お手軽な分そこそこ危険 追込み中
「この写真のカヤックってメモに書いてあるやつ全部ついてきて7万ですか?」
「エンジンフロートオールにロッドスタンド、旗やらなんや書いてある物全部ついて7万、かなり使い込んだ中古だけどグラインダーで削ったりわざと岩にぶつけたりしない限りは穴が開いて浸水とかはしない、エンジンも整備してあるから新品同様とはいかないけどちゃんと使える、けど書いてあるように持って帰れる人以外には売らないからね?
だから当然通販の方にも出してないし、買う場合は軽トラか大きめのバンに乗ってくるのが前提条件、それに持ち運べる車がない状態でカヤックを買ってもただの置物にしかならないよ?お兄さんとか妹ちゃんみたいにリヤカーに乗せて引いていく方法もあるけど」
「乗用車で持って行ってもボックス1つにタックル3つの軽装で日帰りだから無理だなぁ…かといってリヤカーを引いて歩いて行ける範囲に釣り場は無し…興味はあるんですけどねぇ…」
「湖に海にと気軽に使えるし、徒歩からじゃ狙えない届かないところを狙えるし、遊漁船と違ってエンジンのガス代くらいしか使わないからちょっと沖へ釣りに行きたい、でも遊漁船を予約するのは…そういう時に気軽に使えるのがカヤック、バラして運んでる場合は現地で組み立てが必要だけどね。
で、カヤックの問題、転覆防止フロートがこの中古にはついてるけど、ついてないやつだと横波を受けたら転覆する、よくある長細い形状で足こぎペダルがついてあるカヤック、あれは横波にすごく弱いから転覆防止がないと横波を受けたら簡単にひっくり返るから要注意、その辺りのバランスでいえばこのコンパクトは転覆しにくい部類に入るけど限界はある。
んで、遊漁船と違って安全面に難ありでGPSが必須、一応決まりとして旗を立てる必要があるんだけどそれだけじゃ流された時に発見が困難、カヤックは遊漁船でもないから必要ないんだけどそんな時のために絶対つけておいたほうがいい、そして性能のいいGPSはまあそれなりにねー。
特にカヤックの場合海で流され続けることになるわけだから、海のどこにいても現在地にわかる高性能なやつ、それを取り付けるのが無難」
「あー…気軽な分それなりに危険と…」
「そだね、少しでも波が荒れてたら出ない、風が出てきたらすぐ引き返す、この判断ができないなら買わない方がいい、それとカヤックで大物を釣ってやるぜーってのも止めたほうがいい、釣れなくはないけどかなり危ないよー?」
「大きいのを狙うためにカヤックに乗るんじゃないんですかね?」
「どちらかといえばカヤックはほどほどのやつを数釣るために使う、まあ…そうだねぇ、地面に置いてある物と違って水に浮いてる物って多少抵抗はあるけどゆっくり力をかければ動かせるじゃない?船を1本の細めのロープで引っ張って寄せるような感じで。
で、それと同じで浮いている物は固定されているわけじゃないから引っ張られると簡単にスーッと動く、一応限界というものはあるからあまりにも軽い小さい奴だと引っ張られないけど、エギングなんかで2キロのアオリをかけたりするじゃない?そうすると上げるのにも時間がかかるからかなり引っ張られる、青物でも掛けよう物ならさっさと上げないとずーっと引っ張られ続ける、10キロクラスのカツオとかマグロが何かの間違いでかかった時はもう絶望するくらい引っ張られるよー?
