表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1059/1104

土地柄作りにくい どこにでも居る

「このサクサクしたパン結構美味いな、これどうやって作ってるんだ?」

「ラスク…ではないですね、あれはサクサクというよりザクザクしてますし」

「あー、これですね、ただ単にレンジで温めて水分を飛ばしただけですよ?温かい内はサクサク感はなくしっかり噛み応えのある硬い、されど水分が抜けているのでパンの味自体は濃い物に、冷めるとラスクより軽い触感、されどサクサクとして食べやすく細かく砕けやすい、そういうパンになるんですよ」

「作り方自体はラスクと同じですか、いろいろ使えそうな感じがします」

「まあ、このラスクもどきは1袋15本入りで350円くらいの安いパンを使ってるんですけどね」

「ふーん、でも値段の割にはかなりの物じゃないか?高級な物と遜色ないだろこれ」

「麓の商店街のパン屋さんが売ってるパンですしね、品質と味はお墨付きってやつですよ」

「国に帰ったら試作させて売りに出してみるか」

「このパンみたいに砂糖少し多めで作るとおやつとしても食べれるのでお勧めですよ?」

「砂糖多めでって支持すると間違いなくげろ甘になるな」

「あー…南印に近い地域なんでしたっけ?」

「若干の違いはあるが概ね今考えてる地域で合ってるな」

「さらっと頭の中読んできますね」

「まあこれくらいはな、だから基本砂糖多めとか甘い物っていうとバカみたいに砂糖を使ってくるぞ

、クラブジャムンを常食するようなのは早々居ないが、ジャレビは普通にバクバク食うのが居るからな」

「向こうの人は体質的に大丈夫なんでしょうけど、この国の人がジャレビを常食とはいかずともそれなりに食べると間違いなく糖尿病一直線ですね」

「そんな感じで砂糖多めと注文を入れたら少なくともこのパン1本に対して砂糖が50グラムとか入ってくるだろうな、切手おやつとしてサクサク食べる分には大丈夫だが…こうやって明太子とかカレーとかを付けて食べるってなるとなぁ…甘すぎるのは問題だな…試作させる時は完全放置じゃなくて分量を指定した方がいいかもしれん」

「最初は普通の食パンのレシピに砂糖を大さじ一杯、もしくは水あめを追加で足すくらいで十分ですよ?そこから好みで調整ですね」

「なるほどね、そういや兄さんはお出かけか?」

「魚屋さんから紹介されて馴染みになったお寿司屋さんへ寄ってるので帰ってくるのはもう少し後ですね」

「朝から寿司かー…」

「食べに行っているわけではないですよ?お寿司さん特製のカラスミを貰いに行ってるだけです、今の時間帯ならお昼の営業開始間際で仕込みとか終わってるでしょうし、そういった物を貰いに行くにはちょどいい時間帯ですからね」

「カラスミ…名前だけは知ってるが食べた事はないな、ニャルに頼めばまあ出てくるとは思うんだが、食ってみたいってほどでもないしなぁ」

「私は館でお出ししているので食べた事はありますよ、酒にも漬けるので好みの分かれる味といえばそうですね、物でいえばこちらの明太子の方が好きという人のほうが多いのでは?」

「カラスミも明太子も味は基本塩ですからねぇ、明太子は調味液で水分を抜かないように、カラスミは塩漬けで水分を抜いてという大きな違いがありますが」

「それと当たり外れが非常に多いです、1本4万ほどするカラスミでもこの明太子くらいの大きさしかない事も多いですからね」

「この明太子はまあそれなりにいいやつなので大きさもほどほどですが、これと変わらない大きさの物ということはまだ若かったり卵巣も育ちきってない小さいボラを使った感じですかねー?

