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暇潰しなので特に考えてない 自販機の悲しいところ

 えーと、体は拭き終りの床ずれ防止の軽い運動も終わりの、薬物も大分抜けて内臓の機能も戻りつつあるので投薬量を少々増やして、排尿する量も増えてきたので点滴も増やして栄養剤も少々増やして、今日はこんなものかな?点滴はまたお昼と夜に追加しないとだけど。

 でー…やり残しと投薬の忘れがないかの確認をして…眠らせておくための薬は1日に数滴くらいしか落ちないのでまだまだ余裕があって、明日には追加の機材やらなんやらが搬入されるから病院に移送するための準備も出来てて…

 うん、やり残した事はもう無いかな?それじゃあシーツやらなんやらを洗濯に出しまして、いつでも運び出せるように最低限の片づけもしておきまして…今度こそお終い、後はルシフの病院の受け入れがどうなってるかを聞いておきましょ。


「病院?あー、そっちは何の問題もなく用意は進んでるよー?今日の夜には医療器材も全部搬入が終わるし、口の堅ーいうちの医療スタッフも増員したし、明日の昼にはもう病院に移送して入院かな?」

「はいはい、じゃあ明日の昼に病院に移したらもう後は全部お任せになるね」

「そだね、全部うちの病院に任せてくれればいいね、アニマリアも外見と身体能力が違うだけで内臓器官等は全部同じだし、治療法は普通の人と変わらないからね、種によって薬が効きすぎたり逆に効かなさすぎたりとかはあるから、そこは常に心電図に血圧に体温に見れる物は全部見て量を気をつけろと言ってあるけど」

「よほど大量に投与しない限りは大丈夫だと思うけどね、今のところ先に入った娘達は問題ないんでしょ?」

「ないね、軽から中程度の怪我や症状の娘達はリハビリ中だし、重くても比較的ましな娘達はもう意識もはっきりしててベッドの上で出来る範囲の軽い運動からって状態、動いたらダメなのは投薬で眠らせ続けてるし」

「じゃあ大丈夫…かな?」

「手術が必要だった娘も居るけど経過は良好で脱落者は無しかな?酷い扱いは受けてたけど商品として扱う以上は最低限って感じで治療は受けさせていたみたいだし、全員が全員ではないけどその治療のおかげで手遅れにならずにはすんでた感じかな?」

「高級娼婦として売る以上は…って感じで金蔓に死なれたら困るってやつだろうけど、それで生きてたなら感謝するしかないよねぇ、それはそれとして助長支援していた共犯者として責任は取ってねってなるけど」

「今凄い事になってるみたいよ?ニャルちゃんに玩具として持って行かれたのはまあ兎も角として、沿岸部は常に津波高波で近寄る事が出来ない、山間部は土砂災害で完全に埋まって壊滅、そういう被害がほぼほぼ出ない広い平野に生き残りが集中してわずかな食糧の奪い合い。

復興しようにも地震と台風がそれを邪魔をするし、そもそも国内の生存者数はもう3000人切ってるし、生き残ってる生存者も碌でもないやつしかいないからもう最後の1人になるまで食料の奪い合いで殺し合いかな?グループを作っても夜襲もあるだろうし寝首を掻いてくるだろうし。

まともな人は苦しまないよう一瞬でプチッと潰してるのがせめてもの慈悲って感じだよね」

「どのみち滅ぶなら早いうち絶望しないうちって感じでね、遅くても200年後には世界そのものが滅ぶし、その前の実験でもあるけど知らないうちに死ねるってのは幸せな事よ、昔から扱いの変わらない先住民族の場合は災害もなく緩やかに滅ぶとは思うけど」

「人間のみ1人残らず一斉に対処不可の不妊症発生、さらに天変地異でインフラ完全破壊の強制サバイバル、破壊後も災害は定期的に発生するので仮住まいの建築すら出来ず、当然動植物も人の周りからは一斉に消えるから…まあどうあがいても絶滅するよね、その後どうなるかは知らんけど」

「人間が消えた後汚染を浄化、動植物だけが生きる楽園として再生してのんびりじゃないかな?人に該当する生物もコントロールして誕生しないようにするだろうね、よそから入植される可能性も無くはないけど」

「そうだねぇ、よくある同じ進化を辿った星で価値はそれほどないし、すでに多くの人間が住んでるならと放置されてる状態だし、居なくなったら入植先として目をつけられる可能性はあるね、どうなるかはその時までわかんないけど」