まあ、エンジン付きのやつなら帰りは楽々だけど結構びっくりするくらい沖まで連れて行かれる、だからもしものためのGPSは必須だし、大きいやつを狙うのはあまりお勧めしない」
「サメとか掛かるともっと酷い事になるよー?一気に走るわけじゃないからゆーっくり長時間、肌に擦れて切れるかこっちから切るまでずっと引っ張られ続ける、質量も向こうの方が上だから踏ん張りが効かないカヤックだとどうにもなんない、上がってくるころには陸から1キロ2キロ離れた場所とかよくある」
「そんなに…?」
「この辺りはサメが入ってくるのは稀だから早々ないけど、踏ん張りがきかない分やり取りは長くなりがちだし、その分追い食いされる確率も高くなってくるから確率はゼロではない。
国外だとカヤックに乗ってあれやこれやと色々釣ってるけど、そういうのは海ではない、川だったりするけど川幅はそれほどでもない、大きいのが掛かったらそのままやり取りはせず足漕ぎでカヤックを岸に止めて固定してからやり取りをする、そうやって安全を確保してるのよ?」
「んー…それでも欲しい…けど持ち運びができないならあきらめるしかないかぁ…」
「カヤックを買うならまず持ち運びができる環境を整えてからだね、お買い得だからって飛びつくと後で泣く、地域によってはホームセンターのレジャー用品のところに置いてあるし、貸し出しの軽トラックに積んで帰れるけどその後どうするのっていう」
「それと物凄く当たり前の事を言うけど、今の時期カヤックで海に出たら死ぬよ?10分20分で波模様が変わることもざらだし、突風爆風も当たり前、暖をとる手段もないからあっという間に凍える。
内海の波が安定している地域かつカヤックを3台用意して連結、うち2台は足場を組んでコンパネなんかを敷いて安定させてその上にテントを張る、そうすれば風除けしつつ暖も取りながら過ごせるしそのまま泊まる事もできる。
問題は風が吹いたら吹っ飛ばされるから沖に出るとかそういうのは無理ということ、周囲が囲まれていて風が吹いたとしても岸に向かって吹くところ限定であるというところかな?」
「んむむぅ…あ、ゴム製で折り畳みができるやつはどうなんですかね?あれなら乗用車のトランクにも余裕で詰めますし、そういうタイプのカヤックもあったような気がしますし」
「ゴムの利点は折り畳みができて軽くて持ち運びが楽なところ、デメリットはこういうコンパクトと違って穴が開いたらお終いだから安全面で行くとさらに危うい、よほど刺さりのいい針とか勢いがないと刺さる事はないけど、もしもの時のために養生テープとかそういうのは必須だね。
便利ではあるけどデメリットはつきものだから、買うならよーく調べてからにしたほうがいいね、頑丈で擦り切れない限り穴は開かないけど持ち運びに軽トラかバンが必要なコンパクトカヤックか、折りたためば乗用車でも可能だけど穴が開く可能性が常に付きまとうゴムか…命を守るという点で見るならゴム製じゃなくプラ製の方がまだましかな?」
「んー…車を買い換えたら考えてみることにします」
「そのほうがいいね、カヤックを積むとその分道具を積むスペースも減るわけだし、安心安全っていうカスタマイズにするとこんな感じで左右にフロート、それを取り付けるための鉄パイプに漕ぐためのオールだなんだと装備も増えるからね。
カヤックでの事故はフロートを取り付けずに転覆ってのが結構あるから、荷物から増えるからってフロートを付けないのは本当に止めたほうがいい」
「国内でこういうコンパクトじゃなくてゴム製の細長い足漕ぎのカヤックをノーマルで使って配信してる人がいるけど、あれ結構危ないんだよね、改造してフロートを付けるということをしてないし、実際横波を受けて転覆してる人もかなりいるし、沖へ出る人もいるし、動画のネタにはなるかもしれないけど危険なカヤックフィッシングが広まるから止めて欲しいところではあるね」
「わかりました、大きい車に買い替えた辺りでまた相談に来ます」
「そうしときー」
「すいませーん、この辺りってまだブリ釣れますか?」
「ジギングとかキャスティングで釣るなら船、堤防や浜から狙う場合はアジとかカマスを釣って泳がせおけばナブラとかボイルが発生してなくても可能性はある、ってくらいかな?ブリとは呼べないサイズなら年がら年中」
「ショアジギだと厳しいですか?」
「釣れなくはないんだけど泳がせに比べると厳しい、ボイルとかそういうのがない時ってあまり追いかけてくる気がない事が多いし、目の前を通ったらなんか食ってみるかって感じでちょっとアタックはしてくるんだけど、ワンピッチジャークとかそういう感じで動いているのはスルーされる、ブレード付けてただ巻きも速さによっては追いかけてこない、それ以前に年末からずーっと人が来てるから堤防にあまり寄って来なくなってる。
あまりであってまったくではないんだけど、連日連夜メタルジグやらトップやらミノーやらを投げ込まれてるからそれに対する警戒心が強くなってて、何でもいいから食うっていう状態になってないと本当にダメ」
「んー…泳がせってショアジギ用のタックルでも出来ます?」
「できるよー?泳がせにはこのタックルとか進めてたりする人とかお店の話は全部スルーしていい、狙ってる魚を引き寄せることが出来て折れないなら何でもいいのよ、だからブリを狙っているのであればそれを上げれるタックル、話的にショアジギ用を持ってるっぽいし、それを使いまわせばいいのよ。