しっかり育ってかつ時期もばっちりなら塩漬けして締めても25センチくらいの長さはありますし、魚卵も一粒一粒が大きくてねっとりしてるだけじゃなくプチプチとした食感も残るんですよね」

「ここでは作らないのか?」

「作れなくはないんですけど…乾燥させる時に外で干した方がいいんですがちょっと不都合がですね…」

「何か問題があるのか」

「カラスミを作るのにベストって言えるシーズンは大体雪で道が閉ざされて麓に降りれなくなりますし、メスのボラを確保して卵巣を確保出来たとしても次の日夜が明けたら雪に埋もれてたとかも普通にあるんですよ。

かと言って外に干さないカラスミは余分な臭いが抜けきりませんし、旨みも減るので失敗作にしかなりませんし、そんな感じで作れないんですよね」

「俺の住んでるところは雪が降らねぇからよくわかんねぇや」

「前日晴れで雪は一切積もってないという状態から夜が明けたら積雪1メーターとかざらですよ、麓だと風に飛ばされてそこまでは積もりませんけど、ここは山の中腹かつ家を建てるにあたって少し削って平らにして、周りは木と山に囲まれて少しくぼんでいるような状態ですので、風に流されていく雪が流されずにどんどん溜まっていくんですよ。

さらに、朝は晴れでお出掛け出来るって時は除雪車を呼んで食糧等を買いに行くんですが、麓で少しでも天気が崩れたなってなったら買い物を切り上げてすぐに帰らないとあっという間に道路が凍結、さらに積雪で帰れなくなります、1時間もあれば10センチからは積もりますし、吹き下ろす風で道路もびっくりするくらいの早さで凍りますからね」

「なんでそんな不便なところに住んでるんだよ」

「貰った家と土地というのもありますけど、山の管理もしないといけませんし、仕事は家から一歩も出なくても出来るので…ですかねぇ?それに時期が時期ならキノコに山菜にと取り放題ですし、倒木をそのままホダ木にして天然キノコの栽培もできますからね、悪いことばかりではないです」

「なるほどね、しかし兄さん遅いな、昼からもゲームで遊ぶっていう約束なのに」

「確かに遅いですねぇ、お寿司屋さんは少し離れた場所にあるとはいえ、お兄さんの移動速度を考えればもう帰ってきていてもおかしくはないんですが…時間が時間なので食べてから帰ってくる気なんですかねぇ?」

「まあいいや、パンとカレーのおかわりくれ」

「はいはい」


「ただいまー、カラスミ貰ってきたよー、それとお土産人数分」

「おかえりー、やっぱり向こうで食べてました?」

「食べてはいない、ちょっとトラブルがあってそれでカラスミを貰うのに時間がかかったのと、そのお詫びにって事で人数分のお寿司をね?」

「あー、そういう事ですか、まあ昼食はもう終わってるのでこれは夕食にですね、中身は開けてからのお楽しみという事で」

「私は中身を知ってるけど…言わないほうがいいか」

「その方が楽しみはありますからね、しかしトラブルって何があったんですかね?仕入れ忘れがあったとか予約漏れがあったとか?」

「いや、営業開始直後に泥酔した人とその連れが客として入ってきて一悶着あっただけ、あまりにも好き放題物を言うし傍若無人に振る舞うからとりあえず酔い冷ましに水を一杯と大将が勧めると何が気に障ったのか、コップを投げるわ椅子を蹴り倒すわ、諌めようとした大将を携帯で撮りながら挑発するわ、連れも連れで止めようとすらしないし、その二人を追い出すのとお店の片付けで時間がね?」

