お土産を買いに行こう 素寒貧
「中々良い所だったでしょー」
「だねぇ、雰囲気は悪くないし、味も良かった」
ルシフお勧めのお店で食事を済ませ、少し通り所を回りつつスーパーを梯子する事に。
まともに買い物した所なんて近場しかないからなぁ…迷子になってた時に立ち寄った所はお代だけ置いてくる事になっちゃったけど。
「そろそろスーパーに着くよー」
「はいはい」
スーパーに着く前にお財布の中身を確認しておかないとね。
バッグの中からお財布を取り出し、中に入れてあるお札を数える。
1万円札が1枚に5千円札が2枚、千円札が5枚、小銭多数…よし。
「そう言えばご主人様カードは持ってなかったよねー」
「お札と小銭だけ…かな?」
「高い買い物をするなら作っておくけどどうする?」
「んー、別にいいかな?まだここに来た時に換金して貰った分が残ってるし」
まだ50万以上残っていたはず…
「換金って何を換金して貰ったん?」
「んー?適当なネックレス?ダイヤとプラチナだけを使ったやつ」
「物を見てみないと分からないけど、足元は見られてないよね?」
「さぁ…ちょっとお世話になった人にお任せだったからわかんないや」
「同じ物が有ったら後で見せてね」
「はいはい、同じのはまだあるから大丈夫」
スーパーに着いたので一旦話は切り上げ、ここだと何があるかなぁ…
「玉ねぎ、人参は物も値段もほぼ同じ…そのほか野菜は…安かったり高かったり…?」
配置などは違えど売られている物はほぼ同じ、ただ値段が微妙に違うだけ。
はて…?
「それは産地がほぼ全部同じだからねぇ、仕入れに行く市場も同じ、値段の違いは他の部分で稼いでいるか、ちらしにのせている品物かどうか、だね」
「ほーん、いつも同じ所でしか買ってなかったから、他でも同じ物を売ってるとは思わなかったわ」
「地方でしか消費されてない物を除けば、基本的に物も品質も同じだねぇ」
「探すなら此処でしか扱ってない様な物かぁ」
物などが同じならそれは何時もの所で買えばいいや、何も変わらないしね。
「この地域だとスーパーよりは地元の商店街とかかな?」
「なるほど、じゃあそこに行こうか」
まだ何も入れてない籠を戻し、店を出て車に戻る。
すると何やら車の周りに人だかりが…
「何あれ?」
「珍しい車だから集まって見てるんじゃないですか?
発表前の物ですし、まだこの世に1台しか有りませんし」
「珍しい物が近くにあれば集まって見てみたくもなるか、一種の…見世物小屋?」
「生き物ではないですけどね、気にせず乗って次に行きましょう」
ルシフがドアを開けたので車に乗り込み、次に目指すは商店街。
何が有るのかなぁ?
「此処からはまた歩きですねー」
「それじゃあ行くか―」
「歩いて直ぐなのでそれほど遠くは有りませんけどね」
ルシフの言う通り、歩いて1分で商店街に着いた。
駐車場の裏が商店街だったのか…
「此処ですと数の子の漬物何かが有名ですね」
「海が無い所なのに…?」
「ご主人様分かってて言ってるでしょ…」
「うん」
漬物は美味しく食べる方法の一つでもあるけど、そもそもは保存食だしね。
「今の時代は保存期間よりは味の追求、此方が主ですね。
ですので作られ始めた当時よりは美味しくなっていますよ」
「ふんふん」
「此方でしたら今お世話になっている方々に喜ばれますよ」
「じゃあ50キロ位買って行こうかな、すみませーん、これ50キロほどください」
「50キロ…ですか?少々お待ちください」
「流石ご主人様、一度に買う量が凄いね」
「うちのメイド達も食べるだろうし、味の研究もしないといけないしねぇ」
「あー、再現とか味の調整はヴェスティアにお任せだね、ご主人様が食べると酔うよ?」
「あらま」
「まあ同じ物を使ってまた別の物にしてる漬物もあるから、また今度それを買いに行こうか。
日帰りで行けなくはないけど、行くための足がね」
「ふんふん、期待しておく」
注文してから待つこと暫し。
「大変申し訳ありません、流石に50キロは無いようでして、20キロほどであれば何とか出来る、との事です」
「じゃあ20キロで」
「わかりました、先にお代を頂きますがよろしいでしょうか?」
「はいはい」
「ではこちらの漬物が20キロで11万円になります」
「はいはい、11万円ね」
1万円札を11枚渡して支払いは完了。
「ではこちらに持ってきますので少々お待ちください」
