ったら能力だけで月3000万超えるし、そんなのが5万で雇えるわけないだろうと」
「うちは永久の一括払いだから億飛んで行ったけどね、その方が安くついてはいるけど、そっちのケースの肉を取ってー」
「はいよっと、しかしこれあれだね、南印とかその辺りの宗教の人に出したら襲撃されても文句は言えないね、牛肉を使用していますって書いてるから向こうから自然と避けてくれるけど」
「いろんな国籍の人がいるからこそ注意書きが必要だよね、ゲーム内でもプレイヤーの宗教は変わらないわけだし、世界中の人がいるからこそちゃんと注意書きをしておかないとね」
「ま、このゲームにはその宗教で出てくる神がほぼ全員存在するし、出会ってしまったら宗教戦争待ったなしかもしれないね!」
「大丈夫だとは思うけど教義は変わるかもしれないね、神の代理として扱っているという部分は揺るがないし、それもあって飲食に関しても変わらないだろうけど細かい部分は変わりそうだね、山椒頂戴」
「はいどうぞ、まあ、出会うの事態が困難だし、神同士は基本お互い干渉しないように隠居してるし、出会えるようになった時点で軽く悟りは開いてるだろうし、何も変わらないって結果にはなりそうだね、ビリヤニ第三弾出来たよー」
「はいはい、1番から20番の札を持って待ってる人は出来上がったので取りに来てくださーい、取りに来ない場合キャンセルとみなして後ろの人に回しまーす」
「はいはいはーい、1番でビリヤニと焼肉ライスセットを3人前ずつ注文した者でーす、だから後ろに回さないでー」
「お米後どのくらいあるっけ?」
「後200人分くらいかな?」
「お肉が後3ケースだから…残りはもう全部ビリヤニにしようか、単品で出すにはちょっと少ないし」
「はいよー、それじゃあ肉はもう纏めて全部焼いておくよー」
「よろしくー、焼肉とライスのセットは後47人分で終了ー、以降はビリヤニのみの販売になりまーす」
「あー、全部売り切ったー、そして今日も大赤字、売れば売るほど赤字になる物を作らないとダメな悲しみよ」
「イベントを盛り上げるためだからしかたないね、それに赤字で潰れるほど出せって言ってるわけじゃないし、売値に制限はかけてるけど材料費に制限はかけてないし、ちゃんと安いのを仕入れてきたんでしょ?」
「まあねー、バスマティ米とお肉に各種調味料合わせて全部で150万くらいかな?だから赤字は140万くらい、もっと安い物を使えば仕入れは40万くらいで済ませれるけど…そこまでいくとお肉が硬すぎてねぇ…旨みもさほどないし、それなりに拘るとどうしてもねー」
「隠しても隠し切れない品質ってのはあるしね、それじゃあ私はちょいと開発室の方に次のイベント内容を投げてくるかねぇ」
「はいはい、いってらっしゃい、私は片付けたら家に帰ってるよ、ここにいてももうやる事は無いし、1号の実況にでも混ぜてもらおうかな?」
「そいじゃまた後で」
「さて、それじゃあ片付けましょうかねー」
「すいませーん、まだビリヤニ売ってますか?」
「売り切れたので片付け中でーす」
「あらー…また明日も売ってたりします?」
「明日は屋台を出さないから似たような屋台を探してねー」
「うーん残念…安くて美味しいって聞いたから来たんですけど…」
「ま、いつになるかはわからないけどイベント期間中に後1回か2回は屋台を出すだろうし、その時に買いに来てもらえれば」
「わかりました、足しげく通ってみる事にします」
「はいはーい、本当にいつになるかはわからないし何時から出すかも未定だから無かったら諦めてねー」
「売り切れって事は大盛況だったんだ?」
「そだね、周りの屋台が小さいおにぎり1個500とか、唐揚げ4個800で売ってる中私の屋台だけ100で回りと比べると激安だからねぇ、焼き肉単品でも80だし、バスマティライスも単品なら1人前で20だし、それを聞いた人がイベント会場に殺到してくるよね」
「お祭り価格ってのは理解できるけど、小さいおにぎり1個500はすごいね、逆にどんなのか気になってお試しで買うわ」
「具はいくらと塩サケ入りでまあまあギリギリ赤字にならない程度じゃない?ってのは聞いたね、唐揚げは完全にボッタクリ価格だけど競合が少ないうちに売り抜けた感じ、味も普通でボッタクリであるというところ以外特筆するところなしらしいけど」
「それも戦略だよね、周りが出してないうちにさっさと出して売って逃げればいい、お花見でお財布の紐が緩んでるのも多いし、酒を飲んでつまみを食べてって人は安いところを探しまわるなんてしないし、多少高くてもそこしかないってのなら飛びつくよね」
「イベントマップの屋台エリアは場所代不要の早い者勝ち、空いてる場所があればご自由にって状態だし、どれだけ早く花見客の需要を満たせるかが売り抜けるコツだね、のんびりやってると競合が増えてあっちのほうが安い高い美味しい美味しくないって口コミがあっという間に広まるし、のんびりしてる花見客と違って屋台エリアは戦場だね」