「あの店でそういう人が来るのは珍しいですね」

「土地柄高級店というわけではないけど、いい物を取り扱ってるから評判はいいし、それを見てやってきたんだろうけど…まあ他のお客さんにまで迷惑をかけちゃあダメだよね」

「母数が減ってもそういう人はどこにでも出てくる、というのは分かっていてもいつどこに来るかはわかりませんし、災難でしたねとしか言えないのがまた何とも」

「まあ、もう二度と来る事は無いだろうから気にしても仕方ないけどね、それでお昼は何か残ってる?」

「いえなにも、余ってた分はハスターさんが全部食べてしまいましたよ」

「そっかぁ、まあ自動販売機で適当に買えばいいか」

「それと、ハスターさんが先にゲームをプレイして待ってるとの事です、ニャルさんも一緒に」

「あー、約束してたからねぇ、それじゃあ軽く食べてやる事やったらゲームをしに行くかー、1号も待ってるだろうし」

「それじゃあ私は仕事に戻りますねー」

「はいはーい」


「さて、盛大に遅刻した主様、まず言い訳から聞こうか?」

「んー…私は悪くない!…かな?でもお土産として皆の分のお寿司は持って帰ってきたし、他にもちょこちょこーっといい物が有るからそれでチャラかな?」

「現実の方で用意してもボクが食べれないじゃん!というわけでギルティ、何があったかを吐くがいい!」

「簡単に言えば馴染みの寿司屋の大将に喧嘩を売る客が来て店内大荒れ、追い出すのとお片付けのお手伝いで帰ってくるのに時間がかかった、以上」

「それはそれで普通すぎてなんか面白くないなー…クレーマー襲来とかよくある事だし」

「こっちは結構大変だったんだよ?カウンターに並べてる酒瓶全部割られるし、椅子も蹴り倒されたり投げられたりで備品も結構壊れたし、シャリとか寿司ネタはカウンターの下に保管してあるから無事だったけど。

まあ大変だったよ、携帯で動画だの写真だのを撮りながら大将とか他のお客さんを挑発するし、営業は再開出来たけどお昼の営業が終わったら壊れた備品の買い替えに割られてダメになったお酒の補充に、ガラスケースも割れたり内装もダメになったから内装業者に頼んで…って感じで2週間くらいは営業が止まるんじゃないかなぁ?」

「2週間も営業が停止するとかどれだけ派手に壊したらそうなるのよ」

「だから大変だったと、でもそんな感じでボロボロになったお店で営業を続けるわけにはいかないし、せっかく用意したものをそのままダメにするのもーってことでお土産のお寿司はかなり豪華だよー?わさびも当然余るしそのままだともう廃棄するしかなくなっちゃうから細切りわさびの巻き寿司なんかもあるね」

「だからボクはそれを食べれないんだって、帰る前に同じのを作ってってね?」

「完全に同じなのは無理だけど…まあ似たようなやつなら?」

「ならよし!とりあえずこのミッションが終わったら参加よろしくー」

「居ない間にどのくらい進んだ?」

「カタストロフ初期アーマー縛りだから武器が大事だし、クリア前にちょこちょこ稼ぎも挟んでるからまだ3ステージくらい。

コメントで稼ぎを入れずやれって言ってるやつ、稼ぎを入れない場合それはそれでリセットマラソンになるだけだから見る方もただただだるくなるだけだぞー?それに稼ぎを入れる事により武器のランクも上がりやすくなるという利点があるし、レベルが低い武器でもランクを上げれば長く使えるようになって攻略も捗るんだよ。

というより経験者っぽい人は縛りは大変だよねーとか、ここなら稼ぎやすいよねーっていうコメントくらいに止まってるけど、稼ぎを入れずにやれは完全にエアプとかそれのコメントだぞー?初代から4くらいまでなら武器ランクは存在しなかったし、単純に強い武器と立ち回りでどうとでもなったけど、5以降の作品、とくに前作からは武器ランクも重要になってハードとアルマゲドンをクリアしてしっかり稼いだキャラ前提の難易度になってるし、さらに今作はスペックが大幅に向上、派手な爆発エフェクトを1万重ねようが処理落ちしない、敵の数も10万だそうが100万だそうが処理落ちしない、となるとこの手のゲームは爽快感も出すために敵の数を増やすんだよ、クリアにかかる時間もあるから限度というものはあるけど、それでも稼ぎ用といわれるミッションだと一気に5000体は湧いて出てくるんだぜ?

