お引越し呪い やるなら実機
「おはようございますー」
「ございますー…じゃなくて、もう12時だよ、どんだけWWSやってんだよ」
「今日で今シーズンは終わりなので少々追い込みをー」
「あー、今日で終わりなのか、でもだからって朝食兼昼飯はどうかと思うぞ、そういう仕事だからーってのはわかってるから引きずり出されはしないけど」
「すみませんー、でもシーズン最終日ともなると視聴者の方も沢山集まりますしー、登録人数以上の方がリアルタイムで視聴をしに来ますのでー、プレイ時間を増やせば増やすほど投げ銭も増えますのでー」
「それはまあわからんでもない、ボクは制限入って1日1000円までだけど、無制限なら1日で50万から100万は稼げる自信があるし、稼ぎ時で普段の倍稼げるってのであればそりゃプレイ時間を増やすよね」
「1位争いをしている方々は食事もトイレに行く暇も惜しんで昨日からずーっと張り付いていますけどもー、私は1位争いをする気はありませんのでー、時折休憩を入れながらですねー」
「それで、今日だけでいくら飛んできてるの?」
「そうですねー、世界中の方々が見ているのでどの時間帯でも人は居ますしー、0時から休憩に入る直前までの約12時間で大体170万円と言ったところですかねー?」
「結構稼いでるなー、コメントが読み上げられるわけでもないのに銭を投げるやつも投げるやつだけど」
「たまには読み上げてますよー?安全地帯にいる時限定ですがー、それと最近は引っ越し呪いが多いですねー」
「祝いじゃなくて呪いかよ、それもわからなくもないけど」
「純粋なお祝いもあるんですがー、引っ越し先が引っ越し先なのでー、嫉妬や怨嗟のコメントがですねー」
「なんでそんな所にとか、俺の所の方が絶対にいいのにとか、もっといい所を紹介して上げるーとかそういうコメントも結構来てそう」
「勿論来てますよー?もっといい所は少し気になりますがー、ここよりいい所ってどんな場所なんでしょうねー?」
「ここだと炊事洗濯掃除をしてくれる使用人から服飾もしてくれる使用人もいるし、お風呂も頼めば髪も体も洗ってくれるし、マッサージもしてくれるし、衣装部屋だけで一般的な庭付き戸建並みの面積があるし、防音もリフォームで完璧になったし、そもそもゲーム的には一等地に住んでるわけだし」
「たまに私がAIではなく現実に中の人が居ると思い込んでる人も居ますからねー、そちらの方のいい所かもしれませんねー」
「現実なら現実で独立してやっていくならルシエラカンパニー経由で億単位の戸建てをポンっと建てるだろうし、身の回りの世話をしてくれる家政婦なんかも雇ってくれるだろうし、主様とかボクのコピーの近くがいいというのであれば居候しているところがどうぞどうぞって感じで受け入れてくれるだろうし、主様の周辺よりいいところって早々ないよ?」
「私は現実の方に行った事がありませんからねー、でもイチゴちゃんがそう言うならそうなんでしょうねー」
「主様が居候してるところは凄いよ?家が元々広いし大きいから後30人くらいは余裕で住めるし、自宅ゲームセンターもあるし、このガレージを爆破したら一気に数百億から消し飛ぶんじゃないかって暗い高級車だらけだし」
「車の事はよく知らないので何ともですがー、そんなに多いんですかー?」
「ざっと数百台は並んでるよ、多すぎて安い中古車を並べてるようにしか見えない、手前から安い順に並んでるけどその手前の安い車でも500万からで一番奥に行くと10億とかになってくる、セダンとかスポーツカータイプとかまあいろいろあるけど、全部合わせると車だけで数百億、タイヤとか予備パーツを合わせれば1000億からは吹っ飛ぶんじゃないかな?」
「凄いですねー…人選を何回遊んで暮らせるんでしょうねー…」
「数えるのがバカらしくなるくらいだね、それも車だけの価格であって、その隣に併設されてる自宅ゲームセンターも含めればもっと、ガレージその物が一般販売されてないルシエラカンパニーの空間拡張技術を使っているのでガレージ本体が億超え、その他諸々合わせると3000億とか消し飛ぶんじゃない?ガレージ1つだけで」
「お金ってあるところにはあるんですねー」
「使えば使うほど仲間を増やして帰ってくる仕事をやってるからねー、主様なんだかんだで投資もしてるからえげつないくらいお金持ってるよ?」
「そのお兄さんは今何をやっているんでしょうねー?」
「今日は気分転換でマグネットフィッシングに行くって言ってた気がする、現実じゃなくてこっちでね?」
「マグネットフィッシングー…ってなんですー?」
