山山山 悪巧みが好きな人達
えーと、これが農大の教授からのお届け物でこっちが藤ちゃん達からの個人的なお届け物、富士ちゃんたちからのお届け物は実家で取れた果物と野菜、後新作フィギュア、教授からのお届け物は農大の土1袋…ではなく大事なのはこの土の中にいるフトミミズ、西の方には沢山いるし農大でも敷地内で増やして利用しているんだけど…この辺りは居ない種類なのよねぇ…
とりあえず国内外来になるし冬になると死滅しちゃうのでこれはガレージの方で隔離して増やして、教授へのお返しは裏の山で採れたホダ木を数本、キノコ栽培の研究材料になるらしいのでサンプルになる実際に育てた温室でじっくり育てたキノコもクール便で一緒に。
ミミズはなまものというか生き物なのでこれ以上弱る前に環境をさっさと整えて養殖場へ解き放ちまして、フィギュアはゲームセンターのショーケースに、野菜と果物は段ボール箱毎冷蔵庫に入れて保管は完了。
でー…次の箱がアキラとアヤカとアリスが送り返してきた今の環境に合わないタックルやら小物、使用頻度もそれほど高くはないのでメンテナンスは最低限でよくて、汚れはちょっと目立つけど仕舞われる前に洗浄機に通すして新品同様の綺麗さになるので問題なし、ボロボロになったソフトはリサイクルボックスに入れてストックの塗装が剥げたハードは針をリサイクルボックス、本体は再塗装と書かれた箱に入れて…
えー…その他糸くず使用済みの小物やらなんやらもリサイクル行きの、冬物のパーカー等は洗濯して、ライフジャケットはボンベを一応新品の物に取り換えて…間違えて入れたであろう肌着や下着も一応洗濯してタンスの中に戻しておいて…
まだまだあります箱の山と…次がヘイズルーンから送られてきた400年分熟成の泡盛が10本の1500年分丹精込めて熟成させたワインが1本…はリオ宛てか、メモによるとタンク10個同時に熟成を始めて熟成1年分毎に試飲、繰り返す事1500回、最後まで弾かれず限界を迎えず極上といえる状態まで熟成した文句無しの世界最高のワインを1本お届け、追伸、感想とサインください…なるほど、ヘイズルーンのおじさんはリオのファンだったのね。
ヘラクレスとフリートからは書類が数枚、恵里香さんのおじいさんからも書類がいくつか…これは全部恵里香さんに渡して、アイナ達の実家から届いた食べ物は皆がいる時に食べたいところだけど…生ものだしいつ帰ってくるかわからないからずーっとおいておく事は出来ないから期限が近い物から使って…まあこれも冷蔵庫行きだね。
次の箱の山が…ネレイドが今年発売予定のリールとロッドの完成品、クロートーも今年発売予定の新しいPEラインの完成品、マキシマはネレイドと同じでリールとロッドのワールドも同じ、アナライズとブルーオーシャンが以前発売したオールインタックルの新しいやつと祭典で展示予定の新しいルアーを山盛り、レッドウルフからは注文しておいたオリジナルデザインのエギR一式と漫画家さんとのコラボデザインのエギRが一式、それと祭典で展示する新しい物の最終テスト品がいくつか。
んー…まあ今回は控えめか、祭典が近いのもあるし、届いた物はどれもこれも最終テストとかPV用って感じだし、整理し終わったらメールボックスを確認しないとね。
さて、それじゃあザーッと整理してやる事をやっていきましょうかね。
「この送られてきた書類はどうした物か…」
「何か面倒な書類だった?」
「んー…面倒というほどの物でもないんですが、まずヘラクレスのおじさんからは新車の譲渡書類、去年100台限定生産して7台まだ売れ残ってるからお嬢様にーって、趣味にはあっているのでこれはまあすぐにサインをして送り返す事になりますが…そうじゃ無い物、うちのチャンネル用にヘラクレスやらヘイズルーンやらフリートやらのラッピングマシマシの釣り用RVを作ったから受け取れよーっていう書類がですねぇ…」
「最近はRVに乗っていく事がほぼないよねぇ、遠くの湖へ行ってボートに乗る事もないし、比較的近いいつもの川だと乗るにしても店長さんに借りるし、遠くへ釣りに行く時間も取れないもんね」
「そうなんですよねー…なのでお嬢様にって来てるスーパーカーと違ってRVは場所を取るだけの置物でしかないというか…乗り心地から運転時の操作から何まですべて最高クラスだってのはわかるんですけど…」