それを稼ぎ無しのランクも上がってない武器で捌ききれってのは無理よ、難易度が上がると敵の移動速度も攻撃頻度も密度も上がるし、物量も凄いから火力が足りないと立ち回りが上手くても押し潰されるのよね」

「巨大生物が相手だから距離感が狂うってのも辛いよなこれ、まだ遠くにいると思ってもでかい分接近も早いし、適当に撃っても当たるのはいいけど当たるだけで削りきるまで結構なダメージを与えないといかんし」

「初日のミッション1カタストロフを見てみ?稼ぎ無しだと常時あれかあれより酷いプレイになるぞー?少し釣っては数分かけて殲滅を1時間延々と繰り返し、アクティブかつどんどん追加されるところだと転送装置とか巣穴を全部潰すまでだから4時間からはかかるようにもなる、そんなだれる配信誰が得するんだと。

だから1ミッション30分から1時間くらいかけて稼ぎも入れつつ確実にクリアして、後々出てくるであろう稼ぎ無しだと最悪4時間かかるミッションを20分から30分でクリア出来るようにしている、というわけなのだよ」

「ミッション1のアレはなぁ…クリアに2時間くらいかけたもんな…レベル0で使えてハード序盤までだろってやつでカタストロフで攻撃力体力ともに爆上がりしてる奴を倒さにゃいかんし、次のミッションからは火力が倍なんて物じゃない状態になったから楽になったが」

「稼ぎ無しはそのだるい状態がずーっとクリアまで続くってやつだね、クリア出来なくはないけどとにかく時間がかかる、武器をしっかり稼いでいれば火力で押せるから多少突っ込めるけど、無しだと爽快感も何もないチキンプレイの垂れ流しにねー。

なので稼ぎなしでやれって言ったやつ、自分でプレイしてその動画を上げればいいんじゃね?きっとスーパープレイとしてわかる人は称賛してくれるよ、終始10倍速とか20倍速になるだろうけどね。

っと、何々…これまじ?プレイ中で見に行く事が出来ないからだれか要約してコメントに残してー…はいはいありがと、なるほどねー」

「何かあった?」

「主様が遭遇したであろうクレーマーのライフノートが発見されて大炎上中だって、自分の主観だけで好き放題言って同情を買おうとしてるけど、無許可で動画と写真を撮って晒し上げ、まずその部分でマナーがどうのと軽く炎上。

次に動画はぶつ切りで悪意のある編集で全容がわからない、一方的に店側と客を悪とするような投稿でモザイク等もなく肖像権も侵害、対象に刃物で襲われそうになっただとか酒瓶を割って脅されただとか、選民思想の強い客しかいなかったとか、そんなんが書いてあるらしい」

「あー…んー…まあそうねぇ、その現場に居合わせた身として言える事は、それを書いた人が全部やった事がそっくりそのまま店、大将がやった事にされてる感じだね、並べてる酒瓶全部割ったのも女性客だし、椅子を投げたのも女性客、身を乗り出して刺身包丁を取って脅したのも女性客」

「わーお、現在閲覧数が伸びに伸びて7500万の…酒瓶で殴られて怪我しただとか頭切ったってのもあるけどこれも嘘なの?ってコメントあるけどどうなん?」

「店から追い出すまでは少なくとも無傷だったはずよ?客も大将も手を上げてないし、店に来た時点で酔ってたから帰りにどこかでぶつけたんじゃないの?むしろ怪我したのは大将の方だよ、並べてた酒瓶投げつけられて軽い打撲になってるし」

「この写真に写ってるのはボスですか?そっくりさんですか?ってコメントが来てるけどプレイ中だから見れないんだってば」

「カウンターの中でごそごそやってたらそう、今日はカラスミを貰いに行ってたんだよね、うちの環境だとカラスミを作るに作れないし、時期の物でもあるから前から頼んでたのよ、その時にクレーマーと遭遇した感じ」

「ほんの数時間前なのに結構な人が野次馬に行ってる感じだね、時事系と呼ばれる投稿者も換金タイムだと張り切って群がってるし、これ大分昔の事まで掘り返されてまともに外を歩けなくなるんじゃないかな?」

「それは私は知らない、でも普段の行いが全部自分に返ってきてるだけじゃないかな?それがたまたま今日だけだったというだけのことで」

「まあいいや、ボクには関係のない事だし」

「そろそろ巣穴潰すぞー」

「はいよー、それじゃぼちぼちクリアだから準備準備ー」

「はいはい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