店の奥に引っ込むと漬物が入っているらしい樽を台車に乗せて運んできた。
「こちらが数の子を20キロ分漬けこんでいる物になります、数の子だけでなく漬けてある粕なども入っていますのでかなり重いですが、お車までお運びいたしましょうか?」
「あ、大丈夫です」
樽を持ち上げ台車から下す。
「…わかりました、樽の返却はして頂かなくても大丈夫です、処分に困るようでしたら空になった樽をお持ちいただければ此方で処分いたします。
お買い上げ有難うございました」
「さて、ここは他に何かある?」
「ないかな?」
「じゃあ車に戻ろうか」
樽を担いで駐車場までテクテクと歩いて行く、商店街に居る人達の視線が集まっているが、いつものスーパーでよくある視線だな。
駐車場に着いたところで周囲を確認し、樽を収納して車に乗り込む。
「次行く所は何があるかなー?」
「何が欲しいかだねえ、あ、換金したって言う首飾りみせて、査定するから」
「はいはい、確か…これだね」
プラチナチェーンに小粒のダイヤをあしらっただけの物。
「んー…買い取りなら120の売りなら200位かな?結構色つけてくれてるみたいだね。
まあこれなら少々高くして240でもすぐ売れるだろうけど」
「ほーん、まだまだ在庫が残ってるんだけどねぇ」
温泉街だとこれ売れなかったんだよなぁ…
「あそこの店を訪れる人は見た目だけに拘るってことは無いからね、ちゃんと物を選ぶし」
「その割にはトンボ玉は売れるんだよなぁ…」
「そこは単純に値段の差では?」
納得できるようなできないような?
「さて、そろそろ出発しますよ、ベルト締めてくださいね」
「はいはい」
次は私でも食べられるものが良いなぁ。
出発してすぐ、何やら車が此方に向かって走ってきたかと思うと、そのままぴったりと後ろに張り付き、そのまま追いかけてきている。
「あー、報道局の車ですねー、駐車場に停めている時に誰かがSNSなどに発信したっぽいですねぇ」
「ふんふん、それで、どうするの?」
「放っておけばいいんじゃないですかね、車は確かに同じですが、ナンバープレートは変えているので違いますし、乗っている人がそもそも違うので、降りた時に此方の姿なりを確認すれば勝手に帰っていくでしょう」
ついて来ている車は無視して次の目的地へ。
走り続ける事1時間、ついて来ていた車が1台から10台に増えていた。
「そろそろ着きますよー」
「はいはい」
そろそろ目的地に着くらしいので、お財布の中にお札を補充して置く。
20枚くらい入れておけばいいか。
「買物する前に本当に足りるかどうか確認している主婦みたいな感じですねぇ」
「今日だけで使いきりそうな気もするけどねぇ」
さっきの漬物で11万、50万以上あったと思ったが、もう残金が30万を切っている。
50万あったと思ったのは勘違いか…
「はい、着きましたよー」
ルシフがドアを開けてくれたので降りる。
「何アレ?」
駐車場の出入り口はさらに増えた車で塞がれている。
さらに塞いでいる車から一気に人が下りてくる。
「直ぐに気づいて離れていくでしょうし、このまま行っちゃいましょう」
ルシフに案内してもらい、商店街まで移動、駐車場を出る前に呼び止められたりもしたが、ルシフが適当にあしらって終り。
何かを聴かれたりもしてたが、集まっていた車はほぼ去って行ったので納得したのだろう。
残ってるのもいるけど。
「何かネタを持って帰れないと経費がどうのこうのらしいです」
「ほーん」
「まあ高速とか使ってますしね、燃料費なども個人で負担すると地味に痛いですね」
「ただ買い物をしているだけの所を放送して面白いのかねぇ?」
「色々と娯楽に飢えていますからね、邪魔になったら追い払えばいいだけですから。
さ、それよりお買い物に行きましょう、この地域は練り物ですね、ちくわにカマボコ、はんぺん。
それと天ぷらなどですね、すり身だけの物やゴボウや枝豆なんかを入れた物も有りますね」
「ふんふん、確かに種類が多いね」
「お値段もピンキリですけどね、その辺りは実際に回って確かめましょう」
商店街をぶらぶらと歩き、練り物だけを扱っている店が3つ、売っている物は出来るだけ被らない様にしているなぁ。
「小さなところですし、お互い同じ物を出すと値段を下げたりしないといけませんし、それで争うと共倒れしますからね」
「合併した方がいい気もするけどねぇ…」
