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引っ越しても何も変わらない そういう傾向がある

「アレだなぁ、昨日はあんなにバタバタしてたのに大して何も変わらんな」

「孤児院を運営しているなら簡単に想像がつくと思いますが、大人数が共同生活している場所に1人増えたからと言って何かが変わったりしますか?」

「あー…それもそうだな、1人増えようか1人減ろうがやる事は変わらんな」

「強いて言えば用意するご飯の量が毎日1人分増えるってくらいだけど、最初から人数が多いなら1人増えたところで手間は変わらない、1人から2人、2人から3人ってなると作る量とかを考えないといけなくなるけど、それを超えて5人6人それ以上ってなるともう基本的には大量にドカンと纏めて作って、大皿で用意して各自取っていくとか、最初からまとめて作ったのから小皿に取り分けて並べていくかくらいの違いしかないんだよね、主食も余るくらいに用意して余ったら小腹が空いた時用の軽食にするから、食費もさほど変わらない。

洗濯物もまあ人数が人数だからもう大して手間は変わらないでしょー?掃除は3階ができたからちょっと範囲が広がったけどほぼ物置だから定期的に風さえ通しておけばよし、お風呂も入る時間はみんなバラバラで常に沸かしてるから影響がなくて、おやつや飲み物は自分で用意したり私のお財布でガチャを回してー…でこれも影響なし。

今住んでる人数だといきなり5人10人と増やされると倍になるけど、1人から3人くらいなら割と誤差に収まるのよね、ゴージャスなネコ科とかが来た時も3人いきなりポンッと増えた感じだけど、雇用費とか部屋とかベッドを用意でちょっと飛んだのを除けばそれ以外は対して影響がなかったりする」

「で、昨日越してきたばかりのエカテリーナはもう引き籠ってんのか?」

「だねー、WWSガチ勢だから毎日やってるし、もうシーズンも後半に入ってるから最後の追い込みとその配信もやってるし、ご飯とかお風呂とかの時じゃないと出てこないと思うよー?朝食の時にはちゃんと出てきてたし、お風呂の時も部屋から出てきてたしね」

「住む場所が変わってもアパートで済んでた時とほぼ変わらんってことね、ところで今日は兄さんが朝からいるのか」

「今日は雨だからねぇ、PV撮影をするには適してない日なのよね、雨だとそれだけで陰鬱な雰囲気を与えがちだし、もう本当に余裕がないって時でもない限りは晴れかつ日中で明るい雰囲気を出しつつ、釣った魚もよく見えて魚体が光を反射して綺麗に見えるように、っていろいろ拘ってるのよ?

今年はまあちょっと去年やらかしたプロと一般人がいて、その煽りを受けてうちのチャンネルと契約してるところがほぼすべてここなら漏れる心配はない、けどギリギリまで隠しておこうって祭典の2ヶ月前に一気に送ってきたから忙しくなったってだけで、例年通りならここまで忙しくはならなかったんだよねぇ…」

「まあ、なんにせよ今日は朝から居るって事だな」

「そうだね、今日はもう朝から居るよー?」

「よーし、それじゃあ今日は朝からPGFをやって行くぞー、最前線にWWSにとやってきたけどやっぱり今の一押しはPGF、視聴者が待ち望んでいるのもPGF、というわけでちゃちゃっと機材の準備をして着替えに行くぞー」

「今日の衣装は何にするんだ?昨日はWWSだったからなんとなくそれに合わせて軍服風だったが」

「んー…全員セーラー服とかブレザーで学生風と洒落込んでみようか!ハスターは見た目的に有り寄りの有りだし、ニャルは20代にしか見えないから少々きつい感じがするけど魔法少女風の時と同じく間違いなく受けはいいし、確か主様用に仕立てた物があるからシャツさえどうにかすればサイズの問題は解決できるはず」

「兄さんに着せてたのか」

「着せてたよ、視聴者の何割かが目覚めそうになってかなり危なかった、もともと中性的な顔付きだし、服装とガタイで判別させないとどっちだ?ってなるし、ちょっと気合を入れて化粧をしたら完全にね?」

「無理に男のままじゃなくても性別を変えるって手もあったのに」

「男のままだからいいんだよ、でもそれ以降ボクやカトレアちゃん達が着る事はあっても主様はダメって感じで封印したよね」

「見てみたい気もするが…止めておいたほうがいいんだろうな…」

「別にみる分には問題ないよ、着させて化粧して動画に出すと危ないだけで、でもまあそれはそれで手間がかかるし無しの方向かな?」

「じゃあ私は何を着ようかねぇ…」

「適当に目についたのでいいんじゃない?」


「そういやゲームには関係ないけど最近はどこまで行ってたんだ?」

「んー、それほど遠くには行ってないけど、基本的には送られてきた道具は何用何用ってのがあるから、それに合わせて海に川にと場所を変えて、時には渓流まで行ったりと近場の山なんかも結構まわってたかなぁ?」