「さて、聞く事は聞いたしやる事もやったし、今日は何をしようか」

「ゲームで遊ぶのもいいけどまだ本調子じゃないからねぇ、それでも接続にかかる時間は10秒くらいと大分改善出来たし、各企業のマスコットAIとかお仕事用AIの起動も3分くらいになったし、来週くらいにはもうコンマ数秒とかで待たされる感覚もない程度にはなると思うけど」

「そういえば盗まれた物はどうなったの?」

「車は全部回収、パソコン本体にサーバーも半分くらい戻ってきて、パソコンとサーバーに関しては起動出来ないからって店の方で分解してパーツ毎に分けて販売を試みた形跡もあったから車を買い取ったお店と同じくちょっと警察署へご招待、現在取り調べ中。

バラしたところで各パーツに適合するマザーボードとかは一般に出回ってないんだけどね、そもそもうちで作ってるのって全部独自の規格だし」

「ぼちぼち回収できてはいるのね」

「警察がメンツを保つために全力で探してるし、今月中には全部回収出来るんじゃない?どの程度まで散っていったかによるけど近場にあったのはほぼほぼ、キーコードやらなんやらがないと起動出来ないからデータを弄られる事はまずないけど、念のために動作やらなんやらをチェックしたりとかいろいろあるし、取り戻したからってすぐに使えないのが辛いところだね」

「となると後は国外に逃げた人達だけか」

「すでに7人は捕まってるよー?うちが賞金を懸けたのもあるし、全世界に顔写真と名前をばらまかれてるし、そっちも早い段階でけりがつくんじゃない?」

「なるほどね、しかし暇だなー…ハーちゃんとニャルちゃんがいない状態でPGFを進めるわけにはいかないし、動画撮影も昨日行ったばかりだし、超ワイドシューティングの方もアップデート待ちになってるし、皆何かしらやっててどこかにいこーって誘える状態でもないし」

「温泉にでも行って来たら?もしくはガレージをまた改造するとか、道具を収納するスペースは空間を弄っていくらでも収納出来るようにしてるし、うちの倉庫整理用機材なんかも導入してるから在庫管理も全部自動でしてくれるようにはなってるけど」

「んー…温泉かガレージか…そうねぇ、温泉はなんだかんだで頻繁に行ってるし、ガレージでも弄るか」

「はいはい、それじゃあ何かあったら呼んでねー」


 んー…弄ると決めたはいい物の何から弄っていくか…収納場所は自動整理かつ少し前に洗浄機能も付けたから一切弄る必要なし、展示場所も追加されるたびに少しずつ拡張してるし、何用何用とちゃんとジャンル分けもしているからそこも弄る必要なしの…

 ルアーの設計開発改造をする部屋も弄る必要なしの休憩部屋も手を入れる必要はなし、養殖場も餌の種類を増やす予定はないので手を入れる必要はなくて…弄るところが無いなぁ…もうほぼほぼ手を入れなくていいように改造してるわけだし、ちょっと内装を弄って雰囲気を変えるかどうかくらいしかないなぁ…

 うぅむ…となると…何か自作しようかねぇ?エギは作ったばかりだしスプーンはちょこちょこ作ってるし、メタルジグとソフトルアーもボチボチだから…たまには毛色を変えて自作ロッドと自作リールに手を出してみるか?

 ロッドのブランクスを作ったりリールのギアから作ったりする必要はあるけど、確実に時間は潰せるし、趣味全開の物が作れるから…うん、ロッドとリールを作ろうかな?


「今日ーのお昼は自販機バイキングでーすよー…って何を作ってるんです?」

「自作ロッドと自作リール、やる事無いしどうしようかなーって思ってた時にふとたまには毛色の違う物って感じで」

「なるほど、それで何用の物を?」

「トラウト用かな?店長さんがGBXを作ってたし、私もそれ用に作ってみようかなーって」

「メーカーが本気を出して指定通りに作るのとはわけが違うんですけどね、それはそれとして今日は自販機バイキングですので、食堂ではなくゲームセンターの方でー」

「要は手抜きね」

「自販機で出てくるのは手作りと何も変わらないからいいんです、というよりたまには台所仕事も休みませんとねぇ」

「まあ、そういう日もあるよね、それじゃあお昼を食べに行きましょうかね」

「夜も自販機で済ませる気満々でディジーは買い物に行かせず休んでもらっているのでそのつもりで」

「はいはい」


 さて、お昼を食べ終わったところで作業を再開するとしまして、まず試作のXXULブランクスを5分割してパックロッドに、継ぎ方はインローにしてちょっと強度を確認、トラウト用だから20キロも耐えれば上等だけど強くて折れないに越した事には無いから100キロ200キロとどこまで折れずに持ち上げれるか試しまして…