「合併したらそれぞれの頭が落としどころを見つけないと、どの道店を潰すことになるので良し悪しですねー。
ご主人様も以前それでお店を潰したでしょう?合併とは違いますが」
「あぁ…」
店長代理として雇っていたアリサが好き勝手やった挙句、本来の宝石店を縮小、移転させたことにより一度潰す羽目になったんだよなぁ…
「まあ頭が多いと経営方針でぶつかりますし、居ない間に好き勝手やられると最悪潰れますからね。
こういった所はお互いを潰し合わず、出来るだけ品物が被らない様にして共存するのが良いんですよ。
被っている物は味などが違いますし、地元の人はそれぞれ味が好みに合う所で買っていますね。
試食なども出来ますし、遠くから来た人も安心ですね」
「ふんふん、まあお店周って確かめないとね」
3つあるお店を周り、試食できるものは全種試させて貰う。
んー、メイド達の好みに合わせると…3つの店舗全部か…
「この棚にある奴を全部35個ずつお願いします」
「全部…ですか?」
「全部」
「少々お待ちください…」
奥に引っ込んでいく店員さん、少しざわつく周囲。
「ご主人様お金足りそう?」
「んー…何とか?」
「お待たせしました、全部用意するとなると少しお時間を頂きますがよろしいですか?」
「どれくらいかかりそう?」
「1時間ほど頂ければすべて用意できるそうです」
「じゃあその間他のお店でも注文してくるからお願い、1時間後位にまた来るねー」
「わかりました、お代は先に頂きますがよろしいですか?」
「はいはい、いくらー?」
「カマボコ4本入り千円が35箱の、焼ちくわ5本入り750円が35袋の…
全部でお会計8万7千円になります」
「ひのふの…はいこれで」
「…はい、ちょうど頂きました、では15時までには準備しておきますので、15時くらいにお越しくださいませ」
「よろしくねー、それじゃあ残ってる2つのお店に行こうか」
天ぷらとはんぺんを取り扱っている所は各130枚ずつ、計8万2千円。
伊達巻は各30本づつ、12万4千円。
途中足りなくなったので収納してた分全部引っ張り出した…
残金2万とちょっと…うぅむ…
「注文するだけだったからまだ40分位あるねぇ、その辺の喫茶店で時間でも潰そうか」
「だねぇ、お茶の時間にはちょっと早いけど」
注文する物は全部注文したので、後は用意できるまで時間を潰すだけ。
報道局の人はまだついてきており、買った物の使い道やら身に着けている物の値段やら、バッグなどは何所製かと聴いてくる。
質問はルシフが全部返しているが、仕立てて貰った服などは兎も角、メイド服とかは全部手作りだしなぁ…
ルシフは適当にオーダーメイドでメイド服は1着数千万とか、バッグに至っては軽く20億を超えるとか言ってるけど、流石に半信半疑でやや疑い寄り、私にも此方ではいくらになるか分からないし、何とも言えない。
そんな感じで質疑応答を繰り返し、15時前になったのでお店を回って注文した物を受け取り、駐車場に戻り車に積み込む振りをして収納送り、積んで置く所が無いからなぁ…
「さて、今日の所はこれ位にして、最後は近場のスーパーですね」
「だねぇ、玉ねぎとニンジン、後ニンニクにお米といろいろ買わなきゃ。
あ、それとカレーのルーもいるなぁ…」
自分で調合した物だけでもいいけど、あれを入れて寝かせると美味しいんだよね。
「何カレー?」
「牛肉がごろごろ入ってるやつ」
「明日当たり食べに行くねー」
「それほど量は無いからおかわりは多分無理だからね?」
追加できなくはないが、その場合一回屋敷に戻らないとねぇ…
「そう言えばお宅に訪問とか言ってたのはどうなったの?」
「それは断ったよー、今は間借りして居候しているだけだし、話題としてはもう十分でしょ」
「ふむふむ」
まあ知らない人を居候している所に招き入れるわけにはいかないよね。
なんにせよ今日の夕食分と、仕込んでるカレー用の材料を買わないとなぁ。
「んー…」
スーパーでお買い物を済ませ、残金の確認。
「どしたんご主人様?」
「そろそろ何か売ってお金にしないと駄目かなーって」
「どうしてまた急に」
「いやー、今日の買い物で残金174円になっちゃった」
何だかんだでお米で一番出費してるよなぁ…庭の一画を借りて大豆でも育てようかな…
「ご主人様がここに来てからの出費ってどうなってるん?」