「山を回らんとダメなのは地味に大変だな」

「山に登らないと釣れないのもいたりするからね、それにPVの都合上どうしても山で釣らなきゃダメな海の魚もいたりするし、それが居る場所を聞いて探して登ってと結構体力仕事なのよー?」

「山で海の魚を釣るとか謎々かなにかか?」

「トラウト系だと海に下ったりするけどその逆だね、純粋に海から上がってきて淡水に適応する魚も世の中いるのよ、生まれも育ちも海、でも川に入ってきて遡上していくってやつがたまにね。

九島だと川シーバスって言って川でスズキを普通に釣ったりするんだけど、それよりもっと水が綺麗で堰もなく上流まで直通で繋がっているところ、そういうところは淡水に適応したスズキが餌を求めて上流まで登って行くのよね。

で、今回はその川というか上流用の短めのシーバスロッドも祭典で公開されるから、そのためのPV用動画を撮るためのあっちの山へこっちの山へ、居ると聞いても居ない事もあるし、聞いた事が無いといわれても居る時はあるしでねー」

「釣れるまで探し回らないとダメで時間制限もあるのはなかなかに面倒だな、これどうやって結ぶんだ?」

「だからこそどんなに遅くても半年前、出来れば10ヶ月は前にはもう塗装も終わらせた製品と変わらないプロトタイプで撮影を始めたりするんだけどね、こうやってこう、外したい時はこっちに引っ張ればするっとほどける」

「ありがとよ」

「昨日の軍服風衣装もネクタイが結べてませんでしたよね」

「俺の国だとネクタイとかつけてるやつの方が珍しいくらいだからなぁ、俺の普段着もそういうのはないし、覚える機会がないな」

「覚えておいて損をするものではないけど、得をするようなものでもないかな?女性にネクタイを結んで貰うシチュエーションが好きって人は居るから、そういう時に結ぶ事が出来ると喜んで貰える程度?」

「ものすげぇどうでもいいわ」

「夢を見たい男はそういうのに憧れるんだよ、さて、ニーハイはどれにしようかなー…王道の白か、黒かそれとも縞々か…」

「私はストッキングにでもしましょうかね、こちらの方が穿きなれていますし、合わないということはないでしょう」

「靴下かー…適当でいいんじゃないか?どうせほぼ見えないし」

「ほぼであってたまに見えるから大事なんだよ、生足も需要はあるけど穿いてると肌の色との対比でぐっとくるんだよ、というわけでハスターは白のニーハイな、褐色には白がよく映える」

「へいへい、にしてもちょっときつめだなこれ」

「このちょっと食い込むくらいのきつさで太ももにめり込むのがいいんだよ、見るやつはそういうところを見てくるからね」

「未だに理解できない感覚だなぁ…」

「理解はせずともたったこれだけの事で騙せるのだと思えばいいのですよ」

「俺は引きこむために騙したりはしないけどな、兄さん的にこのラインはどうなんだ?」

「んー…視聴者の視線を集めるならそのくらいでいいんじゃない?」

「そういう目線で見るのは配信者をやってるからなのかねぇ?」


「案の定というかなんというか、ニャルに対してはきっつとか無理すんなとかそういうコメントだらけだったなぁ、エロすぎとかそういうのも多々あったが」

「守備範囲外からすれば冗談抜きできつい、けど範囲内ならバッチリ好みって感じで性的な目で見てくる感じよ、だからボクに対してもハスターに対してもそういうコメントが来てたし、長文お気持ちコメントなんかもドカドカ投下されてるわけだし」

「あの長文は意味が分からんわ、相手の事は一切考えずに自分の気持ちを一方的に押し付けてるだけだし、なんならしれーっと将来付き合う事が確定してるとかそういう文言も入ってたりするし、あれを冗談でなく本気で書いてるなら頭の病院に行く事をおすすめするわ」

「じゃあお昼からの配信でおすすめして上げてー?やつらは本気で書いてるから性質が悪いんだよ、大人しく書き込んでるうちは害がないから放置してるけど、害が出そうになったらストーカーとか付き纏い行為で通報してアカウント毎退場って感じ」

「ハスターちゃんとかニャルちゃんに来てるのはまだ一応好意的だからましよ?私の場合1号とどうたらこうたら云々…って感じで、私は1号を脅して配信させて稼いでる、露出の多い服を無理矢理着させている、未成年淫行をしている犯罪者、人身売買で女を買っている犯罪者等々。