「読んで字の如く、磁石を使って釣りをするってやつだね、最近お仕事の釣ばっかりやってたからたまには自由にやりたいって磁石やらなんやらを自作して大海原へ旅立っていったよ、夕方には帰ってくると思うけど」
「磁石でお魚さんが釣れるんですかねー?」
「たまに釣れるらしいけど狙いは魚じゃなくてお宝、釣り感覚で楽しむトレジャーハンティングともいうね、ここは兎も角街から出ればちゃんとファンタジー世界だから、運が良ければ装飾品やらなんやらが釣れる、大体錆びてボロボロだし金なんかはくっつかないから取れないけど…主様の事だから金なんかの普通は反応しない物もくっつく磁石を作ってそうだけど」
「何かいいのが釣れるといいですねー」
「運が良ければ食卓に並ぶ魚も釣ってくるかもね、ご飯と天ぷらおかわりー」
「ふわぁー…ご飯を食べると眠くなりますねー…お昼からの放送はどうしましょう…」
「眠気覚ましならユキノの部屋に突撃するといいよ、あそこマイナス40度だから一発で目が覚めるよ、もしくはちょっと熱めのシャワー浴びるか水風呂に入る」
「寒いのは嫌なのでシャワーですかねー?昨日はお風呂に入ってませんしー、丁度良いと言えば丁度良いですしー」
「それ以前に寝てるのかどうかすら怪しい気がするね」
「最終日という事もあり仮眠を15分取っただけですねー、15時にシーズン終了なので後2時間くらいですがー、最後まで撃墜されないように集中しないといけませんしー、眠気をしっかり飛ばさないとですねー、その後はぐっすりですがー」
「シーズン終了して部屋が閉じられたらカトレアちゃんを呼んでマッサージしてもらっときー、シーズンモードでがっつりやるのはいいけど、生活習慣を改善して体調も万全にしといた方が集中力が上がっていいぞー?エナジードリンクを否定したりはしないけど、摂取するならするで最初から万全にしておいた方がよりブーストがかかるからね、現実と違って体調に影響が出ないようになってるから味だけで普通のコーヒーとか紅茶を飲んでるのと大差ないけど」
「そうですねー…寝る前にマッサージを頼んだ方がいいかもですねー、とりあえずシャワーを浴びてきますねー」
「行って来い行って来い、ボクは生活習慣自体が悪くないから何てことないけどな!というわけで昼の部行くぞー」
「はいよ、昼からは何をやるんだ?」
「午前中に引き続きロムカセットのレトロゲームですか?」
「そうだねぇ、ちょっと趣向を変えてボクはたまに口を出す程度でメインは2人に務めてもらおうか」
「なんか碌な予感がしないんだが?」
「大丈夫大丈夫、ちょっとそういうバランスでは作られてないってだけでちゃんと遊べるしクリアはできるから」
「普通に遊べないという事だけは理解した」
「どんな無理難題を押し付けられるんでしょうね?」
「無理難題ってほど難題ではないし無理でもない、やる人が少ないだけで達成者はぼちぼち居る、ボクも達成したからアドバイスは出来る、初見でもアドバイスがあれば腕次第で夕食前にはクリア出来るよ、普通にプレイすればアドバイス無しの初見でも同じくらい…かな?」
「まあ…やるだけやってみるか」
「1人用と2人用どちらです?」
「2人用だね、1人プレイも出来るけど2人プレイの方が圧倒的に楽、昔のゲームだからプレイ人数が増えたら補正が入るとかないし、単純に火力は倍になるからね、問題がないわけではないけど…それはプレイすればすぐわかるから気にしなくていいね、それじゃ行くぞー」
「へいへい」
「おいもっと画面の中央に寄れよ!これじゃあ画面外から…死んだわ…」
「こういうのは後ろから処理するのが基本なのでは?なんて言ってたら物量に押されましたね」
「昔のゲームの協力プレイの欠点、火力は倍になれど1人が画面端で立ち止まるとスクロールも止まるから前からくる敵が見えない、そして画面外から移動してきた敵に接触して死ぬ、横スクロールだからまだマシだけどベルトスクロールだとフレンドリーファイアもあるからなお地獄だね。
とりあえず1面で早々に死んだからアドバイス、この時代のアクションゲームは大体無限湧きだから時には無視して進む事も大事だよ?配置場所というかポップする場所自体は固定だから、それを覚えて処理するか無視するかスクロールアウトで消すか。
大体敵が消えるのは画面から消して半画面ほど進めれば消えるよ?のんびりやってると追いかけてくるからいつまで経っても消えないし、半画面先の敵もアクティブになって画面に入るまでは移動してくるだけだから接触ダメージしかないけど、今回の遊び方だと接触ダメージも死活問題だね」
「体力1固定とかこれ本当にクリア出来るのか?」
「出来る出来る、ダメージを受けるのが前提の作りではあるし、画面内に入ってから攻撃行動とか行動とかはランダムで結構難しいけど、1人プレイの体力1縛りでクリアした人は何人か居るからね、2人プレイでクリアしたのはボクと主様だけだけど」