「趣味でリールの一番いい奴を4個と、小物が数点で20万ちょっと、今日買った本で大方9万の、迷子になった時はまだ文字とか読めなくて、支払しようにも誰も居なかったから1万円札を20枚くらい置いて来て、ロザリアと出会った所で傷物の蟹を買い占めて…」
「間違いなく使いすぎだねぇ、釣り道具とか本は手入れすれば値段以上にもなるけど。
一応何が有ったかは聞いてるから迷子の事も知ってるけど、それでもほぼ食費だけで月に50万近くか…」
「安いお米を選んでるんだけどねぇ、それでも50キロで1万円近くなるし、普通に食べる方のお米は10キロで5500円とかするし…」
「レシートは取ってますか?」
「あの数字がだーってならんでるやつ?ゴミにしかならないから全部その場で捨ててる」
「あー…まあこちらから交渉しておきますかね、それと。
此方に来た時に用意したお金から10億くらい持って行っておいてください、あれご主人様のために用意したんですから」
「あ、そう、迷惑料か滞在費の前払いかなんかだと思ってた」
「それは別に払っていますので大丈夫です、50億全部持って行って頂いても構いません。
メイド達にもお小遣いとして1千万ほどは渡していますし、今のご主人様が間違いなく一番お金を持っていない状態です」
「じゃあ後でいくらか回収しておこうかな」
「ぜひそうしてくださいね、仕えている方が素寒貧とか色々と恰好がつきませんので」
そんな事を話しながら家に帰宅。
さぁて、メイド達にお土産を渡さないとな。
お土産を渡した後は豚バラ煮込みを仕上げ、漬けこんで置いた鶏腿を1枚そのまま、大きなから揚げに。
から揚げは衣に擦り下したにんにくを混ぜて香りを追加しておく。
仕上げた豚バラ煮込みをお皿に盛り付け、から揚げは5等分に切り分け大皿に盛る。
後は白ご飯に卵スープを着けて出来上がり。
ついでにお土産で買ってきた置いたカマボコを切っただけの物を並べ、醤油とワサビを添えて置く。
うん、今日も中々豪華。
食事終了後葵さんに呼び出されたので、片づけは恵里香さんに任せて葵さんの部屋へ。
ロザリアの事で何かあったのかな?
「今までの食事ですが、何やら全てあなたのお金から出ていたようで…
今までどれだけかかっていたかはわかりませんが、これをお納めください」
「うん?」
葵さんにお札の束を一つ渡される。
「1束100枚ですので100万円ですね、今までどれだけ使ったかがわかりませんので、一先ずは。
それと、今後買い物をしたときはレシートを必ず取って置いてください。
レシートを渡して頂ければ食費や必要な物の場合はこちらで建て替えますので」
「はいはい」
お金を受け取り、レシートがどうので用事は終わり。
「さて、せっかくですし、たまには3人でお風呂に行きましょうか」
「んー?いいよー」
手入れの仕方を教えてからは一緒に入ってなかったが、たまにはと言う事なので付き合うとしよう。
「相変わらず耳を弄り回すんだね」
「ロザリアでやるとすぐに気を失ってしまいますので」
葵さんは只管耳の中をグリグリと弄っていた。
中が傷ついたりしないように加減はしてくれてるからいいけどね。
数の子の漬物
買ったのは山海漬け、買ったお店では数の子の重さのみで量り売りをしている
100グラム頼むと漬けてある数の子100グラム+一緒に漬けてあったダイコンきゅうり、酒粕とワサビが付いてくる
20キロ頼むときゅうりにダイコン、酒粕も合わせて合計50キロ位出てくる
店頭に並んでるのを合わせたら50キロは有ったけど、売ると他の人が買えなくなるので店の奥からまだ出してない分を引っ張り出してきた
よくある視線
ご主人様がお米の10キロ袋を5袋とか、30キロ袋を2袋担いで移動している時に送られる視線
担いでいる人の線が細いので初めてみる人はビックリする
換金した首飾り
実は売る時にこっそり高く買い取ってくれないか交渉してた
限界まで吊り上げて150万でフィニッシュです…
買い取った店も230で出して即売れてるので売上金は減っても損はしてない
残金174円
スーパーに行くたび毎回お米だけで1万円前後使ってた、それと以前釣具屋でリール4個買ってそれだけで20万くらい飛んでる
他にも食費等ご主人様の懐から出してた
経費?なにそれ?
置いて行った万札20枚
見つけた人がこっそり着服してぽっけないないした
そろそろどこかの誰かの手により捜査の手が入る