彼の中ではカトレア達は裏社会の奴隷市場で買ってきた哀れな違法奴隷という事になってるらしいし、私が捕まったら全員彼の下に行く予定でもあったらしい」

「いろいろキマってんなぁ…それ絶対外に出したらダメなタイプのやつだろ」

「今は塀の中で私に対して呪詛を吐きながら生きてるらしいよ?名誉棄損等の慰謝料が払えない、反省する気も全くない、完全に頭のおかしい人だからそっちの人ばかりが集まるところにね?」

「いったい何がどうなったらそこまで頭がイカレタやつが誕生するんだか…」

「んー…ちょっと前にも言ったような気がするけどエコーチェンバーかな?掲示板で1号の事を語るスレッドもあればけなすスレッドもある、それは私も同じなんだけど…そのけなしたり誹謗中傷する投稿ばかりしてるところに入り浸って気持ち良くなってるとどんどんネジが緩んで外れていく。

それで自分の妄想が正しいと思い込むし現実だと勘違いするし、自分が絶対に正義だと思い込んで周りを巻き込んで暴れ始めたり、巻き込まなくても暴走して突撃して来たり、まあいい迷惑だよね」

「主様の場合カトレアちゃん達に囲まれてるのもあるし、それぞれにファンが付いてるし、そこでもいろいろ拗らせたやつらが別のスレッドを立てたりコミュニティを作って、その狭いコミュニティの中でエコーチェンバーが発生、しばらくすると主様に対しての過激派というか、まあ口だけで終わるけどいろんな予告が飛んでくるよ、現実の方の住所とかは割れてるからピザやラス氏やらなんやらの大量注文も来るし、爆破予告と殺害予告も軽いジャブみたいなもので、VXとか炭疽菌とかの兵器があるじゃん?」

「あるな、そんなもん使うのはただのバカだが」

「それを主様の名前…といってもメインチャンネルの方の呼び名を使ってばら撒くぞと予告を各所にばらまいたり、お仕事用のメールアドレスも公開されてるからそれでいろんなサイトに登録しまくってたり、結構いろいろやってくれちゃってるんだよね」

「まあ、公開しているお仕事用はダミーだし、いくら登録されようがメールボムを1日数千から投下されようが何てことはないんだけどね、ピザ100人前とかそういうのはちょっと困るけど、来る前に確認の電話とかくるし、予約とかそういうのはカードが必要になるから大丈夫だし、着払いで届くのは全部返品すればいいし、後は着々と処理していって出るところに出てもらうだけよね」

「有名になると大変だなぁ、俺のところはそういう事はないが…その代り名前を勝手に使われて好き放題やられてるんだよなぁ…」

「有名税とは言うけど何でもしていい言ってもいいってわけじゃないのをその時が来るまで理解しないからバカなんだけどねー、それよりお昼まだー?」

「もうちょっとで出来るから大人しく座って待ってなさい、それと暇ならエカテリーナを部屋からひっぱり出してきてね?多分呼ばないと出てこないよアレ」

「だろうねー、下手したら冷蔵庫に満載してるドリンクでお昼を済ます可能性があるね」

「そんな不摂生で健康体を保ってるってのもすげぇなぁ」

「まあゲーム内だから本当によほどっていう事をやらない限りは体調を崩さないし、崩してもリスポーンすれば元に戻るし、お腹が減ったっていう感覚くらいしかないからねぇ、ゲーム内で過ごしてたりこっち生まれのAIはその辺がちょっとずれてたりする、育て方にもよるけど究極的には死んでも復活するから大丈夫、お腹は減るけどゲーム内で鍛えて冒険するってのでもない限りは栄養はあまり気にしなくていい、特にアイドルとして作られたAIは食品メーカーなんかでもない限りはお腹を満たすだけで食事を楽しむようにっていう教育はあまりされないし、割りと最低限で済ませる傾向だね」

「ボクと2号はまあ生まれがちょっと違うけど、がっつり食べるしお菓子も食べるしでAIとしてはちょっと珍しいタイプだそうだよ?育ての親が主様だからしっかり食べるとか言われてるのもあるけど。

とりあえずエカテリーナを部屋から引きずり出してくるか、1日3食まともに食うのが朝だけってなったらカトレアちゃんが怒るわ」

「1時間くらいこんこんと飲み物だけではどうのこうの、ルールに従えとは言わないけど時間がずれてもちゃんときっちり食べる、っていうだろうね」

「ところで今日のこっちの昼はなんだ?」

「エビとホタテとマスノスケのミックスフライタルタル丼、タルタルは各自好きなだけどうぞ」

「大盛りで頼むわ」

「はいはい」

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