 折れないのを確認したらXXULからLまでの5種作って…テーパーもレギュラーからエクストラファストまでずらーっと揃えて、長さも160と180と200の3種で一気に本数が増えて…

 ガイドはトラブルレスガイドを採用してちょっと贅沢をしつつ絡みやヨレ、ごみの巻きつきを防止しまして、全体のバランスを見つつガイドリングの大きさを調整、位置も決めたら目印を付けつつメモも取りまして。

 すべてのメモを取り終えたらまずは薄くコーティング、ちょこちょこーっと細工をして速乾、強度的には何の影響もないけどちょっとだけバットを強くするためにカーボンシートを巻いて、その上からさらにクロスさせて薄く全体を飾り巻き、再びコーティングして乾燥させたらスレッドでガイドを固定して接着すればほぼ完成。

 リールシートとグリップは軽さを重視してカーボン、フォアとエンドのモノコックもフルカーボンでリールの固定は二重のしっかりとしたダウンロックを採用して、取り付け終わったら適当なリールを装着して二重ロックがちゃんと効いてるかの確認。

 ロックが効いている間は緩まず取り外せず、ロックを解除すれば軽く回って取り外しやすく、またシート自体もリールフットも傷めず傷つかず、うん、ロッドはこれにてほぼ完成、カラーリングは後から好きなだけ弄れるのでリールが完成した後にでも考えましょ。


「夕食ー、夕食の時間ですよー、宣言通り夕食も自販機で各自食べたい物を買って食べる自販機バイキングですよー」

「あら、もうそんな時間?」

「もうそんな時間なのですよ?」

「じゃあ仕上げは夕食後かな?後はもう色を弄ったら終わりだけど」

「もう作り終わったんですか…爆速ですねー…各メーカーの開発が見たら何を思うんでしょうね?」

「どうとも思わないんじゃない?メーカーとしては基本売れるものを作るかどうかが大事で作るのが早いかどうかは二の次だし」

「それもそうですね、で、スペックはどんな感じで?」

「んー…スペック的にはGBXと大差ないんじゃないかな?こっちの素材で作ってるし、強いて言えば200キロの負荷をかけても折れない、バットが少々強めで寄せてくる力が強め、でも逆に言えば首を振った時に弾かれ易くなったという事でもある」

「あー…とはいっても誤差程度でしょう?」

「誤差程度だね、GBXのXXULでも根元まで行くとかなり強くてパワー負けはしないからメーターいけるけど、それよりもうちょっと強い部分を伸ばしてメーターを相手にしやすくしたって感じかな?」

「汎用性が上がった感じですかね?GBXはトラウトに特化しまくってますし」

「そうだね、GBXをトラウト140その他70としたらこっちはトラウト120その他85くらい、上位互換でも下位互換でもないよりバランスよく仕上げたロッドかな?テーパーもレギュラーからエクストラファストまであるから、XXULのエクストラファストなら15センチくらいのハスとかを釣るのにもいいね、なんだったら10センチのハヤとかオイカワでも弾かれず程よい感じ」

「使い買ってはよさそうですね、今度アジングか何かで借りてみますか」

「いいよー?多分ちょっと使ったら展示品送りになると思うし、リールも拘ってGBXよりバランス型って感じに仕上げてはいるけどこれも展示品送りになるだろうし」

「勿体無いですねー…どこかに持ち込めばいいのに…とは言っても条件次第でオール100から110のクリムゾンとかアルマディンがありますし、自作のロッドとリールを使っても何の宣伝にもなりませんしねぇ」

「契約していろいろ物を貰っているわけだし、それを使わないわけにもいかないしね、さて、それじゃあ夕食を食べたらカラーリングを考えようかな?」

「色の前に名前じゃないですか?」

「名前ねぇ…ただ暇つぶしで作っただけだし、それは考えてなかったなぁ…」

「ま、色と同じでゆっくりでいいと思いますけどね、売り物ではないですし、急ぐ必要もないですしね」

「それもそだね、それじゃレッツゲームセンター」

「もう皆食べ始めてると思いますけどね、自分で好きに買って食べるので待つ理由がありませんし」

「自販機とインスタントはそこが悲しいところだね」

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