「桜の木からは幾分か離れてるだろうけど、揚げ物串焼き物は酒飲み達の近くに陣取れるかどうか重要だし、その辺りの場所取り争いは熾烈を極めるだろうね」
「凄いよー?売り切るか何かの時間で片付けを始めたらもう後ろに何人もスタンバイしてるし、一等地を取れた人は間違いなく飛ぶように売れていくから値段も強気になるし、売切れたら片付けて撤収して場所を開けるってのがあるから、使用人を雇っている人は追加で食材を買いに走らせたりとかして売り切れないようにして居座ったりとか、まあ色々やってたよ」
「主様が陣取ってた場所はどうなの?」
「私は酒飲み達が集中してる場所から離れたところ、屋台も揚げ物串焼き物はほぼなくてご飯物が多め、行楽弁当を作って売ってる屋台もあったね、だから場所取り争いはないし買いに来る人も花を見ながらお弁当をーっていう人が多めでのんびりしてたよ」
「作った弁当を並べるんじゃなくて屋台で作って売るってのも凄いね、そこまでいくともう弁当じゃなくて定食じゃん」
「別々じゃなくてお弁当箱に入れてるから一応お弁当、という理論らしい、出来立てではあるけどある程度冷ましてあるからやけどする心配なんかもないし」
「自由だねぇ、まあ屋台では必ずこれじゃなきゃダメなんて言う決まりなんてないんだけど」
「外の屋台で店内で食べる物を料理するとか南印なんかではよくあることだしね、そこはメルトのスクロールで防御力を下げるところじゃない?」
「それもいいんだけど、メルトは出来れば50階まで持って行きたいんだよねー…ランダムだからこそ偏りが出て下振れに下振れを引いてメルトが1枚しかないんだよ…だから多少危なくても50階まで使わずに持っていくしかない」
「あー、途中から見てるだけだから手持ちはわからないけど、1枚しかないなら仕方ないか」
「ローグライク系は出し惜しみをしたらダメとは言うけど、それは下振れをしなかった時の話で、下振れして1枚しか出なかった物をここで使っちゃうと50階がさらに地獄になる、あのくっそ硬い扉をメルトなしでぶち破るとか自殺行為だよ」
「せめて竜炎瓶と油に余剰があればいいんだけどねぇ」
「油と爆弾ならある、けど竜炎瓶は無い、だから雑魚は散らせても扉はあかない」
「爆弾は主に範囲攻撃用だからねぇ、継続固定ダメージの瓶も無いならどうしようもないね」
「聖なる祠は固定の50階を逃したら以降はランダムポップになるし、後3階だからもうこのまま突っ切るしかないんだよね」
「戦闘は必要最小限に収めつつ拾える物は拾って逃げる、このゲームの基本だね」
「ガンガンに戦っていけるのもあるけど、アレはアレで途中から失敗しなければ絶対に死なない作業ゲーに変わるからちょっとね、エンドレスモードとか最終的にどの武器でも一撃で倒せるようになる戦士か勇者の2択でそれ以外ランキングに居ないし、ボクが今使ってる吟遊詩人とかエンドレスの最高記録が280階という魔境だし、HPも力も耐久力も知能も伸びない上がるのは精神力と魅力のみというトンデモねぇ弱キャラだし」
「仲間を早期に増やせるっていう利点はあるけど、その仲間は魅力が15あれば上限の3人に届くし、それ以降は仲間が死んでも増やせなくなるし、でも魅力は意味もなく増え続けて…利点はショップでの買い物が安く済むくらい?どのクラスでも最終的にはお金が余るから結局意味はないけど」
「精神力も空腹ゲージの低下速度減少とかスタミナの消費量減少とかあるけど、やっぱり途中で意味のないステータスになるからもう完全に縛りプレイ用のクラスだよねー」
「聖なる祠でカリバーンやロンギヌスを入手しても素の力がないのでようやく半人前という火力、そんな状態でエンドレスのランキング入りしろってのは無理よね」
「あ、このゲームが初見の人に説明すると、今やってるマニアエンドレスじゃなかったら吟遊詩人も普通に使えるよ?ただマニアモードは敵との速度差が完全になくなる完全ターン制、だから今ステータス画面で70まで育ってる速さが実質0なんだよね、これに関しては敵もーだけど、通常だと盗賊とかそういうのに比べれば遅いけど、確実に先手を取れてかつ殴っては引いて殴っては引いての常時2回行動状態になれるのよー?後速さは連続攻撃の確率を上昇させるから、高い方がいいっちゃいい」
「それも最終的には力が軽く200とか超えてくる戦士と勇者には勝てないんだけどね、あくまでも確率上昇で確定じゃないし、連続攻撃は3回までってい上限がついてるし、初期ボーナスを力に全部入れても7止まりの吟遊詩人じゃ3回攻撃しても力50の1回攻撃以下なんだよね」
「空腹スタミナ消費減少は間違いなくトップだから、ランダムでポップする仲間を選んでバフを入れまくって生き残れ、ってところで48階に到着、後2階が遠いぜ…」
「がんばれー、1人プレイ用ゲームだから私はこのまま応援することしかできない」
「それで十分よー」
「まあ、おやつの時間が近いから1号をこの場に残してエカテリーナを呼びに行くんだけどね」
「そういえばもう3時前か、じゃあちょっと中断セーブしておやつとコメント返しの準備をしまーす」