んで、今の時期のこの辺りだと重りを付けない完全フリーのタイプ、リーダーに針だけを結んで背掛けでちょっと沖に向かって軽く投げるだけ、タックルを持って行かれないようにドラグはゆるっゆる、えー…まあコイツでいいか、この3000番を5000とか8000番とかに見立てまして、ドラグがこれくらい、軽く摘まんで引っ張ったらジィーって出ていく程度。
当たりを取るためにドラグを締める人がいるんだけど、その場合はロッドをピトンで固定したり常に手を持っている時だけ、泳がせは基本的に食いつくまでは放置で起き竿になるから、ドラグを締めてると食った瞬間吹っ飛んで行って海の藻屑になります。
椅子に座ってかかるまでじーっとまず場合はこういう尻手ロープ、これを重量のある物に付けておく、タックルボックスだとドラグを緩め忘れた時に一緒に持って行かれるから、自分の座ってる椅子とか自分の腕に付けておくと安心、ドラグがっちり向こう合わせって感じでやるなら…」
「はいこれ」
「そうそうこれこれ、レッドウルフが発売してから売れに売れまくっているどこでも使えるラバーピトン、コンクリを削ったり岩に穴を空けなくてもがっちり固定出来て吹っ飛ばない、使い方はこうやって地面に付けて固定して、ロッドホルダーをつけて差し込んでおけばタックルが吹っ飛んでいくのを防げるね」
「なるほど…ショアジギをやるつもりで来たのと、ショアジギしかやった事がないのと、それ以外の道具は持ってないので何を使えばいいんですかね?」
「タックルは1つだけ?」
「1つだけで2つは持ってないです」
「PEとリーダーは何号?」
「んー…よくわかんないです、おすすめされるがままに買ったやつなので」
「あー…今持ってくる事が出来るなら持ってきてー、それでちょっと変わる」
「わかりました、ちょっと車に戻って持ってきます」
「はいはい」
「えー、まずロッドとリールが去年マキシマの出したエントリーでお店のロッドとリール選びは問題なし、こいつなら10キロどころか20キロが来ても折れる事はなくて、扱いやすいように240Mのチョイ短めで扱いやすいパワーなのもグッド。
リールがC3000XGのPEが1号でリーダーが4号、パワーのあるリールと太いラインを進めてデカいのを釣らせようとしないのはちょっと残念ポイントだけど、もう一本ロッドを買って…という事を考えると間違いともいえない範囲。
これならそうねぇ、この辺りのブリを釣り上げるなら腕次第になるけどやってやれなくはないし、アジとカマスを釣るためのサビキかミノー、それと針を買い足すだけでも行けるかな?バッカンはある?」
「バッカンはないです、クーラーもそれほど大きいのは持ってないです」
「んー…まあないならないで釣ったアジとカマスは泳がせ用の針に付け替えている間地面にころがしておけばいいし、無理に買う必要はないから…サビキよりはこっちのシンキングミノーだね、これを堤防の外と内どっちでもいいから軽く投げて巻くだけ、それでカマスが釣れるからまずこれでカマスを1匹しいれる。
そしたらその次はこれ、カン付きのタマン18号、本当は外掛けとかで結んだ方がいいんだけど、切れなきゃなんでもいいからスナップで付け替え、付け替えたらカマスの背中にこうグサッと刺して投げ込んだらあとはドラグを緩めて放置。
ちょっと忙しなくなるけど、スナップでルアーと針を付け替えるだけならそれほど時間はかからないし、酸欠で野絞めになるまではそれなりに時間がかかるから意外と余裕はある。
あまり買い足さないならこの2つだけでいいかな?ロッドは手に持ったままになるだろうけどそれなら吹っ飛ぶ事はないし、カマスが釣れるならそれを追っかけて青物が入ってきている可能性も高いから、ナブラとかボイルが発生してなくても投げてすぐ来る可能性がかなり高い」
「でもスレててルアーにはほぼ反応しない悲しみ、今年の個々の寒ブリは大当たりかつ数がいるぞーってネットを通じて情報が広まるのも善し悪しだね」
「先月だけでも県外から800人は来てるんじゃない?そりゃ魚も警戒するし少なからず数も減るしスレもするしでルアーは絶望的な状態になるよねって。
そんな感じで泳がせをするならこの2つ、確率が低いだけでゼロってわけじゃないから、一応メタルジグとかペンシルを持っていくといいかな?」
「んー…一応泳がせをちょっとやってみるのでこの2つください」
「はいはい、ミノーと針合わせて1300円になりまーす、カマスの付け方がよくわからんって時は泳がせをやってるおっさん連中がいるはずだから、その人に教えて貰うかどうやってるかを見るといいかな?カマスが余ってたら貰える時もあるし」
「とりあえず行ってみてからですね、それでは」
「はーいまいどー」
「んーむ、最後の追い込み的な感じで県外から結構くるねぇ」
「有給とってきてる人もいるし、大きいのを釣った事がない人は今がチャンスでもあるし、さっきの人もそれだろうねー、よし、それじゃあ中古の値付けの続きをするかー」
「今のところ追加は見つかってないから中古が増えることはない…かも?」
「うちは中古も扱ってるだけでリサイクルショップじゃないから無い方がいいんだけどねぇ…」
カヤック
お手軽かつ持ち運びもそこそこ楽で簡単に海や湖に出れるので愛用している人がそれなりにいる
2馬力エンジンなら免許不要で移動も楽、が…転覆防止のフロートをつけてないと横波を受けた時簡単にひっくりかえる、コンパクトではない足こぎの細長いタイプはさらに転覆しやすいので要注意