「お前らしか居ねぇのかよ、そんなもん初見プレイでやらせようとするな」
「2人プレイがボクと主様しかいないのは他の投稿者はその場に呼んで一緒にプレイできる相方がいないからだよ、つまりボッチ、仲良く複数人でやってる人も居るけど、その場合はワンプレイ毎に交代とかそんな感じでやるからこういうプレイはしないって感じだね、普通に遊んで1機落としたら交代って感じ」
「そういう普通プレイじゃダメだったのか?」
「普通プレイ動画は腐るほどあるし、実機で改造ツールを使って体力強制1にしてプレイすることに意義があるんだよ、改造して無敵にして俺つえーをするだけが改造の使い道じゃない、逆に縛りとしてアクションゲームでは体力1、RPGでは経験値やお金の入手を0にして極限プレイをしたり、そういう魅せプレイをするのにも使えるのだよ。
改造無しの縛りプレイとしては似たようなので無被弾ってのがあるけど、あれはダメージを受けたら自滅しないとダメでテンポが悪いし、先に1まで削るにしても調整が必要で時間がかかるしでやっぱりテンポが悪く生配信向けではない、生配信でやるなら最初から改造ツールを使ってこういう改造を入れてますって明記してやる方がテンポよく進むからいいのよね」
「チートも使い様か」
「チートで俺つえーをするだけならバカでも下手くそでも出来る、一切上達はしないけど、でもこういう逆にこちらを不利にするチートであれば上達もするし、パターンを組むのも上手くなるし、それまでは残機を落としまくるけど」
「でもどんな形であれ改造して遊んでると怒られねぇか?」
「古すぎるゲームだし、最新のゲーム機でも配信はされてるけど、オンライン機能なんてない実機で改造する分には誰にも迷惑がかからないしで許されてる感じ、公式も何も言わないしご自由にって感じ」
「あぁ、配線は多いけどオンライン機能はないのか」
「昔のゲームは入力出力で結構ねー、とはいっても映像で1本音声で2本だけど、それを今のモニターで表示するためにコンバーターを通してるし、実機の場合ブラウン管じゃないと遅延もあるからそれをなくすための機材に…で結構ね?」
「古いゲームの内容自体は単純なんだが、その周りは複雑なんだなぁ」
「最近危機に対応させるためのコンバーターが必要だからどうしても増えちゃうんだよね、だからと言ってブラウン管を用意してもそのままじゃ配信できないから直撮りになるし、それはそれでまた映像とか音声が綺麗に入らないっていう問題が出てくるし、普通に配信する分には最新のゲーム機のダウンロード販売のやつを買っておけば間違いないよ、こう言った特殊な縛りをするなら実機がいいんだけどね。
それと実機の特典としてはコントローラーが軽い、操作がしやすい、入力等の遅延も一切ない、マシンスペックが低いので処理落ちもばっちりで当時の雰囲気を味わえる」
「処理落ちがある方がいいのか?」
「そう、昔のアクションとかシューティングって処理落ちありきでの難易度調整の事が多くてね、最新のゲーム機だとその処理落ちがなくて難易度が上がりすぎたりって問題もあったりするし、それを防ぐためにわざと処理落ちするように再現してたりもするんだけど…やっぱり実機とは違うんだよね、完璧と言える状態まで再現してるのもあるんだけど、本体によってまちまちというか、変なところで処理落ちしたりするはずのところでしなかったり安定しないのもあるんだよね、だからこういうのは実機、または公式が出したミニなんかの当時のスペックをそのままに…ってのがいいかな?
とりあえず今回は改造するのも含め十機のほうが都合がいいから実機ってやつよ、というわけでさっさとコンテニューして続けろー、温情としてコンテニューは無限に改造してあるし、最低限のパターンを組みつつ臨機応変にやっていけばクリアは意外と直ぐだ」
「無限コンテニュー出来るとはいっても1発で落ちるから先に進まねぇんだけどな」
「どちらか1人が画面左に居座ると画面が動かず進めないっていう罠もあるしね、でも実際1人より楽だから頑張れ、それとキャラは全部で4人いるわけだし、同キャラ使用は改造しないと無理だけどざっと使ってみて扱いやすいそうなのを使えばいいよ」
「そうだなぁ…次はこっちの女キャラにしてみるか」
「私はこっちの青年にしてみましょうか」
「がんばれー、どうしてもダメだったらそのステージの敵の配置がどうなってるか教えたげるから」
「それがわかってもダメそうな気がするけどな」
「大体ランダム行動だけど配置がわかってたらちょっとはパターンが組みやすくなるってものよ」