「乗っていくとしても祭典の時だけになりそうな気がしないでもないね」
「フリートからは氷不要のレジャー用クーラーボックス、エビ釣りプール用の串焼き機に始まり台所のオーブンに新しい業務用冷蔵庫等いろいろですね、まあこれは必要無いといえば無いですが新しい方がいいので頂戴ーってサインしておきますけど」
「氷が要らないクーラーボックスはいいね、お買い物にもクーラーボックスは使ってるけど保冷剤が必要だし、量が量になってくると保冷剤は大して効果がないし」
「どういうクーラーボックスかは届いてみるまで分かりませんけどね、不要とあるから冷却装置自体が付いてるんでしょうけど、充電が必要か、また何時間持つのか、重さはどうなのか容量はどうなのかってのがありますし、物が物なら釣りにも使ってる40とか60リッターのクーラーボックスでよくなりますし」
「だねぇ、でも現物じゃなく書類で来るってことは意外と大きい…?」
「レジャー用とはありますが…300リッター500リッターとかいうサイズの可能性もありますね…」
「そこまで大きい物だったらエビ釣りのところに設置かなぁ?」
「でー、おじいちゃんからの書類ですねー、これもまあなんて事はないですが、おばあちゃんの方の実家ですね、いい加減古いのと町工場の方は後継ぎが居ないので町工場の方の土地と建物を買ってくれーってやつです、そして買い取ったお金で自宅を建て直しするとかなんとか」
「何の工場だっけ?」
「今は染物の工場でしたかね?高級志向とかそういうのではなく昔からある量産品よりの和染め、どちらかといえばお土産屋とかに並ぶような物で良くもなく悪くもなく普段使いしやすい、無くしてもちょっと勿体無かったけどまあいいか程度で済むような感じのお値段…だったはずですよ?」
「今はって事はちょこちょこ変わってるのか」
「布物を扱ってる点は昔から変わってませんけど、昔はメーターいくらで切り売りするような反物、中等部に上がった頃には質のいい反物の需要が下がって売れなくなっていたので余っていた反物を使って観光土産用の小物作り、思いの外売れたので高すぎず安すぎず程よい和染めのハンカチやTシャツなどを作って卸してる感じですね。
ただ…おじいちゃんの書類にあるように築90年を超えるような工場ですので、騙し騙しでも限界が出てくるくらいには古い工場なので、安全を考えてもう潰して更地にして何かに使ってーていう」
「今働いている人は他に行かないとダメになるけど安全面に難があるとずーっと続けるのは厳しいし、工場を継ぐ人が居ないとなると残し続けてもってのはあるか」
「昔から続いてはいますが、それほど古いというわけでもなく親子3代と割と古くはあれど伝統はっていう工場ですからねぇ、弟は継ぐ気は全くないですしそのお嫁さんも言わずもがな、甥も何もなければ弟と同じようになるでしょうし、グループは姪に継がせるので…
まあ残したくはあれど残しておいてもただ朽ちていくのを見ていくだけになりますし、綺麗さっぱり更地にして再利用した方がいいという考えもあるんでしょうね、実家を建て直しして快適にしたいというのもあるんでしょうけど」
「更地にした後土地をどうするかよね、町工場とはいえそれなりに土地は広いだろうし」
「そうですねぇ…どのみち安全面の問題で基礎から作り直す必要がありますし、海の近くかつ土地もあるので転用しやすいもの…エビ釣り兼車海老と伊勢海老の養殖でも始めてみましょうか?最初は赤字確定ですけど魚屋さん経由で養殖用と釣り用で卸してもらって、エビの管理釣り場をしつつその場で釣ったエビを食べれる国外にあるようなのを作るのもいいですね。
車海老メインで伊勢海老は1日2匹か3匹くらいでコストはちゃんと押さえて、育って数が大量になってくれば元は取れるしそんな高いエビでもないので入場料は半日1500円くらいで5匹まで無料、以降1匹追加ごとにプラス200円、串焼きはセルフで無料の料理してもらうのは有料、とりあえずの赤字は無視して客入りと売り上げだけを見て最終黒字になりそうならウチワやらセミやらにも手を出して、客入りが減って閑古鳥ってなりそうならそのまま養殖して卸し…ですかね?
十中八九おじいちゃん達の溜まり場になるでしょうし、最低限の人を雇いつつおばあちゃんも小料理を出して自由に過ごすと思いますけど」
「国内って意外とエビの管理釣り場がないもんね、あるけど小さいテナガで今一楽しくないというか、食べれるけど値段が吊り合ってないし小さいから食べ応えもないしでねぇ…」
「オニテナガを取り扱ってるところもありますけど、それのみで国外みたいにオマールエビを入れるっていうボーナスタイムもなく楽しみというものはないんですよね、後オニテナガとはいってもうちみたいに育って大きくなった成体ではなく、若く小さい個体なので…」
「食べるにしても大きい方が楽しいよね」
「まあ、それは置いときまして、車海老から始めて椅子に座ってジュースやビールを片手に釣りができる場所を作ろうかなって、結構人気出ると思うんですよね、国内にあるエビ釣りは堅いところが多いですし、本場の様に店内に自動販売機やら冷蔵ショーケース、セルフで焼く串焼き用のオーブン、軽食を売っていたり釣ったエビを料理してくれるコーナー…
衛生法やらいろいろあるのでクリアしないとダメな項目は多いですけど、実現すれば結構な集客は見込めるかと、何より利用者は5匹も釣ればお釣りが来ますし、赤字が出ない程度には繁盛すると思うんですよね」
「という事は土地と建物もろもろを買い取って更地にすると」
「ですね、個人間の譲渡ではなくグループに対しての売却なので査定してからになりますが、多少色を付けないと後で何か言われるでしょうねぇ…孫がいじめてくるんじゃよーとか…あれだけよくしてやったのに買いたたかれたーとか…そもそも新しい会社を設立して現役で稼いでるんだからお金は持ってるだろうと…」
「国内に居ない時の方が多いくらい国外を飛び回ってるもんね、仕事でなのか逃亡の果てになのかはわからないけど」
「半々くらいですね、それに逃げるのは相手がブチ切れて一方的に切られてもいい案件で何のプラスにもならない、むしろ契約を結ぼうものなら書道はプラスでも確実にマイナスになる商談とかそういうのですし、やるべきところはきっちりやっているのでまあ…」
「ある意味才能よね、とりあえずこれ、ヘイズルーンのおじさんから400年分熟成の泡盛10本、ワインとかだけじゃなくこっちのお酒にも手を伸ばし始めたらしい」
「南の島に行った時に古酒を飲んで気に入ったとかなんでしょうねぇ、それにしてもポンッと10本送ってきたあたり結構抱えてそうですね」
「んー、タンク1つだけでそれほど抱えてはないっぽいよ?フリートが新しくさらに最適化して熟成をさらに早めた装置を開発したらしく、なんでも今までの5倍の速度で出来るようになったから試運転がてら買い手がつかず廃棄されそうだった泡盛を買い付けて…との事、本命はこっちのリオにって送られてきたワインだね」
「なるほど、5倍となると400年分もあっという間でしょうね、今まで使っていたものは旧式で100倍、その次の型で200倍、そして今度のはその5倍で1000倍となると1日で約3年分ですし、半年かからず400年分の熟成…という事は前イクラを整理しに行った時にはもう出来てたってことですよねぇ?隠れて地下でこっそり作ってやがったな爺共…」
「まあいいんじゃない?悪い事をしてるわけじゃないし、量産すると各種熟成酒の価値は下がるけど泡盛を熟成させたテスト用の1台と、リオに感想とサインを貰いたいワインを熟成させた完成品の1台しか動いてないっぽいし、市場が崩壊するとかはないんじゃないかな?」
「サインって部分がモロに私情が入ってますけど、世界的に有名なモデルであるリオの感想が一言あるだけでも価値は変わってきますからねぇ、味と香りはわかってもそれほど飲めないですけど」
「飲まない生活を送ってたから流石にね、とりあえずワインはリオが帰ってきてから開封ね」
「香りだけでも嗅ぎたいですけどここは我慢ですね、とりあえずサインをした書類を各おじさん達に送り返して貰う物は貰って、おじいちゃんには直接電話をして日程を決めて実家の方で直接やり取り…ですかねぇ?」
「私はそっちのほうには触れないのでまあ頑張ってとしか、それじゃあ泡盛は全部セラーの方に突っ込んでおくね」
「はいはい、それじゃまたお昼時にー」




